BiSH おすすめアルバム・ランキング

大好きなアーティストのアルバムをランク付けするシリーズ企画。
今回は、BiSH。

好きなアーティストのアルバムをランク付けするのって、非常に難しい。楽しいけど。
その日の気分によっても違ってくると思うし、はっきり優劣があるものもあるけれど、そもそも好きなアーティストの作品なんだから、どれも好きで、順位なんて紙一重のものが多いでしょう。
それでもやっぱり、ランク付けしてみたくなります。楽しいから。

好きなアルバムの定義ってなんだろう?と思います。
大好きな曲が入ってる、全体の流れや空気感が好き、ジャケットが好き、リアルの生活における思い出とリンクしている...など、いろいろあると思うんですが、僕が重要視するのは「ワクワク度」ですね。
そのアルバムを聴いている時はもちろんなのですが、「それを聴いてない時でも、そのアルバムの事を考えると、ワクワクしてしまう」ものが自分にとって上位なんだと思うんです。
個人的に思い入れの深い順ではありますが、それこそがみなさんへのおすすめ順。
好きなものをおすすめしたいです!

コメントの次には、各アルバムの中で1番好きな曲を、No.1 Songとして表記しました。
ジャケット写真をクリックするとAmazonへのリンクになってます。

第1位 『CARROTS and STiCKS』

先行配信された、甘い『CARROTS』とゴリゴリした『STiCKS』の組み合わせを中心にしたアルバム。
前作以降に出たシングルはまったく含まないアルバムとなりました。
既発シングルに頼らず、アルバムとしてのトータル性、完成度を求めたものとなりましたが、これがとても良かったです。
ライヴでも重要曲となった重厚な「DiSTANCE」、コミカルかつ退廃的ハード・パンク「遂に死」、キュートでキレのある「MORE THAN LiKE」、リンリンを筆頭に独特な世界観「FREEZE DRY THE PASTS」、近未来的「CHOP」、スピード感たっぷりな中でも可愛く前向きな「まだ途中」、心の叫びに熱くなる「アイデンティティ」、微笑ましくもある「CAN YOU??」。
そして、なんといっても僕が一目惚れして、BiSHにハマっていくきっかけとなった胸キュン青春パンク「I am me.」が入ってることが大きい。
BiSHの代表曲と呼ぶには少し弱い曲しか入ってないと言えるかもしれないけれど、アメとムチのトータルで聴かせるアルバムで、BiSHの持つ様々な個性・魅力が散りばめられていて、個人的には思い入れのあるものとなっております。

No.1 Song 「I am me.」

第2位 『FAKE METAL JACKET』

インディーズ2作目。
前作にも収録されてた4曲が再録されてます。その自信の表れを含めての各曲のレベルの高さがうかがえます。
BiSH作品の中でこのジャケットが1番好きかも。
BiSから引き継いだWACK精神が胸アツの「Primitive」、ライヴ終盤における定番曲となった「beautifulさ」「ALL YOU NEED IS LOVE」、BiSHの破天荒さの象徴ともなった「OTNK」、憎めない愛おしさ「身勝手あいにーじゅー」、運命を変えてく頼もしさ「デパーチャーズ」、その決意表明が感動的な「BUDOKAN かもしくは TAMANEGI」。
初めから終わりまで付け入るスキなし。どこを取っても、既にBiSHの軸は完成していたと言える出来栄えです。

No.1 Song 「Primitive」

第3位 『Brand-new idol SHiT』

BiSHが世に放った1作目。
デビュー当初から既にこんな重要な曲が出来ていたのかと唸らされる「BiSH -星が瞬く夜に」「スパーク」、アイドルらしからぬハードさに震える「MONSTERS」、ライヴ終盤の定番曲となった「サラバかな」、けだるい女子高生の生態が窺える「SCHOOL GIRLS, BANG BANG」、元気でキュートに弾ける「DA DANCE!!」、バカになって踊れる「ぴらぴろ」、胸がキュンとなる「HUG ME」、変態ソング「カラダ・イデオロギー」、ビート感がカッコ良く熱くなる「Story Brighter」。
インディーズならではの怪しさは持ちつつも、地下アイドルでは終わらないスケールの大きさを感じさせる、可能性に満ちた1stアルバム。

No.1 Song 「Story Brighter」

第4位 『LETTERS』

メジャー3.5枚目ということでのミニ・アルバム。
当初はシングルを制作する予定だったものの、コロナが世界を覆い、ふさぎ込んでしまった世の中に向けて、ミニ・アルバムに形を変えてのBiSHからのメッセージ。
BiSHがいれば希望が持てると思わせる「LETTERS」、キレ味鋭い「TOMORROW」、音楽の素晴らしさを畳み掛ける「スーパーヒーローミュージック」、ビッグ・バンドでダンサブルな新境地「ロケンロー」、世の中を明るく変えてくれそうな「co」「ぶち抜け」、夜明けが待ち遠しい感動的な「I’m waiting for my dawn」。
ミニ・アルバムという中途半端さが惜しいものの、どの曲も素晴らしく、気持ちを明るくしてくれる。
コロナ禍があったからこそ生まれたとも言える名作。

