
『Real McCartney』
2016年にリリースされた『Pure McCartney』は、僕が予想してた以上に売れた。
ポールのベスト盤と聞けば、当然欲しくはなったのだけれど、収録曲を見て、なんだかガッカリ。
スランプからの復活の兆しを見せたという意味で、重要な『Flowers In The Dirt』や、僕の好きな『Driving Rain』から1曲も選ばれてないという事や、逆に、僕があまり好きではない『Flaming Pie』から8曲も選ばれているという違和感。
あまりにも偏りが強いという印象だった。
もちろん、ポールほどの大物になると、ベスト盤の収録曲の選考には、本人、スタッフ、ファンそれぞれ思い入れがあって、どうしても難しいものになるのは当然だけど。
でも、重要な曲が入ってないのに、どうしてこんな曲が入ってるの?という不満の方が大きくてね。
そもそも、『Pure McCartney』って、ベスト盤なんだろうか。
ポール本人は、ドライヴでもしながら、あるいはパーティーにて、とにかく楽しく気軽に聴けるものを選んだ、的なコメントを出していた。
だから、曲順も年代順ではないし、意外な曲が流れて「おやっ?」と新鮮な気持ちになる事を意図してもいるのだろう。
これを果たして【オール・タイム・ベスト】と言っていいのか。
初めてポールを聴く人や、近々ライヴに行く人などに、「これを聴いとけばひとまず安心だよ」と、これぞポールの決定盤だと、自信を持って言えるか?と問われたら、やはり疑問符で。
これは王道のベスト盤ではない。
そこで、だ。
ならば、僕が思う、理想のベスト盤を作ろうじゃないか、とありきたりながら思った。
僕が考える理想のベスト盤とは言え、僕が好きな曲ばかりを集めたわけではない。
なるべく客観的に、重要な曲を網羅するように心がけたつもりだ。
とは言え、若干、僕なりの好みが反映されている部分があるのは否定しない。
とにかく、『Pure McCartney』よりも良いと思える、理想のベスト盤にする事。
なので、比較する意味でも、同じ4枚組として考えた。
ただ、『Pure McCartney』以降のアルバムも対象に入れた。
1. シングルはアーティストの顔なので、なるべく優先。
2. 曲順はリリース順。
3. 各Discの収録時間はちゃんと1枚のCDに収まる約80分。
4. ライヴで取り上げられる曲は重要と考える。
これらの事を念頭に、選曲作業。
これが最新版のポールの王道ベスト盤だ。
[Disc 1]
01. Maybe I’m Amazed
02. Every Night
03. Junk
04. Man We Was Lonely
05. Another Day
06. Ram On
07. Uncle Albert/Admiral Halsey
08. Heart Of The Country
09. The Back Seat Of My Car
10. I Am Your Singer
11. Tomorrow
12. Hi Hi Hi
13. C Moon
14. My Love
15. When The Night
16. Live And Let Die
17. Helen Wheels
18. Band On The Run
19. Jet
20. Bluebird
21. Let Me Roll It
22. Nineteen Hundred And Eighty Five
[Disc 2]
01. Junior’s Farm
02. Listen To What The Man Said
03. Venus And Mars
04. Rock Show
05. Letting Go
06. Let ‘Em In
07. Beware My Love
08. Silly Love Songs
09. Soily
10. Mull Of Kintyre
11. With A Little Luck
12. London Town
13. Goodnight Tonight
14. Daytime Nightime Suffering
15. Getting Closer
16. Arrow Through Me
17. Baby’s Request
18. Wonderful Christmastime
[Disc 3]
01. Coming Up
02. Temporary Secretary
03. Waterfalls
04. Ebony And Ivory
05. Tug Of War
06. Take It Away
07. Here Today
08. The Pound Is Sinking
09. Say Say Say
10. Pipes Of Peace
11. So Bad
12. No More Lonely Nights
13. Not Such A Bad Boy
14. Spies Like Us
15. Press
16. Only Love Remains
17. Once Upon A Long Ago
18. My Brave Face
19. Figure Of Eight
20. This One
[Disc 4]
01. Hope Of Deliverance
02. Biker Like An Icon
03. C’mon People
04. Young Boy
05. The World Tonight
06. Beautiful Night
07. Freedom
08. Lonely Road
09. Your Loving Flame
10. Fine Line
11. Jenny Wren
12. English Tea
13. Dance Tonight
14. Only Mama Knows
15. My Valentine
16. New
17. Save Us
18. Queenie Eye
19. Come On To Me
20. Fuh You
21. Find My Way
さて、どうだろうか。
実際に売られていてもおかしくないと思いません?
