
LIVE TOUR 2025 THANK YOU SO MUCH!!
2025年5月28日(水)@東京ドーム
6年振りの全国ツアー、熾烈なチケット争奪戦
2023年の45周年記念は茅ヶ崎ライブだけで、ツアーはありませんでした。
2024年は夏フェス1日だけでした。
なので、2025年、まさかNEWアルバムのリリースに加えて、大々的な全国ツアーがあるなんて、まったく予想してませんでした。
6年振りの全国ツアー、なんとしても行きたい。
しかし、チケット当たるのか?コレ。
せっかくファンクラブに入っても、茅ヶ崎ライブ当たらなかったしということで、旨味を感じず、退会しちゃってました。
そしたら、アリーナ公演に申し込めるのは、ツアーの発表前日時点で会員登録してあった人のみ、ということで、新規のお客さんはダメ。
アリーナ公演は、せっかく近場のさいたまスーパーアリーナが組み込まれていたのですが、ファンクラブ枠に申し込める対象にあらず。
仕方なく、一般枠で、さいたまスーパーアリーナと横浜アリーナの公演を申し込みましたが、やはり狭き門を通過することは叶わず。
早々に諦めモード。
まあ、NEWアルバムがリリースされて、しっかり聴きこんだ上で参戦できる東京ドーム公演が本命ですから。
とはいえ、東京ドーム2日間というのも、サザンに対する需要を考えたら少なすぎます。
東京ドームなら5DAYSくらいやってくれなくちゃ供給不足でしょ。
それでも、なんとか2日間のうちの約9万人の中に選ばれなきゃならない。
チャンスがあれば、すべて手を出し尽くさねばならない。
とりあえず、今年に入ってすぐ、ファンクラブには再び入会しました。
ドーム公演ならば、新規入会者でも申し込めるのです。
東京ドーム2日間ともエントリー。
それから、各ショッピングサイトで、NEWアルバムを予約したら、ライヴに申し込めるシリアルナンバーが付いてくるというキャンペーンをやっていることを知って。
どうせアルバムは買うつもりだったから、このチャンスも掴んでおくか、と。
TOWER RECORDSでは、10%の値引きをした上に、20%分のポイント還元もあるとのことで、これがいちばんお得だと思い、タワレコで初回限定盤Aを予約注文しました。
注文後、即決済でキャンセルは不可、数日後にシリアルナンバーがメールで送られてきました。
そうこうするうちに、ファンクラブ枠の結果発表日。
ファンクラブに入ってれば、とりあえず当たるんじゃないかなあと思ってましたが、まさかの落選です。
マジか!
ファンクラブ枠がダメだったら、次はもっと競争率の高い一般枠で申し込みとなるところでしたが、僕にはアルバム購入特典のシリアルナンバーがあるのです。
保険的な意味合いだったのですが、買っておいて良かったあ、と思いましたね。
これで、チャンスが1回多くもらえたわけですから。
ファンクラブ枠の落選直後、すぐにシリアルナンバーを使って申し込み。
東京ドーム2DAYS、ツアー最終日となる2日目の方が人気がありそうなので、僅かでも競争率が低いと考えられる1日目の方を狙いました。
一般枠となると、かなり厳しい戦いになるので、なんとかここで通ってくれよ、と。
でも、こうやってNEWアルバムを予約して、応募する人はどれくらいいるのだろうか。
最近はCDも売れなくなっているから、できるだけ競争率が高くなければいいのですが...。
そして、1月24日。
アルバム予約購入者抽選の結果発表日。
18時過ぎにメールが届くはずです。
僕は仕事中だったので、一段落したところで、トイレに入って、スマホでメールを確認。
「厳正なる抽選を行った結果、お客様はご当選されました」
うおおおおおお、マジか!
当たった!!
よしっ!よしっ!!よしっ!!!
