PAUL WELLER JAPAN 2024
2024年2月4日(日)@EX THEATER ROPPONGI
突然の来日公演決定
それは突然のことでした。
昨年の晩夏、なんの前触れもなく、ポール・ウェラーが自分のTwitterに、日本の写真をアップしました。
これは来日公演か!?
その期待通り、2024年1月からの日本公演が発表されたのです。
前回の来日が2018年でしたから、もう6年振りということになります。
僕にとっては25年以上振りだった前回公演がとても満足できたので、次も絶対に行こうと決めてました。
その時の印象もまだ鮮やかで、6年も経ったとは思えないくらいだったので、そろそろ来日公演があってもいいじゃないかとか、全然考えてなかったです。
そんな、不意打ちのような来日決定のニュースでした。
今回の東京公演は、前回公演と同じく、EX THEATER ROPPONGI 2DAYS。
前回は平日でしたが、今度は土日公演です。
まず、どちらの日にするかということですが、土曜日だと節分の日で、僕の近所のお寺で恒例の節分のお祭りがあるので、そうなると、日曜日公演のほぼ一択。
なるべくなら自分の座席が欲しいので、2階指定席を獲りたいところでしたが、席の数は少なくて競争率高いだろうし、そもそも土日公演だとスタンディングだって競争率高そうなので、確実にチケット確保することを最優先と捉えて、第一希望スタンディングのみで申し込みました。
円安の影響もあるのか、最近来日する海外アーティストのチケットはかなり高騰してるのですが、今回のポール・ウェラーは、スタンディングだと1万円を切る良心価格です。
そして、10月中旬には抽選結果が出まして、無事チケットを確保できました。
その後の一般発売では、瞬く間に売り切れたというわけではなかったので、これなら、ダメ元で指定席狙ってみても良かったかなあ、なんてちょっぴり思ったり。
まあでも、2日くらいでソールドアウトしてましたから、ボヤボヤしてたら危うかったのは確かで、それは結果論です。
まあ、スタンディングなのは仕方ないでしょう。
来日公演始まる!そしてライヴ当日
そして2024年1月下旬、ポール・ウェラー来日。
大阪を皮切りにツアーが始まり、各所のセットリストが明らかになりました。
概ね、昨年のツアーのセットリストとは大きく変わらないのですが、ビックリしたのは、本編がセットリスト固定だったことですね。
アンコールが、日替わりで少し入れ替える感じで。
でも、以前のポール・ウェラーのライヴは、毎日セットリストが違っていて、その日によってやる曲とやらない曲があり、同じ曲をやるにしても、ライヴの前半にやったり後半にやったり、それはもうぐちゃぐちゃと言っていいほど、まるで違うのが当たり前。
だから、東京公演2DAYSと言われれば、両日とも行きたい気分に駆られるものでしたが、今回の本編固定のセットリストを見ると、どういう心境の変化なのか。
まあ、この方が、僕としては安心はできるんですけどね。
とはいえ!
