佐野元春 Live@恵比寿ザ・ガーデンホール 2022.12.19 感想

Rockin’ Christmas 2022

2022年12月19日(月)@恵比寿ザ・ガーデンホール

抽選に申し込むも、直後にまさかの事態

11月中旬、『名盤ライブ』の数日前に、コヨーテ・バンドとして12月19・20日にクリスマス・ライヴが行われる事が発表されました。
僕は12月の仕事の休みの申請は終わっていて、その週は既に1日休みを申請してたものだから、追加で休みを取るのは忍びないなあと思ったら、20日は火曜日で元々仕事が休みの日。
だったらという事で、ライヴの抽選申し込みは20日の一択。

しかし、抽選受け付けが終了した次の日(というか数時間後)に、20日にはBiSHのライヴが行われる事を知りました。
佐野さんとBiSHは、僕の行きたいライヴの最優先アーティスト。
まさかそんな2つのライヴ日が重なったりはしないよなあと、ふと考えた事もありましたが、本当に重なってしまう事になるとは。
でも、佐野さんとBiSH、どちらを取るかと言われたら、もうすぐ解散してしまうBiSHを取るしかありません。
せめてあと1日、BiSHのライヴ開催の発表が早かったら、佐野さんのライヴは19日を選択できたのになあと、歯がゆい思いでした。

こうなったら、佐野さんの抽選にはハズレてくれと願ったのですが、こういう時にはしっかり当選。複雑な思いで当選メールを受け取りました。

幸い、二次抽選があったので、今度は19日の分を申し込んだのですが、それはハズレてしまい呆然。

ならばと一般発売に賭けたのですが、発売日の10時ジャストにアクセスしてみたら、2秒で繋がったのに「予定枚数終了」。
ウソでしょ。
なんで2秒で売り切れるのよ。ホントに一般発売なんてしたのかしら?ほとんどは先行でチケット売り切れてたんじゃないかしら。
『名盤ライブ』は一般発売でもソールドアウトにならなかったから、今回のライヴも一般で獲れると思ってたのに。
まあ、今回の会場はキャパ700人くらいなので、危ないかもとは思ってたけど...。

リセールに賭けようとするも

となると、最後はリセールに賭けるしかありません。
リセールは、チケットが発券可能になってから行われるので、今回はライヴの1週間前。
19日の1週間前という事で、12日の10時にパソコン前で待機でした。
しかし、リセールは、いつ持ち主が売りに出すかわからないので、どういうタイミングで買えるかは運次第。それに、場合によってはリセールを行わないライヴもある。
果たして...。

ちょうど時間にアクセスしてみたのですが、通常だったら表示されるはずの「現在リセールの申し込みは0件です」の表示が出ません。
これはマズイ...。
何時間も粘ったのですが、表示は出てこず。
これはどうやら、今回のライヴは、リセールが行われないらしいと判断せざるをえませんでした。

となると、もうひとつの問題が。
僕が既に持っている20日のチケットをリセールに出そうと思ってたのに、リセールが行われないとなると、困った事になるわけです。
チケットを買ってしまったのは、僕が悪いので、最悪お金が無駄になってしまうのは覚悟はしてたのですが、今回のライヴは即行ソールドアウトだったわけですから、他にもチケット買えなかった人がいるはず。
それなのに、1席空席にしてしまうのはもったいない。チケットを無駄にしたくないなあと思うわけです。

20日の1週間前、13日に発券可能になった訳ですが、やはりリセール可能にはなりませんでした。
これは、動くしかない。
こんな時はどうすればいいかは、いろいろと考えてました。
友人に声かけてみるとかも考えました。
でも、押し売りみたいな事はしたくないし。
ホントに行きたい人に行ってほしい。
それで、Twitterを調べてみたら、チケットが獲れなくてガッカリしてるというツイートをしてる人を見つけました。
でも、チケット・金銭のやり取りをするわけですから、怪しい人や変な人はNGです。
すると、その方は捨てアカでないのはもちろん、個人サイトも運営していて、佐野さんの記事をたくさん書いてらっしゃる。関東圏で行われる佐野さんのライヴにはすべて参加してるようなファンの方で、そんな方が今回はチケット確保できなかったというのは、さぞ無念に思ってる事でしょう。
個人サイトには本名も載せられていて、これならある程度、身元のしっかりした方。
この方なら、チケットを譲るにふさわしい方なんじゃないかと思い、声をかけさせていただきました。
Twitterの方に、その旨のコメントを書き込むと、すぐに返事があり、とんとん拍子で話が進みました。
今回のライヴはファンクラブ枠でも抽選にハズレてチケットが確保できず、諦めていたところだったとの事でした。
なので、僕の申し出は渡りに船みたいな感じだったらしく、無事に、チケットをお譲りする運びに。
こういう形でチケットと金銭のやり取りをするのは初めての事だったので、うまくいくのか心配でしたが、チケットの方は、チケットぴあの分配機能を使ってスムーズにいったし、代金の振り込みもすんなりいきました。
ホント、良い方が見つかりました。極めて運が良かったです。
これで、僕の20日のチケットの問題は解決しました。