トイレの個室で何度もガッツポーズ。
マジで、アルバム予約購入キャンペーンに参加しといてホント良かった。
高い競争率を乗り越えて、少ないチャンスをモノに出来た。
なんとか、サザンのライヴに行くことが出来る...。
こうして、地獄の一般枠に挑戦する前に、チケットを手にすることが出来たのです。
それからは、落ち着いた気分で、NEWアルバムのリリースを待つこととなりました。
チケットが獲れてるのと獲れてないのとでは、アルバムを迎える気持ちも大きく違ってたと思います。
待望のアルバムは、近年稀にみる傑作で、サザン史上ベスト5に入る出来だと思いました。
この曲たちがライヴで聴けるのかと思うと、たまらなく幸せな気分になったものです。
アリーナ公演とドーム公演では、セットリストを多少変えてくるかなとも思ったのですが、ほぼ変わらずで。
このまま、最後の東京ドームまで行きそうです。
3月・4月はNEWアルバムをそのまま聴いていましたが、5月に入ったら、一気にライヴ・モードということで、明らかになっているセットリストでSpotifyのプレイリストを作って聴きこみました。
それから、サザン熱を高めるべく、ライヴDVDをすべて観直しました。
もうすぐだ。
もうすぐサザンのライヴが観れるんだ。
気分をどんどんサザン・モードにしていきました。
しかし、ライヴが迫ってきた5月の中旬。
僕の体調が思わしくなくなってきたのです。
持病を抱えた身としては辛いところです。
起き上がれないほどの発作に見舞われたのなら別ですが、そういうものでもないので、その日その場所その時で、体調がどうなってるのかわかりません。
なので、とりあえず、動けるのなら、行くしかないのです。
体調が不安だからキャンセルするという選択肢はありません。
行ってみたら意外と平気だったということも考えられるし、辛くて辛くて我慢のし通しで全然ライヴが楽しめなかったということも考えられます。
行ってみて、会場でどうなるか、です。
なんとか、体調悪化せず、ライヴが楽しめますようにと祈るしかありませんでした。
ライヴ当日。会場へ
ライヴ当日は、お天気もそれなりで。
雨が降らないのは何よりです。
僕の体調も、朝起きた感じはそれほど悪い感じはしません。
勇気を振り絞って、出発します。
体調が優れなかったら、ダイレクトに会場へ向かうことも考えましたが、なんとか大丈夫そうだったので、池袋のdisk unionでお買い物。
なるべく、平常時の行動というか、楽しみを持つことで、気分を良い方向に持っていきます。
目当てのレコードを買った後、丸ノ内線で後楽園へ。
東京ドームには、16時半頃到着しました。
開場時間は16時なので、既に入場は始まっています。
まずは、ファンクラブ・ブースへ。
ここで、記念の紙チケットをもらいます。
まあ、いらないっちゃいらないですが、せっかくなのでね。
ブログに載せる写真を撮った後は、通りかかったところにちょうど1人分ベンチが空いたので、座って栄養補給。
そこは心地良い風が吹いていて、気分が良かったです。
電車の中、買い物中、そして今と、ここまで体調は悪くなってません。
このまま、なんとか持ってほしい。
17時30分になったので、そろそろ入場しよう、と。
座席は、当日会場に行かないとわからない仕組みになってるのですが、電子チケットに入場ゲートの記載はあって、それで2階席だということはわかってました。
なんか、東京ドームは2階席になることが多いよなあと思いつつも、でも、なんとか、僕にとって良い席であってくれよ、と。
良い席というのは、通路に近い席、です。
通路に近ければ、何かあったらすぐ通路に出て、逃げ出すことが出来ます。
でも、列の真ん中の席とかだったら、通路に出るまで、多くのお客さんの前の狭いところを通らなければなりません。
お客さんに囲まれた席というのは、心理的プレッシャーがかかります。
体調に不安を抱えた今の僕にとっては、少しでもプレッシャーがかからない席がいいのです。
でも、こればっかりは運で...。
41ゲートで、電子チケットを提示して、座席番号の書かれたチケットをもらいました。
僕の席は2階3塁側9通路23列96番。
番号を見ただけでは、どの辺の席なのかはまったく想像が付きません。
恐る恐る、自分の席を探しに向かいます。
9通路から入ると、ステージを正面に観れるエリアでした。角度的にはいい感じです。
23列というのは...2階席でも結構後ろの方みたいです。
階段を昇っていきます。
あとは、出来るだけ通路に近い席であることを望むのみ。
96番。
96番。
階段を昇って行って、見つけた先の96番は、なんと、列のいちばん端っこ。
バッチリ、通路側の席でした!
