佐野元春 Live@大阪城ホール 2021.4.4 感想

ヤァ!40年目の城ホール

2021年4月4日(日)@大阪城ホール

武道館の心残り

とにかく、先日の武道館公演は感動しました。

その感動が冷めやらぬ中、ああ、4月には大阪でやるんだよなとボンヤリ考えていました。
武道館公演は感動したものの、唯一、心残りがあって、それは、佐野さんの曲の中で1番好きと言ってもいい「ヤングブラッズ」が聴けなかった事でした。40周年記念のライヴなんだから、絶対やってくれるだろうと期待していったのに、やってくれなかった。それがショックでショックで。
今、佐野さんはCOYOTE BANDと共に活動してるわけで、今後も、ライヴでCOYOTE楽曲を聴ける機会は多そうですが、COYOTE BANDには、サックス・プレイヤーがいないわけだから、「ヤングブラッズ」とか「サムデイ」とか、サックスがキモになるような元春クラシックの楽曲は、今回のCOYOTE GRAND ROCKESTRAのように、メンバーを増員するようなライヴでないと、聴ける機会はないのではないか。
となると、メンバーを増員するようなライヴというと、記念的なライヴの時なのでしょうから、次は45周年記念ライヴの時?となると佐野さん70歳?ヒエ~ッ。
そう考えると、僕が「ヤングブラッズ」を生で聴ける機会は相当先になるんじゃないか、それよりもなによりも、そんな日が来るのだろうかと不安になって。

大阪行きを決意

そんな事を考えていたら。
今回の40周年記念ライヴは、東京と大阪の2回だけ。
もしかしたら、セットリストをガラッと変えてくる可能性もあるなあ、という気がしてきました。
いや、ガラッと変えないまでも、何曲かは変えて、もしかしたら、「ヤングブラッズ」をやるかもしれない。
そう考えたら、突如、「大阪公演観に行ってみたい」という気持ちが沸き起こってきました。
今回の公演は、日曜開催という事だからなのか、それともコロナ禍での開催だからかなのかはわかりませんが、開演時間が17時と早いのです。それで、武道館公演は20時前に終わってました。大阪公演も20時に終わるとしたら、日帰りで行けるという事はないか?と思いつきました。
会場の大阪城ホールがどこにあるのか、新幹線が止まる新大阪駅から近い場所にあるのかもわからなかったので、調べてみたら、意外と近い事がわかり。
それで、Yahooで路線検索してみたら、ライヴが20時までに終わって、20時13分の大阪城公園駅発の電車に乗り、20時48分発の新幹線に乗れれば、日帰りで我が家まで帰ってくる事が可能だとわかりました。
泊まりでホテル代までかかるとなると、遠征する気にはならなかったでしょうが、日帰り可能とわかれば話は別です。
新幹線代がかかるのは痛いですが、それでも、もしかしたらセットリストが違うかも、「ヤングブラッズ」をやってくれるかもと思ったら、居ても立っても居られませんでした。
出費はかかるけれど、これはきっといい経験になる、行ってみたい、と思う様になりました。

12月のライヴの時も、大阪公演のチケットは余ってたので、今回もチケットを獲るのは大丈夫だろうと思いました。
武道館公演と違って、Tシャツ付きチケットだけでなく、11000円のチケットのみの発売があったのも助かりました。既にTシャツはGETしてあるしね、チケット代が少しでも安く済むに越したことはありません。
武道館公演からわずか1週間後、一般発売にて、チケットを獲る事が出来ました。
チケットぴあ、イープラス、ローソンチケットの3つを比べて、1番いい席が確保できた所で購入しようと思ってたのですが、9時30分の時点でチケットぴあでは取り扱い無しで(その後取り扱い始めたようでしたが)、10時にイープラスに繋げた所、チケットは確保できても、席はどこになるのか発券してみないとわからないシステムだったので、まあ仕方ないかと、そのままイープラスで購入しました。
そして、その日の夕方には、隣町のJRの駅まで行って、新幹線のチケットを購入。
優柔不断の僕にしては、早い対応でした。早くしないと決心が揺らぐからだったかもしれませんが、チケットの一般発売のタイミングとか、悩む間もなくドンピシャだったのが良かったです。