諦めきれない思い

それは良かったのですが、やっぱり、19日のライヴに行きたかったなあと。
BiSHを取って佐野さんを捨てた、みたいな感じなのも心苦しくて。
佐野さんのライヴだって、観たかったんだよと。
19日佐野さん、20日BiSHだったら完璧だったなあ、と。
でも、リセールが行われない今回は、もう諦めるしかないのかな、諦めきれないな、との思いでした。
なんとか手立てはないのかなと。

今回のクリスマス・ライヴ。
佐野さんは11月下旬に『名盤ライブ』が終わったばかりだし、深沼さんと高桑さんはLOVE PSYCHEDELICOのツアーに参加してるし、それでもこのクリスマス・ライヴの10日以上前にリハーサルが終了したとの報告があって、あんまり準備期間はなかったんだな、と推測。
となると、セットリストは、最近のコヨーテ・バンドの定番曲で固めてくるだろうから、そんなに大きな期待は出来ないのかな、と思いました。
いつもと同じようなコヨーテ・ライヴなら、観に行けなくてもいいかな...という思いも強くなったのですが、過去のクリスマス・ライヴのセットリストを調べてみると、かなりの割合で「ヤングブラッズ」が演奏されてるんですね。
歌詞中に「♪ この街のNew Year’s Day」とあるので、「ヤングブラッズ」は年末年始ソングなんだなと改めて気付かされました。
大好きな「ヤングブラッズ」はわざわざ大阪まで出掛けた40周年記念ライヴで聴けて、溜飲を下げてはいたのですが、大好きだからこそ、聴ける機会があるのならば、何度でも聴きたい。
今回のクリスマス・ライヴでも披露されるなら、やっぱり観たいと思うし、行けなかったらすごく残念に思うだろう。
やっぱり、なんとかならないのかなと、諦めがつきませんでした。

一縷の望み。最後のチャンス

すると。
ライヴも差し迫ってきた5日前の14日に、立見チケットの追加発売があるとの情報が出ました。
来た、これだ、最後のチャンスだ!
しかし、考えてみたら、キャパ700人の会場の立見エリアになんて、何人入れるというのでしょうか。
数十人でしょう。
今回のように速ソールドアウトとなったライヴだったら、他にもチケットを求めてる人はたくさんいるはず。
一般発売でも獲れなかったのに、僅かな立見チケットが先着で獲れるのか?
まったく自信がありません。
しかも、チケットの発売は普通、10時とか12時なのに、今回は18時だって。なんで?
18時は仕事してる時間。
さらに獲れる気がしません。
しかし、1年前の僕とは違い、今はスマホがあります。
トライするチャンスは出来ました。
今は、そこに僅かな望みを賭けるしかありません。

ドキドキのチケット購入。諦めないで良かった

そして14日の18時。
仕事もひと段落した状態だったので、トイレに駆け込んで。
パスワードを打ち込む時間も減らすために、コピペの準備もして。
18時!
アクセス!
繋がれ!
ドキドキ。
希望日選択。
枚数選択。
パスワード入力。
これで終わりと思ったら、なんと個人情報を入力せよとの指示。
うわああ、めんどくさい!時間かかる!
名前を漢字で入力。
名前をカナで入力。
電話番号を入力。
おわあ、こんなモタモタしてたら、他の人に先越される!
売り切れちゃう!
ドキドキ。
間に合うのかよ。
バクバク。
これでいいのか?
それ行けっ!
.....。
「チケットの申し込みを受け付けました」。
おおお、買えたみたいだぞ!?
やった、獲れた!
トイレで1人、ガッツポーズです。
この間、1分くらいだったと思いますが、スマホの入力に慣れてないので手間取って、長く感じました。
整理番号R4番という事で、早目にチケットが獲れた方みたい。
思ってたよりも競争率低かったのかもしれません。
30分後にもう一度アクセスしてみたら、販売終了になってましたけど。
即行で仕事の休みの申請をしました。

とにかく!
諦めないで良かった。
奇跡が重なり、20日のチケットは譲る事が出来たし、19日のチケットは手に入ったし、願ってた通りの展開になりました。
ライヴの5日前の事でした。

