
IN & OUT TOUR 2026
2026年9月19日(土)@和光市民文化センター
45周年終了の余韻に浸ることなく
昨年から今年3月まで行われた45周年ツアー。
あれだけ大規模なものを行なったら、しばらくは休むかなと思ってたら。
佐野さん、全然休みません(笑)。
スポークン・ワーズ・ツアーも挟んだ上、9月からまた新たな全国ツアーです。
僕は、事前にセットリストを知った上でライヴに臨みたい派なので、ツアー初日ってあまり好きではないのですが。
でも、初日公演を、地元の埼玉でやるとなったら話は別です。
とりあえず、申し込むしかない。
11月には東京公演があるし、来年3月にはファイナルの東京公演もある。
なので、埼玉公演が獲れなかったら、それはそれで、まあいいかなと思ってたのですが、ファンクラブ枠ですんなりと当選してしまいました。
『今、何処』が出た時とか『HAYABUSA JET』が出た時のように、新作を引っ提げてというわけではないので、どんなセットリストになるのか、予想が付きません。
コヨーテ楽曲が中心になるのか、それとも昔の曲を多くやるのか。
昔の曲をやると言っても、『HAYABUSA JET』の例があるので、再定義うんぬんはどうなってくるのか。
ツアー直前には、コメント映像が公開されて。
メンバーの藤田さんは「コヨーテに入る前にライヴで観て1番感動した曲を初めて演奏する」。
高桑さんは「初めてやる曲を、やっと出来ると思って楽しみ」。
こんな風に発言していて、それが何の曲なのか興味津々。
はたしてそれらは、元春クラシックスなのか、それともコヨーテ楽曲なのか。
昨年の『ミュージック・マガジン 4月号』の佐野元春特集でのインタビュー記事で、高桑さんがライヴでやりたい曲を挙げているから、それではないかと指摘する声がSNS上で盛り上がってましたが。
そんなわけなので、ライヴの予習もし辛く、とりあえず、コヨーテ名義で出したアルバムをひと通り聴いただけでライヴを迎えることとなりました。
ライヴ当日。会場へ
ライヴ当日は曇り。
関東には台風が接近していて、開催が心配されたのですが、なんとかこの日はOK。
雨は多少パラつきましたが、傘は使わずに済みました。
会場は初めて行く場所。
同じ埼玉と言っても、僕は北部なので、和光ってどの辺にあるのかも知らないくらいでしたから。
でも、池袋から近い場所にあるということで、それなら交通の便的にも行きやすいなと。
和光市駅からは、徒歩で15分もかからないところ。
駅からずっと真っ直ぐ歩いて、ちょっと右に曲がれば会場なので、とてもわかりやすかったです。
開場時間は16時ということで、僕が着いた時は、入場が始まったばかりくらいの時間だったのですが。
Tシャツ付きのチケットを持っている方の列の方が長かったですね。
初日だから、Tシャツを求める方が多かったのか。
それとも、Tシャツ無しの列の方が入場に時間がかからずサクサク進んでたからなのか。
僕はTシャツ無しなので、すんなり入場出来ました。
Xでお世話になってるフォロワーさんがきっと来るんじゃないかと思って、トイレの前で探してみたら、すんなりと会えました。
目的も果たせたので良かったです。
僕の席は、1階5列3番。
埼玉公演の参加は4回目になると思うのですが、いちばん前目の列です。
ファンクラブに入ってからも、いちばん良い席かもしれません。
3番なので、フロアの左端のエリアですが、通路も近いしステージも近い。
なんの文句もありません。
ライヴのスタート
開演時間の17時を5分過ぎ、場内暗転。
スクリーンに波の映像が流れる中、メンバーと佐野さんが登場。
01. ナポレオンフィッシュと泳ぐ日
02. トゥナイト
03. 月と専制君主
04. コンプリケイション・シェイクダウン
05. 訪問者たち
06. 太陽
07. ヤァ!ソウルボーイ
08. ワイルド・ハーツ -冒険者たち
09. 新しい航海
10. レイン・ガール
11. 吠える
(Intermission)
12. 禅ビート
13. 少年は知っている
14. バイ・ザ・シー
15. シグナル
16. 世界は慈悲を待っている
17. コヨーテ、海へ
18. La Vita è Bella
19. 純恋(すみれ)
20. エンタテイメント!
