サザンオールスターズ X民が選んだ好きなアルバム・ランキング

Xにて、「サザンオールスターズ 好きなアルバム アンケート」を行いました。
好きなサザンオールスターズのアルバムを3枚。
1位~3位まで順位を付けての回答をお願いしました。

1位は5点、2位は3点、3位は1点として集計し、得点に応じて総合順位を決定しました。
回答者が好きな順位を決められない場合は、アルバム名だけ3枚挙げていただくのでも可としました。
ただ、その場合の得点はすべて1点ということにしました。

投票期間は2026年6月15日~21日の約1週間。
回答者数が50人以上に達しなかったら、企画はボツとする予定でしたが、幸いにも125名の方が参加して下さり、無事に成立いたしました。
参加してくださったみなさん、本当にありがとうございました。

それでは、結果発表です。

85年発表。
4作続けて7月にアルバムをリリースしていたサザンでしたが、2枚組、原坊の妊娠という事で間に合わず、9月発売に。
実験・挑戦することとヒットさせることを両立させたこの作品は、当時「モンスター・アルバム」と呼ばれてました。
学生バンドとしてデビューし、芸人顔負けのパフォーマンスでお茶の間の人気を博していたサザンが、いつのまにか圧倒的な風格を備えて世に放った、重みのある超大作。

儚げながらも力が漲る「Bye Bye My Love」、雨の9月の愛しいバラード「メロディ」というシングルが変に突出することなく、他の曲と見事に調和して一気に聴かせます。
デジタル・サウンドでの警句「Computer Children」、アフリカンにループ「真昼の情景」、不思議な音色「古戦場で濡れん坊は昭和のHero」、ロマンチックな「愛する女性とのすれ違い」、スリルとサスペンス「死体置場でロマンスを」、情熱的で切ない「欲しくて欲しくてたまらない」、ストレートな喜び「Happy Birthday」、思いのこもった「吉田拓郎の唄」、原坊の優しく切ない「鎌倉物語」
変拍子がクセになる「顔」、際どい歌詞「Brown Cherry」、AOR感覚的渋味「Please!」、ソウルフルな「星空のビリー・ホリデイ」、ムクちゃんの「最後の日射病」、学生時代に思いを馳せる「夕陽に別れを告げて」、スペイシーなハード・ロック「怪物君の空」、渋くジャジーな切なさ「Long-haired Lady」、寂しい淋しいさびしい「悲しみはメリーゴーランド」

量と質で聴く者を圧倒しながらも、とても引き締まったアルバム。
このあと活動休止に入るという意味でも初期サザンの集大成。

84年発表。
前作『綺麗』で大人に成長したサザンが、さらに野心を持って追求したアルバム。
【人気者で行こう】というのは、サザンのデビュー当初からの思惑だったはずですが、このタイミングでそれを高らかに宣言しています。
シングルもアルバムもヒットさせるバンドとして、説得力のある充実作になってます。

シンセ、デジタル、コンピューター。進化するテクノロジーと生楽器との融合の試みが、「ミス・ブランニュー・デイ」の大ヒットという形で結実し、掴みはOK。
そして、シングル候補だった「海」という胸キュン・バラードの傑作が軸となってます。
怪しい独特の世界観「JAPANEGGAE(ジャパネゲエ)」、不思議なグルーヴ「よどみ萎え、枯れて舞え」、尖がって爆発「開きっ放しのマシュルーム」、喜びの開放感「あっという間の夢のTONIGHT」、原坊が切ない「シャボン」、元気に跳ねる「夕方HOLD ON ME」、気怠く色気ある「女のカッパ」、スパイが暗躍「メリケン情緒は涙のカラー」、気合い入りまくり「祭はラッパッパ」、ジョン・レノンを慕う「Dear John」

意味不明なジャケットもインパクト大で、赤と黒の情熱で人気者を証明。
メリハリもあり、ある意味ピークと言ってもいい頃のアルバムで、大暴れしているサザン、といった感覚。