よし!やった!!
いちばん望んでた席に当たってた。
なんてツイてるんだ!!
これで、心理的負担はかなり軽減されました。
周りのお客さんをそれほど気にする必要がありません。
ライヴ中のプレッシャーが少なくて済みます。
これなら、体調が悪くなっても我慢できるんじゃないか。
もしかしたら、体調まったく悪くならずに済むのでは?
席を確認した後は、かなりホッとして、再びその場所を離れてトイレへ。
体調が悪くなると、トイレも近くなりやすいので、2時間半もあるライヴを持たせるのは大変です。
なるべく、ギリギリに用を済ませるのも大切なポイントです。
この日のトイレは、いつもよりは空いてましたね。
今まで、開演前の東京ドームのトイレは20分以上並ぶことも多かったのですが、この日は5分ほどですんなり。
個室にもすぐに入れました。
トイレでひと息ついた後は、なるべくリラックスした感じで自分の席へ。
期待と不安、両方の思いが高まります。
そして、開演時間の18時30分になりました。
ライヴのスタート
18時35分、ショーの始まりと注意点を述べるナレーションが入り、18時40分、場内が暗転。
サポート・メンバーに続き、ひとりひとり登場したサザンのメンバー4人。
そして最後に、ギターを抱えた桑田さんが登場。
01. 逢いたさ見たさ 病める My Mind
02. ジャンヌ・ダルクによろしく
03. せつない胸に風が吹いてた
04. 愛する女性とのすれ違い
05. 海
06. ラチエン通りのシスター
07. 神の島遥か国
08. 愛の言霊 ~Spiritual Message~
09. 桜、ひらり
10. 神様からの贈り物
11. 史上最恐のモンスター
12. 暮れゆく街のふたり
13. 風のタイムマシンにのって
14. 別れ話は最後に
15. ニッポンのヒール
16. 悲しみはブギの彼方に
17. ミツコとカンジ
18. 夢の宇宙旅行
19. ごめんね母さん
20. 恋のブギウギナイト
21. LOVE AFFAIR ~秘密のデート
22. マチルダBABY
23. ミス・ブランニュー・デイ
24. マンピーのG★SPOT
(Encore)
25. Relay ~杜の詩
26. 東京VICTORY
27. 希望の轍
28. 勝手にシンドバッド
「逢いたさ見たさ 病める My Mind」。
原曲と同じように、「ああ...」というため息から歌い始めた桑田さん。
この曲はかなりレアですよね。何故今回のツアーで1曲目をコレにしたのか、理由を訊いてみたいところです。
でも、こういうレアな曲でも、お客さんたちは当然知ってる曲だよとばかりに懐かしみ、盛り上がっています。
バラードでもなくスピード・ナンバーでもなく、徐々にエンジン温める意味では、いい感じ。
ラスト、「サンキューソーマッチ!!」と叫んだ桑田さんでした。
「ジャンヌ・ダルクによろしく」。
ルーズでハードなロック・ナンバー。
益々、ストーンズを意識したイントロになってます。
メンバーの後ろのスクリーンには大きな「SOUTHERN ALL STARS」の文字が映し出されました。
「東京ドーム!!」と叫ぶ桑田さん。
おおおっ、楽しみにしていたサザンのライヴが始まったんだなあという実感がこみ上げてきます。
2階も総立ちになりました。
僕は、体調を考慮して、座ったままでしたけどね。
通路側の席なので、周りの人たちが立ち上がっても、通路のスペースが空いてる分、視界を邪魔するものがなく、難なくステージとスクリーンが観えるので、本当に助かりました。
間奏では、桑田さんがスライド・ギター・ソロを弾くのを堪能します。
熱く、力の入る曲。古希が近いロック・バンドでも、ここまでパワーが出せるのかと驚きますよね。
ロックやるのは年齢関係ないんだなと思い知らされましたね。
MC。
「こーんばーんわー」
