もうすぐクラプトンの来日公演。
楽しみにしてる方もいらっしゃいますよね。
もっとテンションを上げるべく、ライヴ映像が観たいわけですが、調べてみると、現在、新品で購入可能なクラプトンのDVDって、結構少なくてビックリです。
そんな中でも、僕が大好きなDVDの紹介です。
このライヴは?
エリック・クラプトン&スティーヴ・ウィンウッド 『Live From Madison Square Garden』 Amazonで見る
2000年代に入って、クラプトンはクリームを再結成したり、デレク・アンド・ザ・ドミノスの再現をしたりと、回顧モードに入ります。
それで、「まだブラインド・フェイスがあるじゃん」とばかりに、今度はスティーヴ・ウィンウッドとガッツリ組んでライヴを行うわけです。
トラフィックやスティーヴ・ウィンウッドが好きな人にはたまらない共演ですが、スティーヴにそれほど思い入れがない僕は、最初はあまり興味が持てなかったんですね。
歌の上手いスティーヴに花を持たせて、クラプトンはあまり目立たないんじゃないか、って。
でも、そしたらとんでもない。
クラプトンのギターが凄いことになってる、素晴らしいライヴだったのです!
セットリスト。みどころ、聴きどころ
01. Had To Cry Today
02. Them Changes
03. Forever Man
04. Sleeping In The Ground
05. Presence Of The Lord
06. Glad
07. Well All Right
08. Double Trouble
09. Pearly Queen
10. Tell The Truth
11. No Face, No Name, No Number
12. After Midnight
13. Split Decision
14. Rambling On My Mind
15. Georgia On My Mind
16. Little Wing
17. Voodoo Chile
18. Can’t Find My Way Home
19. Dear Mr. Fantasy
20. Cocaine
<Bonus Disc>
Rambling On My Mind
Low Down
Kind Hearted Woman
Crossroads
すっかりスティーヴはキーボーディストかと思ったら、ギターを抱えて登場の「Had To Cry Today」。
流れるようで、ツボを突きまくるクラプトンのソロが早くも全開。
そして終盤ではスティーヴとクラプトンのツイン・ギターに興奮です。
ブラインド・フェイスのアルバムの中では地味な感じがあった曲でしたが、このギターの共演には参りました。
今回のライヴで何故か取り上げられた、クラプトンのソロの「Forever Man」。
気合いの入るリード・ヴォーカルを分け合ったり、ハモったり。
スティーヴのお気に入りとの情報もあり、たしかに楽しそうに歌ってます。
ブラインド・フェイスといえばこの曲、「Presence Of The Lord」。
先にクラプトンが歌い始めたのにビックリです。
そして、満を持してスティーヴがハイトーンで歌い上げます。
間奏、クラプトンがワウ・ペダルを踏んでからのスリリングなソロが聴きどころです。
「Glad」はインスト。
ですが、スティーヴのクールなピアノにクラプトンの熱いギターの対比がカッコいいです。
ヴォーカルがなくてもグイグイ引き込まれる演奏です。
そしてそこから「Well All Right」になだれ込む流れも好きです。
「Double Trouble」。
クラプトンのむせび泣くギターを堪能したいならコレです。
この音色の心地良さったらありゃしない。
まったりした流れを一変させるかのような、アップ・テンポの「After Midnight」。
キーボードを弾くスティーヴ、ギターを弾くクラプトンの2人を横から捉えた構図が素敵です。
ここで、ちょっと一息、ソロのコーナー。
クラプトンのギター弾き語りの「Rambling On My Mind」、
スティーヴのキーボード弾き語りの「Georgia On My Mind」、
という、On My Mind対決。
どちらが好みかは甲乙つけがたいところです。
再びバンド演奏に戻って、ジミヘンの、というか、デレク・アンド・ザ・ドミノスの「Little Wing」。
やるせないメロディとサウンド。2人のヴォーカル・ワークはもちろんですが、なんといっても、クラプトンの泣きまくる炎のソロにぶち抜かれます。
そして、前曲に続いてジミヘン作の「Voodoo Chile」。
ブラインド・フェイスやってた頃はジミヘン存命でしたからね。交流があったのでしょうか。
採り上げたのも何か思い入れがあるように思われますが、単調に思われるリズムが、聴いてるうちにだんだんクセになってきます。
そして、サビでグワッと盛り上がるシーン。
スティーヴの心震わせるキーボードに、クラプトンの燃えるソロの爆発力。
圧巻の15分です。
そして、スティーヴが再びギターを抱えて、「Can’t Find My Way Home」「Dear Mr. Fantasy」「Cocaine」と、ラストに向かって行く中、時にクラプトンとギターで会話してるかのようなシーンに胸を打たれるのです。
クラプトンとスティーヴの双璧に胸アツ。耳から離れないギター
とにかくセットリスト。
1枚しかアルバム出してないブラインド・フェイスの曲だけでは足りないので、トラフィックやクラプトンのソロはもちろん、あれやこれやと採り上げた曲が良すぎるのです。
それから、特筆すべきは、このライヴ、ギタリストはクラプトン1人なんですね。
通常、クラプトンのソロのライヴでは、サポート・ギタリストを入れてるのですが、今回のライヴでは、クラプトン1人でギターを担ってるのです(スティーヴもギター弾く曲はありますが)。
なので、隅から隅までギター弾きまくりなクラプトンの姿が堪能できるというのも、実は珍しいことなんじゃないかと思えるのです。
そして、そんな弾きまくりなクラプトンを見ながらニコニコしているスティーヴの姿にもほっこりするのです。
で、ブラインド・フェイス時代と大きく違うのは、クラプトンのヴォーカリストとしての成長。
アルバムでは全曲スティーヴが歌ってましたが、あれから時が経ち、クラプトンもスティーヴに負けないくらいの存在感あるヴォーカリストになりました。
そんな2人がヴォーカルを分け合う姿を観てると、胸が熱くなるのです。
それでも、やっぱり耳に残るのは、クラプトンのギター。
あのなんとも言えない音色は耳から離れず、あの気持ち良さを味わいたくて、また聴きたくなる、何度も観たくなる、そういうライヴ映像なのです。
正直に言うと、このDVDのセットリストは、今度の来日公演のセットリストとはかなり違うだろうなという予想なので、このDVDのようなライヴを今度の来日に期待してしまうと、肩透かしになってしまうかもしれないです。
でも、そういうことは置いておいて、観ておいて損はない、テンション上がること間違いなしのDVDです。
ドキュメンタリーとボーナス・トラックの入ったDiscも付いた2枚組です。
このDVD、在庫的にも少なくなっているようです。
まだ観たことのない方は、是非とも観てみてください!
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