最初からあまり強く意識したつもりはなかったのだけど、結果的に、
Disc1 →70年代
Disc2 →70年代
Disc3 →80年代
Disc4 →90年代以降
と、きっちりと分かれる形になった。
これはホント偶然うまくいったもので、こういう所も良く出来たなあと自負している部分である。
『Pure McCartney』よりも売れるはずの、理想の、王道のベスト盤の完成だ。
もちろん、これにだって文句の付け所はあるのはわかっているけど。
さて、これをプレイリストにして聴くとしよう。
Pureに対して、Realのポール・マッカートニーだ。
もし良かったら、みなさんもどうぞ。
SpotifyのプレイリストのURLはこちら。
『Ballad of Paul McCartney』
ベスト盤の選曲に関しては、ファンそれぞれ物申すところがあるでしょう。
完璧なベスト盤を作るのはなかなか大変ですね。
そこで、さらに今回は、ベスト盤にテーマを設けてみました。
それは、ポールお得意の「バラード」です。
バラードを集めたベスト盤というのは、ビートルズでもレコード時代に『ビートルズ・バラード・ベスト20』なんてのもありましたし、邦楽でも、サザンオールスターズの『バラッド』シリーズは人気ですし、近年、バラードを集めたベスト盤をリリースしているアーティストはたくさんいます。
だから、バラード・ベスト盤なんて珍しくもなんともない企画なのですが、意外な事に、ポール・マッカートニーにはそれがないのです。
それって、おかしい事に思えませんか?
なので、こうして自分で作ってみました。
ひとくちにバラードと言っても、どんなものをバラードと言うのか、人によって基準も違うと思うのですが、とりあえず、
「ピアノやストリングスがサウンドの核」になっているもので、
「甘いムードになる」、
「優しい気持ちになる」、
「熱い思いが伝わってくる」、
などの基準を考えてセレクトしてみました。
選曲は、ポールのソロのオールタイム。
リリース順です。
しかも、今回は2枚組などではなく、スッキリと1枚ものです。
もちろん、ちゃんと1枚のCDに収まるように約80分。
01. Maybe I’m Amazed
02. The Back Seat Of My Car
03. My Love
04. Treat Her Gently / Lonely Old People
05. Warm And Beautiful
06. After The Ball / Million Miles
07. Wanderlust
08. So Bad
09. Through Our Love
10. No More Lonely Nights
11. Only Love Remains
12. Once Upon A Long Ago
13. Motor Of Love
14. C’mon People
15. Beautiful Night
16. Your Loving Flame
17. This Never Happened Before
18. The End Of The End
19. My Valentine
さて、どうでしょうか?
奇をてらったりなどしていなくて、王道の選曲だと思います。
これなら、「あの曲が入ってないじゃないか」というお叱りの声はあまり受けないんじゃないか、という気がします。
意外な発見だったのは、『Band On The Run』には、王道のバラードがないという事に気付いたこと。
あれほどの名盤に、バラードがなかったとは...。
外国ではどうか知りませんが、日本人はバラード好きだと思います。
実際に、この様なベスト盤があったら売れると思うんだけどなあ。
レコード会社の人には企画してほしい。
バラードが苦手とさんざん言ってる僕ですが、ポールの場合は別格と言っていいくらいで、ポールの作るバラードは大好きなのです。
だから、この様なものを作ってみる気にもなったわけでして。
今回、こうしてズラッと並べて聴いてみて、さらにその思いを強くしました。
「ポールのバラードは素晴らしいなあ」と。
SpotifyプレイリストURLはこちら。
『Rock of Paul McCartney』
ポール・マッカートニーの、テーマを設けたベスト盤。
ポールお得意の「バラード」を集めたベスト盤が思いのほか良く出来たので、それに気を良くして、今度は「ロック」なベスト盤を作ってみようかと。
ひとくちにロックと言っても、どんなものをロックな曲と言うのか、人によって基準も違うと思うのですが、とりあえず、
「アップ・テンポ」
「シャウトしている」
「ノリが良くゴキゲンになる」
「鬼気迫る感じ」
「カッコいい」
などの基準を考えてセレクトしてみました。
選曲は、ポールのソロのオールタイム。
曲順はリリース順です。
もちろん、ちゃんと1枚のCDに収まるように約80分。
しかも、2枚組などではなく、スッキリと1枚ものです。
「売れるもの」を目指しました。
01. Monkberry Moon Delight
02. Hi Hi Hi
03. Live And Let Die
04. Helen Wheels
05. Jet
06. Nineteen Hundred And Eighty Five
07. Junior’s Farm
08. Rock Show
09. Beware My Love
10. Soily
11. Getting Closer
12. So Glad To See You Here
13. Ballroom Dancing
14. Not Such A Bad Boy
15. Spies Like Us
16. Driving Rain
17. Fine Line
18. Only Mama Knows
19. Save Us
さて、どうでしょうか。
聴いてて元気になれる、カッコ良くて痺れる。
そんな感じの80分で、テンションも上がるのではないでしょうか。
一気に突っ走るポール・マッカートニーを聴いてみてください!
SpotifyのプレイリストURLはこちら。
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