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僕がバービーボーイズにハマるまで
BOØWY亡き後、それに代わる何かいい邦楽はないものかと探してた時に出会ったのがバービーボーイズ。
よし、これでハマれるものが見つかった、と喜んだ。
バービー・サウンドを特徴づけている、イマサの個性的でやかましい(褒め言葉)ギター。
タイトなリズム隊。
KONTAと杏子のハスキー・ツイン・リード・ヴォーカル。
さらにKONTAの官能的なサックス。
もう、どの曲もがドラマ。
スリリングで妖しくてカッコ良くて。
そのくせキャッチーなメロディ。
ルックス的にも、黒丸サングラスで偏屈博士風...のイマサ。
ツンツン頭のいきがり野郎(褒め言葉)のKONTA。
マブい姐さんの杏子。
えんりけ?...どこの国の人?なエンリケ。
気のいいおっちゃんなコイソ。
とにかく個性的なメンバー。
オリジナリティあふれるバンドだった。
やっぱり、男女のツイン・リード・ヴォーカルというのがバービーの最大の武器だったと思う。
男女混合ヴォーカルというと、「デュエット」という言葉が思い浮かぶが、そのデュエットが繰り広げるのは、ステージ上で見つめ合って愛を語り合う...という世界。
それは歌謡曲でなくロックの世界であっても、そういう認識があったと思う。
しかし、バービーはそんな常識を覆し、ステージ上の男女がケンカしまくったのだ。
ケンカと言っても、単なる罵りあいではなく、愛しさ余って憎さ百倍的なものだから、どの曲もドラマを観ているようなドキドキ・ハラハラ感に溢れている。
バービーの曲って、「この後この2人はどうなるんだろう...?」と、続きを知りたくなる曲が多いんだよなあ。
暗くてやかましいサウンドや、ハスキー・ボイスが苦手な人もいるかもしれないけれど、ハマッたらなかなか抜け出せないのがバービーの世界。
その大半を作り出したイマサの才能は大きい。
ステージ上で、見つめ合うどころか、一瞬も目を合わせる事さえないKONTAと杏子。
さらにメンバー同士があまり仲良くなさそうなのも良かった(笑)。
それはそれで全て緊張感を作り出すための演出だったのかもしれないけれど、そこら辺も含めて、魅力溢れるバンドだったと思うよ。
『1st OPTION』
こうして振り返ってみると、この1stの時から良い曲いっぱい作ってたんだなあ、と。
いきなりグイグイ引っ張られる「帰さない」。
抑えきれない思いが伝わってきて圧迫感。
しかし、この圧迫感が心地良いと感じられたらもはやバービーの虜。
KONTAの作る曲はどこか変な曲が多いんだけど(もちろんいい意味)、「ふしだらvsよこしま」も、タイトル、歌詞、メロディと...なんだか素直じゃないっていうか(笑)。
まあ、男の言い分、女の言い分、って事ね。
「Shit! Shit! 嫉妬」も、イントロのギターからサビの疾走感から最後の杏子の「♪ ヤメテ!」まで...もう大好き。
隠れた佳曲だと思うのが「a nine day’s wonder」。
前半がダルい感じがするけど、リズムが変わると妙なホノボノ感が漂ってGood。
「もォやだ!」もまたバービーらしい。
サビもキャッチー。
「暗闇でDANCE」はKONTAの歌い方がどこかユニーク。
デビュー曲とあってか、力が入ってる?(笑)
「冗談じゃない」は、イントロのサックスが印象的。
それになんとも言えぬこの雰囲気...。
何が「冗談じゃない」なのかは...歌詞を読んだら笑ってしまった(笑)。
杏子の「受け止めて」がせつなく響く。
まあ、男は勝手なもんです。
杏子加入前からのレパートリーもあるため、若干、杏子の出番が少ないような気もするけど、とにかく最初っからバービーの世界は確立されてたんだね。
改めて評価したいと思った一枚。
デビュー曲は「暗闇でDANCE」だったけれど。
バービーのイメージって、まさしくコレ。
派手なスポットライトよりも暗闇が似合い、マイナーなメロディに合わせて、クールに躍動する5人組。
「帰さない」は熱く歌うKONTAの独壇場。
「ふしだら VS よこしま」は、ふしだらとよこしまは目糞鼻糞と、笑える。
「Shit! Shit! 嫉妬」は、とてもスリリングかつ爽快感。
「A nine day’s wonder」は、ふんわりとしてて、こういう温かい感じもバービーにはあるんだ、と。
「もォ やだ!」は、かき鳴らされるギターに負けじと、KONTAも杏子姐さんもかなり力が入った歌い方。
「Don’t you want me?」の問いかけに、「No!」と答えてるのがバービーらしい。
ラストの「冗談じゃない」は、何にキレてるのかと思ったら、出来心に流された「まぐれ当たり」に対してで、女が現実を「受け止めて」と迫ってるのに、後悔ばかりで怒りが収まらない。
このカップルの行く末は、いいものじゃないなと。
穏やかなサウンドの割に、決して心穏やかでない男女の歌なのが面白い。
暗いアルペジオとコードかき鳴らすギターを軸に、サックスが不安を煽り立てるのがバービー・サウンド。
KONTAと杏子姐さんが火花散らしながら駆け引きの連続。
このクールなキレの良さが、後にスタイリッシュと形容されることとなる。
(2024.10.21)
『Freebee』
なんと言っても「負けるもんか」が収録されてるからねえ。
バービーの魅力のすべてが詰まってると言ってもいいこの曲。
揺れ動く男女の心理、駆け引き。
何度聴いてもスリリング。
いったいどちらに軍配が?
