もうすぐクラプトンの来日公演。
楽しみにしてる方もいらっしゃいますよね。
もっとテンションを上げるべく、ライヴ映像が観たいわけですが、調べてみると、現在、新品で購入可能なクラプトンのDVDって、結構少なくてビックリです。
そんな中でも、僕が大好きなDVDの紹介です。
『Live In San Diego』
これは、2007年に行われたライヴで、ギタリストにデレク・トラックスを迎えています。
デレク・トラックスというのは、オールマン・ブラザーズ・バンドのブッチ・トラックスの甥っ子で、お察しの通り、その名前はデレク・アンド・ザ・ドミノスから取られたというアーティスト。
今ではテデスキ・トラックス・バンドで活躍してますね。
そんなデレクにスライド・ギターを任せてのライヴとなると、当然のことながら、デレク・アンド・ザ・ドミノスを再現するという構想がクラプトンにあったということですね。
これの数年前にクリームを再結成してますし、クリームの次はデレク・アンド・ザ・ドミノスを、ということになったんだと思います。
なので、ドミノス好きの僕としては、このDVDに嬉々として飛びついちゃったわけですよ。
ギタリストは、デレクの他にもドイル・ブラムホールIIがいて、3人体制。
これは、ギター・バトルが予想されます。
さらに、ゲストとして、レジェンドでもあるJ.J.ケイルを迎えたコーナーまであるという贅沢なライヴ。
期待するな、って方がムリです。
01. Tell the Truth
02. Key to the Highway
03. Got to Get Better In a Little While
04. Anyday
05. Anyway the Wind Blows (with Special Guest JJ Cale)
06. After Midnight (with Special Guest JJ Cale)
07. Who Am I Telling You? (with Special Guest JJ Cale)
08. Don’t Cry Sister (with Special Guest JJ Cale)
09. Cocaine (with Special Guest JJ Cale)
10. Motherless Children
11. Little Queen of Spades
12. Further On Up the Road
13. Wonderful Tonight
14. Layla
15. Crossroads
1曲目「Tell The Truth」から、間奏のソロも含めて、デレクのスライド・ギターが全開です。
これだけ聴いても、なんか凄いものが始まったなあという気にさせてくれます。
2曲目の「Key To The Highway」になると、先ほどデレクに花を持たせたばかりのクラプトンが、今度は負けじとイントロからアクセルふかします。
間奏はデレクの次にドイルがソロを弾き、ドイルはさらにヴォーカルまで担当します。
そして最後はクラプトンのソロで締め。
「Got To Get Better In A Little While」は、クラプトンのソロもいいですが、ウイリー・ウィークスのベースに、ギタリスト3人のカッティングが絡むリズム芸が聴きどころ。
J.J.ケイルが登場すると、ギターを持った4人が並んで椅子に座って、アンプラグド・ライヴ的な、ややリラックスとしたムード(弾くのはエレキですが)。
J.J.ケイルとクラプトンが共作したアルバム『The Road To Escondido』から3曲を披露します。
二人が囁くようにデュエットする「Anyway The Wind」もいいですが、僕は「Don’t Cry Sister」が好きですね。
そして、J.J.ケイルといえば、「After Midnight」と「Cocaine」です。
前者は、クラプトン・ヴァージョンよりもかなりテンポは遅めで、おそらくJ.J.ケイルの原曲に近いんでしょう。
後者は、クラプトンの普段のライヴでも定番曲になってますが、やはり微妙に肌触りの違う仕上がりです。
以上、J.J.ケイルを迎えての5曲は、クラプトンも抑え気味のプレイで、グイグイと突っ走るのではなく、グツグツと煮立つ感じのする渋いコーナーなのでした。
そして、再びデレク・アンド・ザ・ドミノスのモードに。
「Motherless Children」は、ギタリスト3人のスライド合戦で、イントロや間奏など、超気持ちいい音を聴かせてくれて盛り上がります。
「Little Queen Of Spades」。
ここで、バリバリのブルース曲が登場で、クラプトンが本領発揮です。
今まで抑えてたものを開放するかのように、イントロから弾きまくるクラプトン。そして吠えるように歌うクラプトン。
こういう姿を観たかったんだよ、とファンなら嬉しくなるところです。
クリス・ステイントンのクールなピアノ・ソロが徐々に熱を帯びていく様は興奮するし、左利きのドイルのやや歪んだソロの後のデレクのソロ、そして最後はクラプトンのソロが唸りまくって曲が終わると、「すげえ~!」と声を漏らさずにはいられません。
間違いなく、このライヴのハイライトですね。
「Further On Up The Road」では、ソロを弾きながら恍惚の表情を浮かべるクラプトンがたまらない!
そして、パティについて書かれた2曲。
「Wonderful Tonight」は、3人のムーディーなギターが絡み合います。
そして「Layla」。
イントロを弾き始めて大歓声が上がると、「みんなコレを聴きたかったんだろ?」的な表情を僅かに浮かべるクラプトン。
ややミス・トーンを弾くも、それすらも演出かのようでカッコいい。
3人のギタリストで構成されたこの曲は、物足りなさなんてどこにもない、完璧な演奏でした。
アンコールでは、ロバート・クレイをギター&ヴォーカルに迎えての「Crossroads」です。
終盤、ロバートとクラプトンがマイクを分け合って歌うところは微笑ましい。
そして、最初と最後のソロを弾くのはもちろんクラプトン。
美味しいところは、やっぱり持っていきますね。
そんなこんなで、もうあっという間の2時間。
とにかく、デレクの存在が大きく、『Layla』リリース後のデレク・アンド・ザ・ドミノスが、デュアン・オールマンを迎えてライヴをやってたら、きっとこんな感じだったんだろうなと夢想させてくれるライヴです。
デレクだけでなく、J.J.ケイルやロバート・クレイなど、ゲストも多く、主役はクラプトンだけじゃないという面もあり、それがクラプトンの余裕に繋がっているとも思えました。
正直に言うと、このDVDのセットリストは、今度の来日公演のセットリストとはかなり違うだろうなという予想なので、このDVDのようなライヴを今度の来日に期待してしまうと、肩透かしになってしまうかもしれないです。
でも!
一応、その辺を頭に入れつつも、これを観ていただくと、やっぱりクラプトンかっこいい~!ってなって、テンションが上がること請け合いです。
クラプトンのライヴはいい!
このギターの音が聴きたい!
ライヴがますます楽しみになると思います。
まだこのDVDを観てない人は必見です。
損はしません。
デレク・アンド・ザ・ドミノス好きなら絶対。
そして、来日公演。
チケット持ってない方も、まだ間に合います。
DVDで盛り上がった後は、是非、生のクラプトンを味わってください。
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