そうやって、1週間前には思いもしなかった大阪行きが決定したわけですが、不安がなかったわけではありません。
その日あたりから、大阪でのコロナの陽性者が増えていって、大阪がクローズ・アップされるようになってきたのです。
そんな真っただ中に大阪に乗り込んでいくのか。
本を読んで勉強しました。
飛沫がかかるほど近い距離で会話をするから感染するのであって、道ですれ違うくらいでは感染などしない。
買い物の時に少しやりとりをするくらいで、基本は誰ともしゃべらず、外食もせず、ライヴ会場でも、他の人との距離をとってあって、大声は出さずに拍手のみ。
なるべく物には触らず、触ったとしても手を洗えばいいし、むやみに口や鼻を触らないようにすればいい。
一人静かに行って帰ってくるだけ。
それのどこに感染のリスクがあるのか。
それで感染したら、よほど運が悪かったとしか言いようがない。
もちろん、もしもそうなった時の覚悟はする。
けれど、僅かなリスクに怯えて、過剰な自粛などしたくない。
リスクを踏まえたうえで、覚悟を決めた行動を取るのがロックンロールじゃないか。
それが、こんな時にでも、ファンのために、スタッフのために、ライヴを行うという決断をした佐野さんからのメッセージではないか。
移動する事自体が悪いのではなくて、移動した先でどんな行動を取るかが重要なんだと思います。
僕は大阪に行く。

ライヴ当日。20年振りの大阪へ

チケットを獲ってから2週間、不安はありつつもあっという間にライヴ当日。
お天気は雨。
空気が乾燥してる時に比べたら、ウイルスも飛ばないので、湿った天気も逆に好都合なのかもしれません。
大阪へ行くのは約20年振りです。
心からウキウキワクワクできないのは残念な所ではありますが。
iPodで佐野さんの音楽を聴きながらの新幹線の2時間半はあっという間でした。

新大阪駅から2回乗り換えで15分ほど、最寄りの大阪城公園駅から大阪城ホールまでは直線で徒歩5分ほどで、とてもアクセスの良い場所でした。
会場には16時頃到着しました。
今回もまた来場者情報シートに記入してから入場です。

僕の席はスタンドE 15列35番。
ステージは真正面に見えますが、1番遠く、後ろの方です。
でも、思ってたほど、ステージが遠いという感じはしませんでした。想像してたより近い。
それに何より、今回も通路側の席というのがありがたかったです。運がいい。イープラスで買って良かった。

ライヴの始まり

開演時間の17時を5分ほど過ぎ、ライヴは始まりました。

01. ジュジュ
02. ナポレオンフィッシュと泳ぐ日
03. 新しい航海
04. レインガール
05. ダウンタウンボーイ
06. レインボー・イン・マイ・ソウル
07. ハートビート
08. ワイルドハーツ
09. 愛が分母
10. 合言葉 – Save It for a Sunny Day
11. ヤァ!ソウルボーイ
12. ロックンロール・ナイト
13. ヤング・フォーエバー
14. 朽ちたスズラン
15. 禅ビート
16. ポーラスタア
17. バイ・ザ・シー
18. 東京スカイライン
19. La Vita é Bella
20. エンタテイメント!
21. 純恋(すみれ)
22. 誰かの神
23. 空港待合室
24. 優しい闇
25. ニューエイジ
26. 悲しきレイディオ
27. ヤングブラッズ
28. サムデイ
29. アンジェリーナ
(Encore)
30. 約束の橋

武道館とセットリストをガラリと変えてくるとするならば、1曲目から違うだろうと予測していたので、「ジュジュ」が始まった時は、少しガッカリしました。ああこれはほとんど武道館と同じだな、と確信しましたので。
しかしこの「ジュジュ」、武道館で聴いた時は、高速ビートのロックンロール・ヴァージョンになってると思いましたが、よく聴いてみると、シャッフル・ビートですね。『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』ヴァージョンではなくて、『月と専制君主』ヴァージョンに近い感じ。あれをもっとテンポ速めたような。
心なしか、武道館で聴いたのと、またちょっと違う感じがしました。

