BiSH Live@国立代々木競技場第一体育館 2023.3.5 感想

AGESTOCK 2023 in 国立代々木競技場第一体育館

2023年3月5日(日)@国立代々木競技場第一体育館

AGESTOCKって、なんだ?

2月1日深夜、BiSHの公式サイトにアクセスしてみたら、AGESTOCKというイベントに出演決定というニュースが載っていて。
開催日時は3月5日。
BiSHのラスト・ツアーが始まる直前。
ツアー初日の3月8日の神奈川公演のチケットが獲れていたら、日程が近いこんなイベントには行かなくてもいいやと思うところなのだけれど、3月8日のチケットが手に入る保証なんてどこにもないし、もし手に入らなかった時の事を思うと、BiSHが観られるチャンスがあるなら、1日でも多い方がいいに決まってる。
しかもこのイベント、チケット代3000円というじゃないですか。
これは安い!
ならば、行ってもいいかなと思って、ニュースをよく読むと、なんとチケットは本日から発売というではないですか。
慌ててチケット・サイトにアクセスしてみると、予定枚数終了。
そりゃそうだよね。
でもさ、出演決定が報じられたその日にチケット発売っていうのもどうなのよ。
こまめにチェックしない僕みたいな人は出遅れるんだ。

ま、縁がなかったもの...と諦めてたら、その2日後、何気にチケットぴあをチェックしてみたら、このイベントが、「販売期間中」の表示になってる。
あれ?と思って見てみると、販売再開してました。
買える...みたい。
安いんだし、BiSHのツアーの保険みたいな感覚で買ってもいいなと思い、即座に購入したわけでありました。

でも、このチケット販売、結構謎で。
僕が買ったのは「先行販売」という事だったらしいのですが、その後、「一般発売」に至るまで、販売終了になったり販売中になったりを繰り返していて、どういう売り方なのか、さっぱりわかりませんでした。
結局、ライヴ前日も販売中でしたから、ソールドアウトとはならなかったと思われます。

AGESTOCKだからこその期待

このAGESTOCKというイベント、学生団体が主催するものらしくて、通常のライヴやフェスとは微妙に違うみたいで。
チケットの販売が不安定だったのも、その辺が影響してるのかな。
大学生のサークル活動の大きなやつみたいな感じで、社会に出る前に、こういう大きなイベントを企画・運営する経験を積む団体と考えてもいいのかな。

普通のBiSH主催のライヴとは違うので、セットリストが変わったものになるかもなという予感がありました。
学生主催のイベントなので、客層も若者が多くなりそうなので、若者に向けたセットリストになるんじゃないかと。
そう考えると、青春ソングを多く採り上げそうだし、特に、僕が大好きで、生で観たい、聴きたいと熱望している「HiDE the BLUE」は、歌詞の中に「♪ 未熟者 青春ビリーバーです」という一節があるので、若者向けに丁度いいのでは?やってくれる可能性高いのでは?という期待が高まりました。

それから数週間たって、幸運にもツアー初日・3月8日のチケットを手に入れる事が出来たので、このイベントは余計だったかな、チケット獲らなくても良かったのかな、なんて思いもしましたが。
でも、面白いセットリストになるかもという思いもあったし、先日のWACK TOURの時は、BiSHの出番は僅か30分で6曲というものだったけど、今回のイベントでは、10曲くらいやってくれないものかしらと期待する部分はあったので、それなりに楽しみではありました。

ライヴ当日、会場へ

そしてライヴ当日。
今回のイベントは、夜ではなく、昼間の開催。
12時30分開場、13時30分開演という事で、僕は12時ちょうどくらいに原宿駅に到着しました。
外で待つのは寒いので、原宿駅で30分ほど時間を潰し、開場時間を過ぎてから会場入り。

僕の席は、北Gブロック1階12列1番。
ライヴ6日前、座席発表がある時に、なんとか1階席で!なるべく通路側で!と祈っていたら、なんとドンピシャ希望通りの席が当たって大喜びでした。
昨年末にこの会場でBiSHを観た2日間よりも良い席でしたね。