21. Youngbloods
22. つまらない大人にはなりたくない
23. ロックンロール・ナイト
24. 明日の誓い
25. 約束の橋
(Encore)
26. 悲しきレイディオ
27. スターダスト・キッズ
28. アンジェリーナ
「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」。
佐野さんはいつもの革ジャンに、赤のストラト・ギターという姿。
藤田さんはサングラスをかけていましたね。
華々しいサウンドでの幕開けに、冒頭からジャンプしながらの手拍子。
佐野さんが「ヘイ!」と掛け声を掛けてから、ラップ・パートに突入したのがカッコ良かったです。
スクリーンには当時のMVなのかな?僕は初めて観たんですが、若き佐野さんの姿が。
気分は高揚、歌詞にもある通り、まさにグッド・ナイトだなと。
「トゥナイト」。
スクリーンにはタイプライターの映像。
『VISITORS』は革新的なアルバムですが、この曲は淡々と仕事をこなすイメージなんですよね。
生で聴くと、ますますそんな気が。
上記の雑誌で高桑さんが挙げてた曲がコレでした。
演奏したかった曲というのはやはりコレだったみたいですね。
よって、コヨーテ・バンドでは初演奏だと思うのですが、アレンジ的にはオリジナルと大きく異なる感じはしなかったので、特に再定義したわけではないのかな。
MC。
「どうもありがとう」
「IN & OUT ツアー初日」
「とても楽しみにしてました」
「遠くから来てくれた方たちも多いと思います」
「雨が心配でしたが、なんとか持ちました」
「僕らの気分も上がってます!」
「月と専制君主」。
佐野さんは、今回のツアーから使用されることになったという、マーティン製の黒のアコギを弾いていました。
ハートランドでもホーボーキング・バンドでもやったこの曲。
潜水艦で深海を巡っているような優雅な心地がしました。
コヨーテ・バンド・ヴァージョンは優しさに溢れてました。
でも、深海をイメージしたけれど、「♪ 川は流れ」と歌ってますね(笑)。
「♪ トゥッ、トゥッ、トゥットゥル」というコーラスのパートからミラーボールが回り出しました。
佐野さんが弾くアコギの音がよく聴こえて、さすが新楽器と思ったのですが、これは席が良かったからですかね。
MC。
「どうもありがとう」
「今夜、一緒に演奏してくれるのは、ザ・コヨーテ・バンド!」
「この1年は、45周年ということで、活動も充実してました」
「リリースした2枚のHAYABUSA JET、お陰様でとても評判が良かったです」
「それでは、そこに入れたかったけれど、入らなかった曲を演奏したいと思います」
「コンプリケイション・シェイクダウン」。
佐野さんはキーボード卓に座って歌います。
やはり、この曲はカッコいい!痺れる!