「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」は、とにかく華やかですね。パアッと気分が高揚し、華々しいショウが幕を開けたんだなという実感がしました。
「♪ 聖者が来ないと不満を告げてる エレクトリックギター」の後の藤田さんのギターの吠えはエクスタシーでした。

「新しい航海」
『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』収録曲の3連発です。
終盤の「♪ ガレキの中に 荒れ地の中に」は力強いです。
そして、エンディングでは佐野さんがハーモニカを吹きました。

「レインガール」は、じわりといい感じのビート。
ワルツにアレンジしたヴァージョンもありましたが、これくらいのビートの方が心地良いです。
終盤の「♪ ラララララララ」も胸に来ます。

「ダウンタウンボーイ」は、イントロで藤田さんのスライド・ギターが聴けたのには驚き、嬉しかったです。武道館の時は、スライド・ギターではなくて、ホーン・アレンジだったのですが、変えてきましたね。この曲のキモは随所で聴かれるスライド・ギターだと思ってるので、これは良かったです。
それにしても、「♪ Boyfriend Girlfriend 大切なMy friend あの輝きはかえらない いつまでもお前にキスしていたいのに」の所はホントに気持ちを持っていかれますね。胸にグイグイ来ます。

「僕の心に虹がかかっている」と紹介しての「レインボー・イン・マイ・ソウル」
ほんわかしているんだけど、何故だか胸が熱くなる。そんな曲です。
ラストで、客席に向かって佐野さんが「レインボー・イン・ユア・ソウル!」と叫ぶ所が好きです。

「ハートビート」が始まった時の、観客の反応、拍手の多さにビックリしました。古くからのファンには人気あるんですね。「おお、あの曲をやってくれるのか!」といった驚きが含まれているのかもしれません。
「♪ そしてかすかに聞こえてくる トワイライト・ミュージック」の後に西村さんがトランペットを控えめに吹いたのが印象的。
そして、エンディングでの佐野さんによる長いハーモニカ・ソロが圧巻でした。

前曲でいい意味で重くなってた空気を一気に吹き払うかのような「ワイルドハーツ」
「♪ ラジオに流れるサキソフォン」の後の山本さんのサックスのフレーズは今回も無しでした。残念。

「ちょっと変わったタイトル」と紹介しての「愛が分母」は、とにかく楽しい。
スカのリズムに乗って、キャッチーなサビで「♪ あーいが、ぶんぼっ」と歌うのはとても楽しい。フィニッシュの「♪ Say Yeah!」のハマり具合といい、こんな小声じゃなくて、大声で歌って盛り上がれる日が来たら、どんだけ楽しくなるのか。待ち遠しいです。

COYOTE BANDは、コロナ禍でライヴが出来なかったので、レコーディングしてました、その3曲のうちの1つですと紹介しての「合言葉 – Save It for a Sunny Day」
「♪ 計画はみんな無駄になった でもかまわない まだチャンスはあるよ」という歌詞がスッと耳に入ってきました。
このコロナ禍ならではの楽曲だなと実感。

「ヤァ!ソウルボーイ」
夢見る頃を過ぎてしまっても、もう一度試してみるのさと歌うこの曲。年齢とか関係なく、挑戦する事へ前向きになれる曲です。

「ロックンロール・ナイト」
この曲も楽しみの1つでした。とにかく胸に沁みます。メロディはもとより、ドラマチックな展開に聴き飽きませんし、まず間奏での「Oh、Oh~」のシャウト、そして徐々に徐々に歌を盛り上げていく「♪ どんな答えをみつけるのか どんな答えが待ってるのか」の後の「♪ Haaa~!」のシャウト。
すげえ。やっぱすげえこの曲。すげえ佐野さん、素晴らしすぎる。
この曲は生で聴いてほしい。
何度体験しても、震えるくらいに感動します。
すごかった。