92年発表。
桑田佳祐と小林武史、共同作業の集大成。
小林武史はポップ職人ですが、サザンを単なるポップ・バンドにはせず、革新的なバンドであることに重きを置いた節があります。

しつこく燃えたぎるサウンドで迫りくる「シュラバ★ラ★バンバ」と、綺麗な音色のバラードに胸が弾む「涙のキッス」という対照的なシングル。
重厚なブラス・ロック「BOON BOON BOON ~ OUR LOVE」、ループするメロディが胸を刺す「GUITAR MAN’S RAG (君に奏でるギター)」、あまりにもほろ苦い「せつない胸に風が吹いてた」、ほんのり侘しい「慕情」、ふざけた風刺「ニッポンのヒール」、原坊の昭和歌謡感覚炸裂「ポカンポカンと雨が降る」、雨のように音が降る「HAIR」、キラキラしたポップスの王道「君だけに夢をもう一度」、オタク気質の狂気「DING DONG (僕だけのアイドル)」、なんじゃこれと戸惑う「ブリブリボーダーライン」「亀が泳ぐ街」、安心感を与える「ホリデイ ~スリラー 魔の休日より」、アカペラ・コーラスで浄化「IF I EVER HEAR YOU KNOCKING ON MY DOOR」、クリスマスが永遠の喜びへと進化する包容力「CHRISTMAS TIME FOREVER」

いかがわしく下世話でロックな曲と爽やか王道ポップ曲とが交互に攻めてきます。
コース料理というよりも、アラカルトの組み合わせの妙。
小林武史がサザンを使って実験したJ-POPの形なのではと思ったりします。

96年発表。
サザン史上最も売れたアルバムで、これをもって誰もが国民的バンドと認める事となった感があります。
ジャケットからも感じますが、自分たちが影響を受けて来たロックの魂を、ひるむことなくJ-POPへと落としこんだアルバム。

韻踏みもハマり妖艶なサザンの新機軸「愛の言霊 〜Spiritual Message〜」、爽やかで切なくもあるミディアム・バラード「あなただけを 〜Summer Heartbreak〜」、カラッと弾けたモータウン・ビート「太陽は罪な奴」などの煌めくシングル群。
ゆっくりアクセルを踏み込む「胸いっぱいの愛と情熱をあなたへ」、甘く丁寧な歌い方「ドラマで始まる恋なのに」、初期ビートルズ・サウンド「Young Love (青春の終わりに)」、月の光が朝日のような「Moon Light Lover」、ガツンとしてスリリングな「汚れた台所」、毒気のない原坊に浄化「恋の歌を唄いましょう」、いかがわしいリズムで遊ぶ「マリワナ伯爵」、無邪気さと重たさが同居した「愛無き愛児(まなご) 〜Before The Storm〜」、歌謡曲的で忙しない「恋のジャック・ナイフ」、暴発寸前のエネルギー「Soul Bomber (21世紀の精神爆破魔)」、神聖さと荘厳さに震える「心を込めて花束を」

新しいサウンドにも挑戦し、かつ密度の濃さで、80年代までのサザンとは違うなあと。
確立され始めたJ-POPという概念には迎合しないながらも、我こそがJ-POPの王であると宣言しているような大物感漂うアルバムで、有無を言わせない迫力と説得力があります。

81年発表。
意味不明のジャケット、修学旅行的なメンバー写真。このセンス、世界観こそサザン。
ヒット曲に恵まれず、苦悩していた跡が見られますが、優しく始まって、ハラハラさせたりドキドキさせたり、ノリが良かったり切なくなったりと、いろんなタイプの曲が詰まっていて、捨て曲なし。
それでもあえて言うなら、バラードの魅力が存分に味わえるアルバム。