発表当時はかなりセンセーショナルな曲だったと思うのですが、今やもう佐野さんも慣れた感じ。
先駆者としての余裕がありました。
現代のラップと言っても充分通用するカッコよさです。
藤田さんがギター・ソロを入れたのは意外な展開でしたね。
佐野さんは時折、目を瞑りながらタンバリンを振っていました。
『HAYABUSA JET』に入れたかったということは、今回のアレンジは再定義した上でのものなんですかね。
コヨーテ・バンドでは、2021年のZepp Tourでも演奏していて、その時、僕も聴いてましたが、そこから大きく変わったような印象は受けませんでした。
強いて言うならば、オリジナルはホットだったけれど、今回はクールの度合いが強かったというところでしょうか。
「訪問者たち」。
佐野さんは黒アコギ。
スクリーンには高層ビルの街並み。
もちろんニューヨーク。
部屋にはクラッシュのポスター。
そして、ラジカセ。
きっと80年代。
佐野さんのニューヨークの部屋はこんな感じだったのかなと思わせます。
でも、「♪ This is a story about you」と歌っていて。
そうか、これは僕の歌なのか、と。
佐野さんに限った話ではなく、誰しもが訪問者になるんだ。
「太陽」。
佐野さんはキーボード卓に座って。
カーン!カーン!カーン!と響くピアノの音が印象的なグルーヴが、会場をダンス・フロアにします。
ガンガンに踊りまくると言うより、ちょっと小粋に身体を揺らすくらいがちょうどいい。
佐野さんはDJのごとく、時折、手拍子を煽ります。
「♪ 夢見ることは誰にも止められない」
そう歌いながら、スクリーンには泣いてる太陽。
終盤、「♪ 夢を見る力をもっと」のリフレインでトランス状態。
MC。
「みんな、いい感じ?」
「今夜集まってきてくれた人の中には、80年代、90年代のレコードを聴いてくれた人も多いと思います」
「90年代に出たアルバム、FRUITS」
「とっても気に入ってます」
「今年、それが30周年で、記念盤を作ってます」
「年末にはリリースできると思います」
「そのFRUITSから」
「ヤァ!ソウルボーイ!」
「ヤァ!ソウルボーイ」。
佐野さんは赤のストラト。
流れる汗も爽やかな感じ、それがソウルボーイ。
FRUITSを象徴するように、フレッシュで、鮮やかで。
藤田さんが印象的なリフのようなフレーズを弾いて、深沼さんがギター・ソロ。
深沼さんの2回目のソロの後、藤田さんのソロへとバトン・タッチする構成。
そんなギタリスト2人のプレイの後ろで、佐野さんと高桑さんが寄り添っているのが微笑ましかった。
最後に佐野さんが「アイム・ソウルボーイ!」と叫びました。
「ワイルド・ハーツ -冒険者たち」。
颯爽と車でドライブしている気分。
「仕事で」と歌われているけれど、休日の自由な気分を感じるんですよね。
「♪ 誰かがどこかで」というパートで唸りを上げるビートがたまらない。
原曲で印象的だったホーンの音色も、ちゃんと聴こえました。
「♪ ヘヘイ、ヘイ」と、思わず大合唱。
「新しい航海」。
スクリーンには、オレンジ色のダウン・ジャケットを着た異星人が歩く映像。印象的ですよね。
佐野さんは黒のグレッチに持ち替えてます。
「♪ 今までの夢はまぼろし」に、力が入ります。
藤田さんがギター・ソロ。
フロアの左端に位置する僕の座席からだと、藤田さんは目の前なので、ソロの間は特に燃えましたね。
「♪ 悲しげに生きるより眠りたい」と言いながらも、「♪ ガレキの中に 荒地の中に」とリフレインしていくことで、やっぱり希望を見い出していきます。
終盤は佐野さんの鮮やかなハーモニカ・ソロ。
MC。
「東京は、ここんところ、雨・雨・雨!」
「滅入っちゃう」
「そんな気分を吹き飛ばすように、あの娘だけは待っていてくれる」
「僕のレイン・ガール!」
「レイン・ガール」。
佐野さんは赤のストラト。
コヨーテの演奏はシンプルなサウンドなんですが、特にキーボードの音色が雨の雫を連想させていましたね。
レイン・ガールって、どんな女の子なんだろう?と、いつも思います。