今日の桑田さんの挨拶も、やはり錦鯉風。
「東京ドーム、6年振りですか。ただいまー!!」
「6年経って、もうすっかり老けちゃってね」
「みんな、なに立ってんだよ」
「そんなに盛り上がることないですよ」
「このツアー、1度も盛り上がったことなんかありません!」
自虐ではなく、完全な嘘ですよね。
桑田さん、こういうジョークばっかり言うから...。
「せつない胸に風が吹いてた」。
原曲は、フォーク・ロックぽい素朴さがありましたが、生演奏ではバンドならではの迫力がありました。
苦みのある切なさですが、程好い風に吹かれていて、湿っぽくないのがいいです。
「愛する女性とのすれ違い」。
僕とサザンの出会いは『kamakura』なので、やはりその収録曲には特別な思い入れがあります。
穏やかで優しい感触ですが、どこか切なさもあります。
「♪ 君だけにモテる俺さ」と言っていて、2人の距離感というか、結局、「俺」は「君」を愛しているのかそうでないのか、よくわかりにくい曖昧な感じが魅力です。
波の音が聴こえてきて。
「海」。
イントロから心持ってかれますね。ウットリしちゃいます。
「ミス・ブランニュー・デイ」をシングルにして大正解だったけど、この曲だって、負けず劣らずの名曲だよなあと、生で聴けば尚更の納得感。
間奏も聴きどころで、サックス・ソロは吉田さん。そして斎藤さんのギター・ソロへとリレーします。
「移り気なアナタに」とか「言葉じゃ言えない 好きよ」とか、歌詞もビシバシ心に響くんですよね。
山本さんのハーモニカでレトロな雰囲気で始まる「ラチエン通りのシスター」。
初期の隠れた名曲です。
「彼氏になりたきゃどう言うの」のフレーズが胸を打ちます。
メンバー全員で歌う感じが、サザンが学生バンド出身であることを色濃く思い出させるのです。
さて。
会場に来るまでは、なんとか大丈夫かなと思っていた体調も、いよいよライヴが始まったとなると、簡単には逃げられないプレッシャーと、大きな音による圧迫感から、心臓の動悸が激しくなってきて、なんだかマズイ感じになってきました。
ライヴが始まってから数曲、体調の波が行ったり来たりしていて、なかなか集中して楽しむことが出来ませんでした。
数日前に自宅で頓服薬を飲んだ時は、ほとんど効かなかったので、期待薄だったのですが、これ以上悪くならないように、とりあえず飲んでおいた方がいいかと、「ラチエン通り」の演奏中に、頓服薬を飲みました。
「神の島遥か国」。
ここまで、穏やかなバラードが続いてたので、一気に雰囲気が変わります。
舞台上では、琉球衣装の女性4人が優雅に踊り、すっかり南国ムード。
イントロから前半は手拍子、そしてサビでは手を左右に大きく振るお客さんたち。
盛り上がるというか、聴いてて心地良くなる曲ですよね。
近年のライヴの定番曲になっているのも頷けます。
能のような音楽が流れてきて、日本の伝統芸能を感じさせた後、
「愛の言霊 ~Spiritual Message~」。
イントロのピアノに大歓声。
バラードが続いたこともあって、それまで座っていた2階のお客さんたちが、再びここで立ち上がりました。
この曲も90年代のサザンの代表曲で、すっかりライヴ定番曲になりました。
この曲の出来が、ライヴの出来を大きく左右する重要曲と捉えているようで、メンバーたちの力の入り具合も伝わってきます。
フワフワと宙を舞うような菅坂さんのトランペット・ソロ。
そして、間奏でジワジワと盛り上がっていく演奏と、TIGERさんのシャウトが相まって大迫力でした。
終盤の桑田さんのラップは、スクリーンに映し出された歌詞を見ながら楽しみました。
サザンの5人、そしてサポート・メンバーが一体となった、素晴らしい演奏でしたよ。
あれ?
ここで気付きました。
動悸が治まってる。
胸のイヤな感じがほとんど消えてる。
頓服薬が効いたみたいだ!