メロウな「Hello My Love」、切迫感が狂おしい「My Foreplay Music」、2月26日は大切な日「素顔で踊らせて」、波打ち際に胸焦がれる「夜風のオン・ザ・ビーチ」、異世界へ飛んでく「我らパープー仲間」、男のコンプレックス「Let’s Take a Chance」、出会いと戸惑いの瞬間「ステレオ太陽族」
そして終盤の、大人なムード「朝方ムーンライト」、力強いブルース・ブギ「Big Star Blues (ビッグ・スターの悲劇)」、恋する喜びに涙が混じる3連バラードの傑作「栞のテーマ」の並びが凄い。

1番自由な感じも受けるアルバムで、手を変え品を変え、聴く者を楽しませようという気概が伝わってきます。
それでいて、切ないメロディが満載。
楽しくて切ないのが、サザンの本質かもしれません。

05年発表。
「TSUNAMI」でレコード大賞も獲り、国民的バンドとしての地位を盤石にしながらも、ギタリスト・大森隆志が脱退。
そういった流れでのアルバム作りはプレッシャーを伴っただろうに、2枚組にするという暴挙(?)に出たのがサザンらしい(笑)。

ポップなビートが胸をくすぐる「涙の海で抱かれたい ~SEA OF LOVE~」、爽やかで力強く希望が見える「雨上がりにもう一度キスをして」、穏やかな春の空気感「彩 ~Aja~」、スポットライトを浴びるような「君こそスターだ」、GS歌謡風レトロなサウンドに興奮「夢に消えたジュリア」、古き日本とファンクの融合が見事「愛と欲望の日々」、爽やかなのに寂しい「LONELY WOMAN」、意味不明なアッパー・ソング「BOHBO No.5」、沖縄民謡で踊る「神の島遥か国」
じんわり沁みる「セイシェル ~海の聖者~」、ディズニーランドの負の面「夢と魔法の国」、グラム・ロックへの憧憬「ロックンロール・スーパーマン」、物悲しいインスト「キラーストリート」、はっきり言われる爽快感「ごめんよ僕が馬鹿だった」、エロティックな原坊「リボンの騎士」、素朴なヒップホップ「The Track for the Japanese Typical Foods called “Karaage”&”Soba”」

「サザンとしては最後かもしれない」という桑田さんの発言もあり、解散説まで出ました。
たしかに、この時点でやれる事はやり尽くした感もある充実の名盤として、世間は好意的に受け入れました。

25年発表。
またもや10年振りのアルバムは、タイトルも今までの総括的で、これが最後のアルバムになると示唆するかのような、感謝と別れの言葉に感じられて、なんだか複雑で素直に喜べなかったりするのは否めませんが、音楽的には文句なし。

エレクトロでめくるめく淫靡なディスコ「恋のブギウギナイト」、希望を抱く春に心が軽くなる「桜、ひらり」、江戸の昔と90年代と令和の夏がミックスされた「盆ギリ恋歌」、南国ムード全開で底抜けに明るい「歌えニッポンの空」、次の世代に明るい未来を繋げられるのかと問題提議する「Relay~杜の詩」
気合いが入るハード・ロック「ジャンヌ・ダルクによろしく」、情念たっぷりの昭和歌謡「暮れゆく街のふたり」、雨が滴るダウナーな社会風刺「ごめんね母さん」、爽やかな原坊の声が風に舞う「風のタイムマシンにのって」、自然の驚異にしっぺ返し食らう警句「史上最恐のモンスター」、ブリティッシュ・サウンドにワクワクするも夢オチが切ない「夢の宇宙旅行」、デビュー前からのレパートリー「悲しみはブギの彼方に」、昭和の大らかな時代の男女の話「ミツコとカンジ」、煌びやかな昭和の歌謡曲への思慕「神様からの贈り物」

古希を迎えようとしてる中、まだまだパワー旺盛だし、相変わらずエロ。
でも、惚れた腫れただけではない、社会全体を俯瞰的に見る懐の深さでもって、音楽を楽しいと感じさせる、新感覚のサザン。
昭和からトップを走ってきたサザンが、令和に生み落とした名盤。