「♪ いつか君と少しだけ話したい」と歌ってるので、憧れてはいるけれど、決して手の届かないものの象徴のような気がします。
最後は、「♪ ラララララ~、ラ~ラ~」と合唱しながら、頭上で手拍子をして熱くなります。
「吠える」。
とにかく、ワイルドな演奏。
「ハッピーマン」から大きく姿を変え、ギター・バンドとしてのコヨーテの魅力をフル回転させたロックンロール・ブギ。
「ハッピーマン」も大好きだったけれど、この「吠える」も、これはこれで別物で大好き。
深沼さんのギター・ソロを、並んで見守る佐野さんと藤田さんの構図が好き。
スクリーンの映像は色鮮やかなポップアートで、気分も上がります。
ここぞというところで爆裂する藤田さんのギター・ソロ。
終盤は、「♪ 吠えろ!吠えろ!」と無心の表情でリフレインする佐野さん。
『HAYABUSA JET II』を聴いた時から予感はありましたが、この曲はライヴの定番曲になりそうですね。
心がホットになる曲です。
「それではここで、インターミッションを挟んで、今夜のライヴは二部構成」
「僕らはまた20分後に戻ってきます」
45周年記念とか、ロッキン・クリスマスとか、特別感のあるライヴでは自然な流れでしたが。
それでは今回のツアーではどうなるのかと思ってましたが、やっぱりありました、休憩時間。
これから、佐野さんのライヴでは、休憩時間はマストになりそうですね。
45周年ツアーと違って、合間のVTR放映などは無し。
ホントに休憩でした。
22分後、ようやく休憩時間終了。
メンバーと共に、小走りでステージに現れた佐野さん。
「禅ビート」。
佐野さんはグレーのジャケットに着替えてました。
黒のグレッチを抱えると、ノイジーな音が聴こえだして、すぐにこの曲だとわかりました。
良い意味でラフな演奏のコヨーテ。
深沼さんのギター・ソロを聴きながら、禅とは?と考えてしまいました。
そういえば、藤田さんは再登場後はサングラスを外してましたね。
「少年は知っている」。
『ENTERTAINMENT!』は素晴らしいアルバムでしたが、直後に大名盤『今、何処』が出てしまったために、少し忘れられがちな作品になってしまってるのが残念です。
そこからの、水飛沫が眩しいビート・ナンバー。
「♪ Boys 今すぐにジャンプ」
「♪ 心配するな 大丈夫だよ」
この不安定な時代でも、佐野さんは、いつも安心させるようなことを言ってくれます。
ボーイズ、キッズに向けて歌っているのでしょうが、おっさんにも刺さりますよ(笑)。
ラストで、佐野さんと深沼さんが笑い合ってたのが印象的でした。
MC。
「今夜はツアー初日」
「この大事な夜を、皆さんと一緒に過ごせてとても嬉しいです」
「ここは和光」
「初めまして、の場所です」
「とても楽しみにしてました」
「バイ・ザ・シー」。
クールなピアノとパーカッションのイントロ。
佐野さんはスタンド・マイクで、マラカス2本を振りながら歌います。
「♪ 世の中は不公平だ」と言いながら、なんとか生活を充実させようと努力する大人の姿が見えてきます。
ラテンのリズムに乗って、流れるような美メロにウットリ。
大きな見どころの1つ、ソロ演奏のリレーは、深沼さんのギター、渡辺さんのピアノ、藤田さんのワウの聴いたギター、渡辺さんのオルガンの順番。
それにしても、佐野さんのマラカスの音がよく聴こえるなと思ったら、よく見たら、高桑さんの横で、ギロを演奏してる人がいました。
マラカスじゃなくてギロの音だったのか!
でも、この人、誰?いつからいた?
これまでの曲でも出てた?
暗くてよく観えないけど、スパムさんじゃないよね??
この曲が終わったら、いなくなっちゃいましたけど。
MC。
「どうもありがとう」
「報告があります」
「今、コヨーテ・バンドは新作をレコーディング中」
「気長に待っててください」
「そして、このツアー」
「皆さんにプレゼントがあります」
「レコーディングしている中から、新しい曲を演奏したいと思います」
「来月の早いうちにリリースしたいと思ってます」
「タイトルは、シグナル」
「シグナル」。
初めはバラードかと思うギターのイントロから、グッとスピード・アップ!