ライヴ当日、会場へ

そして、あっという間にライヴ当日。
今回の会場は初めて行く場所だったので、不安もありましたが、恵比寿駅からまっすぐ5分との話の通り、スムーズにたどり着く事が出来ました。
18時の開場前に着いたのですが、立見の人は別のエリアに並ばされました。
先に指定席の人が入場して、落ち着いてから立見の人の入場になるとの事。
冬なので寒いので、早く入場したくてたまりませんでした。まあ、先日の佐野さんのライヴの時みたいに雨は降ってなかったので、随分マシでしたが。
思ったよりも早くに入場を許されて。
でも、立見の人は、係員の先導で立見エリアまで連れていかれました。わざわざ遠足みたいに先導しなくても...。
立見エリアに着いた時は最前列に並べたのですが、ドリンク交換とかトイレとか、結局その場を離れなきゃいけないので、意味なし。
トイレから戻ってきたら、当然最前列は他の人に奪われてましたが、後方の壁際に陣取る事が出来ました。
立見エリアは、LとRとに分かれてますが、それぞれ20人もいない感じでしたね。
立見のチケットなんて、30枚くらいしか売り出されてなかったと思われます。
よく獲れたなあ。
つくづく運が良かった。
諦めないで良かった。

いよいよ開演

そうこうしてるうちに19時、開演です。

01. La Vita è Bella
02. 銀の月
03. クロエ
04. ポーラスタア
05. 世界は慈悲を待っている
06. 虹をつかむ人
07. みんなの願い叶う日まで
08. エンタテイメント!
(Intermission)
09. 私の人生
10. この道
11. 愛が分母
12. 夜空の果てまで
13. 純恋(すみれ)
14. クリスマス・タイム・イン・ブルー ~聖なる夜に口笛吹いて
15. ヤングブラッズ
16. ナポレオンフィッシュと泳ぐ日
17. ナイトライフ
18. スターダスト・キッズ
(Encore)
19. アンジェリーナ

「La Vita è Bella」
佐野さんに注目するきっかけとなった、僕にとっては大事なこの曲でスタート。
でも、この曲がオープニングというのも珍しい気がします。
クリスマスパーティーはいきなり華々しく盛り上がり。

「銀の月」
前回のツアーでは、終盤にキーボード・ソロ、ドラム・ソロがあって、めっちゃくちゃ好きだったのですが(配信ライヴ・アルバムで聴ける)、今回はソロはなくて、普通に終わってしまったのが残念。次回はソロ復活させてほしい。

「クロエ」
最新アルバム『今、何処』収録曲は、「銀の月」以外はお披露目するのは来年のアルバム・ツアーからになると思っていたので、今回これが飛び出して驚いた。
大好きな「クロエ」にテンション上がりました。

「ポーラスタア」
「♪ ほら見上げてごらん冬の星空 あれがポーラスタア」というのがなんともロマンチック。この季節にピッタリでした。

「世界は慈悲を待っている」
とてもポップで心地良いんだけど、この曲の持つメッセージが今は殊更胸に響きます。

「虹をつかむ人」
佐野さんがアコギを抱えて大らかに歌っていたのが印象的。

コヨーテ・バンドのクリスマス・ソングですと紹介して「みんなの願い叶う日まで」
メリーメリークリスマス。

「エンタテイメント!」
もはや佐野さんのライヴには欠かせない、定番曲となりました。
自然に心は湧きたち、やはり盛り上がります。

ここで休憩となりました。
二部構成だっての知らなかったよ。
立見なので、ゆっくり座って休めないのが辛かったです。
やっぱり羨ましいなあ、指定席。

「私の人生」
やや枯れた味わいながらも、穏やかで温かみのある空気感。
それほど聴き込んである曲ではなかったのですが、沁みました。

パンデミックになって、リモートでメンバーと録音しましたと紹介しての「この道」
この曲も決して派手ではなく、素朴な味わいのある曲ですが、いいなと思いましたね。
間奏の口笛がいつも掠れるのが好きです。

「愛が分母」
前曲までの穏やかさが一気に吹き飛んでのこの曲。
踊らずにはいられませんし、サビの「♪ あーいがぶんぼっ」と、フィニッシュの「♪ Say Yeah」は歌わずにはいられません。
この曲も、パーティーを盛り上げるに欠かせない曲です。
配信シングルにとどまらず、アルバムに収録されて良かった。

「夜空の果てまで」
今までそれほど印象になかった曲でしたが、今回聴いてみて、かなり印象に残りました。ふと気付くとこの曲を口ずさんでいる自分に気付いたり。
「♪ 回れメリーゴーランド」の所はドリーミー。

「純恋(すみれ)」
イントロで、ライトに照らされた佐野さんが両手を広げるのは定番の名場面です。
佐野さんもこの曲は大好きで、歌っていると10代の頃に戻ったような気になると仰ってました。
このロマンティックな胸キュン・ソングは、佐野さんと同年代の大人にも刺さる曲だし、もちろん若い人にも聴いてもらいたい曲です。
今回も素晴らしかったです。

