THE RHAPSODY TOUR
2024年2月13日(火)@東京ドーム
ヴォーカルはフレディじゃないよ...どうする?
クイーンは全オリジナル・アルバムを聴いたくらいには好きなんだけど、めちゃくちゃ聴きこんだわけではないから、大ファンってわけではない。
そんなクイーンが来日公演をすると聞いて。
もちろん、興味はある。
でも、やっぱり、ヴォーカルがフレディ・マーキュリーじゃない、ってのが大きなポイントでね。
僕はインストが苦手な方で、どうしてもヴォーカルを中心に聴いちゃうので、ヴォーカリストが違うってのは最大のネック。
以前、イエスのライヴに行った時、ヴォーカルがジョン・アンダーソンじゃなかったから、なんだかコピー・バンドを観ているような気になってしまったのが印象に残ってて。
たとえば、キング・クリムゾンのようにヴォーカリストがコロコロ変わっているバンドだと、あまり気にならないのだけれど、カリスマ・ヴォーカリストが売りのバンドの場合は、やはり気になって仕方ない。
いくら今のヴォーカリストが歌が上手いとしても、そういうことじゃないんだよね。歳を取って声が衰えてても、オリジナルのヴォーカリストの歌が聴きたいんですよね。
だから、今までのクイーンの来日公演も行こうとしなかったわけだけど、今回のライヴの日程は、東京公演はちょうど僕の仕事の定休日にあたってたんですよね。
仕事の休みを取ってまでは行こうと思わないけど、もともと仕事が休みの日なら...と心が揺らぎました。
なので、ちょっと前向きになって、とりあえずは、今のヴォーカリストのアダム・ランバートの歌声がどんなもんなのかをチェックすることに。
ここは唯一出ているライヴ盤『Live Around The World』を。
やっぱり、違和感はありましたね。
これぞブライアン・メイのギターの音色!とか、ロジャー・テイラーのドラムのテクニックが!みたいなことまではわからないので、演奏だけでは判断つかず、これはコピー・バンドの演奏ですよと言われても納得しちゃう、みたいな。
アダムが歌が上手くて迫力ある声量なのは伝わってくるんだけど、どうしてもフレディの幻影を求めちゃう。
これはどうしたものなんかなあと思いつつも、慣れるしかないのかなあって。
それで、何度も聴いているうちに、慣れてきたというか、ヴォーカルの違和感がなくなってきたと言うよりかは、フレディとは別物なんだという納得感が出てきたので、これなら、ライヴ観てもいいかもなあと思えてきました。
で、気になるのはチケット代で。
どうしても観たい!というわけではないので、安く観れるのなら観てもいい、って感じ。
S席は17000円で、A席なら12000円。
5000円の差は大きい。A席が獲れるのなら。
もうとっくに先行抽選が始まったのは知ってたけど、現時点ではどうなってるのかなあと確認してみたら、今受け付けてるのは先行抽選ではなく先行先着!
先着ですと??と驚いて、申し込みページを見てみると、なんと、全席販売中。
A席も売ってました。
あれ、今回のライヴはチケット争奪戦になってない感じ?
となると、ちょっと冷めたというか、余裕が生まれてね。
今なら、A席買えるんだけど、先行販売だから、特別販売料が1650円かかるのです。
そうなると、一般発売のS席の値段に近づいてるわけで。
こんな風にチケット余ってるんだったら、慌てて買わなくても、一般発売でもA席買えるんじゃね?だったら特別販売料の分を余計に払わなくても済むんじゃね?と。
それで、その時はスルーすることにしました。
で、次の日見たら、既にA席は売り切れになってたわけですが、S席が売り切れる気配はなくてね。
まあ、想定内...と思ったのですが、サイトをよく読むと、【先行販売で売り切れたら、一般発売は行いません】と書いてあったんだよね。
うわ!それ気付かなかったよ。
てことは、既に売り切れたA席は、一般発売なし?
となると、途端に後悔が襲ってきました。
もう、この時点で、かなりライヴに行く気になってたものですから、やっぱり前日、サッとA席買っちゃえば良かったんじゃないか、と落ち込みました。
こうなると、S席にするしかないのか。
17000円?