ふと見ると、ステージから客席中央に向かって花道が伸びていて、へえ、花道作ったのかあと思いましたが、これは前日この会場で行われた東京ガールズコレクションのランウェイであって、そのステージの使いまわしなんだろうなという思いに至りました。
使いまわしと言ったら言葉は悪いけど、ステージ設置の経費削減は学生さんたちの努力だと思います。

開演までまだ1時間近くありましたが、僕は通路側の席なので、気兼ねする事無くいつでもトイレに行けるので、とりあえず自分の席に座っていて、開演直前になったらトイレに行こう、と思ってたのですが。

開演時間前なのに

まだまだ開演時間前。13時にもなってないのに、スクリーンにカウントダウンが映し出されて。
なんと、オープニング・アクトが始まってしまったのです。
開演時間になってから、オープニング・アクトだと思ってたので、これにはビックリ。
前座って、こういうものなの?
客席は、まだまばらだし、全然ステージに集中する雰囲気ではない中、オープニング・アクトをやるのも大変だなとは思いました。

まずは、事前に発表のなかった2組のアーティスト。名前まではよくわかりませんでした。
女性のシンガーソングライターが一人で歌ったのが印象的でした。

もうトイレに行っといた方がいいなと思って、ステージ・チェンジの間に席を立って用を済まし。

BiSHが出てくるまでの時間

その後、
輪廻というロック・バンド。
それから、都内某所。
そして、豆柴の大群。
という、オープニング・アクトでした。
それぞれ、1~2曲、5分くらいの出番でしたね。
豆柴の大群だけは、聴いた事ある曲でした。

そして、開演時間を10分ほど過ぎ、ようやく本式のイベント開始という事で、MCとして、NON STYLE井上と、谷尻萌さんが出て来て進行しました。

イベントの最初は、大阪の女性3ピース・バンド、Hump Backの演奏です。
僕は、まったく曲を知らないので...。
MCで、「1時間演奏する時間をもらいました」と言っていて、という事はつまり、BiSHも、出番は1時間あるという事なんだなと確信し、期待が高まりました。

Hump Backの出番が終わり、いよいよBiSHの出番か?と思ったら、大学生のグランプリを決める、MISS OF MISS、MR OF MRというコンテストの発表が始まりました。
こんなのやるの、聞いてないよ(僕が知らなかっただけで、ちゃんと事前にタイムテーブルの発表があった事を後で知った)。
ファイナリストの男女、各10人がランウェイを歩き、その後、審査発表という事で、各賞からグランプリまで。
こういうコンテストを見るのは初めてなので、割と興味津々でしたが、今までの経過をまったく知らない、なんの予備知識もない人たちのコンテストなので、へーっとしか感想は出ず。
なんだかんだで1時間近くやってましたね。

いよいよBiSHのライヴが始まった!なんと声出しOK!

15時40分。
いよいよBiSHの出番です。
ライヴ前のアナウンスで、今回のライヴは声出しOKだと知りました。
これは楽しくなるんじゃないか?今まで経験できなかった事ができるかも、とワクワクしてきました。

01. BiSH -星が瞬く夜に-
02. ぴょ
03. ぶち抜け
04. I am me.
05. Story Brighter
06. YOUTH
07. 飲ませろ
08. 脱・既成概念
09. サヨナラサラバ
10. スーパーヒーローミュージック
11. オーケストラ
12. beautifulさ

「BiSH -星が瞬く夜に-」で華々しくスタート。
さっきまでコンテストをやってた空気から、一変してのBiSHの登場に一瞬ついていけなかった。BiSHのライヴが始まった事を実感できず、体が追い付かない感じ。
まあそれも、サビで一緒に踊っていたら、だんだんとBiSHのライヴだという感覚になってきたんですけど。
歌い始め、チッチが花道で転んで、ちょっとヒヤッとした。花道から落っこちたら大変な事になるところでしたが、無事復活。
声出しOKという事で、合いの手の「チッチ!」とか「おーれーのアイナ!」とか、コールが凄かった。僕の知らなかったコールもあって、コロナ禍前のライヴはこんなんだったかと知ると共に、やはりライヴはこうやって声を出すと一段と興奮が増すなあと思いました。
久々の、本来のライヴの姿を味わうことが出来て、感慨深いものがありました。
そして、ラスト、「♪ Oh Oh Oh Oh」と合唱したら、アイナが「オッケー!」と言ってくれて、ああ、DVDで観てた光景だあと涙が出そうなくらい嬉しかったです。

