中島美嘉 Live@川口文化総合センターリリアメインホール 2021.8.12 感想

MIKA NAKASHIMA CONCERT TOUR 2021 JOKER

2021年8月12日(木)@川口文化総合センター リリアメインホール

チケットを獲るも、コロナで延期。気持ちも切れて

昨年リリースされた新作『JOKER』が素晴らしくて、次のライヴは絶対行きたいぞ、と思っていたので、1月にチケットの抽選が行われた時に早速申し込んで、無事チケットを入手しました。
この川口公演は、もともと4月に行われる予定だったんです。
で、その4月に合わせて中島美嘉の音楽を聴き込んでいって気分を高めていってたのですが、3月になってから、コロナの影響でライヴが延期になった事を知らされて。
しかも、僕は情弱で、延期が決定したのを1ヶ月以上知らなかったんです。
それなのに、中島美嘉熱を上げていってたもんだから、延期を知った時は拍子抜けしちゃって。
なんだ、もうすぐだと思ってたのに、8月かよー、と随分先のような気にさせられたものでした。

でも、そのまま5月くらいまでは、中島美嘉のアルバムやDVDを聴きまくり観まくりで、熱は続いてたのですが、これは8月までは持たん、と、一旦中止。
それからは他のアーティストを聴くようになって。
そうやって、一旦熱が引いたので、逆に、今度は8月が近づいてきても、なかなか中島美嘉モードにはならなくて。
ツアーが始まってセットリストをチェックしてみたら、僕が期待してたようなものではなかったのも影響しました。
楽しみではない、という訳ではないのですが、気持ちが中島美嘉に向かないまま、ライヴの日を迎えてしまいました。
かろうじて、ライヴの3日前からDVDを3本観て、気持ちを向かせたのですが。

意外にも初めての会場

川口リリアメインホールは、地元・埼玉にある大きな会場でありながら、今まで縁がなく、行った事のない会場でした。
一応初めて行く場所なので早めにとは思い、17時10分頃、会場に到着しました。
駅から物凄く近くて、便利な所にありました。
帰りの電車の心配もないし、これから何度もお世話になりたい会場です。

僕の席は1階22列6番。
後ろから数えた方が早い列でしたが、2階や3階じゃなくて、良かったです。
通路側の席ではありませんでしたが、キャパの50%しか入れない開催でしたので、座席は1つずつ間隔が空いていて、隣の人を気にすることなく、ゆったりと観れるのはいいところ。
ただ、観る分にはいいのですが、やっぱり半分しか観客を入れないというのは、主催者側にとってみれば、同じ事をやるのに収入は半分になる訳で、それはやっぱり苦しいだろうなと思います。
どうせみんな大声も出さずにおとなしく観てるんだから、客席を一杯に埋めてもほとんど問題ないだろうに、と思います。

ライヴのスタート

いよいよ開演です。

01. ドミノ
02. 夜が明ける前に
03. Justice
04. イノサンRouge
05. GLAMOROUS SKY
06. ノクターン
07. (メドレー) FIND THE WAY
08. (メドレー) 愛詞(あいことば)
09. (メドレー) 見えない星
10. (メドレー) ORION
11. (メドレー) ALWAYS
12. (メドレー) Dear
13. (メドレー) FIND THE WAY
14. 声
15. 明日世界が終わるなら
16. RESISTANCE
17. 僕が死のうと思ったのは
18. I DON’T KNOW
19. (メドレー) LIFE
20. (メドレー) A or B
21. (メドレー) CANDY GIRL
22. (メドレー) ONE SURVIVE
23. (メドレー) LONELY STAR
24. (メドレー) ALL HANDS TOGETHER
25. 桜色舞うころ
26. innocent
27. 花束
28. 雪の華
(Encore)
29. (メドレー) STARS
30. (メドレー) WILL
31. A MIRACLE FOR YOU

開演時間の18時ジャスト、「無垢なるもの」のインストが流れてきました。
スクリーン(緞帳)には、バンド・メンバーのクレジットが映し出され。
過去のDVDを観ると、中島美嘉のライヴでは、ギタリストは2人いるのが通例でしたが、今回は1人。土屋公平さん、いません。
さらに、パーカッションもいません。
コーラス隊もいません。
バンドは、ギター、ベース、ドラム、キーボードの4人での演奏みたいです。
辛うじて、バレリーナとダンサーはいましたが、いつものライヴに比べると少人数です。