いや、今買うとなったら、特別販売料がかかるので、19000円くらいになります。
12000円で買おうと目論んでいたことからすると、かなりの増額です。
でも、今買わなかったら、S席すらも売り切れてしまうのではないか?という不安も襲ってきました。
かなりの悩みどころでしたが、そもそも、仕事が休みの日でチケット代も安いのならば行くというのが前提だったので、19000円も出さねばならないくらいだったら諦めよう、との結論に達しました。
結局、先行販売期間中にS席が売り切れることはなく、このまま一般発売の日を迎えることとなりました。
しかし、一般発売前日、サイトを見ても、販売が予定されてるのは札幌公演と大阪公演だけなのです。
東京公演はどうなったんだよ!
なんだかんだで、ある程度の枚数が捌けたので、一般発売は行わない、ということなんでしょうか。
どうするつもりなんだ?
僕のクイーンのライヴはどうなるんだ?
そして、10月28日。一般発売当日。
9時45分。イープラスのサイトを見ても、一般発売の概要の記載は無し、です。
結局、もうチケット売らないのか...。
すっかり諦めモードになりました。
でも、ふと思い立ち、10時を5分過ぎたところで、イープラスのトップページにアクセスしてみると、クイーンのチケットの特設ページのリンクが現れてたのです。
これは??と思ってアクセスしてみると、
東京ドーム一般発売あり。
A席販売中。
おおおおお!!
そこからは慌てて、申し込み!申し込み!
ふぅ~っ。
というわけで、念願のA席確保。
しかも一般発売なので、特別販売料かからずの12000円で買えちゃいました。
すべて希望通り!
こうなったらいいなあとは思って一縷の望みを託してたわけですが、ホントにうまくいきました。
ラッキーでした。
チケット発券!
ライヴ1週間前になり、チケットの発券が可能となりました。
最近は電子チケットが多いので、紙チケットは珍しくなってきました。
いつもは結構ライヴ日ギリギリになって発券に行くことが多かったのですが、今回はなんとなく、早目に引き取りに行こうと思い立ちました。
仕事帰りにファミマへ。
レジでスマホのバーコードを読み取ってもらうものの、店員さんの顔色が怪しい。
そして、もう1人の店員さんが加わり、バックヤードへと走る。
さんざん待たされた挙句、
「チケットの紙が無いので印刷できません!」
「は?」
「予備の紙も無いので、今日はムリです!」
「では、いつなら?」
「わかりません!」
「では、どうすれば?」
「他のファミマに行ってください!」
何故か、店員の方がキレ気味。
「申し訳ありません」の言葉も無し。
用紙の補充ミスで、お客さんに迷惑かけたというのに、謝罪の言葉なく、「仕方ないだろ」的な店員さんの対応には腹が立ちました。
他の店へ行けと言われても、こんな田舎町にはそんなに何軒もファミマがあるわけではないだろうに。
困ったなと思いつつも、もう1軒、自転車で行ける距離の店をかろうじて知っていたので、面倒ですがそちらに行くことにしました。
それで、着いた先で無事に発券することができて、ホッと胸をなでおろしたわけですが。
それにしても、こういう事は想定してなかった。
これがライヴの前日とかだったらもっと焦ってただろうな。他の店も同じく紙ぎれだったりしたらどうしよう、発券できなかったらライヴ観れないじゃないか、どうなるんだろうって。
こういう事もあるから、紙チケットの発券は余裕もってしといた方がいいなと勉強になりました。
ライヴ当日。会場へ
ライヴ当日。
天気も良く、穏やかな日。
開場時間は17時だったのですが、会場に到着したのは18時ちょっと前。
トイレがいつも長蛇の列になるからと、入場してすぐにトイレを目指したのですが、僕の席から1番近いトイレは小ぢんまりとしていて、しかもガラ空き。
場所的に、一番隅の方に位置するトイレなので、需要も少ないみたい。全然列ができる気配がありませんでした。
こうなると、ちょっと手持ち無沙汰になっちゃいました。
なので、それほどもよおしたわけではなかったのですが、個室に入ってゆっくりしました。
僕の席は2階1塁側17列367番。
A席なので、2階の後方というのは予想してたんですが、意外とステージがよく観えたのでビックリ。
もっと角度がなくて、真横から観る感じになっちゃうかなあと思ってたのですが、予想よりもずっと中央寄りで、ステージ全体もスクリーンもバッチリ観えて、観やすい席でした。