アンコールでどの曲をやるのかの悲喜こもごもは少なからずあるはずで、その辺りは期待半分不安半分。
ツアーは順調に進み、あっという間に東京公演。
いよいよライヴ当日です。
関東は、少し雪の心配もあるくらいでしたが、なんとか曇り空。
今回は、目当てのTシャツを買いたいがために、先行販売の列に並ぶため、早目の出動です。
グッズ先行販売は15時30分から。
当初は、その時間に着くように行けばいいかなと思ってましたが、直前で、やはり1本早い電車に乗ることにしました。
なので、会場に到着したのは15時15分頃。
待機列は、予想してたより少ない人数だったので、これなら、ビリー・ジョエルの時のように、目当てのTシャツが売り切れになるということはないだろう、と。
少し待ってから販売が始まり、並んで30分ほどで目当てのTシャツが無事に買えました。
でも、売り場の後ろに見える在庫の数を見てたら、僕の目当てのTシャツの減り方が1番激しかったので、やはり人気のものなんだろうな、これは遅く来てたら買えなかったんじゃないかなと、少し青くなりました。
まあ、なんにしても買えて良かった。
その時点でまだ16時前。
開場時間の17時まで1時間以上あります。
いつもの僕なら、その辺でコンビニのおにぎりを食べて済ますところですが、寒いし、時間も相当あるしなので、通りの向かいに見えたマクドナルドに行きました。
日曜日だからなのか、店内は混んでましたが、なんとか自分の席を確保して、ダブルチーズバーガーを食べて、あとは1時間、iPodでポール・ウェラーを聴きながら、少しうたた寝も交えてゆっくりしました。
なんにしても、暖かいところで休めたのが良かったですね。
そして、ちょうど17時頃、会場に戻ってきて。
既に入場が始まってました。
僕の整理番号426番。
全部で1500人以上入るキャパなので、この整理番号は早い方だとは思うのですが、なんとか気に入った場所を確保しなきゃいけないのでハラハラです。
入ってすぐにドリンクを交換して、少しお腹が張ってたのでトイレの個室へ。
あまりのんびりとはしてられないのですが、トイレが空いてたのはラッキーでした。
トイレから出たら、すぐにフロアへ。
まだスカスカではありましたが、僕が望むようなところはなかなか見つからず。
これは、最後方の壁際にするしかないかなと思いかけたところ、もう一度探したら、PA席の前の柵のところに1人分のスペースを見つけたので、そこに潜り込みました。
ここなら正面だし、後ろが壁みたいなものなので、望んでたような場所です。
場所的には良し、とは思うものの、そこからが長かったですね。
まずは開演までの40分間、じっと我慢です。
そして開演時間の18時。
今回は、東京公演のみ、ポール・ウェラーの娘さんのリア・ウェラーが前座をやるのです。
赤い着物を着て現れたリア・ウェラー。
彼女は今、妊婦さんです。
旦那さんは日本人とのことで、MCの端々に出る日本語は、発音もアクセントもネイティブに近くて親近感。
バンド・メンバーは、ギター、キーボード、パーカッションの3人で、30分間の演奏でした。
どの曲も、ゆったりとしたR&Bという感じでしたね。
一番最後にやった曲が、事前に聴いておいた曲かな?
高音とかファルセットになると、少しだけ母親のD.C.リーを彷彿とさせるところがありましたね。
で、リア・ウェラーの演奏が終わってからがまた長い。
狭くて、暑い中、また30分ほどの待ち時間です。
これが辛かった。
ライヴハウスでの前座ありは厳しいな。
ライヴのスタート
18時59分。
暗転して、いよいよメンバー登場。
ドラム2人、ベース、キーボード、サックス、そしてギターはお馴染みOCSのスティーヴ・クラドックの計6人。
そしてポール・ウェラー。
「コニチハ!」と日本語で挨拶。
しかし、僕の位置からだと、前方の人の頭の間にポール・ウェラーの顔がチラチラ観えるだけ。首から下は観えず。なので、ギターを弾いてる姿がまったく観えない!
これだから、傾斜のないライヴハウスは嫌いなんだよなあ。
自分の前方にどんな人がいるか、まったくの運。背の高い人がいたらアウトだし。
こういう会場は、背の低い女性とか辛いよね。ほとんど何も観えないって人もいるでしょう。
01. Rip The Pages Up
02. Nova
03. Cosmic Fringes
04. My Ever Changing Moods
05. A Man Of Great Promise
06. All The Pictures On The Wall
07. Stanley Road
08. Glad Times
09. Village
10. Hung Up
11. Fat Pop
12. More
13. Shout To The Top!
14. Jumble Queen
15. Saturns Pattern
16. Nothing
17. Above The Clouds
18. Into Tomorrow
19. Start!
20. Peacock Suit
(Encore)
21. Wild Wood
22. Headstart For Happiness
23. That Pleasure
24. You Do Something To Me
25. Broken Stones
26. Mayfly
(Encore 2)
27. Town Called Malice
「Rip The Pages Up」。
ノイジーなイントロが爆音でカッコいい!