MC。
「みんな、飽きてない?」
「大きな声じゃ言えないんですけど、3月に出しましたアルバムが1位になりまして」
「そのアルバムの中から何曲かやろうと思います」
「桜、ひらり」。
ひらり、ふわりと、宙に舞う感覚のサウンドが心地良いです。
歌詞に込められた意味を、良い意味で軽くしています。
重た過ぎないように、希望を残して。
片山さんのキーボード・ソロが良い音色でしたね。
スクリーンには大きな桜が映し出されていて、ステージ全体がピンク色。
笑顔で泣ける名曲です。
「神様からの贈り物」。
フィリー・ソウルな豪華なサウンドが圧倒してきます。
テレビを観て育った者ならわかる、芸能界への憧れ。
スクリーンには、昭和から芸能史を彩ってきた歌手や作曲家たちの写真が映し出されていきます。
エンターテインメントは、日々の生活を明るくしてくれるんだと、その感謝の意を込めて、桑田さんが歌います。
もちろん、聴いてる僕らは桑田さんへの感謝の意を強くするのです。
桑田さんの乾いたギター・ソロが粋でしたね。
どんどん昇天していくようなメロディに胸がキュンとなり、最後は「♪ ドゥー、ワー」と締め。
「史上最恐のモンスター」。
こういう曲を堂々とライヴでやるんですからね、凄い。
ステージ両脇に設置された大きなミラーボールのような照明が、まるで地球から放たれている光のようでした。
「ヤーレン、ヤーレン」とか「龍神さん」「雷神さん」とか、地球を大切にしない者たちへの嘆きと怒りが込められているのを感じます。
「モンスター」の歌詞のところで、ガッツポーズというか、ムキムキポーズを取る桑田さん。モンスターの力を表しているのでしょうか。
おー、怖っ。
そう思ってるところへ、間奏では迫力のフュージョン・サウンドで攻めてきます。
こういう展開の妙も含めて、凄い曲ですな。
「暮れゆく街のふたり」。
この曲は、ツアー途中からセットリストに加わったようです。
ちょっとジメッとした、昭和フォークの世界を感じさせます。
ライヴで盛り上がるタイプの曲ではないですが、こういう時代もたしかにあった。
それをみんなに思い出させるような感じで、桑田さんはギターを置き、スタンド・マイクに対峙して、身振り手振りを交えて歌い上げます。
ヴォーカリストとしての力量を見せつける場面でしたね。
「風のタイムマシンにのって」。
車のエンジン音が聴こえてきて、すっかりドライブ気分。
イントロの口笛は桑田さん。
爽やかでウキウキするようなサウンドに乗せて、原坊が歌います。
山本さんのふくよかなサックス・ソロも心地良く響き渡りました。
MC。
「原坊、人気あっていいなあ」
「私もね...もうすぐ50歳です」
「ヒロシ、どう?」
「大好きなジャイアンツの本拠地なので、気合い入ってますよ」
「東京ドームということで、ジャイアンツの岡本さんが差し入れを持って来てくれました」
「毛ガニ、どう?」
「お客さんのソウルが、もう...」
「お前は長嶋茂雄か!」
「原さん、どう?」
「みなさんのお蔭でとっても楽しいです。ありがとうございます」
「関口、なんか言ってみて」
「あてもなく放浪する老人です」
「このツアーも、ここまで色々ありましてね、私もコロナになっちゃったりとかして」
「それが、いよいよファイナル、東京ドームでございます」
「ここから少し、アコースティック・コーナー!」
「別れ話は最後に」。
桑田さんも椅子に座って、アコギを弾きながら歌います。
原曲より少しテンポも速く、お洒落なボサノバ・タッチのアレンジでした。
デビュー当時、こんなアレンジでテレビで披露してたら、コミック・バンドとは思われなかったろうに。
ていうか、かなりいい曲だよね、コレ。
初期の頃から、こんなお洒落な曲を持ってたんだよな、やっぱ凄いな、サザン。
ラストは、TIGERさんのスキャットがクールに吠えました。
MC。
「我々も47周年ということでね」
「アルフィーよりは年下です」
「石破総理よりは年上です」
「なんだかもうよくわからなくなってますが」
「ニッポンのヒール」。
桑田さんがギターをかき鳴らして、1人での弾き語り風に始まってから、徐々にバンド・サウンドに。
昔はあまり好きじゃなかったのですが、今ではクセになってる曲です。
ぶっきらぼうで速射砲の桑田さんのヴォーカルに、グイグイと走るグルーヴ。
山本さんのハーモニカは狂気。
桑田さんの歌にはピー音が入りました(笑)。
あれ?