90年発表。
長期活動休止後の復活の1枚で、バンド名をタイトルにしたのは新たなデビュー作とも言えそうな意義深い作品。
下世話路線がサザンの持ち味でしたが、ポップでお洒落な印象が強くなったのは小林武史の影響か。

ジャジーなドゥーワップで淫靡な世界「女神達への情歌 (報道されないY型の彼方へ)」、60年代に回帰した「フリフリ’ 65」、情感たっぷりで初のオリコン1位「さよならベイビー」といったシングル。
潔く優雅なラテン「愛は花のように」、跳ねたブルース「悪魔の恋」、アカペラ多重コーラスが爽やかな「忘れられたBig Wave」、ポップ・ビートに切ない感覚「YOU」、原坊が沖縄に染まる「ナチカサヌ恋歌」、憂いあるメロディにため息「OH, GIRL (悲しい胸のスクリーン)」、皮肉った「政治家」、渋さと華やかさが同居「MARIKO」、密林の中を突き進む「GORILLA」、切なくやるせない諦念がこもった屈指の名バラード「逢いたくなった時に君はここにいない」

1曲1曲の密度は濃いけれど、それが並べられると、意外なほどにしつこくはなくて、あっさり風味に感じる、スマートなアルバム。
新たな90年代に向けて、新生サザンを提示した充実作。

98年発表。
前作『Young Love』でサザン史上最高の売り上げを記録するも、今作は一気に売り上げを落としてミリオン割れ。
ジャケット、サウンド共に暗く重たい印象も悪く、世間的には失敗作との声もありますが、そんなことはありません。多彩で実験的だし、濃密な1枚です。

爽やかすぎて不倫の歌に思えないのが切なさを倍増「LOVE AFFAIR~秘密のデート~」、「愛の言霊」をファンキーなグルーヴで再解釈「PARADISE」、大切に歌いかける「BLUE HEAVEN」、デジタル社会へ警鐘を鳴らす「(The Return of) 01MESSENGER ~電子狂の詩~」
ブルージーで重たいロック「NO-NO-YEAH / GO-GO-YEAH」、ひねりの効いた桑田メロディが炸裂「YARLEN SHUFFLE~子羊達へのレクイエム~」、エロな言葉遊びが最高潮「マイ フェラ レディ」、皮肉で笑い飛ばす「爆笑アイランド」、サビでスピードが増す瞬間がスリリングな「CRY 哀 CRY」、透き通る声がやるせない原坊の「唐人物語 (ラシャメンのうた)」、ポップで潔いビート・バラード「湘南SEPTEMBER」、暗い独白スタイル「私の世紀末カルテ」、冷たいサウンドと切なすぎるメロディ「SAUDADE~真冬の蜃気楼」、スケールの大きなバラード「素敵な夢を叶えましょう」

サザン初期の匂いも漂わせながら、20年のキャリアで唸らせるようなアルバム。
心が踊る快作に、バカ売れするぞと期待したのに大幅な売り上げ減だったのは、サザン七不思議の1つかも。

78年発表。
シャイな微笑みを携えた桑田さんを筆頭に、メンバーの若さ溢れるジャケットも印象的な、記念すべきデビュー作。

日本語を英語のように聴かせるという桑田さんの画期的な発明が日本の音楽界に革命を起こし、お茶の間を興奮と混乱の渦に巻き込んだ歴史的名曲「勝手にシンドバッド」
それがアルバムのド頭で、その後はゴージャスな「当って砕けろ」、家族とは一緒に聴けない「女呼んでブギ」など、勢いで走ります。
ただ、小粋な「別れ話は最後に」、三連バラード「恋はお熱く」、ご当地ソングの原点「茅ヶ崎に背を向けて」、切なさが滲む「今宵あなたに」など、真面目な曲だってあります。
「レゲエに首ったけ」「いとしのフィート」など、サザン本来のアイデンティティーも剥き出しになっているデビュー作ですが、当時は現役の大学生がサークル活動のノリでふざけてると思われて、サザンを正統な音楽と受け止められるほど世間は成熟してませんでした。
サザンは「真剣にやってんのになあ」と、リスナーの反応とのギャップに苦しんでたかもしれません。