レア曲集『Will Of The People』からの大好きな曲。
グツグツと煮えたぎる感じ。
サビの「♪ ベッター、ベッター!ベッター、ベッター!」が物凄くキャッチーで力が入ります。
原曲にはないサックス・ソロがふくよかに彩りを添えて。
いきなりぶち上がりました。
この曲を1曲目にして正解!
「Nova」。
地を這うビートに、スペイシーなSEが宙を舞う。
サビはクルクル回るようなメロディ。
「Cosmic Fringes」。
さらに重低音のビート。刻まれるギターも歯切れが良いです。
「アリガト!」と日本語で言って、「東京に戻ってこれて嬉しい」というポール・ウェラーのMC。
「My Ever Changing Moods」。
もう出ました、スタカンの大名曲。
原曲(シングル・ヴァージョン)より少しテンポを落とし、ファンキーなグルーヴ!
クラドックのギターが心地良くワカチコと転がってます。
そして冒頭からお客さんによる大合唱!
僕も、多少歌詞は怪しいですが、一緒になって歌いました。気持ち良かった!
スタカンとはひと味違うノリでしたが、歳を重ねたポール・ウェラーのChanging Moods。
ドラム・セットは2つあるのですが、ツイン・ドラムというより、もう1人は立ったままで主にパーカッション的な役割。
で、ドラマーの方が誕生日だったそうで。客席から「ハッピーバースデー」の歌声が聴こえる中、そのドラマーが曲紹介。
「A Man Of Great Promise」。
スタカンのこの曲はシングルでも代表曲でもなくて、アルバムに入ってる曲ですが、ソロになってからもたびたび披露してきていて、DVDにも収録されてたりします。
今回の日本ツアーでこの曲がセットリストに入ってると知った時、またコレ採り上げるのか、ポール・ウェラーもお気に入りなんだろうなあと思ったのですが、よくよく考えたら、僕は生で聴いたことない。
スタカンの中でも1番好きと言ってもいいくらいのこの曲が生で聴けるのかと気付いたら、嬉しくなってきて。
でも、DVDを観返してみると、アレンジが変わっていて、原曲とは違うので、そんなに期待しすぎてもいけないかな、と。
で、実際に生で聴いてみると。
ポール・ウェラーはここからアコギに持ち替えていて、やっぱりスタカンの時とはアレンジが違っていて(キーも違うのかな?)、ソロのDVDに入っていたのと似たような感じでした。
テンポも落として、バラードとまではいかないけれど、最初からポール・ウェラーが声を張り上げて歌います。
間奏のギター・ソロのところはサックス・ソロになってました。
やっぱり元のメロディが素晴らしいので、多少崩して歌ってても、良さが伝わります。
切なくて、クールでいて熱く秘めたものを感じさせるこの曲。
男の色気が出まくってました。
元々短い曲ですが、大好きだからか、さらに短く感じ、堪能する間もないほどにあっという間に終わっちゃいました。
「All The Pictures On The Wall」。
アコースティックな味わいが強く出てましたね。
パーカッションの人の振るマラカスの音がやけに大きく聴こえてきました。
この曲でもサックス・ソロが活躍し、曲のスケールを大きくしてました。
ポール・ウェラー、ステージ左手のキーボードに移動。
「Stanley Road」。
ズンズンズンズンと、単調と言っていいくらいのこのリズムが、とびきりクセになる曲です。
このビートに合わせて、ずっと踊っていたい感じです。
「アリガト!」とポール・ウェラー。
「Glad Times」。
メロウなムードになって、ミラーボールが回りだし、背景にも白色のデザインの模様が映し出されて世界観を作ります。
特に間奏ではなんとも言えない幸せなサウンドになって盛り上げるんですよね。
サックスの人は、ここではフルートを吹いてました。
ポール・ウェラーはまた中央に戻ってアコギに持ち替え。
「Village」。
穏やかで、平和な気分に浸らせてくれる曲です。
それでいて、胸をキュンと締め付けて来るメロディを持ち合わせています。
「Hung Up」。