これでA席なのはお得でしたね。
今回はソールドアウトしなかったのかな。
当日券売り場はかなりの列が出来てましたけど、前売りは売り切れなかったはず。
そのせいでしょう、外野席はまったく人が入ってなかったですね。
チケットの売れ行きが良ければ、ステージサイドの外野席も、注釈付き席とか参加席の形で開放するはずなのに、今回は閉鎖されてました。
そんなことを考えてたら、思ったよりもすぐに開演の時間です。
ライヴのスタート
19時2分、客電が落ちて、ライヴがスタート。
01. Radio Ga Ga
02. Hammer To Fall
03. Fat Bottomed Girls
04. Another One Bites The Dust
05. I’m In Love With My Car
06. Bicycle Race
07. I Was Born To Love You
08. I Want It All
09. Love Of My Life
10. Teo Torriatte
11. Under Pressure
12. Tie Your Mother Down
13. Crazy Little Thing Called Love
14. Who Wants To Live Forever
15. Is This The World We Created…?
16. A Kind Of Magic
17. Don’t Stop Me Now
18. Somebody To Love
19. The Show Must Go On
20. Bohemian Rhapsody
(Encore)
21. We Will Rock You
22. Radio Ga Ga
23. We Are The Champions
「Machines (Or ‘Back To Humans’)」のサウンドがループして流れ、派手なレーザービームの演出と共に、ステージ中央を隠していた機材が緞帳のようにせり上がっていきます。
徐々にリズムが交差していき、「Radio Ga Ga」だ!
ステージ中央に姿を現したアダムとブライアンが並んでいます。
2人はメタリックな銀色の衣装に身を包んでいます。
近未来的なセットと同じように、この曲もどこか近未来的なサウンドです。
サビは「♪ All we hear is」「パンパン!」「♪ Radio Ga Ga」「パンパン!」と手拍子。
おお、盛り上がってきた~と思ったら、ワンコーラスで終了。
「Hammer To Fall」へなだれ込みました。
ブライアンは既に花道を歩いてセンター・ステージへと到達していて、そこでギター全開。
パワフルかつ流れるようなメロディとリズムがクセになります。
続いてアダムもセンター・ステージへ行って、早くも東京ドームの真ん中が華やかです。普通、もうちょっと通常ステージで演奏してからセンター・ステージへ移動するもんじゃない?(笑)
終盤、ブライアンがレッド・スペシャルで決めるギター・ソロがなんとも流麗で艶やかでした。
「トーキョー!You ready Rock’n roll!」とアダムが叫びます。
「Fat Bottomed Girls」。
イントロのハーモニーからして、さすがクイーン!の美しさです。
あとはひたすら重低音のリズム!
軽いハーモニーと重たいリズムが調和するのがクイーンならではの魅力です。
ブライアンはいつの間にかステージの右端まで来てくれていて(僕に近い方)、歩きながらのギター・ソロ。
海外でのライヴのように、派手な女性ダンサーの登場を夢見ましたが、実現せず残念。
各公演地ごとに地元の女性たちを登場させたら面白いと思うのですが、詞の内容からしてコンプライアンス的に無理なんでしょうか。
ドラムのロジャーとパーカッションの2人がリズムを楽しむような叩きあいをしてから、印象的なベースのイントロが入り「Another One Bites The Dust」。
終始力強いベースとドラムのリズム隊が肝なんですが、ブライアンがファンキーにかき鳴らすギターも大好きで...と思ったら、強力な重低音に負けて、あまりギターの音が聴こえず。
というか、今日の東京ドーム、反響音がすごくて、音がダブって聴こえてきました。この曲は特に顕著。
最近の東京ドームのライヴでは、こういう反響音は気になることなかったのですが、今回の僕の席の位置のせいなのかなあ。
せっかくのカッコいい曲が、ちょっと魅力を削がれました。
「I’m In Love With My Car」。
ロジャーがドラムを叩きながら歌います。
叩きながらだというのに、聴こえてくる歌声はドッシリとしていて迫力がありました。
息が上がるなんてことは全然なくて、すごい!70歳過ぎの歌声には思えませんでした。
モテ男の神髄を見た気がします。
「Bicycle Race」。
車の次は自転車!と思ったら、突然センター・ステージに現れたのは、メタリックでゴツいバイクに乗ったアダム。
何故バイク?