まあ、結果は見えてるような気もするけど...。
1・2作目の良い曲はベスト盤『Black List』に入ってるだろうから...と、ついこの2枚を後回しにしてちょっぴり後悔もしたもんだっけ。
まだまだ良い曲があって、もっと早く聴いとけば良かった、と。
「midnight peepin’」「悪徳なんか怖くない」は、バービーにしては穏やかな口当たり(耳触り?)のためか、派手に採り上げられる事はないけれど、通の間で隠れた人気の佳曲。
「midnight~」での相変わらずドキッとさせられる歌詞や、
「悪徳~」での杏子の「♪ なんて嘘つきなの...」の力強さといったら...。
表面下にバービーらしさが潜んでいて、もちろん僕も大好き。
前作の「小僧」に引き続き、ポリス「見つめていたい」風味の「チャンス到来」。
しっとり甘い感じが、昔はそれほど好きではなかったのだけれど、復活ライヴでこの曲を聴いて、なんだか愛しさを憶える曲になってしまった。
前作で「もォやだ!」と言ったはずなのに、一転して「でも!?しょうがない」と諦めムード(笑)。
「♪ おうちのこと・忘れて・ちょうだい」と、ストレートな「タイムリミット」は杏子の独壇場。
そして、ラストは僕もベタ惚れの「ダメージ」。
ストレートに本音を言えずやせ我慢、というのがKONTAのキャラにもハマッてて。
苦しい胸の内を明かすKONTAの後、ラストで杏子が入ってくるパートは、ハッとさせられる。
「負けるもんか」「ダメージ」という最強の2曲が入ってるだけで、僕にとって相当思い入れの強い作品なんだけど、他にもいい曲目白押し。
ジャケットも好き。
『3rd. BREAK』
「なんだったんだ?7DAYS」のヒットにより、その名の通りブレイク。
この曲は、バービーにしては詞もサウンドも軽快かつ爽やか。
ポップな仕上がりに、誰でもすんなり入っていける。
逆にそれはバービーらしくないかも...と僕なんかは思ってしまうのだけど(笑)、まあ、こういう曲もあったっていいよね。
そういう意味でこの曲の存在は重要。
なんだか感謝したくなる曲だ。
そうして、「なんだったんだ~」でバービーに興味を持った人がこのアルバムを聴くと、いきなり1曲目「離れろよ」で面食らわせられる。
この突き放し方がバービー本来の姿だ。
「どんなもんだいッ」は、雰囲気、展開、メロディ、モロ僕好み。
数あるバービーの名曲の中でも、特に好きな曲だ。
当然このアルバムの中でのイチオシ。
...で、実は僕にとってこのアルバムは思い入れがちょっと薄いものなんだけど、この曲があるからやっぱり無視できず、何度も聴いたっけ。
ギター・リフと「♪ でもリハーサル...」のコーラスが印象的な「ショート寸前」。
昔はとりたてて好きじゃなかった「チークダンス」。
イントロも怪しげでいいし、誤解され冷やかされた男女が、そのままチークダンスを踊って...という歌詞も良い。
サビ終わりの「♪ やるせなさ~」のメロディがホントにやるせない「打ち上げ花火」。
杏子姐さんお気に入り「STOP!」。
これは渾身の「♪ STOP!」というシャウトに尽きる。
「ラサーラ」は、綺麗な汗が似合う(笑)、これまた爽やか風味の曲。
ライヴの最後あたりに合唱したら感動するだろうなあ。
...という訳で、アルバム全体になんとなく爽やかな感じがあって、それが僕がイマイチ思い入れ持てなかった理由なのかな?