アコギでの弾き語りのように始まります。
そこからすぐにバンド・サウンドになり、ガツーンと来る感じではないのですが、よーし、やったろうじゃないかという勇気が湧いてくる曲なのです。
そして、サイケでブルージーな迫力あるギター・ソロが超好きです。今回もクラドックが素晴らしいソロを響かせてくれました。
「Fat Pop」。
どこか怪しさを感じさせる曲です。全然ポップではない!(笑)
ただ、「♪ ファッポッ!」というところが耳にこびり付くので、印象に残ります。
「More」。
ポール・ウェラーはワインレッド色のエレキ・ギターに持ち替えました。
これまた怪しいムードでもあるのですが、奥深いですね。妖しいと言ってもいいかな。
よく観たら、パーカッションの人がドラムを叩いていて、今までドラムをやってた人はギターを弾いてました。ギターも弾けるのか!とビックリ。
歌い終わっての終盤は、演奏が段々と、ジワジワと盛り上がっていきます。
その最高潮の時に聴こえるギター・ソロの響きがたまらない。
そして、気付くとフルートの音が聴こえてきて、ギターと絡みます。
そこへポール・ウェラーが、「♪ More! More!」と吠えて、さらに曲を高みへ持ち上げます。
ラストでは、フルートから持ち替えたサックスを華々しく吹いてフィニッシュ。
1984年の曲と紹介して「Shout To The Top!」。
印象的なイントロは、迫力充分。
ポール・ウェラーはアコギを軽快に鳴らします。
これも原曲よりはテンポ遅めですが、トップに物申す熱い魂は伝わってきます。
「♪ シャウトゥザトッ、シャウッ!」と一緒に歌いながら、人差し指を天高く突き上げます。
終盤ではまたサックス・ソロで盛り上げて。
これまたテンション上がる曲でしたね。
次はBrand-New Songと言って、今年の5月に出すつもりのアルバムに入るよと紹介して、「Jumble Queen」。
昨年のツアーの時から既にセットリストに入っていて、馴染みのないタイトルだな、なんの曲だろう、カヴァー曲かなあ、それとも企画ものかなんかで出てたものだろうかと謎に思ってたのですが、いわゆる新曲だったんですね。
ポール・ウェラーもエレキに持ち替え、なかなか華々しい感じで、キレのあるリフというかリズムというか。
割と憶えやすそうなノリのいいロック曲でしたよ。
ポール・ウェラーは再びキーボード。
「Saturns Pattern」。
キーボードで一定のリズムを叩き弾く感じ。
どこかネジがぶっ飛んだような跳ね具合。
終盤で、ポール・ウェラーはステージ中央へ戻り、スタンド・マイクで熱唱。
「Nothing」。
聞き慣れないタイトルの曲がここにも。この曲もなんだろうと思ってましたが、この曲も新曲とのことでした。
こちらはムーディーなバラード。
またもやポール・ウェラーはキーボードを弾きながら歌い上げます。
エレピやサックスの音が効果的にサウンドの幅を持たせていました。
今回披露された2曲を含むNEWアルバム、期待できそうです!
「アリガト!」とポール・ウェラー。
「Above The Clouds」。
ポール・ウェラーはエレキ・ギターに持ち替え、アーシーなグルーヴにアレンジされたこの曲を。
雄大な雲が広がっていく感じ。ゆったりとして、優雅な気分です。
「Into Tomorrow」。
超カッコいいイントロのギター・リフから、原曲よりかなりテンポを落として、スローにうねるグルーヴ。
勢いだけでいけない分、サビには思い切り力をいれていきます。
お、ドラム・ソロか?と思ったら、もう1人のドラムが入ってきてツイン・ドラム。その後はドラムを交互に叩いたり、一緒に叩いたりと、ドラム・ワークが楽しかったです。
その間に、ポール・ウェラーはステージからいなくなって。
そうすると、他の楽器も入ってきて、ジャム・セッションのように演奏に力が入ります。
ポール・ウェラーがいなくても、これだけお客さんを沸かすことができるぜとばかりに、熱い演奏。
そしてポール・ウェラーが戻って来て演奏に加わり、ギターをかき鳴らして終了!