「今バイクに乗ってるんだけど、ホントは自転車に乗りたいんだ!」っていう意味なのかなあ。ちょっとギャグっぽく。
それとも、Bicycleには、オートバイという意味もあるのかなあ?
わかんない。
で、アダムを乗せたバイクがクルクル回転します。
バイクに乗ったアダムが「自転車に乗りたいんだ!」とクルクル回りながら歌ってると思うと笑えてきました。
「I Was Born To Love You」。
これはアダムがアカペラで歌い出した瞬間、大歓声。この曲はやはり日本では大人気ですね。
そして、サビに向かってだんだん盛り上がっていく「♪ An amazing feeling Comin’ through」のところのロジャーのドラムがすごいカッコ良かった。キタキタキタ~ッ!て。
いつのまにかミラーボールが回っていて。
ブライアンのギター・ソロ、ライトハンド奏法も聴きどころで。
よく見たら、ロジャーはサングラス外して素顔になってた。
爽快感に溢れた曲で、とにかく清々しかったですね。
アダムの憂いある叫びのスキャットから始まっての「I Want It All」。
今回これがセットリストに入ってると知って、聴きこんで好きになった曲です。楽しみにしてました。
重厚感のあるサウンドとヴォーカル、ハーモニーで圧倒されます。
アダムの「Singin’ TOKYO!」の声で、サビを一緒に「♪ アイウォーニーオー、アイウォーニーオー」と歌いました。憶えやすくて良いシンガロングでしたね。
そして、一節、ブライアンがリード・ヴォーカルを取ります。
直後、リズムが一気にスピード・アップ。疾走感がたまらない。
ブライアンがセンター・ステージでギター・ソロを弾き、また元のリズムに戻ってアダムが歌い、「♪ アイウォーニーオー」。
期待通りの素晴らしい演奏でした。
ここで第1部終了、って感じ。
センター・ステージにブライアン。
「トーキョーノミナサン、コンバンワ!」
「オゲンキデスカ?」
「ホントネ?」
「ウレシイデス」
「イッショニウタッテクダサイ」
そう言ってアコギで弾き語り始めたのが「Love Of My Life」。
会場内は、大勢の観客がスマホのライトを照らしています。
弾き語りといっても、ほぼほぼ観客に歌わせるブライアン。
その歌声を聴いて、
「スバラシイデス」
ま、僕は歌詞憶えてないぞ、マズイなと思いつつ、テキトーに合わせてましたが、意外と憶えてるもんですね。それなりに歌えました。
間奏のソロ・フレーズを弾いた後、ステージ中央のスクリーンにフレディの姿が!
ここから、フレディの歌声が響き渡ります。
「♪ Hurry back hurry back Don’t take it away from me」
ああ、フレディ。
この声だよ...。
「♪ Ooh eh」と消え入るように歌って。
最後はブライアンとフレディが拳を合わせるようなシルエットになって。
そして、スーッとステージから去っていくフレディの姿に切なくなりました。
素晴らしい演出でしたが、フレディを映し出してたのはステージ中央の割と小さめなスクリーンだけで、ステージ左右にある巨大スクリーンには何も映ってなかったんですよね。
これ、もしかしたらスクリーンが見えにくい場所にいる人の中には、フレディ登場の演出に気付かなかった人もいるんじゃないかと心配になりました。
そのままブライアンが弾き語る形で「Teo Torriatte」。
前の曲は観客と一緒に歌ってましたが、こちらはガッツリと歌ったブライアン。
ブライアンの歌声は落ち着いてましたね。フレディの声に似たものがあって、全然違和感なしでした。
サビからドーンとバンド・サウンドになって。
後半はアダムが再登場し、リード・ヴォーカルをとりました。
パッとドーム内の照明が明るくなって、スクリーンには日本語の歌詞の字幕が。
「♪ 手をとり合って このまま行こう 愛する人よ 静かな宵に光を灯し 愛しき教えと共に」
観客が大合唱です。
これは、日本でのライヴならではの光景ですよね。
スクリーンには、若きロジャーがティンパニー・ソロを叩く映像が。
センター・ステージのドラム・セットに移動したロジャーが、スクリーンを指差し、
「Young me」
そして自分を指差し、
「Old me」
そして、ドラム・ソロへとなだれ込みます。
相変わらずパワフルなドラムで、手数が多く。
でも、クドくないんですよね。
花道の真ん中まで来ていたベーシストが、印象的なイントロを弾いて始まる「Under Pressure」。
いつのまにかセンター・ステージに現れたアダムと共に、ヴォーカルを分け合うロジャー。
デヴィッド・ボウイとの共作だったこの曲、フレディ・パートがアダム、ボウイ・パートがロジャーと単純に考えてもいいんでしょうか。
詳しいテクニカルなことは全然わかりませんが、ハーモニーに凝ってるクイーンのことだから、いろいろと複雑なヴォーカル・ワークになっている気がしないでもありません。
ブライアンも合流し、センター・ステージに3人が揃いました。
演奏後、ロジャーとブライアンを紹介するアダム。
そして、アダムを紹介するブライアン。
大歓声に恐縮するように「アリガトウゴザイマス」と応えるアダム。
次に始まった曲は、なにやら耳馴染みのない感じ。
あれ?もしかしたらサプライズで、今までセットリストに入ってなかった曲をやってるのかな?と思ったら、サビのメロディで、どうやら「Tie Your Mother Down」だとわかり。
リズムを遅くして、メロディも崩した感じだったので、全然わかりませんでした。
このままだとノリにくいなあと思ってたら、途中から、聴き慣れたブギの曲調になりました。
「♪ タイヤマザダーン!タイヤマザダーン!」
そうです、このノリです!