「ぴょ」
混沌とした前半から一転、サビが「♪ 君にズッQンドッQン」と思い切りキャッチーになるのが盛り上がります。
そして「♪ ソイヤ、ソイヤ、ソイヤ、ソイヤ」と踊るのが超楽しい。

「ぶち抜け」
爽快感のある曲で好きです。
サビのラストに至る流れがスカッとします。

最初のMC。
ですが、残念ながら恒例の自己紹介はありませんでした。
せっかく声出しOKだったから、自己紹介の時のレスポンスもやりたかったなあ。

イントロが聴こえてきて...このイントロは!まさか!マジでっ!?
「I am me.」だ!
この曲は、BiSHを初めて聴いたベスト盤で、最初に大好きになった曲。この曲が聴きたくて繰り返しベスト盤聴いてたら、どんどん好きな曲が増えていって、BiSHの事が好きになった。
つまり、この曲がBiSHにハマるきっかけとなったと言っていい。
そんな、僕にとって思い入れのある曲が生で聴けるとは。
最近のライヴでは全然披露されてなかったから、今後もライヴでやる気配はなさそうだし、僕が生で聴ける事はないんだろうなと諦めてたんだ。
その曲をやってくれるとは!
爽やかな青春パンク。
この曲も、悩み多き若者に向けた歌詞なので、このイベントの客層に合わせて採り上げられたのでしょうね。
噛み締めて聴きました。
Bメロの「♪ 生まれてきた意味を」の所で、アイナがちょこまか前に歩いて出てくる振り付けが大好きで、それを実際に観れたのも感動です。
サビのラストのチッチの「オイ!」は一緒に歌えてものすごく気持ち良かったです。
最後のアイナの「オイ!」から「OK、Yeah、ヘイヘイ~Oh Yeah~エイ」は、大好きな所なので、一緒に歌ったりせず、耳をそばだてて聴き入りました。
大好きなこの曲。
観て、聴いて、歌って、踊って。
堪能しました。

前曲の感動冷めやらぬ中、聴こえてきたのは、軽快なビート。
んん?このイントロはっ!?
「Story Brighter」だ!!
これまた驚きです。
大好きなインディーズ1stアルバムの中でも1番好きと言ってもいい曲。
こんな初期の曲、ライヴの定番曲じゃないので、今更ライヴでやる事なんてないだろうと思ってたので、ビックリしたのと同時に感動です。震えましたよ。涙滲みましたよ。
よくぞ、よくぞやってくれました。
ていうか、なんでこの曲を採り上げたのかわかんないけど。
アイナの「♪ 大きな夢だってmyself」のところが大好きなのです。
そして、圧巻のサビ。
もう、感動以外の何物でもない。
ホント、素晴らしい時間でした。

それにしても、「I am me.」「Story Brighter」の流れは最高だった。
超大好きだけど、遅参ファンの僕は、ライヴでは聴くことが出来ないものだとすっかり諦めてたから、まるで夢のようでした。おい、生で聴けちゃったよ、と。
たとえるなら、手の届かない存在と諦めていた女性と不意にキスできたかのような...そのくらい、信じられない出来事なのでした。
この2曲が聴けただけで、このイベントに来て、本当に良かったなと心から思いました。

そして次。
この曲もちろん聴いた事ある、たぶん去年出たシングルのカップリング曲だと思うんだけど、特にカップリング曲ってタイトル憶えづらい。なんだっけ。
みたいな感じで聴いてて、後で調べてみたら「YOUTH」でした。
チッチの作詞作曲で、先日のWACK TOURの時にも生で聴いてましたね。
普通に良い曲で、チッチ、曲作りの才能あります。

MCで、BiSHはライヴ中は、水を飲まないルールになってる。それに対する思いを込めて作った曲だと紹介しての「飲ませろ」
今度はリンリンの作詞作曲です。
冒頭の「♪ drink…drink…」から面白い曲。
で、意外と気分が盛り上がるんですよね。
リンリンも良い曲作りましたが、これはアレンジが見事ですね。