No.1 Song 「I’m waiting for my dawn」

第5位 『GiANT KiLLERS』

これはもしかしたらシングルなのかもしれないけれど、5曲も入ってるし、公式サイトでもミニ・アルバム表記なので、アルバムと考えることにします。
となると、5曲すべて大好きな曲と言えるこの作品は、僕にとって外すことの出来ない、思い入れのあるアルバムと考えざるを得ません。
その爆発力はライヴで大盛り上がり必至の「GiANT KiLLERS」、クールなカッコ良さの「Marionette」、何もないところから希望を見せてくれる「Nothing.」、コミカルで踊れるハシヤスメさんによる名曲「社会のルール」、サビ終わりの歌い方にハマる「VOMiT SONG」。
BiSHの楽曲の良さがギュッと凝縮されていて、何度もリピートできます。

No.1 Song 「GiANT KiLLERS」

第6位 『THE GUERRiLLA BiSH』

初めてBiSHを聴く人に薦めるなら、このアルバムになるかもしれません。
代表作と言っていいでしょう。
なんといっても、「プロミスザスター」と「GiANT KiLLERS」が収録されてますから。
BiSHの魅力は、これ2曲だけでも確実に伝わると思います。
アイナの歌唱力に唸らされる熱きバラード「My landscape」、うるさいほどのハード・パンクな「SHARR」、ミニ・アルバムに引き続いての収録が嬉しい「GiANT KiLLERS」、ゴリゴリのビートとハードなサウンドがカッコいい「SMACK baby SMACK」、サビのハモりがスリリングな「spare of despair」、歌詞・メロディ・歌唱力・世界観が完璧な代表曲「プロミスザスター」、ファンから熱い支持を受けるバラード「JAM」、スカから熱いビートに切り替わる「BODiES」、BiSHらしさをまとめたラスト曲「FOR HiM」。
個人的には、前半の勢いが、後半には失われてしまってる感があるのが残念なところではあるのですが、それでもまあ充分です。

No.1 Song 「プロミスザスター」

第7位 『KiLLER BiSH』

めでたくメジャー・デビューしての最初のアルバム。
ここで、「オーケストラ」という、BiSHにとって最重要曲と言ってもいい名曲を生み出せたことに大きな意味があります。
ここで「オーケストラ」が無かったら、BiSHがあそこまで大きな存在になれたかはわかりません。もしかしたら早期に解散してしまってたかもしれないとまで考えてしまいます。
潔さもパンクな「DEADMAN」、コミカルながらも耳から離れない「ファーストキッチンライフ」、切ない別れと絆の「オーケストラ」、メロディアスな展開の演奏がエモい「Stairway to me」、加入したてのアユニがいきなり本気を出した「本当本気」、清々しい「My distinction」、歌詞の意味を知った時は衝撃だった「Hey gate」、熱いヴォーカル・ワークに圧倒される「Throw away」、大団円を迎える「生きててよかったというのなら」。
このアルバムに「オーケストラ」が収録されているのは大きなことですけれど、決して「オーケストラ」だけではない、素晴らしい曲がたくさん入っていることは忘れてはならない作品です。

No.1 Song 「Throw away」

第8位 『GOiNG TO DESTRUCTiON』

リリース時、ファンにとっては、これがラスト・アルバムになるとは思ってなかったと思いますが、実際は、このアルバムの制作時には既に解散することは決まっていたそうです。
いきなり感情が迫りくる「CAN WE STiLL BE??」、力の入り具合がハンパない「in case…」、開放感のあるサビの「STACKiNG」、はちゃめちゃに楽しい「ZENSHiN ZENREi」、突き抜けた明るさの「I have no idea.」、弾丸打ちまくる感覚の「STORY OF DUTY」、希望が見えるスキップ・ソング「STAR」。
解散を見据えていると思えば、歌詞も深読みできる部分はありますが、全体的には明るいイメージが残るアルバムです。

No.1 Song 「STACKiNG」

さて、いかがでしたでしょうか。

みなさんの好きなBiSHと僕の好きなBiSHには、どれだけ違いがあったでしょうか。
同じアーティストを好きでも、同じアルバムが好きとは限らないのが面白い所だったりします。
「やっぱりこのアルバムは上位だよね」とか「どうしてこのアルバムがこんなに下位なのか」といった、いろんなファンの方の意見があると思います。
僕は、そういうファンの意見の違いを面白がったりしたいので、まずは自分の好みを披露してみました。
「自分の好みと違うなあ、それなら聴き直してみようかな」とか「そのアルバム聴いた事なかったけど、聴いてみようかな」とか、みなさんがBiSHのアルバムを聴くきっかけになれるとしたら嬉しい事です。

今回のランキング作成は、すごく悩みました。
今までも、こういうアーティスト別ランキングは作ってきましたが、大抵は、一番好きなアルバムとか、上位のアルバムって決まってる場合がほとんどだったんですよね。
でも、BiSHの場合、「一番好きなアルバム?はて、どれだろう...」と、自分でもわかりませんでした。
どれも好きなアルバムと言えるし、どんなところに価値を置くかで順位がかなり変わってくるのです。
無理矢理ランク付けをしましたが、1位と最下位の差なんて、微々たるものです。
バランスを考慮しましたが、今の気分を反映しただけで、明日になったら「やっぱり違うかなあ」と思ってしまうかもしれません。
難しかったですね。

もうすぐ解散となるBiSH。
もうこれ以上、追加されるアルバムはないのだなと思うと切ないですが、BiSHが残した作品は永遠です。
解散する前に出会えて良かった。
なんとか間に合った。
僕にとっては50代になって突然訪れた青春でした。
これからも、ずっと聴き続けていくでしょう。

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