「Crazy Little Thing Called Love」。
軽快なシャッフルのリズムでギターを鳴らすロカビリーです。
観客も手拍子で盛り上げます。
フレディはじっとりねっとりと、くどく歌ってましたが、アダムはやはり突き抜けてますね。
こういうところにも両者の違いを感じます。
「You Take My Breath Away」のコーラス・テープが流れます。
この間に、3人は通常ステージに戻ります。
「Who Wants To Live Forever」。
どっしりと重たく心にのしかかり、切迫感のあるサウンド。
朗々と歌い上げるアダム。
先ほどはフレディとの違いを痛感したばかりでしたが、意外やこの曲では、ほんの少しフレディに似たものを感じる瞬間がありました。
ここからはブライアンのギター・ソロのコーナー。
ブライアンがステージ高くせり上がり、ギターを弾きます。
せり上がったところはスクリーンになっていて、そこに岩?月?星?な映像が映し出されて、その上でギターを弾いているように見えます。
途中、「遠き山に日は落ちて」のフレーズを弾くブライアン。さすが、日本公演だから、日本の唱歌のフレーズを入れてきたか、とほくそ笑んでたら、後で調べたら、これ、ドヴォルザークだって。小学生の時、音楽の授業で習ったの、すっかり日本の曲かと思ってたよ。
その他、いろんなリフやフレーズを奏でたブライアン。
何かの曲が始まるようで始まらない、次から次へとなんらかのイントロだけ弾いてる感がありました。
ブライアンとアダムが花道の真ん中に並んで。
「Is This The World We Created…?」。
ブライアンのアコギを伴奏にしてアダムが歌います。
この曲、「Love Of My Life」になんだか似てるんだよね。
つまりは、美しくシンプルなメロディってこと。
うっとりと聴き惚れます。
「A Kind Of Magic」。
軽快に歩き出したくなります。
「Can hear TOKYO!」と煽りながら歌うアダム。
火花には驚きました。
ここで、バンド・メンバーの紹介です。
パーカッション、ベース、キーボード。
クイーンの多彩な音楽を作り上げてるメンバーは驚くほど少なかったです。
「Don’t Stop Me Now」。
アダムがバラード風に歌い始めると大歓声。さすが、紅白でも披露しただけあって大人気の曲です。
「♪ ハビンガグッターイ、ハビンガグッターイ!」のコーラスで一気にテンションが上がります。
あとはもう、疾走感。
このスピードに身を任せ、酔いしれます。
ギター・ソロも良かったですね。
最後は「♪ ラララララ」と大合唱。
ゴスペル風コーラスのイントロで「Somebody To Love」。
ピアノの調べも美しいです。
コーラスが綺麗だなあと思って聴いてたのですが、いつのまにか、
「♪ Find me somebody To Love」と観客が、そして僕も大合唱。
「The Show Must Go On」。
一気に引き締まりました。
それでもショーは続けなければならないと、シビアな世界観。
クイーンをやり続けたかった、いつまでも歌い続けたかったフレディのことをどうしても思い浮かべてしまいます。
そして、そんなフレディを想い、クイーンを存続させ続けるメンバーの気持ちも伝わってきます。
この世界には何人たりとも寄せ付けないというような、圧倒的な迫力があります。
しびれました。
魂を揺さぶられました。
印象的なコーラスのイントロのテープが流れて「Bohemian Rhapsody」。
美しいピアノの音色。
同じ「♪ Mama」でもアダムが歌うと全然違ったママが出てくるようです(当たり前)。
なんというか、フレディが歌うと悲壮感があったのですが、アダムは良い意味で未来を見据えているとでもいうか。
スモークがガンガン炊かれている中でのブライアンのギター・ソロ。最近、ブライアンが「Bohemian Rhapsody」のギターを弾くのは今でも難しいとインタビューで語っていた記事を読みました。それだけ魂こめて弾いてるんでしょう。
ライヴ盤『Live Around The World』では、オペラ・パート以降を省略したショート・ヴァージョンだったので、それだと嫌だなあと不安に思っていたのですが、ちゃんとやってくれました。
ガリレオガリレオ、マンマミーアマンマミーアというオペラ・パートは、当時のクイーンのPV映像が流れて。
そして「♪ for me for me...」で盛り上がっていって、火花が大爆発!