今回のツアー、アコースティック・コーナーでは、各会場に合わせて、ジョン・レノンの「Imagine」の替え歌をご当地ソングにして披露しているという話を聞いてましたが、この東京ドームではやりませんでした。
何故でしょう。
MC。
「ここでメンバー紹介!」
斎藤さん、片山さん、山本さん、吉田さん、菅坂さんをサラサラッと紹介して。
TIGERさんの紹介では、見事に一節歌うTIGERさん。
「ベース、関口和之!」
ムクちゃんがドリフのヒゲダンスのフレーズを弾きます。
「キーボード、原由子!」
「パーカッション、毛ガニエ・ウエスト!」
「オン・ドラムス、松田弘!」
「残すところ、あと64曲となりました...」
「悲しみはブギの彼方に」。
NEWアルバムの中でも、サザンとしてのアイデンティティを証明したブギ。
デビュー前のレパートリーが、令和の時代になってからライヴで聴けるなんて。
僕がサザンのライヴを生で観ることが出来たのは最近になってからで、まだ3度目ですが、サザンの原点を観れたような気分になって嬉しくなりました。
きっと若い頃も、こんな風に楽しそうに演奏してたんだろうな、と。
桑田さんがスライド・ギター・ソロを自慢げに弾いてたのも象徴的でした。
「ミツコとカンジ」。
そして、新曲のブギへ。
このメドレーは必然ですね。
こうやって2曲が続くと、サザンは47年経っても、根っこは変わってないんだなと。
昭和風情の微笑ましいカップルの描写に、胸が温かくなります。
山本さんのハーモニカには泣けてくるじゃないですか。
そして、サビ・ラストのメンバー全員でのコーラス・ワークが光ります。
これぞバンドだ、これぞサザンだ。
「夢の宇宙旅行」。
ビートルズの「Back In The USSR」みたいに、重低音と疾走感のジェット・サウンド。
NEWアルバムの中ではいちばん大好きな曲で、ライヴで聴くのを楽しみにしてました。
なので、このキラキラ・ポップにはすっかり気分が上がりました。
会場全体にレーザービームが乱反射し、お客さんに配られたリストバンドが一斉に光り出して、盛り上がります。
気分良くスピードを上げ、そして何故か切なくもなる胸キュン・ソング。
スクリーンには、目からビームを放つ桑田さんの映像が映って爆笑。
ラストの「大谷翔平」の件のところでは、TVなんかでは右打ちの構えをしたりすることもありましたが、今回はしっかり左打ちの構えをした桑田さん。それで良し、です(笑)。
ホント、夢みたいな時間でした。
「ごめんね母さん」。
前曲の楽しい雰囲気から一転し、妖艶でアングラ的なダンサーたちも現れました。
原曲は、ダウナーなビートで独特の世界観があり、こんなのライヴでどうなるんだろと思ってましたが、生演奏だと意外とダンサブルなアレンジで、かなり踊れる曲になってるじゃないかという発見がありました。
これは予想外にライヴ映えする曲でしたね。
「ミラーボール、回転」のアナウンスがあって、
「恋のブギウギナイト」。
待ってました、飛び出しました、という雰囲気で、いよいよライヴが佳境に入ってきた感じです。
ステージに現れた美女軍団は、昨年のROCK IN JAPAN FESの時のようなジュリ扇は持ってなくて、バブル感は薄れてましたね。
あくまで感情を抑えてクールに踊る前半の感覚がたまりません。
でも、サビの「Woo Woo Woo~」のところで手をクルクル回す仕草には自然とテンションが上がりますね。舞い上がります。
それでいて、どこか老いたる我が身の悲しみなんかを感じさせて。
若いバンドでは作れないディスコ・ソングですね。