明るくも、決して浮ついてないビートがコヨーテらしい。
「♪ 自由と平等 飽きてしまって」というような歌詞が聴き取れました。
全体を通しての歌詞はわかりませんが、明るい希望と未来が見えるサウンド。
深沼さんと藤田さん、それぞれのギター・ソロもあって、構成としても聴きどころ充分。
ポップだけど、派手過ぎなくて、とっても良い感じ。
とにかくワクワクするビートは、新作が『今、何処』とはまた違う次元へ向かっていることを予感させました。
「世界は慈悲を待っている」。
佐野さんはスタンド・マイクでタンバリンを叩きながら歌います。
穏やかながらもポップなビート。
コヨーテ・バンドの真骨頂。
「♪ GRACE!」
「♪ 開け放ってくれ」
頑なだった心も、段々と解放されていくようです。
「カモン!カモン!」とシャウトして、佐野さん、深沼さん、藤田さんがステージ前方へ。
佐野さんはキーボード卓に座り、観客にも「座って」という仕草をしました。
「コヨーテ、海へ」。
スクリーンには佐野さんの後ろ姿の映像。
歌詞が下から上へとスクロールされていきます。
それを見ながら、じっと聴き入ります。
「♪ 目指せよ 海へ」
佐野さんの声は、枯れてはいるんだけれど、高音がとても良く出ていました。
「♪ 勝利あるのみ Show Real」
落ち着いて、深みのある演奏。
今だからこそ、心に響く声。
素晴らしいパフォーマンスでした。
間違いなく、今回のライヴのハイライトの1つだと思います。
以前は、印象的ではあったけれど、ちょっと長めだし、あまり好きではなかった曲だったのですが、こんなのを観せられたら。
すっかり大好きになってしまいました。
DVD『佐野元春 COYOTE 2009.7.26 LIVE AT ZEPP TOKYO』に収録されてましたが、演奏するのはそれ以来?
だとしたら、藤田さんが加入前に聴いて感動し、演奏したかった曲というのはコレかもしれません。
「La Vita è Bella」。
イントロで、黙々とタンバリンを叩く佐野さん。
そこから、スッとマイクに近づいて「♪ あの日 見た」と歌い出すカッコ良さ!
幸せに包まれるような、ポップなサウンドとメロディ。
徐々に力が入ってきての佐野さん、スタンドからガッとマイクを引き抜いて、「♪ きっともっと 感じてもいいだろう」と歌いながら歩き出した姿に惚れ直します。
観客の大きな手拍子を受けながら、ラストは佐野さん、深沼さん、藤田さん、高桑さんの4人がステージ前方へ。
「純恋(すみれ)」。
ステージ上はピンク色の照明になり、ポーズを決める佐野さんに白色のスポットライトが当たる、お馴染みの光景。
つぶやくように歌われる前半から、「♪ 恋におちればもう」と開放感たっぷりに歌われるサビ。
「♪ 夜空の星に そっと導かれて」のパートでは、観客が空を指差します。
間奏での観客の手拍子の嵐に、「グッド!」という意味でサムズ・アップする佐野さん。
そして、佐野さんのセリフが入ると、ミラーボールが回り出して。
スクリーンには、スキンヘッドのおじさんと佐野さんが前衛ダンスをする映像が再び。
ラストは「♪ この心は闇にさまようだけぇぇぇぇぇ~」と、渾身のシャウト。
この曲は今まで、ロマンチックな曲だと思ってたけど、それだけじゃなくて、初めて、「ロックな曲だ」と感じました。
MC。
「みんな、いい感じ?」
「もっとロックしよう!」
「エンタテイメント!」
「エンタテイメント!」。
佐野さんはエピフォン風ローズウッドのギブソンのセミアコをかき鳴らします。
この畳み掛けるような爆裂ビートには、何も考えずに身を委ねるのが正解。
ギタリスト2人がステージ前方へ。
ロックンロールのライヴっていいよね、気持ちいいよねと心から思う。
まさに、エンターテインメントの力。
ここで、スクリーン映像がフライングして、次の曲がわかってしまった(笑)。
「Youngbloods」。
佐野さんはジャズマスターで、クールなビートを先導します。
「♪ 鋼鉄のようなWisdom」のところのファンキーなギターにゾクゾクします。
冷たい風に吹かれても立ち向かっていくような、勇気が湧いてきます。
「つまらない大人にはなりたくない」。
『HAYABUSA JET』を象徴する曲の連発で。
「♪ Hello city lights」のパートでは、半分以上のお客さんがパン・パパンと手拍子を打ってるように感じました。
「ガラスのジェネレーション」の跳ねたリズムなら、その手拍子はとても合ってたと思うのですが、再定義されたアレンジでは、ドドドドドドドドドと一定速度で唸るビートに変わっています。
そこにパン・パパンという手拍子を合わせようとすると、忙しなくてムリヤリっぽく感じるので、僕は手拍子はしません。
だから、他の人もしない方がいいのにとは思いますが、昔からのファンの方は、この曲では手拍子するのが身に染みてるのでしょうし、楽しみなんでしょうから、止めろとは言えません。
ああしろこうしろと、好みを押し付けるのが、まさにつまらない大人ですからね。
そんな風にはなりたくない。
「ロックンロール・ナイト」。
まさか、今回のツアーでこの曲が聴けるとは思ってませんでした。
大作なので、特別なライヴでしか歌わないイメージがありましたけど、実は定番曲と言ってもいい?