それから、怒涛の演奏再開。ここのギター・リフとドラムのリズムがテンションMAXになるとこです。
ど派手に展開したと思ったら、終盤またしっとりとしたバラードになって、だんだんと終幕に向かい、
「♪ Anyway the wind blows」と観客が小さな声で歌った後、
ドラがドーン!と鳴って終了。
この曲、シングルにするには長すぎる曲だと当時波紋を呼んだとのことですが、生で聴くと、全然長いとは感じませんでした。
ここで本編終了。
20時53分。
体感的にはライヴ始まってから1時間半くらいじゃないかと感じてたのですが、既に2時間近く経ってました。
もうそんなに経ってたのかと驚き。
あっという間に感じるくらい濃密な時間だったということか。
アンコール。
スクリーンに再びフレディの姿が。
1986年、ウェンブリー・スタジアムでの黄色のジャケットが印象的な映像です。
そして、お馴染み、「Ay-Oh」。
フレディの「エーオ!」とか「エーエイオ!」「レロレロレロ」に観客も声を出して応えます。
一生懸命フレディの真似して声出したのに、最後にフレディが「Fuck you」って突き放すようなこと言うから、もうっ!(笑)ってなる。
でも、束の間の、夢のようなフレディとの邂逅。
ドンドン、パッ、ドンドン、パッと、あのリズムが聴こえてきて「We Will Rock You」。
これまで、ずっとおとなしく座って観ていた2階席。
ここでようやく、僕の周辺がチラホラ立ち始めました。
待ってましたとばかりに僕も立ち上がります。
「♪ ウィーウィル、ウィーウィル、ロッキュー!」と大合唱です。
やっぱり立ち上がって、おなかの底から歌い上げると気持ちいいものです!
黒のミリタリー・ジャケットに着替えていたブライアンが、センター・ステージに行ってソロを弾きました。
耳をつんざく金属音。
「Radio Ga Ga」。
オープニングでワンコーラスだったこの曲、その続きをやりました。
サビをサラッと歌った後、すぐにギター・ソロへ。
「♪ All we hear is Radio Ga Ga」と一緒に歌ったと思ったら、あっという間に終わってしまいました。
やはり二分割されるとこうなっちゃうか。
なんでこうしたんだろ。
大好きな曲だけに、ちゃんとフルコーラス通しで聴きたかったなあ、というのが本音です。
こうなると、最後はもちろんあの曲。
「We Are The Champions」!
切なくも、長い戦いを終えた後の勝利に酔いしれる名曲。
これまで、あまり出しゃばるようなことをしなかったアダムが、一人センター・ステージに立ち、俺を見ろとばかりに歌い上げます。
もちろん、サビは観客も一緒になって歌います。
僕も歌ったのですが、この曲意外とむずかしい!