「Start!」。
ようやく出ました、ザ・ジャムの曲。
原曲は、ビートルズ「Taxman」に影響されたベース・ラインが印象的に始まるのですが、今回はドラムの音が大きくて、あまりベースの音が聴こえてこなかったので、一瞬なんの曲が始まったのかわかりませんでした。
まあでも、聴き進めていけば、やはりベース・ラインが光る曲ですし、サイケでキレのあるギター・サウンドも素晴らしくて。
「Peacock Suit」。
初っ端のポール・ウェラーのギターに痺れます。
地鳴りのようにうごめくビート。
キレッキレのリード・ギター。
こめかみに血管が浮き出そうになるほど力をこめたポール・ウェラーのヴォーカル。
終盤、パンパンパンパンと手拍子を入れるところが好き。
そして、「♪ ピーコッスー、イエー!」と一緒に歌って超快感。
熱く盛り上がって一気に駆け抜けた本編はここで終了。
20時23分。
すぐにアンコール。
パーカッションの人が曲紹介。「フォーク・ソング」と言って。
「Wild Wood」。
アンコール1曲目がコレとは意外でした。
侘しい感じの、たしかにフォーキーな曲ですが、ただ侘しいだけでは終わりません。
歌っているポール・ウェラーの熱がガツンと伝わってくるのです。
そして途中、ポール・ウェラーじゃない人がリード・ヴォーカルやってるのが聴こえる!歌ってるのは誰だ??と、急いで見渡したら、ドラムの人が、アコギを弾きながら歌ってたのでした。
こういう演出もあって、意外に印象的でしたね。
「Headstart For Happiness」。
前曲に引き続いて、ポール・ウェラーはアコギを鳴らしながらの軽快な曲。
原曲よりもサックスの音が大きく鳴り響いてきて新鮮。
僕は盛り上がって「♪ Oh、Oh~Oh」というコーラス部分を一緒に歌いましたけど、周りのお客さんはあんまり歌ってなかった。
原曲ではサビの終わりのシャウトするところ、ポール・ウェラーは全然歌わずにギターのストロークに専念。
あそこが盛り上がるところなのに、なんで歌わないんだと少しモヤモヤ。
「That Pleasure」。
原曲は歯切れ良いリズム・ギターが印象的ですが、ライヴではギターは控えめで、代わりにドラムとピアノがリズムをリードしていました。
どこかやるせないメロディで、良い意味でぐったりします。
ポール・ウェラーはキーボードへ。
「You Do Something To Me」。
これまたやるせなく、ずっしりと心が重たくなります。
と言っても、決して悪い心地はしなくてね。
天井ではミラーボールが回っていて、うっとりと聴き入る感じでした。
ギター・ソロも沁み入るのよ。
「Broken Stones」。
さっきポール・ウェラーがキーボードに座った時に「Broken Stones」だと思ったら「You Do Something To Me」だったので、この曲はカットされるのかと思ったら、ちゃんとやりました。
さきほど重く感じた心も、この曲でいくぶんウキウキとした感じになりました。
楽しい、とまで言ったら言い過ぎだけど、何かが始まりそうな期待感を抱かせる曲です。
ポール・ウェラーは前曲と同じキーボードを弾いてるのに、まるで違った味わいのサウンドでしたね。
間奏と終盤で、クラドックがハーモニカを吹いていて、でもハーモニカにしては響きが違うなと思って横を見たら、サックスの人がピアニカを弾いていて。
2つの音が交じり合ってるのかあと思ったのですが、それにしても、ハーモニカの音っぽくなかったですね。なんか違う楽器を吹いてたのかもしれないです。わかりません。
ここでポール・ウェラーがバンド・メンバーを紹介しました。
今回のライヴではかなり印象的で効果的だったサックスの人はジャックと言ってたような。
「Mayfly」。
前回の来日以降に出た、大好きなアルバム『True Meanings』からも貴重な1曲。
ポール・ウェラーはアコギをつま弾きながら、穏やかに歌います。
ピアノの音色がピリリと切なく聴こえて苦みのあるメロディも混じりますが、心が安らぐ曲です。
ほんわかと、良い意味で放心状態になったところで、メンバー退場。
でも、ここで終わるはずはありません。
ダブル・アンコールです。
何をやるだろうと、固唾をのんで期待してたら、聴こえてきたのは印象的なベースのイントロ。
「Town Called Malice」だ!