「ヤング・フォーエバー」
KyOnさんが、ギターを抱えてステージ前方で参加するこの曲。12弦なのかなあ、とてもリッケンバッカーらしいリフの音がしていました。
「♪ Young Forever 君のその心若く できるだけ遠くまで翔てゆけ Young Forever」のフレーズは胸が熱くなりますね。この曲を書いたのは、まだ佐野さんは比較的若かった頃ですが、今の佐野さんが歌うと、より説得力を持って聴こえてきます。

ここからは、COYOTE BAND曲のコーナーです。

「朽ちたスズラン」
枯れた味わいのあるこの曲、「♪ 心が通じないひともいるんだよ」の歌詞が印象的でした。

「禅ビート」
重たいビートにサイケなギターが絡むロックンロール。たぶん、佐野さんお気に入りの曲です。

「ポーラスタア」
クールでシビアで引き締まるような前半から、視界が開けたようになるサビの「♪ ほら見上げてごらん 冬の星空 あれはポーラスタア 二人の行方見守るように 瞬きを繰り返している」では、上空を指さして堪能しました。

「バイ・ザ・シー」。大好きな曲の連発はたまりませんね。
冒頭から「♪ 世の中は不公平だ ますますきびしくなっていく」と嘆いてますが、サビでは「♪ 週末は君と街を離れて 海辺のコテージ バイ・ザ・シー」と、水があるべき場所へと流れていくように自然な流れなのが素晴らしいです。
間奏のギター・ソロを藤田さんが弾いて、エンディングでは、深沼さんがギター・ソロ、渡辺さんがピアノ・ソロ、kyOnさんがオルガン・ソロ、山本さんがサックス・ソロとリレーしていくのは何度観ても素晴らしいです。ライヴならではの大きな見所の一つ。

「東京スカイライン」
武道館の時と同じく、ステージ前方に一直線のオレンジ色の照明のラインが光るのが効果的。
この曲は、歌のメロディ自体は地味なのですが、演奏でスケールを大きくしていく感じ。
kyOnさんがマンドリン(かな?)を弾いてたのも印象的でした。

「La Vita é Bella」
優しくもポップで、キラキラしている胸キュン・ソング。
「♪ 君が愛しい 理由はない」は共感するし、「♪ 朝は誰にでも訪れる」のフレーズに、救われたような思いがしました。

愛犬ゾーイくんへの愛情をたっぷり聞かせてくれたうえでの「エンタテイメント!」
思わず前のめりになるビートの、最高のロックンロールな新曲です。
楽しませる事がとにかくエンターテイメントって事ですね。大好きです。

そして、これまた大好きな「純恋(すみれ)」
武道館の時と同じく、演奏が始まった時、ピンク色のライトが、両手を広げてポーズを決める佐野さんを照らしていてカッコいいんです。男性も女性も、この時の佐野さんに惚れない人がいるでしょうか。
胸に手を当てて「♪ 君がいなければ この心は闇にさまようだけ」と佐野さんが歌う、これも胸キュン・ソングと言えるでしょうね。

「誰かの神」
「♪ ある日 聖者を気どっている妙な人に会った」と、独特で風変わりな歌詞だなあと。
サイケなギターがドライヴする、カッコいい曲でもあります。

「空港待合室」
冒頭、「♪ 炎の人に逢った...」とセリフのようにつぶやいたのが印象的でした。
その後はR&Bなブギ。
武道館では、この曲でもkyOnさんがギターを弾いてたように記憶してましたが、kyOnさんはキーボードのままでした。僕の思い違いだったかなあ...。

「優しい闇」
元々はラヴ・ソングなんだろうけど、「♪ 何もかも変わってしまった あれから何もかもが変わってしまった」とか「♪ ひとはあまりに残酷だ 約束の未来なんてどこにもないのに」などのフレーズが、今のご時世を歌っている曲のように聴こえてきました。
それでも決して暗くならず、明るい未来が待っているかのような気分になる不思議な曲です。