「We Will Rock You」とかは気持ち良く歌えたのですが、この曲は、あれ?これじゃ低いかな?でもオクターブ上げると声が出ない!どうすりゃいい??みたいな思いで歌ってたから、自分の音がまったく取れなくなって、かなり音痴になってたと思う。
最後の最後で、気持ち良く歌えないなんて...。
センター・ステージにブライアンも合流して、会場中が手を左右に動かしながらの大合唱は圧巻。
これぞクイーンのライヴだと知らしめて終幕です。
最後はギター・インストの「God Save The Queen」が流れる中、声援に応えるクイーンとアダム。
まだ翌日もライヴはありますが、はたして今回が最後の来日公演となるのでしょうか。
終了は21時7分。
2時間ちょいのライヴでした。
いろいろわかったこと。でもスッキリした
セットリスト的には概ね満足。
決して大ファンとは言えない僕ですが、馴染みの薄かった曲は2、3曲しかなくて、それも予習していったので、どれも知った曲ばかり。
クイーンといえばこの曲!という代表曲がズラリと揃ってました。
ただ、唯一残念だったのが、「Killer Queen」がなかったことですね。
この曲は僕が一番最初に好きになったクイーンの曲で、思い入れのある出会いの曲なので、生で聴きたかったんだけどなあ。
でも、ライヴ盤『Live Around The World』にも収録されてなかったから、最近やってないのかもと、覚悟はしてたんだけどね。
ていうか、初期の3枚のアルバムからは1曲も披露されず。
それもかなり残念だったポイントで。
ブライアンは、常にニコニコしている印象で。
博士というと、気難しそうなイメージだけど、ブライアンは全然そんなことない。
いや、常に笑顔でギター弾いてるわけじゃないのはわかってるけど、でも、穏やかな笑顔でギターを優しく弾いてる印象が素敵な紳士。
レッド・スペシャル、今でもコインで弾いてるのかなあ?スクリーンではわからなかったけど、あの独特の金属音のサウンドはそんな感じがしちゃう。
でも、その話は作り話みたいなものなのかしら。
そして、ロジャー。
今まで観てきたライヴの中で、こんなにもドラムの存在感を感じたものはなかった。
まあ、クイーンのオリジナル・メンバーは2人しかいないので、自然とギターとドラムに耳がいってたところはあると思うのだけど、それにしても。
ここぞというところで曲を盛り上げるドラムが素晴らしかった。
ドコドコ、ビシバシと、心に響いた。
ドラムの音にも音階があるのだなと実感しました。
そして。肝心のヴォーカル。
アダムはね...。
圧倒的な声量のパワフルなヴォーカルで、フェロモン出しまくりのセクシーさで、繊細なヴィブラートも見事。
クイーンの2人がライヴをやり続ける覚悟をして、クイーンの音楽を現代に蘇らせることが出来ているのは、アダムがいるからこそ。
どうしてもフレディと比べられるだろうし、そのプレッシャーがある中で、自分なりのヴォーカリストとしてのパフォーマンスをし続けるのは大変なことだし、同情もします。
フレディの後を受けて、クイーンをバックに歌うというのは、すごい、すごいことだと思いますし、実際に、素晴らしいヴォーカルでした。
でも、でもね。
聴いてて、ワクワク・ゾクゾクしなかったんだよね。
これは、予習の段階からそうでした。
今回のセットリストをクイーンの原曲でプレイリスト作って聴いてたのですが、もうすぐ生で聴けるぞと思うとゾクゾクッとテンションが上がったのでした。
でも、それはフレディが歌ってるものを聴いてた時だけで。
アダムに慣れようと思って、ライヴ盤『Live Around The World』を何十回も聴いたのですが、慣れるには慣れたけれど、ワクワク・ゾクゾクという感覚にはなりませんでした。
そしてそれは、生で聴いた時も印象変わらずで。
根本的に、ちょっとキンキン声のアダムの声質が、僕の好みではないみたいなんだよね。
それがわかっちゃいました。
ライヴで聴くと印象も違うかなと期待したのですが、ダメでした。
だって、何回か映像で出てきたフレディの声を聴くと、これだ!コレ、コレ!と思ってしまったんですもん。
僕にとっては、クイーンの曲はフレディのヴォーカルが染み付いてしまってたみたいです。
好みの問題もあって、これはどうしようもなかったなあ。
ライヴを観ていても、どこか一歩引いてしまっていて、心から楽しめてるという感じではなかったです。
というわけで、完全に盛り上がった、燃え尽きたというわけではないのだけれど。
でも、ずっと気になっていたクイーンのライヴ。
とりあえず1度観れたので、スッキリしたかな。
楽しかったです。
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