ここまでの日本ツアー、メンバー&スタッフ用に作成されたセットリスト・シートの写真を見たら、毎回アンコールの候補曲には入ってたのに、今まで演奏されなかったこの曲。
今回の日本公演、最終日になって、ついに登場です!
ポール・ウェラーがタンバリンを叩きながら、モータウン・ビートで突っ走る、ザ・ジャムの曲。やはり盛り上がります。
「♪ ターンコーマリース、ウーウーイエー!」と一緒に叫ぶように歌うこの気持ち良さ、開放感。
「♪ パッパッパッパ、パラッパー」のところも最高でしたね。最後に一緒に歌える曲があるのは良いです。ああ、これでライヴも終わりだなと実感します。
でも、一緒に歌って、熱く盛り上がったけど、あんまり憶えてない感もあります。それだけ没入してたのかな。
最後は、バンド・メンバー全員がステージ前方に整列して、観客の声援に応えて終了しました。
20時58分。
こんな色気たっぷりの65歳いる?これからもついて行く!
今回も熱かったですね。
冬だから着こんでいたせいもあって、実際に汗ばむほど暑かった。
燃え尽きた感があります。
まあ、欲を言えば。
ラストに「Malice」が来た煽りを食って、「The Changing Man」がカットになったことがショックです。
ライヴでは超定番と言える曲ですが、前回の来日公演の時も、僕が観に行った日には披露されなくて、今度こそは聴けるだろうと期待して行ったのに、またもや聴くことが出来ませんでした。
この曲を生で聴くまでは、今後も来日公演に行き続けねばならないだろうなと決意しました。
「The Changing Man」以外では、「Tales From The Riverbank」も聴きたかったところですが、なんといっても本編が固定のセットリストなので、全体的には安定して聴けたセットリストでした。
最近の傾向からすると、ザ・ジャムの曲が2曲だけというのは少ないかなと。スタカンは4曲やったのにね。
それに、ソロの曲も、最近のアルバムの曲が多いのは当然としても、それ以外は90年代の曲で固めていて、中期(2000年~2015年)の曲が全然ないというのが、ちょっと不満と言えば不満かな。
もうちょっと、各年代からピックアップした曲をやってほしかった気はします。
ソロ初期と近年に偏った選曲が、今のポール・ウェラーの気分なのかな。
サウンドとしては、パンキッシュなスピード感はほぼ無くて、ギターの勢いや鋭さで勝負するより、アーシーなグルーヴで会場を沸かすことに挑戦した感じ。
年齢を重ねたことでスピードが遅くなったわけではないと思いたい。
特筆すべきはやはりサックスで、多くの曲で、色気たっぷりのムードを作り上げてました。
音圧もとても良くて、圧倒される迫力のバンド・サウンドでした。すごかった。
ただ、次の来日公演は、ホール公演にしてほしい。
客層の高齢化を考えても、スタンディングのライヴハウスはちょっときつい。
いや、ロックのライヴだから、ライヴを立って観るのは全然かまわないのよ。立って踊ったりノッたりしながらは観たい。
でも、自分の座席が無いとなると、開場直後から場所を探して確保して、そのままずっとそこにいなきゃいけない、ライヴ以外でも立ってなきゃいけない時間が長いのが辛い。
今回は、リア・ウェラーの前座もあったから、4時間も狭くて暑い中、立ってなきゃいけないのは辛かった。
ステージが見えにくいのも難点だし、やはり、今後はホール公演で。マジでお願い。
髪の毛はシルバーになり、顔もしわくちゃになって、見た目としてはやっぱり歳を取ったなと思わせるポール・ウェラーですが、スタイルは変わらないし、お洒落で最先端なイケオジっぷりは、今でも魅力充分。
昔から憧れの存在だったポール・ウェラー、ファンを幻滅させるなんてことは微塵もなく、これからもずっとついて行きたい!と心の底から思いました。
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