佐野元春『FILM NO DAMAGE』は、若きライオンのそこにしかない輝き!

佐野さんのDVDは結構買い集めましたが、この作品は完全なフル・ライヴ映像ではなくて、ドキュメンタリー色濃く、曲数も少ないし、収録時間も1時間10分と短い。
それに数年前、映画館での上映を観に行ったので、焦って買わなくてもいいかなあ、と。
でも、若き佐野さんのライヴ・ドキュメンタリー映画として評価の高い作品でしたし、またゆっくり観たいとは思ってました。

なので、買うのはずっと躊躇してて、値段が安くなるのを待ってました。
でも、BOOK OFFなんかでの中古品は、あんまり新品と変わらないような値段だったので、だったら新品狙い。
AmazonのDVDは大抵23%OFFくらいになることが多いので、そうなるまで待ってたのですが、なかなか値下げされず。
そうこうしているうちに、BSだかCSだかで放映されたりの影響もあって、Amazonの在庫が少なくなっていって。
いよいよ、再入荷の気配もなくなり、在庫あと2点となったところで限界。
これ以上待って、品切れになって買いそびれたら、後悔するだろうなと思ったので、ここで手を打ちました。
定価3850円でしたが、19%OFFで購入。

早速観てみると。
「悲しきレイディオ」からフルスロットル!
ギターの伊藤銀次さん、ドラムの古田たかしさん含めたハート・ランドのメンバー、そして佐野さん、若さゆえのほとばしる衝動、躍動感がハンパない!
サックスのダディ柴田さんと向かい合ってのパフォーマンスにワクワクが止まらない。
それに何と言ってもめちゃくちゃ音が良い!40年も前のライヴ音源とは思えない程、それぞれの楽器がハッキリ独立して左右から聴こえてきて、圧倒的ダイナミズム。
キレッキレの動きで観客を煽る佐野さんを観てて、ああ、これだけでも買った価値があるなあと。

ドキュメンタリー的な面は意外と少なくて、コメディ要素を含んだ映像が挟み込まれたり、お洒落なカットが観られたり、作り込まれた映像に、なにかメッセージを感じます。

まあ、たしかにフルで演奏されている曲は少なくて、あとは「ガラスのジェネレーション」「ハートビート」「ロックンロール・ナイト」くらいなのですが、ライヴならではの演奏で観客を盛り上げていく臨場感があります。

「つまらない大人にはなりたくない」というメッセージは、この時の佐野さんだからこそダイレクトに伝えられた「ガラスのジェネレーション」が貴重だったり、「ロックンロール・ナイト」でのライオンの雄叫びが若き王者でもあったり。

引きこまれっぱなしだった1時間10分はあっという間でも、観終わると、なにか心にズシリと来る、濃縮で濃密な時間でした。
ただ、公開当時、話題になったとのことですが、でもやっぱり、フルで楽しめる曲数をもっと増やして、2時間くらいの映画になってれば、もっと大きく歴史に残る作品になってたんじゃないかと思うと、惜しい面があるのは否めません。

それでも、この当時にとっては、このくらいが限界だったんですかね。ライヴ・ドキュメンタリー映画自体、少なかったでしょうから。
可能な範囲で、当時の佐野元春というアーティストの魅力をパッケージした作品として貴重であり、ファンの熱狂も伝わってくるし、これを観れば、即座に80年代にタイムスリップして、歴史の目撃者になれるのであります。

現在の佐野さんとは、また違った魅力がふんだんに詰まっていて、そこにしかない輝きがあります。
在庫がなくなる前に、どうぞ。

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