いま改めて聴くと、メロディとサウンドと歌詞、その多様性は変わらずに現在のサザンへとずっと続いているのがわかると思います。

82年発表。
「サザンと言えば夏、海」といったイメージになったのは、このアルバムの存在がかなり大きいのではないでしょうか。
サウンドは前作よりも迫力が増し、汗の飛沫が飛び散ってくるような、エネルギッシュで男っぽいアルバム。

恋人たちもうなだれる気怠さの「夏をあきらめて」、いかがわしさがギラギラしている「匂艶THE NIGHT CLUB」、恋をしていた頃に思いを馳せるバラード「Oh! クラウディア」辺りがアルバムの核になっています。
暑苦しいほどにシャウトする「DJ・コービーの伝説」、ゴスペル風ソウル・バラード「思い出のスター・ダスト」、冒頭のため息がすべてを物語る「逢いたさ見たさ病めるMy Mind」、スターに成長した姿を見せつける「Plastic Super Star」、甘くてクールで粋な「女流詩人の哀歌」、混沌から解放される「Nude Man」、コミカルなレゲエ「来いなジャマイカ」、不埒な関係を見つめる「Just A Little Bit」

好きなアルバムは四六時中、一年中、季節を問わず聴きたいものですが、夏に回帰していくような曲ばかりのこのアルバムだけはやはり、夏に聴くのが合ってるなあ、と心から思います。

15年発表。
ベテランだし、活動休止もあったし、桑田さんの病気もあったしで、仕方ない事でしたが、前作から10年振りの待望のアルバム。
お得意の男女の情愛たっぷりの曲は少なくなり、そういうテーマが似合いにくくなったサザンも歳を取ったんだなあと実感するも、内容的には充実の果実。

ポップ・ビートで世の現状を憂えた「ピースとハイライト」、コール&レスポンスで新しいアンセム「東京VICTORY」
威勢よく始まるビートにサザンが帰ってきたと興奮「アロエ」、昭和のバンカラ映画みたいな「青春番外地」、ゆったりと幸福に行きつく「はっぴいえんど」、拉致問題に怒りを乗せた「Missing Persons」、和の世界が切なさに染まる「イヤな事だらけの世の中で」、怪しさ満点ミュージカル「天井桟敷の怪人」、控えめなムードが愛おしい「彼氏になりたくて」、原坊お得意の昭和歌謡路線「ワイングラスに消えた恋」、長嶋茂雄に憧れる人の生き様が浮かぶ「栄光の男」、ふざけるサザンの真骨頂「天国オン・ザ・ビーチ」、フォーク・バラードで人生を歌い上げる「道」、突き放した歌い方もクセになる「バラ色の人生」、小さな命にも壮大で大切な物語「蛍」

短距離ダッシュはやめて、ゆっくりジョギングに移行し、人生の深みで勝負する感じ。
完熟を通り越して、この年輪の深さだからこそ収穫できる果実の尊さ。
高齢者の奏でるロックはこういうものと、サザンによって提示された、タイトル、ジャケット共に芸術作品。

79年発表。
衝撃のデビューから一転、サザンの真の実力を世間に知らしめた正統派バラード「いとしのエリー」の存在もあって、世間的にはヒットしたアルバム。
大成功に思われがちですが、曲数は足りないし、歌詞も間に合わないしで、実は桑田さんの苦悩が見え隠れする、ギリギリの状態で作ったのが伝わってきます。