「クリスマス・タイム・イン・ブルー ~聖なる夜に口笛吹いて」
佐野さんのクリスマス・ソングといえばコレでしょう。やらないはずがありません。
レゲエ調で、静かに雪が降ってきているイメージです。

「ヤングブラッズ」
出ました!待望のこの曲、期待通りにやってくれました!
今回はホーン・セクションがいないので、ホーンが印象的なこの曲はどうなるのかなと思ってましたが、アレンジ的に物足りないと思う事もなく、充分の出来。
大好きな大好きな曲。
テンションは上がりまくり。
聴けて良かった。
今回ライヴに来れてホント良かった。

「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」
華やかな曲で、これもまたパーティーにピッタリ。
ラップ調の所は大好きで、「♪ エレクトリック・ギター」の後の藤田さんのギターの鳴き具合も最高です。
会場中が派手に盛り上がりましたね。

「ここで終わる予定だったんだけど、このまま続けます」と言って。

曲が始まった瞬間、あんまり聴き馴染みのない曲だけど、聴いた事はある曲だな、なんだっけ。コヨーテ・バンドのアルバムの中に入ってる曲だと思うんだけど...と思いながら聴き続けてたら、ああ、「ナイトライフ」かあ!
まさかこんな初期の曲がここで飛び出すとは思ってなかったし、この曲自体、ライヴでは久し振りなんじゃないですかね。レアレア。
今までそれほど聴く機会がなかったのですが、今回ライヴで聴いてみて、改めて良い曲だなあ、好きだなあと思いました。

曲が始まる前に、スタッフからハーモニカを渡されたので、あの曲かな?と思ったら、その通り、ハーモニカのイントロで始まる「スターダスト・キッズ」
「♪この街のノイズに乾杯」の「乾杯!」の所では拳を振り上げて。
疾走感溢れるサビはスリリングに胸に迫ります。

これにて本編終了。
そしてアンコール。

曲が始まる前に、ギターをチューニングというか、試奏してる音でわかりました。
「アンジェリーナ」
アンコール、僕は「約束の橋」より「アンジェリーナ」派なので、これは嬉しかった。
「♪ 今晩誰かの車が来るまで闇にくるまってるだけ」の韻踏みは何度も聴いても心地良いし、「♪ ふっと迷ってしまいそうな時でも二人でいれば大丈夫だぜ」の所では「二人」を表す2本指のサインを一緒にやってテンションが上がる。
「♪ Ohアンジェリーナ 君はバレリーナ」、「♪ 今夜も愛を探して」と拳を何度も突き上げて。
バンドの演奏もグイグイと乗ってきてスピードアップ。
盛りに盛り上がって、最高のエンディングでした。

そうやって、クリスマス・ライヴは終了しました。

充分、充分満足。奇跡に感謝

今回は、MCが多かったのにビックリ。2~3曲やるごとにMC入れてて。
こんなにたくさんしゃべる佐野さんは初めてです。
「コヨーテ・バンド、カッコいい。
コヨーテ・バンド、カッコいい。
大事な事なので2回言いました」
と、佐野さんが言っていたのが良かった。
さらには、佐野さんがしゃべるだけでなく、メンバー一人一人に、「最近見た夢の話」というお題を出して、しゃべらせてました。
メンバーそれぞれがしゃべるというのも初めての事でした。
ギターの深沼さんが、「うちの奥さん、クミっていうんですけど...」と言っていて、へえ、クミかあと思ったら、うん?LOVE PSYCHEDELICOのバック・バンドとして参加?クミって、もしかしてLOVE PSYCHEDELICOのKUMI?もしかして二人は夫婦なの?と繋がって。
後で調べたら、その通りで二人は夫婦だったのでした。
コヨーテ・バンド・ファンの間では周知の事実だったのでしょうか。
驚きました。

セットリストには大きな期待は持ってなかったのですが、いざ蓋を開けてみると、予想に反して意外な曲が採り上げられたり、僕の大好きな曲が多かったり、なんといっても「ヤングブラッズ」があったりで、結果的には僕にとって、ものすごく良いセットリストだったのでした。
クリスマス・ライヴだからといって、大きくクリスマス・ムードに振れるわけではなく、いつものコヨーテ・バンドのライヴと言ってもいいくらいなのですが、暗い曲や奇抜な曲は採り上げないで、和やかなムードと華やかな曲で、観客を楽しい気分にさせる意図が伝わってきました。
そういう意味では、やはり特別なライヴ、という気がしました。

思ってた以上に楽しめました。
充分、充分満足できました。
奇跡的にチケットが獲れて、ホントに良かった、諦めないで良かったなあと思ったのでした。

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