中島美嘉登場。
黒と赤を基調としたスパンコールの衣装がカッコ良くて素敵。
髪型をコロコロ変える美嘉さんですが、今回は黒髪の様。ショートに見えるけど、後ろで縛ってるのかもしれません。

1曲目は「ドミノ」
重たく物悲しいムード。
サビに向かって、ズシンズシンと重みは増します。

次は、バグパイプのような響きに導かれての「夜が明ける前に」
ピアノを基調としたバラード。
重たかった前の曲を引きずってますが、タイトル通り、夜が明ける前の、微かな希望を感じる展開に、段々と安心感が宿ってきます。

ガラッとムード変わってエンジン全開、ロック・チューンの連発。
まずは「Justice」
サビのところでの「It’s My Justice!」という合いの手をお客さんが入れればライヴ映えすると思っていたので、期待通りの展開にテンションが上がります。
合いの手は、拳を上げて、小声で叫んで。
間奏のギター・ソロもカッコ良かった。
美嘉さんは、舞台中央の階段に両膝広げて座り込んで歌ってました。
このやさぐれ感が魅力的です。

「イノサンRouge」は、最近出た『WITH』という、コラボ曲を集めた企画盤に入ってる曲で、僕はそのアルバムはほとんど聴いた事なかったので、馴染みの薄い曲でした。でも、事前にSpotifyで3回聴いて、ロックな曲なんだなという認識はありました。
「…最悪」というセリフが印象的です。
ハード・ロックでしたね。

そして、中島美嘉のロック曲といえばコレ!の「GLAMOROUS SKY」
これはもう定番ですが、何度観てもカッコ良くて痺れますね。
「♪ SUNDAY MONDAY 稲妻 TUESDAY」の所が好きです。

ここのロック・チューン3連発の流れは良かったですね。

イントロからしてドラマチックな「ノクターン」
壮大な世界観に、美嘉さんのヴォーカルもうねります。

ここからはメドレー。
好きな曲の美味しい部分がたくさん聴けるのはいいんですが、僕はフル・コーラスで歌ってほしい派なので、メドレーはあんまり歓迎しないんですよね。
あっという間に曲が変わってしまって、もっと聴きたいのに!という思いになってしまうからです。
まずはしっとりと「FIND THE WAY」
中島みゆきが作った「愛詞(あいことば)」。みゆき節としか思えない曲調がたまりません。
「見えない星」から「ORION」に繋がるのはなるほど!と思いましたね。切なくて泣けるバラードに、心が温まります。
で、「ALWAYS」「Dear」と続き、再び「FIND THE WAY」に戻るのですが、この辺りから睡魔に襲われました。ほとんど憶えてません。

メドレーが終わって、また1曲1曲じっくりと聴けるところなんですが、眠い所に来てここからバラードの連発です。
ヤバイです。

「声」は、その名の通り、美嘉さんが声にこだわって、絶唱を聴かせるので楽しみにしてたのですが、ホント、眠くて眠くて。

「明日世界が終わるなら」
ある意味、僕、終わってました。

「RESISTANCE」
電車の中でiPodで聴いて、この曲を生で聴くのを楽しみにしてたのですが、レゲエ風味の曲調は子守唄に最適でした。

「僕が死のうと思ったのは」
衝撃的な曲名とは裏腹に、ラストで希望を持たせる所が好きな曲ですが、やはり眠い。
頑張って目を開けた時に、舞台背景のスクリーンに、歌詞が写ってたのを辛うじて憶えてます。

「DESIRE」の曲に合わせて、ダンサーさんが痛快に踊るパート。
この間に中島美嘉さんお着替えです。
この辺りで、何故か僕の目が冴えてきました。

ハードに攻める「I DON’T KNOW」
バラード・コーナーと違って、客席も再び総立ちとなったので、僕も立てて眠気が飛んでくれました。
「ノー!!」と、サビで拳を突き上げて盛り上がれました。