あんまりドロドロしてないし、いちばんバービーらしくないアルバム??
もちろん、悪いアルバムじゃないけど、曲数も少ないし、他のアルバムに比べたら、って事ね。
『LISTEN!』
バービーの最高傑作。
この時期が頂点と言ってもいいんじゃないかな。
ここはなんと言っても「女ぎつねon the Run」。
この曲の大ヒットでバービーの地位が確立したと思う。
サビの「♪ Oh~」もキャッチーだし、誘惑し合い、牽制し合う男女の駆け引きがリスナーをハラハラさせる。
それに負けず劣らずなのが「泣いたままでlisten to me」。
もう理屈じゃないなあ。
別れを切り出された時の心臓バクバク感。
切り出した方の突き放し方。
最高の出来。
また、「ごめんなさい」「わぁいわぁいわぁい」はスピード感あり、明るい曲調で素直にノせてくれる。
...と、勢いを感じる曲が目立つ。
この2~6曲目あたりの流れは最強だよ。
重たい感じのするオープニング曲「はちあわせのメッカ」。
こういうのをトップに持ってくるところがバービーらしい。
バービーらしい、ってどういう事かというと...そうだなあ、【暗くてうるさい】ってのもそのひとつ(笑)。
「-夜の街-」「Noisy」なんかもそうだよね。
「涙で綴るパパへの手紙」は、タイトル、歌詞ともにヘンだなと思ったらKONTA作。
怖いっす。
そして、ラストにふさわしく、熱い気持ちにさせてくれるのが「ナイーヴ」。
「ダメージ」に匹敵する名曲。
気になる点を挙げるとすれば...方向性バラバラな衣装のジャケットがちょっと悪趣味に思えて。
ただ、そのバラバラ感がバービーっぽいんだけど(笑)。
『Black List』
1st~2nd楽曲のリミックス・ベスト盤。
3rd以降を聴いてバービーのファンになった人に、「初期のバービーにもこんなにいい曲あるんですよ」というのを知らしめる事になった好企画盤。
タイミングもバッチリで、『√5』の後にこれを聴いた僕もすっかりその戦略にハマッたなあ。
これで完全にバービーの虜。
しかも、リミックスが大成功。
音質もクリアに、またカッコよくなって再構築された。
どれもオリジナルを上回ってるんじゃないかと思う。
ある意味、新作。
ジャケットも最高にカッコいい。
1st、2ndからの名曲を抜粋してるのはもちろん、シングルのみの曲(B面も)を含んでいて至れり尽くせり。
初っ端「C’m’on Let’s go!」の弾けっぷりからしてもう最高。
ラストの「帰さない」~「負けるもんか」~「ダメージ」という流れは超強力。
美味しすぎるぜ、バービー。
『√5』
「目を閉じておいでよ」がCMソングに、そしてメンバーも出演という形でかなりお茶の間にも浸透したバービー。すっかりメジャー。
僕にとってもバービーとの出会いだった。
なんとなく存在は知ってたものの、「面白そうじゃん」とピンときたこの曲がきっかけとなって、このアルバムからバービーに入っていった。
そういう意味で特別な思いのある一枚。
前作で頂点に登りつめ、その山の頂上で余裕を持って製作されたという感じの、安定感あるアルバム。
ジャケットも含め、スタイリッシュ。
パーカッションで始まるのが意表をつかれる「ト・キ・メ・キ」。
一瞬、バービーが変わった??と思いきや、すぐさまいつものバービー・サウンドに。
イントロのピアノが印象的な「chibi」。
1stに同系統の「小僧」があるけれど、そちらよりも好き。
透明感のあるせつなさ。
レゲエ・タッチの異色作「Late Again」は、やはりKONTA作。
コミカルな雰囲気も割と好き。
レゲエもあるかと思えばシャッフル・ナンバー「噂ばなしはM4」もあり、で、全体的に、これまでのアルバムに比べ、リズムにこだわったように思えるアルバムなんだけれど、
いつものバービーらしい、スリリングな展開、スピード感なのが「さぁ どうしよう」「せまってday by day」。
心から身を任せられる。
ラストはスロー・ナンバー「君を見てるとしょんぼり」「もうだいじょうぶヒステリー」と続いて終わるというのもこのアルバムの特徴。
『eeney meeney barbee moe』
『√5』からバービーにハマり、すぐさま全アルバム揃えた僕。
早く次の作品が聴きたくて仕方なかったのに、それが待てなくて『eeney~』が出る頃には多少熱が下がってしまった。
ちょうど大学入学の時だったので、慌ただしかったからかもなあ。
『√5』~『eeney』の間って、ものすごく長かった印象なんだけど、たった1年だったんだね。