これでCOYOTE BAND曲のコーナーが終わり、再び元春クラシックへと戻って、ライヴはクライマックスへ。

「ニューエイジ」
「♪ トゥットゥ、トゥールットゥル」のコーラスに胸が躍りました。
「♪ 数えきれないイタミのキス 星くずみたいに降ってくる」の後の流れ星の効果音には胸が高まります。
その後も「♪ 昔のピンナップはみんな 壁からはがして捨ててしまった」とか、普段、歌詞をあまり気にしない僕でも歌詞を憶えているので、聴いてて爽快。
「♪ 彼女は虚ろなマーマレイド 雨に向かって歩いてゆく」の後に佐野さんが歩くポーズをするのはチャーミング。
「♪ ブルーな恋に落ちてゆく」では、親指を下に向けて、落ちていくポーズ。
サビ前の「フッ!フッ!フッ!フッ!」というフックでは興奮も最高潮。
いやあ、楽しかった。

「80年代から僕の音楽を聴いてくれている人は多いと思います。それでは80年代に戻って」と言っての「悲しきレイディオ」
30周年や35周年ライヴのDVDを観ると、イントロのピアノはkyOnさんが弾いてましたが、今回は渡辺さんが弾いていたのでビックリ。
サビの「♪ レイディオー!レイディオー!」の連呼は一緒に歌うと気持ちがいいし、興奮します。
「♪ 心はいつでもオーバー・ヒート」の後の佐野さんのスライディングは、武道館に引き続き今回も無し。これは残念。あれは痺れるのに。
中盤、スロウになって、「この素晴らしい大阪城ホールの夜!」のシャウトに観客も大拍手。
「♪ こんな夜にぴったりのビートを探して」の後の「♪ ムードもりあがれば」の所を、観客に歌わせるつもりなのかと思うほどの、佐野さんの煽るような歌い方にドキドキしましたが、それもわかったうえでの佐野さんの「♪ ムードもりあがれば」の歌い方には情感がこもっていて感激しました。

武道館公演のセットリストは頭に入っていたので、次はドロロンッとドラムが鳴って「サムデイ」でしょ、と思ってたら、ドラマーの小松さんが「1・2・3・4!」とカウント。
あれ?カウントしてる...「サムデイ」じゃない!このリズムは、もしかして!?
やったあああ!「ヤングブラッズ」だあああ!!
やってくれた、賭けに勝った!大阪まで来てホントに良かった、ありがとう佐野さん!
何度も何度もガッツポーズ。
とにかく、待望の、感激の生「ヤングブラッズ」。
大好きな「♪ 鋼鉄のような Wisdom 輝き続ける Freedom」のフレーズを愛おしく堪能。
「♪ Let’s stay together」からサビの「♪ 冷たい夜にさよなら」の後までのホーン隊の煽りには激しく胸が高まる。
そしてなんと言っても絶頂に至る大サビ「♪ 偽りに沈むこの世界でOh Yeah Oh Yeah 君だけを固く抱きしめていたい、アイヤイアー」のフレーズ。若い頃と違って、今の佐野さんには歌うのは辛そうな所ですが、それでも、力の限りを振り絞って歌い上げてくれる所に感動しました。これが聴きたかっんだ!
そんな感激の中で終盤。
「♪ 心軽やかに Steppin’ Steppin’ out」と歌いながら、佐野さんがバックしていったら、機材に躓いて、仰向けに倒れてしまうアクシデント!
観客席は凍り付いてましたが、演奏は続けられ、山本さんのサックス・ソロへ。
しかし、佐野さん大丈夫か?と、それどころではない感じの客席。
スタッフが駆け寄ってきてサポートして、すぐに佐野さんは起き上がったし、歌パートもほぼ終わっていたので、演奏は止まる事なく最後までフィニッシュ。
演奏が終わると、佐野さんが観客を煽る。どうやら大丈夫という事だ。
開演前に、この日のライヴは収録するとアナウンスがあったし、おそらく武道館公演も収録してたろうから、どちらかの公演がDVDになると思うのだけれど、もし大阪公演の方が選ばれたとしても、こういうアクシデントがあったという事は、この曲はDVDではカットされるかもしれない。まあ、現場にいた身としては、それだけレアな体験をしたとも言えるのだけれど、はてさて。

