名盤ライブ『Sweet 16』
2022年11月23日(水)@KT Zepp Yokohama
大好きな『Sweet 16』の再現ライヴ!
春のツアー中に、11月に『Sweet 16』の再現ライヴが行われる事が発表されました。
『Sweet 16』はとても華やかで、佐野さんのアルバムの中でもベスト3に入るくらい、大好きなアルバム。
生で聴いてみたい曲がたくさん入ってるし、これは絶対に行きたい!と。
DVDと本がお土産にもらえるので、チケット代は16500円と高め。
それでも、なんとしても観たいのです。
どうやってチケット獲ろうか
しかし、横浜と大阪の4公演のみで、横浜のハコはKT Zepp Yokohama。
キャパを考えると、チケットを獲るのはかなり難しそうに思いました。
1階は指定席と後方スタンディングとに分かれるそうですが、それぞれどれくらいの枚数が売られるのか。どちらに申し込めば当たりやすいのか。
販売枚数を知りたくて、問い合わせてみたけれど、非公表との事。
昼と夜では、どちらの方が当たりやすいか。
絶対に観たいから、チケットぴあ、イープラス、ローチケ、全部の抽選に申し込んでみようか。3プレイガイド×昼・夜公演の合計6つに申し込めば、どれかは当たるんじゃないか。
でも、16500円もするチケットだから、もしも複数枚当たりすぎちゃったら大変な事になる。それはそれで避けなければならないし。
どうやってチケットを獲ろうかが悩みの種でした。
拍子抜けしたチケット確保
そして8月下旬。
先行抽選の受け付けが始まる2日くらい前だったと思います。
受け付けの詳細を再び確認しようと思って、チケットぴあにアクセスしてみたら。
「リセールあり」
うん?リセール??
見てみると、昼公演のチケットが、リセールで出ているのです。
ええっ?まだ一般発売はおろか、先行抽選すら始まってないのに、なんでリセールが出てるの??
考えられるのは、ファンクラブ枠で発売されたチケットでしょう。
でも、なんでこんな早くに...。
大きく戸惑いながらも、目の前に、チケットがあるんです。抽選に申し込むまでもなく、今ならサラッと買えちゃうんです。
第1希望は夜公演でしたが、そんな贅沢言わず、目の前のチャンスをつかまないと!
急いで購入したのでした。
ああ、獲れたみたいだ。
どうやって申し込もうかやきもきしてたのに、あっさり獲れた。
たくさん抽選に申し込んで、それでも落選したり、逆に複数枚当たっちゃって困ったりといった悲劇を回避できました。
良かった良かった。
と思うのも束の間、10分後くらいに再びアクセスしてみたら、今度は夜公演のチケットとか、5枚くらいリセール・チケットが出てました。
なんだよ!もう少し遅ければ夜公演が買えたのかよ!とは思いましたが。
それにしても、先行抽選よりも早くリセールが出るなんて、そんな事があるんだなあと。
こまめにチェックしてみるもんですね。
でも、蓋を開けてみれば。
一般発売が始まってみたら、チケット、余裕で買える。
昼公演より夜公演の方が余ってる。
結局、夜公演の方はソールドアウトにならなかったみたいで。
チケット争奪戦になるのでは?という僕の予想は完全に外れてました。
たくさん抽選に申し込んでたら、たくさん当たっちゃって大変な事になるところでした。
そういう意味でも、抽選申し込み前に、リセール・チケットを発見できたのはラッキーでした。
バンド・メンバーはどうなる?