3年くらいあったような気がするよ。
多少熱が収まった状態で聴いたものだから、それまでのアルバムよりも下かなあ、なんて当時は思ったものだけれど、解散後、僕が「バービー聴きたいな」とフッと思い立った時に選ぶのは、圧倒的にこのアルバムが多く、結局一番気に入ってるかもしれない、という。
前作で安定感を増したバービー。
安定してしまうって事はある意味丸くなる、って事で、若干バービーらしさがなくなったようにも思えるのだけれど、このアルバムでは、またギターがやかましく鳴り響くバービー・サウンドに戻った感。
少し泥臭い感じもする。
1曲目「ノーマジーン」からグイグイとバービーの世界に引き込まれる。
KONTAが狼の如く吠える「三日月の憂鬱」。
間奏が特に好き。
アルバム中、ベスト・トラックと言えるのが「あいまいテンション」。
やるせない雰囲気、リズム、メロディ...ああ、バービー聴いてて良かったな、と。
アルバムの直前に出されたシングル「勇み足サミー」は、イントロからバービーのエッセンスをたっぷり盛り込んで、もうベテランの余裕というか。
ああ、やかましい!のが「医者になんかわからない」や「NaNaNa」。
このやかましさが快感と思えるのがバービーなんだ。
特に「NaNaNa」でのテンション最高。
隠れた名曲って事で。
ついにイマサが歌った「クラリネット」。
作詞・杏子、作曲・エンリケという珍しさの「静けさに」。
ジャム・セッション風インストの「えれきトリック」など、その他の話題にも事欠かない。
「Waltz」でゆったりした後は、
珍しく低いトーンでKONTAが、ファルセットで杏子が歌う「おやすみよそもの」で余韻を残して終了。
このアルバム発表後、バービーは活動不安定状態に。
僕も熱が収まってたから、「ま、いっか」とさほど気にしてなかったけれど、なんとなく予感はあった。
それ以降バービーとしての曲は制作されず、次の年の暮れには解散を発表。
「ああ、やっぱりか...」の思いだった。
故に、あまり大きなショックはなかったものの、やはり心のどこかで、大好きだったバンドがなくなる寂しさと、ライヴを観れなかった事に対する後悔の念があるのを感じたのだった。
『B7』
解散表明後、それを記念(?)してリリースされた、訳のわからぬアルバム(笑)。
3rd~6thアルバムの中から、各メンバー2曲ずつ思い入れのある曲をセレクトしたという、編集盤。
場合によっては『Black List』の続編的な【ベスト盤】と紹介される事も多いのだが、収録曲を見ると、これをベストと呼ぶのはあまりにも抵抗がある。
各メンバーにとっては思い入れのある曲なのかもしれないが、なんだかファンを無視しているようにも思える。
もちろん、ダメな曲ばかりとは言わないけれど、どの曲も、アルバムの中に地味に存在してこそ、の曲。
そのようなものばっかりが集まっちゃった訳だから...これじゃ売れないよね(笑)。
間違っても、初めてバービーを聴こうとする人がこれを選んじゃあいけません。
でも、こんな作品を出してしまうのもバービーらしいと思えちゃうんだよなあ。
文句言いながら買っちゃったし。
「どんなもんだいッ」が入ってるのが救い。
『BARBEE BOYS』

『B7』という中途半端な作品では終わらせないよ、という事で、解散記念?で、ちゃんと出してくれました、2枚組ベストアルバム。
これで無事、バービーの歴史が幕を閉じられた感。
1st(6曲)、2nd(6曲)、3rd(5曲)、4th(6曲)、5th(3曲)、6th(5曲)、シングル(3曲)の全34曲。
選曲的にはほとんど文句ナシ、充分満足のいく内容。
初心者の方、これを安心して買ってください。
もちろん、ここから漏れた名曲もたくさんあるけれど、バービーの歴史を辿るベスト盤としては充分合格点。
「あいさつはいつでも」「翔んでみせろ」といった、シングルでしか手に入らなかった作品が収録されたのも、ものすごく嬉しかった。
両方ともライヴでの人気曲(この2曲はライヴ版での収録。スタジオ版が存在しない)で、僕も大好きだったけど、手に入れられなかった(アナログは既に入手困難、CDシングルは製作されず)曲だったからね。
これ目当てでこのベスト盤を買ったと言ってもいい。
「あいさつ~」はKONTAの最高傑作なのでは。
こうして聴いてみると、ホントいい曲ばかり。
ラストの「おやすみよそもの」は、バービー自身への子守唄のよう。
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