「脱・既成概念」
初めに聴いた時は、?と思う曲でしたが、何度か聴いてみると、結構深い曲。
セクシーな感じもありますし、サビで静かに力を溜めている感じも、意外とグッときました。

続いてはモモコのセリフから始まる「サヨナラサラバ」
ここのパート3曲は、昨年のシングルで攻めてきましたね。
グツグツと徐々に煮えたぎっていくような前半から、サビで爆発するチッチとアイナのヴォーカルが良い。
中盤の「♪ 嫌いなままだ」「♪ さようならさらば」の後のoi oi oi oiコールが熱かったです。
カッコいいBiSHでした。

MCでアユニが、今まで音楽に救われてきた事があって、そんな音楽に対して書いた曲ですと紹介して、アユニ作詞の「スーパーヒーローミュージック」
かなりのスピード・ナンバーで、盛り上がるんですよね。
「♪ 痛みを痛みが上書いた」という歌詞がBiSHらしい。
アイナのパートも可愛いんだけど、やっぱりこの曲のMVPはアユニかな。
サビ後半で、アユニがソロ・パートを歌うために、前に走ってくる姿が好き。
ラストの「♪ 素晴らしき人生 ぶちかましていくのさ」にはカタルシスを感じます。
圧倒的爽快感。
最後は、チッチがアユニをおんぶして締め。いい光景です。

「オーケストラ」
名曲は、何度味わってもいいものですね。
サビの振り付けを一緒になって踊っていると、無心になって一体感。
今日も、切ないチッチが尊い。
ラスト、片手を突き上げて「♪ Oh Oh Oh Oh Oh」の大合唱は、もちろん初体験で感動的でした。
この大合唱があると、この曲がさらに輝くんですね。

「beautifulさ」
この曲で最後かな。メンバーが花道まで出てきました。
サビのトゲトゲダンスを踊れば、いろんな事を忘れて楽しめます。
でも、僕の隣の大学生らしき男の子は、1曲目以外はまったく踊らなかったな。BiSHの事よく知らないで、友人に誘われて来たんだろうな。楽しめたかな?
この曲もラスト、「♪ Oh Oh Oh、 Oh Oh Oh Oh Oh」と大合唱出来て感動、ものすごくスカッとしました。

「以上、私たち、BiSHでした」と言った後、あっさりサーッと帰っていったので、この後アンコールがあるのかな?と期待しましたが、ありませんでした。
ライヴ終了は16時40分。
アンコールに期待して、席を離れるのが遅かったため、出口の渋滞にハマりました。
さらに、外へ出ても、歩道橋で事故を起こさないように規制しているのか、門を閉じているため、少しずつしか通れなくなっており、かなり待たされました。
やっぱり、この会場は、終わったらすぐに席を離れて帰らなければダメだなと勉強になりました。

ライヴが終わって...夢見心地な爽快感

オープニング・アクトが始まってから、4時間近くのイベントでしたが、あっという間でしたね。
一時は、別にチケット獲らなくても良かったかなとまで思ってましたが、まったくそんな事なく、むしろ、来なかったら後悔したであろうイベントでしたね。
BiSHは1時間、12曲もやってくれたし。
先日のWACK TOURの倍。
これで3000円は安すぎる。
コスパ高くて大満足。

なにより、「I am me.」「Story Brighter」の2曲が聴けたというのがあまりにも大きい。
今後もBiSHのライヴに行く予定はありますが、そこでこの2曲が聴ける可能性はかなり低く、今回のライヴに来てなかったら、一生、生で聴くことが出来ないまま終わってたでしょう。
そう考えると、ホントにホントに来て良かったと思うのでした。
欲を言えば、一番期待してた「HiDE the BLUE」をやらなかったのは残念でしたが、そこまで望むのは贅沢というもので。

声出しOKというのも良かった。
今後、解散までのBiSHのライヴが声出しOKになるのかはまだ不透明。
このまま声出し禁止のまま解散してしまう可能性もあるわけで、そうなると、やはり今回のライヴの体験は貴重なものとなります。

とにかく、終わった後の夢見心地な爽快感。
最高の思い出となりました。

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