名盤を再現するというライヴのバンド・メンバーはどうなるのかなあと思ってたら。
このライヴと同時期に、コヨーテ・バンドの深沼さんと高桑さんは、LOVE PSYCHEDELICOのツアーに参加する事が判明して、今回のバックはコヨーテ・バンドではないんだなとわかりました。
となると...昔の仲間たちに声がかかるのかなと予想はできました。90年代のアルバムの再現なんだしね。
そして、ライヴ数日前、バンド・メンバーが発表されました。
名付けて、Sweet16 Grand Rockestra。
佐野元春(Vo/Gt)
長田進(Gt)
藤田顕(Gt)
井上富雄(Ba)
Dr.kyOn(Key)
渡辺シュンスケ(Key)
古田たかし(Dr)
スパム春日井(Per)
山本拓夫(Sax)
西村浩二(Trp)
佐々木久美(Cho)
TIGER(Cho)
ハートランド、ホーボー・キング・バンド、コヨーテ・バンドから、それぞれメンバーが集まってきていて、90年代どころか、佐野さんの全キャリアを凝縮させたようなバンド・メンバー。
これは豪華。まるで○○周年記念ライヴみたいな特別感。
90年代のアルバムなのに、コヨーテ・バンドから2人のメンバーが参加するのも意外でした。
サックスの山本さんだけでなく、コーラスのTIGERさんなど、サザンの桑田さんとの繋がりを感じさせるのも個人的には嬉しい事で。
メンバーもわかったところで、ますますライヴが楽しみになりました。
ライヴ当日。遅れる開場。雨の中並んで
ライヴ当日は、生憎の雨。
初めて訪れる会場だったので、迷わないか心配で、早目に出たのですが、なんとか想定通りに辿り着いたのは開場時間の14時の5分前でした。
会場前は既に長蛇の列が出来ていたのですが、雨が降っているので、すぐに列には並ばずに、建物近くの屋根で少しは雨をしのげる所で待機。
しかし、開場時間の14時を過ぎても、一向に目の前の列は進んでいきません。
「準備が遅れているため、開場時間が遅れております」とのアナウンスが。
15分くらい過ぎて、やっと開場されたようですが、それでもまだフロアには入れない「ロビー開場」らしく、入場のスピードはものすごく遅い。
もう、何をやってるのか。
外は雨が降ってるんだよ?
一流企業だったら、お客さんの事を考えて、雨が降っているので予定より早く開場します、なんて事もあったっていいくらいなのに、こんなに遅れるとは。
膝から下がズボンはびしょ濡れだし、靴の中はグッチョグチョだし。こんなに雨に濡れて不快な気分になるのは久々です。
僕もすぐに列に並ばなかったのも悪いんだけど、雨の中待たされて、結局僕が入場できたのは、14時50分頃。
僕の後ろにもまだまだ入場できてないお客さんがたくさんいたので、これは15時開演はムリでしょ、と。
ドリンク交換して、グッズ売り場をちょっと覗いて。
どうせ15時には始まらないんだしと、のんびりこんとトイレに入ったりしてました。
すると、「まもなく開演します」とのアナウンスが聞こえてきて。
僕の席は、1階F列3番。
リセールで出たチケットはたぶんファンクラブ枠のものだろうから、良い席が当たるんじゃないかなと期待してたんです。
そしたらF列。という事は、前から6列目です。
こんなに近くで佐野さんが観れるのは初めてです。
フロアに入って、僕の席を目指して歩いていたら、客電が落ちてしまいました。
真っ暗!
席の番号が見えない!
焦りましたが、近くに係員がいたので、F列を案内してもらいました。
どうせ開演が遅れるからと、余裕かましすぎました。反省。
慌てて、席に着きました。
ライヴのスタート
15時15分、バンド・メンバーが登場、スクリーンにVTRが流れた後、ライヴが始まりました。
01. ミスター・アウトサイド
02. スウィート16
03. レインボー・イン・マイ・ソウル
04. ポップチルドレン(最新マシンを手にした陽気な子供たち)
05. 廃墟の街
06. 誰かが君のドアを叩いている
07. 君のせいじゃない
08. ボヘミアン・グレイブヤード
09. ハッピーエンド
10. ミスター・アウトサイド(リプリーズ)
11. エイジアン・フラワーズ
12. また明日...