間奏で、毛ガニさんが「よ~っ、ポンッ!」と鼓を打つのが好き。
アウトロで、桑田さんが「ピアノ売ってちょーだい!」「タケモトピアノ!」と財津一郎オマージュを繰り出すのもたまらなく好きです。
「LOVE AFFAIR ~秘密のデート」。
日本一爽やかな不倫の歌だと思います。
だって僕は、これが不倫の歌だなんて、最初は気付かなかったですもん。
不倫に対して、超不寛容になっている最近の日本人。
こういう名曲を生み出す文化でもあると気付いてほしい。ポップな中にも苦みがあるじゃないですか。
横浜の名所でデートしてても、100%楽しんでるわけじゃなくて、どこか切ないじゃないですか。
この曲の持つ男女の機微に思いを馳せて、もっと昔のような寛容の心を思い出してほしいものです。
サビで手拍子をしていると、グッと盛り上がってきます。
今回は、アウトロで「Be My Baby」の一節を歌いませんでしたね。あれ好きだったのに。どうしてやめちゃったんだろ。
「マチルダBABY」。
シングルでもないのに、いつもライヴ終盤の怒涛の展開に披露されるのが嬉しく思う、大好きな曲。
イントロに合わせて火の玉が吹き出て、会場も大盛り上がり。
サスペンスチックに、モンスターに立ち向かう主人公の心意気。
その勇気が伝わってくるから盛り上がるんでしょうね。
サビ・ラストの「No No No~」のシャウトでは大きな爆発音!興奮の坩堝です。
桑田さん、ムクちゃん、斎藤さんが、老体に鞭打って左右に連続キックを繰り出すのは昔から変わらないアクション。必死で足上げてました。
「ミス・ブランニュー・デイ」。
「マチルダ」からの連続技は、もはや伝統芸。
原坊がキーボードでイントロを弾き出せば、みんなテンションMAXです。
桑田さんと一緒に、拳を高く上げて「ヘイ!」と気合いを入れていけば、否が応でも盛り上がります。
そして桑田さんが立て板に水のように歌い始めると、すべてが報われるような気分になるんですよね。
この曲が好きじゃない人っているんでしょうか??
サビでのドンドコドンドコというドラムのリズムにも背中を押されます。
当時、デジタル・サウンドの最先端を目指した曲ですが、40年以上経っても、生で演奏することの重要性を実感します。
「マンピーのG★SPOT」。
ここでもイントロで大きな爆発音!
いよいよラスボス登場!といった感。
桑田さんは、恒例のヅラはもちろん、トンボのような羽根を背負ってました。
レオタード風のアニメのヒロインのような恰好をした女性たちが、ステージの左端から右端までズラーッと並んだ姿は壮観でした。
放送禁止になるのではないかというこの曲を、平気でテレビでも歌い、ここまでの代表曲に仕立て上げたサザンの底力。
美女たちに密着されて、「ああっ、うっ、うっ」と悶えながら歌う桑田さんが可愛い。
ラストはTIGERさんのシャウトが轟きました。
本編が終了し、ステージ上はひと時の静寂。
そして、すぐさまアンコールです。
先ほどまでの盛り上がりが嘘のように、穏やかな笑みを浮かべてメンバーが再登場。
「Relay ~杜の詩」。
NEWアルバムのラストを飾った、未来志向のバラードです。
みんなに考えてほしいと静かに訴えかける曲ですが、「馬鹿でごめんよ」と卑下することによって、押しつけがましくないのです。
桑田さんのギターは、ソロを弾く時以外はオフになってほとんど聴こえないことが多いのですが、この曲では、桑田さんの弾くアコギの音がよく聴こえました。珍しいことだなと。
おや?なんか、次に始まる曲の雰囲気が、思ってたのと違うぞ...。
「東京VICTORY」。
ここでサプライズ!