そんなアクシデントがあり、心がザワついた面はあったものの、基本的には大感動してたので、そんな気分のまま「サムデイ」に突入したのは、さらに輪をかけて心に沁みた、素晴らしい流れ。
僕はこの曲をリアルタイムで経験した世代ではないのに、何故か感じるノスタルジー。
「♪ Happiness & Rest」の所では、パン・パ・パンと拍子を打つ。
2番の 「♪ オー・ダーリン こんな気持ちに揺れてしまうのは 君のせいかもしれないんだぜ」の所が特に好き。
感動して、ボーッとしてたら、既に山本さんのサックス・ソロが終わるところだった。観そびれた。
とにもかくにも、みんなの心が一つになる、ホント名曲だよねーと思う。

本編最後は「アンジェリーナ」
いいデビュー曲だよなと、最近よく思う。
畳み掛けるような歌詞とメロディ。
「♪ ブルル・・・エンジンうならせて」の所や、「くるま」のライム。
言葉とメロディがバシッとフィットしてて、とかく気持ちいい。
「♪ フッと迷ってしまいそうな時でも 二人でいれば大丈夫だぜ」の所では指でVサインを作って「二人」を表すポーズ。
「♪ オー アンジェリーナ 君はバレリーナ」と所と「♪ 今夜も愛をさがして」の連呼の所は拳を突き上げて佐野さんに応える。
佐野さんの赤いストラト・ギターがカッコいい。

アンコールは、もちろん「約束の橋」
武道館の時は、演奏が始まったと同時に、客席の照明が点いたので、「この曲で終わりなんだな」と悟る事が出来たのですが、今回は、演奏が始まっても、客電は点かず。なので、「もしかして、次の曲もあるのか?」とドキドキ。
まあ、流れからいったら、この曲で終わるのが正解なので、エンディング近くになってから客電が点いて「やっぱりな」と思いました。
サビの「♪ 今までの君はまちがいじゃない」は、自分を肯定されているようで、気持ちが前向きになれるし、最後の「♪ ラララララ」は、オーラス感が半端なかったです。


ライヴ終了は19時50分。
新幹線に飛び乗るためのタイムリミットは20時だったので、それより前の終了はありがたかったです。
余裕をもって帰路につく事が出来ました。

武道館を超える感動。わざわざ大阪まで行って良かった

武道館の時は、ステージの横から観る形だったので、近かったのですが、スピーカーから出る音を横から聴いてる感じでもあったので、実は音はあまり良くありませんでした。
でも、今回は、ステージから遠いとはいえ、スピーカーが真正面にあるので、そこから真っすぐダイレクトに音が聴こえてきて、いい感じでした。久々に、ライヴで耳が痛くなるほどでした。

遠くからなので、ステージじゃなくて、設置されたスクリーンを主に観る形になってしまうかなあと思ったのですが、スクリーンは意外に小さく、しかも映ってる映像はアップが少なく、肉眼で見てる姿とほとんど変わらないくらいの大きさのものばかりだったので、ほとんどスクリーンは観てませんでした。

横から観てた武道館の時と違い、今回はステージ全体を俯瞰で観る事が出来ました。
ステージの背後に飾ってあった、タロットカードのSUN、STAR、WORLDの3枚を佐野さんで表した絵。
エピック・ソニー時代の曲を演奏してる時には、SUNとSTARにライトが当たっていて、WORLDは暗くなっていたんです。そしてCOYOTE楽曲を演奏してる時はその逆で、WORLDにライトが当たって、SUNとSTARが暗くなる。
そんな演出にも気付く事が出来ました。

武道館の時は、佐野さんの誕生日だったので、「Happy Birthday, Moto」の文字が映し出されましたが、今回は「40th Anniversary Moto」と映し出されてましたね。

全体が観えたと言えば、今回、COYOTE楽曲をやってる時に、ホーン隊の2人がいつの間にかいなくなってるのに気付きました。
「バイ・ザ・シー」の時はいたはずですから、その後どこかのタイミングで引っ込んでたようです。

ギターの深沼さんと藤田さんは、どちらがリード・ギターと決まってるわけではなく、それぞれに活躍場所がありました。
どちらかと言えば、深沼さんがソロをとる事が多かった気はしますが、藤田さんも美味しいフレーズを弾く場面が多く、COYOTE BANDには、2人ギタリストが必要だなあと改めて思い知らされました。曲の表現力が多彩になります。