(Encore)
13. 約束の橋
14. ヤング・フォーエバー
やっぱり近いです。
佐野さんまで10mくらい。顔がハッキリ観える距離。
「ミスター・アウトサイド」。
混沌としたバンド・サウンドが圧倒的迫力。
そして、その演奏に佐野さんのヴォーカルが負けてない。1曲目からのシャウトは思ってた以上に声が出ていて、若い頃と遜色ないのでは?と嬉しくなりました。
「スウィート16」。
華やかで疾走感溢れるロックンロールに痺れます。
この勢い、みずみずしさ、演奏が若い。素晴らしい。
「レインボー・イン・マイ・ソウル」。
アルバム中1番の人気曲かと思います。
40周年記念ライヴでも聴きましたが、『Sweet 16』再現という流れで聴くと、またちょっと違った味わいがあります。
温かく、希望に満ち溢れたパワーのある曲。
この曲が核としてどっしり構えてる事で、このアルバムが名盤と言われる所以となったのだと実感。
「ポップチルドレン(最新マシンを手にした陽気な子供たち)」。
ファンキーな曲と紹介して始まったこの曲。
ノリの良さもさることながら、スポークンワーズ的なヴォーカル・ワーク、キャッチーに繰り返されるサビ。
ホーン・セクションの活躍も合わせて、その展開の妙にテンションが上がります。
「廃墟の街」。
ガラッと空気感が変わって、落ち着いた雰囲気。
パーカッションが主体となったリズム。古田さん、kyOnさん、スパムさんの3人がパーカッションだったのかな?
しっとりと雨が降る中、佇んでいるイメージです。
「誰かが君のドアを叩いている」。
この曲を聴くために、このライヴに来たと言っても過言ではないくらい大好きな曲。
リリース当時、佐野さんて良い曲作るなあと感じた、思い入れのある曲です(とはいえ、当時まともに聴きこんだわけではないんだけど)。
とてもポップでキャッチーで、「♪ 光の中に 闇の中に」という所がとにかく爽快で、空気を切り裂きます。
そしてサビはちょっと甘酸っぱくて。
やっと生で聴けて感動です。
ここでMC、ギターの話。
今使ったのは、当時よく使っていたタカミネのエレアコで、後に、ある番組の企画で、ある人にプレゼントしちゃったんだけど、ちょっと後悔してた、と。
でも、今回のライヴで使うために、一時的にその人から快く返してもらいました。ココリコの田中さん、ありがとう、と。
ああ、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで』の「佐野元春の500のコト」の時に優勝した田中さんにあげたやつだったかあ。つい最近YouTubeでその映像観たばかりだったから、よく経緯がわかってました。
でも、田中さんも、10年以上前にもらったギターを、ライヴで使える状態でちゃんと保管してたんだから偉いです。
「君のせいじゃない」。
ブルージーなこの曲も好きです。なんだか耳に残る曲なんですよね。
粗暴かと思いきや、ドリーミーな雰囲気にもなったり。
「ボヘミアン・グレイブヤード」。
スコティッシュなバグパイプ・サウンドに導かれて始まる曲。
ウキウキするようなリズムがたまりません。誰もが自然と踊りたくなるでしょう。
ブルーベリー・ワイン、シナモン・チェリーパイといったフレーズが出てくるので、当然アルバムのジャケットを思い出します。なので、この曲もある意味アルバムのテーマ曲ですね。
とても楽しかったです。
「ハッピーエンド」。
タイトル通り、幸せな気分にさせてくれる1曲。
「♪ いつもそばにいるよ」と連呼される安心感。
「♪ Hold me Love me」の所で、佐野さんが抱きしめる仕草をしてたのが印象的でした。
「ミスター・アウトサイド(リプリーズ)」。
再びこの曲が登場。
改めてショーが始まったかのような高揚感がありました。
「エイジアン・フラワーズ」。
ゆったりとした流れの中で、佐野さんのねちっこいヴォーカル・ワークが冴えます。
唯一無比のオノ・ヨーコのヴォーカルを再現するのは難しかったと思いますが、それなりに世界観を作り上げてたと思います。