盛り上がったと思ったら、ここでMCのコーナー。
中島美嘉のライヴは、お客さんと喋ったりしながらMCが展開していく事が多いのですが、このご時世、観客は声を出せないので、その代わりに、ライヴ前に観客からアンケートで質問を取っておいて、その質問に答えていく、という趣向になりました。
採り上げた質問は3つ。
僕の5列くらい前の席にいたお客さんの質問が採り上げられたようで、すごい喜んでました。

そして再びメドレー・コーナー。
緊迫感ある「LIFE」
力強さの中に滲み出る幸せな感覚を味わえる「A or B」
「♪ like a circus…」とジリジリとにじみ寄るキャバレー感のある「CANDY GIRL」
「ONE SURVIVE」「LONELY STAR」はどちらもノリが良く、サビで手を大きく左右に振ってリズムに乗るのが心地良かった。
最後は、いつもライヴのハイライトに持ってくる「ALL HANDS TOGETHER」で、「パンパンパン、パンパン」と一緒に手拍子をするのが楽しいし、恒例のメンバー紹介も見どころたっぷりでした。

真っ赤なドレスを着て再登場した美嘉さんが、一層華やかでした。
「桜色舞うころ」を、大切なものを扱うかのように心を込めて歌います。

そして、僕的には最大のお楽しみだった「innocent」
アルバム『JOKER』の中で1番大好きな曲で、イントロのピアノや壮大なストリングスのサウンド構成、情緒的なメロディが、Mr.Children風でいいんです。
この曲を聴きたいがためにチケット獲ったと言っても過言ではありません。
シングルでもないし、サブスクの再生回数もそれほど突出したわけでもないので、人気曲なのかどうかはわかりませんが、ライヴ終盤の大事な所で披露されるという事は、中島美嘉サイドでも重要な曲だと思っているという事なのではないでしょうか。
ただ、いざ耳にしてみると、ああ、憧れだった曲を生で聴けてる...という、実感はあまりなかったですね。夢うつつ、みたいな。眠かったわけではないですよ。

「花束」
これはなんと言っても、歌いだしの「♪ 溢れる」の、ファルセットなのか地声なのかわからない、それでいて透き通るようなロングトーンにハッとさせられます。今回も絶品でした。

本編ラストは「雪の華」
これはもう中島美嘉最大の代表曲ですね。
冬だろうが夏だろうが、いつ聴いてもいいものはいい。
ドラマチックな展開で、今回も感動しました。

アンコール。
「20年前。この曲でデビューしました」と「STARS」
それからメドレー形式で「WILL」
優雅な面もありつつも、繊細に歌い上げる2曲でした。

ラストは「A MIRACLE FOR YOU」
デビュー間もない頃に自分で作詞した曲だから、思い入れもあるのでしょう。
ファンのためにある曲とも言えますね。

終了は20時25分でした。
ホントに2時間半もやってたのかと思う程、あっという間の時間でした(途中寝てたじゃないか!とは言わないで)。

もっと『JOKER』収録曲やってほしかった

ツアー・タイトルが【JOKER】なので、大好きな新作からたっぷり演奏してくれる事を期待して行ったこのライヴでしたが、『JOKER』の収録曲14曲中、美嘉さんが生で歌ったのは6曲。うち1曲はメドレーの中、という事で、これは少なかったです。
いい曲ばかりなので、もっとたっぷり『JOKER』の曲が聴きたかったです。10曲以上やってくれると思ってたのに。これじゃあ、ツアー・タイトルを【JOKER】とした意味があまり感じられないじゃないか、と不満です。
まあ、1番好きな「innocent」をやってくれたので、とりあえずは最低限良かったのですが。

バンドはたった4人での演奏でしたが、音数が少ないだとかの不満はなく、むしろ、これだけの少人数で、よくあれだけの迫力ある演奏ができるもんだなあと感心しました。

そして、美嘉さんのヴォーカルは、不安定に感じる事もなく、調子良さそうでした。
ただ、MCが少なかった事もあるのですが、喋りを聞いてる感じだと、どことなく元気がないような気もしました。
こういう、コロナ禍での開催という事もあって、どこかに不安があるのか。こんな状況でも集まってくれたお客さんに対して申し訳ないといった気持ちがあるのか。
「今日も1曲1曲心をこめて歌います」という言葉は嘘ではないのですが、なんとなく、美嘉さんが心からライヴを楽しんでいるとは思えない気がしてならなかったです。

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