シンドバッド路線を突き進んだ「気分しだいで責めないで」、情熱と清廉が同居した心地良さ「思い過ごしも恋のうち」などのシングルも好調。
メロウで爽やか「お願いD.J.」、渋くて粋なR&B「奥歯を食いしばれ」、ご当地バラード「ラチエン通りのシスター」、陽気なディキシーランド・ジャズ「アブダ・カ・タブラ」、畳み掛けるリズムとメロディ「Let It Boogie」、男同士の危険な世界「ブルースへようこそ」

ハード・スケジュールとプレッシャー、かなり過酷な状態の中でも、良い曲を生み出せる桑田さんは凄い。
ロックとポップスと歌謡曲を見事に一体化させ、サザンの音楽性が固まっていく一連の流れがつかめるのも興味深いですね。

83年発表。
夏が終わり、冷たい風を感じて、心がふっと寂しくなる、そんなイメージ。
前作『Nude Man』に比べたら、グッと控えめになって、ある意味、地味な作品です。

シングルはしっとりとしたAORサウンドの「EMANON」で、大ヒットしたわけではないし、アルバム全体が地味な印象を抱く要因なのかもしれません。
ライヴ定番曲になった、SF的でスリリングな「マチルダBABY」が重要曲。
LGTBに目を向けた「赤い炎の女」、中国残留孤児問題がテーマ「かしの樹の下で」などの社会派ソング。
冷たい風のレゲエ「星降る夜のHARLOT」、ジャングル・ビート「ALL STARS’ JUNGO」、GS風歌謡曲「そんなヒロシに騙されて」、諦めを決意する「NEVER FALL IN LOVE AGAIN」、気合いの入る「YELLOW NEW YORKER」、妖艶な「MICO」、爽やかな家出少女「サラ・ジェーン」、バンドの結束感「旅姿六人衆」

勢いで突っ走ってきた時期が終わり、本格的な音楽ファンの心を捕まえるべく、大人なサウンドへ変化し始めたサザン。
全体的にしっとりと滋味深く、落ち着いた味わいのアルバム。

90年発表。
映画はヒットし、かなり批判も受けましたが、このサントラという副産物を生んで、しっかりと歴史に名を残しました。
既発曲やカヴァー曲を含め、音楽で映画を盛り上げようという気概が伝わってくるアルバム。

永遠の切なさが歌われる国民的バラード「真夏の果実」、イントロから胸が高まり喜びに満ちた「希望の轍」という2大名曲が含まれているだけで価値があります。
嵐の前触れの不穏な「稲村ジェーン」、再収録ながらも映画の雰囲気を伝える重要な役割「忘れられたBIG WAVE」「愛は花のように」、ヒロインの清水美砂からインスパイア「美しい砂のテーマ」、桑田さんの力の入った歌い方「LOVE POTION NO.9」、優雅でポジティブな「マンボ」「マリエル」、粘っこいサウンドの「東京サリーちゃん」、南国ムードたっぷりの原坊の「愛して愛して愛しちゃったのよ」

寺脇康文らの小芝居もご愛嬌、ラテン的でレトロな感触のアルバムですが、映画の甘酸っぱい思い出と共にいつまでも色褪せないサントラ。
映画の内容がそうさせてますが、最初から最後まで夏一色。

80年発表。
この頃になると、プロ意識も高まり、水準の高いものを作ろうとしている意識を感じます。
程良く肩の力が抜けてる分、過度な派手さはなくマイルドで、聴く方もリラックスして向き合えるアルバム。

穏やかさと軽さが見事に調和し「C調言葉に御用心」、女性を困惑しながらも優しく見つめた「恋するマンスリー・デイ」がシングル曲。
狂乱と爽やかさが一体の「ふたりだけのパーティ」、愛しさと寂しさのブルース「タバコ・ロードにセクシーばあちゃん」、華やかに宇崎竜童に捧げた「Hey! Ryudo!」、熱唱が光る「涙のアベニュー」、跳ねたサウンドに心が踊る「TO YOU」、忙しい日々を吐露した「働けロック・バンド」
憂いを秘めた原坊の魅力「私はピアノ」、ヒロシさんの澄んだヴォーカル「松田の子守唄」など、桑田さん以外にもスポットが当たり始めました。