「また明日...」。
ちょっとレゲエ風味で素朴な味わい。
この曲も女性コーラスとの辛みが特徴的ですね。
華やかな曲が多いこのアルバムを、穏やかに締めくくります。
アルバム全曲再現完了。
おおお、終わったあ!と、大拍手です。
アンコール。
今回はボーナス・トラック的味わいですね。
「約束の橋」。
ドラマの主題歌になってヒットしたのは『Sweet 16』リリースと同じ年の事なので、多くの人の思い出にワンセットとなっていそうなので、きっと演奏するんじゃないかなとは思ってました。
「サムデイ」と並び立つ佐野さんの代表曲。
力強く人生を肯定してくれる曲。ライヴでも何度も聴いてきましたが、聴く度にじわじわと良さが沁みてきます。
ラストの「ラララーララー」は一緒に歌わずにいられるものですか。
「ヤング・フォーエバー」。
フルートの音色が印象的なギター・ロックで、渋い曲です。
静かな闘志を内に秘めた曲で、歳を重ねた今、聴いていると力が漲ってくるんです。
また佐野さんに勇気をもらいました。
ライヴ終了は16時30分でした。
イメージを損ねずに、深化させた再現サウンドに満足
佐野さんは40代くらいから声が出なくなってきてると思っていて、この日もかすれたりヨレたりこもったりという事はあったのですが、芯の部分は表現できていて、想像してた以上のヴォーカルだったのが何より驚きだし、嬉しい事でした。
30代で作ったアルバムをそのまま再現するという事で、自然と気持ちも若返り、驚異的なパフォーマンスに繋がったのではないかなあと思います。
『Sweet 16』は元々大好きなアルバムだったし、このライヴ直前にも改めて10回以上聴き直しました。
でも、リリースした頃とは佐野さんも30年歳を取っているわけだし、微妙に違う印象にもなるのかなあと危惧してましたが、実際にライヴを経験してみると、まるでアルバムをリリースした直後のライヴみたいに違和感がなかったし、曲順もアルバム通りなので、ストーリーというか、聴く方の心構えもとてもしっくりいくもので、まさしくアルバム再現ライヴになってました。
30年も前のアルバムのイメージを損なわず、むしろ深化した感さえあって、とてもとても満足のいくものでした。
まあ、欠点と言えば、計14曲で、1時間ちょいという時間の短さが、いつものライヴに比べたらボリュームが足りなくて、物足りない面があったのは事実ですが、アルバム再現ライヴというコンセプトなので、それは最初からわかってた事なので仕方ないところ。
そういうのも含めて、ひとつのパッケージとして、普段のライヴとは違った経験が出来たと思えばいいでしょう。
充分思い出に残るものでした。
豪華なメンバーの確かな演奏は、過去と現在の入り混じった深みのあるサウンドでした。
『Sweet 16』という名盤を心から堪能できて、歴史の目撃者になったような気分だし、『Sweet 16』だけにとどまらない何かまで体験できたような、ホントにスペシャルなライヴでした。
この名盤ライブの映像がBlu-rayになります
佐野元春 『名盤ライブ「SWEET16」』 Amazonで見る
僕が観た日の映像ではないですが、その1週間後に大阪で行われた名盤ライブの映像がBlu-rayになります。
その大阪公演の模様はネット配信もされたのですが、フィジカル化されることを信じて待ってました。
配信ではアンコールは流れなかったようなので、今回、ついに完全版として世に放たれます。
6月28日リリースです。
『Sweet 16』はホントに名盤なので、このような再現ライヴを行ってくれたことはありがたいし、それを何度も楽しめるBlu-rayにしてくれることは、夢のような喜びです。
Amazonでは、20%以上の割引価格で予約することが出来ました。
『Sweet 16』に胸踊らされたことのある方は是非。
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