ベースの高桑さんは、終始クールに弾いてましたが、「空港待合室」の時だったかな?いつの間にかステージ前方に出てきて佐野さんやギタリスト2人と並んで演奏していたのを見つけた時は熱くなりました。

キーボードは、渡辺さんとkyOnさんの2人ですが、今までに比べて、渡辺さんが主だったパートを演奏するようになってた気がします。
kyOnさんはあくまでサポートに徹するという感じで。kyOnさんは、ギターとか他の楽器も担ってましたからね。

そして、スパムさんのさりげないパーカッションが、リズムに彩りを加えている瞬間を見つけた時も嬉しくなりました。

ロックンロールでもスロウな曲でも、単調になって飽きる事のない、いい感じのビートを刻んでいた小松さんのドラムも重要でした。

それから、山本さんと西村さんのホーン隊。
2人の存在があるからこそ、演奏する事の出来た曲がたくさんあります。ソロもカッコ良かった。このBANDに参加してくれて良かった。

いつもヴォーカリストばっかり注目してて、バック・バンドにはあまり目がいかない僕ですが、COYOTE BANDは、メンバーの名前もバッチリ憶えました。僕にしては珍しい事です。
それだけ、佐野さんの音楽にとって必要なメンバーである事を、僕も無意識のうちに認識したからかもしれません。

佐野さんのMCは、基本的には武道館の時と同じでしたね。
「このパンデミックでわかったのは、国は当てにならない事を目の当たりにしたって感じ!」と叫んだり、重要な曲の時には「詞を知ってる人がいたら、一緒に歌ってください。 ...心の中で」というのをギャグのように連発していて、途中からは客席から笑いが出るようになってました(いいのか?)。
そして、「僕の人生に必要なのは、音楽とライヴ!」と宣言するのも同じで、「このパンデミックの後、どんな世界になるのかわからないけれど、僕は変わらず、僕の音楽をぶち上げたいと思います!」と言ってライヴを締めくくっていました。

佐野さんのヴォーカルは、年齢的にやや苦しくなっている部分もあるのかもしれないけれど、15~20年くらい前のおかしかった時期(僕が感じてるだけ?)を乗り越えて、素晴らしいものでした。
65歳とは思えない、若々しく圧倒的なパフォーマンス。
そして、礼儀正しく、真摯にファンと音楽とに向き合う姿に感銘を受けました。
カッコ良すぎます。

ほぼ同じセットリストのライヴを2回観る意味があるのか。2回も観る事によって、かえってそれぞれの価値が下がってしまうのではないのか?と不安がありましたが、そんな心配は不要でした。
良いものは良い。
感動するものは、何度観ても感動する。
逆に、わかっているからこそ感動する。
感動するとわかっていた事のさらに上をいった感動まで憶えました。

それに、武道館で「ヤングブラッズ」をやらなかった事だけが心残りだとか、「ダウンタウンボーイ」でスライド・ギターが聴きたかったとかいった事を書いた僕のブログを佐野さんが読んで、しっかりとそれに応えてくれたように思えて、とても嬉しかった。

感動した武道館公演を超える事はないかなあと思ってましたが、超えてくれました。
思い通りの、いや、思ってた以上の結果と感動となって、ホント、わざわざ大阪まで行って良かった。決断して良かった、と。

武道館も大阪も、素晴らしいライヴでした。
素晴らしい40周年記念でした。
忘れる事の出来ない体験をありがとうございました。
これからも、ずっと佐野さんを追いかけ続けたいと思います。

このライヴ映像がDVDになりました

40周年を記念して、武道館と大阪城ホールで行われたライヴの映像が、Blu-ray&DVDになりました。
両方の公演の映像が使われています。

佐野さんの代表曲から、現在のCOYOTE BANDの楽曲まで、佐野さんの歴史を振り返ることのできる、素晴らしいライヴ映像が収められたDVDです。

現在の佐野さんのカッコ良さを堪能してください!

『佐野元春 & THE COYOTE GRAND ROCKESTRA 40TH.ANNIVERSARY `YAH!’』 Amazonで見る

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