アベレージ・ヒッターをズラッと並べた強みがあり、全体的に穏やかで柔らかい印象を受けます。
暖かくなった陽だまりの中で、これからの出逢い、何かが始まる予感に満ちた、春をイメージさせるアルバムかも。

さて。いかがでしたでしょうか。
エントリーされた16枚。
好きなアルバムを選ぶのは難しかったでしょうが、みなさん、大いに悩んでの回答、ありがとうございました。
1人1票ではなく、選ぶのは3枚。
しかも、順位を付けての投票というのがミソ。
思い入れの深さが反映するランキングになるので、多くの方が興味を持って回答なさってくださったことと思います。

ランキングの結果をご覧になって、どう感じたでしょうか。
集計作業をしていて感じたのは、本当に、みなさん1人1人の好みはそれぞれだなということ。
投票期間中、そして集計が終わるまで、どのアルバムが1位になるのか、どんなランキングになるのか、まったく予想が付きませんでした。
それだけ、みなさんの票が割れていると感じました。

堂々の1位は『kamakura』
80年代作品の中では人気がある方だとは思ってましたが、世間的にも特にサザンの代表曲と言えるものが入っているわけでもないし、もっとスッキリ聴きやすい方が好まれるかも、2枚組というのがマイナスになるかもと思ったのですが、まさかの1位となりました。
やはり、初期サザンの集大成感があるのが魅力なのですかね。
時代を超えて、世代を超えて、モンスター・アルバムだったことを証明しました。
このアルバムは個人的にも思い入れが深いので、嬉しい結果となりました。

2位も『人気者で行こう』なので、昔からのファンに支えられて、やはり80年代のサザン強しと言ったところですかね。
3位『世に万葉の花が咲くなり』、4位『Young Love』辺りは、90年代のCDバブルで、とにかくCDが売れた時代の作品。
多くの人たちに聴かれれば、それだけ多くの人たちの心に残るということでもあるのでしょう。

ここまでの4枚が、100pt超えでした。

その後、上位に最新作の『THANK YOU SO MUCH』が食い込んでいるところが、さすがサザン、現在も人気、実力共にまったく衰えてないなと感じさせるものでした。

老若男女、幅広い世代から支持されているサザン。
それぞれのファンにそれぞれの思い入れがあるでしょうから、はたして最も人気があるアルバムとなると、どれになるのか予測が付きませんでしたが、結果的に、興味深いランキングになったと思います。
もっとも、みなさん3枚選ぶのは難しかったと思いますので、下位のアルバムであっても「好きなのに!」と思われる方は多いと思います。
票が割れていたということもあって、もしも、もっと多くの方にアンケート御参加いただけていたら、また少し違った結果が出ていたかもしれません。
ただ、ある程度の人気の流れとか、票を集めるアルバムはこんな感じなのかという、一定の結果が出たような気もしています。

そして凄いのは、上位のアルバムはもちろんなんですが、最下位のアルバムまで、すべてのアルバムに「1位に推した方がいらっしゃった」ということ。
それだけ、どのアルバムにも、1番好きだと思えるほどの魅力を携えてるということで、そういうアルバムをずっと作り続けてきたサザンは凄いな、と思います。

また、各アルバム解説は、集計を出す前に書いたものなので、結果を反映した内容にはなってません。
結果を受けた上で読むと、疑問に思う描写もあるかと思います。
執筆した日が違うため、アルバムによって、詳細なものと淡白なものと、解説にバラつきがあるのも認めます。
採り上げてる楽曲も、たまたまだと思ってください。
ただ順位を発表するだけでは味気ないと思い、解説文を載せましたが、かなり僕独自の視点が入ってる解説になってるので、あまり深くは受け止めないで読み流してもらえたら、と思います。