このツアーで、1度も演奏されなかったこの曲が飛び出しました。
「Imagine」の替え歌をカットした代わりということでしょうか。
東京だからこその選曲かもしれません。
でも、いつものようなコール&レスポンスはありませんでしたね。
おかしいなと思いつつ、僕は「Oh Oh Oh Oh Oh Oh」と歌ってたんですが、僕の周りの人たちは、全然歌ってませんでした。アリーナとかだったら盛り上がってたのかな?
ポップなサウンドを際立たせるように、山本さんの澄んだハーモニカの音が響きます。
ラストの「ヘイ!ヘイ!」の気合いには力が入りました。
We got the victory。
MC。
「あと3年で50周年です」
「いつまでやるんでしょうか」
「これからもよろしくお願い申し上げます」
「希望の轍」。
「東京VICTORY」が追加されたことで、もしかしたらカットされるかも?と少し不安に思いましたが、原坊のピアノのイントロが聴こえてきて、安心すると共に、胸がキュンとしました。
イントロ途中の「Hey」とも「Yeah」とも「Au」ともつかぬシャウトを叫べば、後はもうグイグイと曲の世界に入っていくのみです。
「♪ 恋心何故に切なく」のところでの手拍子パン・パパンでギアを上げて、サビの「♪ 遠く遠く」では飛び跳ねるようにノリまくって。
この曲もシングルじゃないのに、サザンの代表曲として、ここまで立派に大きく育ちました。
スクリーンにメンバー5人の姿が分割して映し出されたのがカッコ良く、感動です。
そして、間髪入れず、「勝手にシンドバッド」。
それまでは座って観ていた僕ですが、最後だし、この曲だけはと思い、立ち上がりました。
イントロでの桑田さんとのコール&レスポンス。
「Oh Yeah」
「Oh Yeah」
そして、「ラララ~」で爆発ドーン!
今日の出演者総登場で、相変わらずカオスな舞台上。東京ドームなので、ジャビット君もいました。
熱いサンバのリズムで、まさに、お祭り騒ぎ。
デビュー当時、まさか50年近く経っても、この曲でこんなに盛り上がってるとは、誰も想像しなかったでしょう。
桑田さんが「いくみ!」とマイクを向けると、「今何時!」と応える郁実さん。
桑田さんとEBATOダンシング・チームの佐藤郁実さんとのやりとりは、もう恒例になっていて、僕も大好きです。
そして再び、コール&レスポンス。
「ラララ~ラララ、ラララ~」
「ラララ~ラララ、ラララ~」
それから、「胸騒ぎの腰つき」の連呼。
最後は10回ジャンプ。
ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドーン!
演奏が終わると「サザンオールスターーーズ!!」と叫んだ桑田さんでした。
ライヴ終了は21時5分でした。
余裕の貫禄と現役感で、最新型のサザンは圧倒的
終わりました。
楽しみにしていた6年振りのサザンのライヴ。
今日も燃え尽きました。
懐かしく穏やかな流れの前半から、NEWアルバムの曲をたっぷり絡ませていって、終盤は怒涛の展開に。
誰もが満足するライヴだったのではないでしょうか。
今回は、NEWアルバムのお披露目ツアーだったというのがポイントですよね。
ツアーが始まった当初は、まだアルバム発売前だったので、その時の盛り上がり具合は気になるところではあるのですが、僕の場合は、アルバムをしっかり聴きこんで、大好きになって待ち望んだものだったので、満足感しかありません。
これだけのキャリアを持ちながらも、新曲を中心に据えたライヴで盛り上げることが出来るんですから、やはりサザンは稀有な存在です。
だって、「いとしのエリー」も「真夏の果実」も「TSUNAMI」もやらないんですよ?(笑)
それでも、凄いライヴだったよね~と、ほとんどの人を満足させちゃうのがサザンの懐の深さです。
とにかく、余裕の貫禄と現役感を見せつけて、最新型のサザンは圧倒的でした。
これで、しばらくはサザンの活動はお休みになってしまう予感もしますが、この充実したツアーの成果はきっと50周年へと続くはずです。
3年後が楽しみですね。
僕も、体調の問題で、苦痛のライヴの日になるかもと心配してましたが、なんとか乗り越えることが出来て良かったです。
これも、大好きなサザンがくれた奇跡だと思ってます。
コメント