佐野さんは黒のアコギ。
「♪ ロックンロールナイッ、ロックンロールナイッ、オオ、今夜こそっ」は合唱しながら拳を突き上げ、力が入ります。
「♪ たどりつきたぁいぃぃぃぃぃ」と、いつもより長いシャウトをぶちかます佐野さんに拍手。
その後の「♪ ウォォォォォ、ウォォォォォ~!」というシャウトには大歓声。
一瞬の静寂の後、「♪ 街のブルーバード」という歌いだしを、ドラムの小松さんと共に入るタイミングを合わせる姿がスリリング。
そして、「♪ ずっとさっきから街路樹に車を止めて」と、一気に語り倒していくパート。
徐々に、徐々にエネルギーが溜まっていって、「♪ どんな答えが待ってるのか」の後。
火山が一気に噴火するかのような「♪ ハァァァァァァァァァ~!!」という、大きなシャウト。
めっちゃくちゃ声が出てました。
歳を取った今でも、こんなシャウトが出来るなんて。
むしろ、若い時よりも手を抜いてない、渾身のシャウトが炸裂。
痺れます。
聴き惚れます。
ゾクゾクします。
このパフォーマンスは、何度味わってもいいものですね。
全体的に夕暮れ的な照明だったのも印象的でした。
「明日の誓い」。
佐野さんはジャズマスター。
前曲の爆発から、やや冷静になって。
それでも、なんだか頭の中が真っ白になってました。
クールダウンするには丁度いいのかもしれません。
これからの未来に不安なんて無い。
仄かな希望は確信に変わり、心は安定していくのです。
MC。
「嬉しいです。ありがとう」
「ここのところ、コヨーテ・バンドはとてもクリエイティブな動きをしています」
「個人的には、今の時代、とてもエキサイティングだと思っています」
「テクノロジーが進化していく中、心に響くロックを鳴らし続けたいと思ってます」
「それでは、ファンの皆さんに感謝を込めて、次の曲を演奏します」
「約束の橋」
「約束の橋」。
佐野さんは赤のストラト。
もうここまで来ると、希望しか見えない。
だって、佐野さんが何度も「間違いじゃない」と言ってくれるんですから。
途中の「♪ ラララララ」を促す佐野さん。
そして、ラストの「♪ ラララ~ラ~ラ~、ラ~ラ~ラ~ララ」は、佐野さんが促さずとも大合唱になりました。
会場がひとつになり、感動する瞬間です。
そして、最後に「ヘイ!ヘイ!」と気合いの合いの手を入れてフィニッシュ。
「嬉しいです」
「ギター、深沼元昭」
「ベース、高桑圭...おととい誕生日でした」
「ドラム、小松シゲル」
「キーボード、渡辺シュンスケ」
「ギター、藤田顕」
「ザ・コヨーテ・バンド!」
ここで本編終了。
僅かに間を置いて、アンコール。
佐野さんはジャケットを脱いでいて、黒のシャツ姿。
「アンコール、ありがとう」
「嬉しいです」
「悲しきレイディオ」。
曲が始まる前、佐野さんが渡辺さんに合図を出したか見そびれました(泣)。
でも、冒頭から、ピアノのリズムに合わせて「ヘイ!ヘイ!」と気合いの大合唱。
佐野さんは赤のストラト。
疾走感溢れるナンバーは、一気に駆け抜けていきます。
サビは「♪ レイディオ!レイディオ!」と、拳を突き上げながら大合唱。
「♪ 心はいつでもオーバーヒート」と歌った後、ステージ前方へ走り出した佐野さん、昔のようにそのままスライディングするんじゃないか?という勢いでした。
膝の心配があるので、もちろんやりませんでしたけど。
でも、それだけノッてるというのが伝わってきました。
「この素晴らしい埼玉の夜!」で大歓声。