投票してくださった方(敬称略・順不同)

テリー横田、ゆーさん◢U2、tiger1378、ミッキー(mickey)、S,K、ジャスティン平和堂、洋、やっぱりモッコス、玉置佳祐、おっぴー黒田、Taiyo、173Kの太陽、CHOCOLATE YELLOW(わかちこひろし)、add_some_music、Satoshi Ishii、Hiro.E、最強のランチを探す旅人、こうちゃ、nolly、どんちゃん、Roy、ゆーすけ、年賀状、ちゃま、Sydney、のぐりん、オズの魔法使い(WICKED)、三住スミス、美作、ぎうたん、治雄、eastyodogawa、みやこ路快速103~8/13熊本~、KDS、ぼたんゆり、sakaki、マノアブ、怨霊士あぬびす、cannon、おかむーおかむら、S2 a.k.a. ゆに、Randy、AOyama KENichi a.k.a. ぴんぞろ、AKC49、atso、ソル☆☆☆☆☆☆☆、ダラックマおじさん、KAWAHITO、KOH111/コーイチ、ジョニーが波乗り。、macaroni、MasaMack、まちゃくん、ミヤビ、kaりら、夕方ムーンライト、ペンネシャーペン、ケスイケタワク★新川のアッコ、ドシル、みこと、ひつじだよ~、ねこみゅう、ルーフトップ、CCC、164anton、こたつむり かたつむり一生愛す 3羽捕る済、ツバキエ、くみちょー、しょう、しましま、オバQ、大爆笑アイランド、Sayeah、ちむちむ、コタロー、ひろぴ、伊右衛門2、UMI、シモニダンダン、NichE (にちぇ)、pigeon、Hama (旧はまりん)、牛乳、じん@昭和ポップスを目指す人、月華(ゆえほあ)、BEAT、陸嗣人、しゅしゅ、ちぃ、えす・あい、かつしん、路地屋夢亜(ろじやむあ)、コウジ、細井幹太 / CAN☆魂(キャンタマシイ)、ニシ、あり、ちぇるしー、gentlemankk0117、ミーナ、サンシャイン木下ベッカム(光の戦士)、ねこ公爵8/8サンアリーナ、chimachimaoko、You、Ayumu、モッチ@永遠のサザンファン、ユーマニア 桑田佳祐夏祭りツアー熊本初日、hardworkernacky、ワ車@7/17東京D、キーゴ、妄想ランナー、石、ラジオと乾杯!、えんど~ぅ本垢、友 (TOMO)、gumtaro、macky、高松正秀、Nao、S mith、諸行無常の響あり、★すっすちゃん★、そして 修一郎、黄金騎士龍河(2026. 防御率0.20)、(ABCスープ)、とみとみ

なお、Xの仕様なのか不具合なのか、せっかく回答いただいたポストが集計時にコメント欄に表示されなかった方がいらっしゃるかもしれません。
そして、意図的な不正はしておりませんが、アナログな手法の集計作業でしたので、人為的ミスがあった可能性も否定できません。
その際はどうかご容赦ください。

この度は、アンケートへの御参加、誠にありがとうございました。
企画が成立いたしましたのも、みなさんのお蔭です。
重ねてお礼申し上げます。

第1位『kamakura』129pt
第2位『人気者で行こう』119pt
第3位『世に万葉の花が咲くなり』105pt
第4位『Young Love』100pt
第5位『ステレオ太陽族』89pt
第6位『キラーストリート』88pt
第7位『THANK YOU SO MUCH』75pt
第8位『Southern All Stars』72pt
第9位『さくら』68pt
第10位『熱い胸さわぎ』57pt
第11位『Nude Man』42pt
第12位『葡萄』40pt
第13位『10ナンバーズ・からっと』38pt
第14位『綺麗』23pt
第15位『稲村ジェーン』17pt
第16位『タイニイ・バブルス』14pt

コメント