佐野さんがステージ袖のスタッフに向かって、「ハーモニカを持って来て」と指示するような仕草。
すぐさまスタッフが駆け付けます。
となると、次はあの曲だな。
「スターダスト・キッズ」。
佐野さんのハーモニカが高らかに響けば、テンションもMAX。観客も飛び上がって喜んでるように思えます。
佐野さんが煽るように「♪ この街のノイズに」と言えば、「♪ 乾杯!」と大声で応える観客。
サビで「♪ Ah Little darling I came for you」と歌われるところは、ビートが滑り落ちて来るよう。
間奏では、佐野さんは両手を頭上で組んで、フニフニと腰をくゆらせるダンス。
「♪ 泣いてるのは誰」のところでは、涙を表す仕草をする佐野さん。
演奏が終わって、客席からは拍手の嵐でしたが。
佐野さんは観客にもっと大きくとでも言うように煽りました。
「アンジェリーナ」。
ドライブするギターのイントロで、恒例のこの曲。
弾むような、流れるような。
言葉が心地良くビートに乗って。
「♪ Oh アンジェリーナ 君はバレリーナ」と大合唱。
そして、サビ前には、佐野さんが「Go Go Go!」と煽って。
「♪ 今夜も愛を探して」と、拳を突き上げながら、観客全員、力を振り絞っての大合唱。
いつも通り、大盛り上がり。
ああ、凄い曲がデビュー曲だったんだなと実感します。
ラストは、深沼さん、藤田さん、高桑さんがステージ前方へ出て来ていて、佐野さんは小松さんのドラム・セットの前で寄り添って、ライヴが終了するのを噛みしめているようでした。
「凄いな、和光」
「ギター、深沼元昭」
「ベース、高桑圭」
「ドラム、小松シゲル」
「キーボード、渡辺シュンスケ」
「ギター、藤田顕」
「ザ・コヨーテ・バンド!」
「和光の皆さん、嬉しいです」
「初日はいつも何かが起こりますけれども」
「温かく迎えてくれて、ありがたく思ってます」
「皆さんにもらった、いいヴァイブスを持って、全国を周ってきます!」
ライヴ終了は、19時46分でした。
新たな旅がどこへ向かうのか期待
なんていうか、目がシャキッと醒めるようなライヴでした。
45周年ツアーとは明らかに違う空気を感じました。
新鮮さと戸惑いのこんな気分、久し振りでした。
元春クラシックス、コヨーテ楽曲、再定義曲、新曲と、あらゆる波に乗っていって、いつの時代にいるのかわからなくなった後、ふと強烈に現在を認識させられる感じ。
何が飛び出すのかわからない前半から、「コヨーテ、海へ」の後は定番曲が並んでた印象。
いろんなものを取り入れて、整理したものを並べて出す。
IN & OUT TOURの意味するところが、なんとなくですが、わかったような気もしました。
それにしても、佐野さん、声めっちゃ出てました。
強烈なシャウトがこんなに堪能出来るなんて、思ってませんでした。
何より、佐野さんもコヨーテたちも楽しそうだったのが印象的。
デビュー45周年、コヨーテ・バンド20周年で一旦区切りを付けて。
ここから、佐野さんの新しい旅がまた始まった。
新曲も、とってもとっても良い感じでした。
これからライヴを観に行かれる全国の皆さん、期待して待っててください!
※ MCの内容は、ライヴ中にメモしたことと記憶を基に、このような主旨のことを言っていたなという感じで構成したものなので、語尾はもちろん表現の仕方など、必ずしも発言した通りのものではないということをご了承ください。


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