TOUR 2022 WHERE ARE YOU NOW
2022年4月9日(土)@三郷市文化会館
NEWアルバム発表前にツアーの報
昨年末のライヴの中で、春にアルバムを2枚同時に出すと言ったので、それを期待して待ってたら、アルバムの前に、ツアーの方が先に決定。
アルバムを出してから、それを引っ提げてのツアーが始まると思っていたので、ちょっと戸惑いました。
ツアー初日は、我が埼玉。
三郷は行った事なくて、どこにあるのかもわからないくらいでしたが、土曜開催で開演時間も早いので、帰りの電車を心配する事もなさそうだったし、初日でどんなセットリストになるのかわからない面白さもあるので、参戦を決めました。
チケットは、たぶん一般でも獲れそうに思いましたが、念のために先行抽選で獲っておきました。
チケットを獲った頃、ちょうど佐野さんの誕生日だったのですが、その直前になって、NEWアルバムは、1枚がツアーが始まる前日に配信リリースされ、もう1枚は7月にリリースされるとのアナウンスがありました。
ツアー直前にアルバム・リリース、ツアー終了時にもう1枚のアルバム・リリース。
こうなると、いったいどんなセットリストになるのか、興味津々でした。
僕の予想としては、先にリリースされるアルバムの曲が中心になるだろう。そこに、7月にリリースされるアルバムの中の曲をどれだけ混ぜてくるかが問題だ。あとは、コヨーテ・バンドの定番曲をまぶしてくるんだろうな、と考えていました。
そしたら、ネットの情報の中では、今年、『NIAGARA TRIANGLE Vol.2』の40周年記念盤がリリースされて話題になったので、そこにもスポットライトを当てるのではないか。いや、それを言うんだったら『SOMEDAY』だって40周年なんだから...みたいな論調もあって、いったい、どうなる事やら。
ただ、佐野さんは過去を振り返るよりも、今や未来を優先する人というイメージだったので、きっと、新曲中心になるだろうなとの思いが強かったです。
という訳で、ライヴ前日に配信リリースされるアルバム。これを聴かなきゃ話にならない、と。
配信リリースといっても、ダウンロードのみなのか、ストリーミングはあるのか疑問だったのですが、配信当日、ストリーミングもある事が判明。
ダウンロード購入も考えましたが、やっぱりサブスクで聴く事にしました。
ライヴに行くまで、10回聴きました。
5曲は既に知っていたので、残り5曲の新曲の中で、この曲がライヴ映えしそうだなとか考えながら、曲を憶えました。
ライヴ当日。会場へ
ライヴ当日は晴れ。暑いくらいの陽気でしたね。
三郷市文化会館は、三郷駅から歩いて15分くらいなので、少し不安もありましたが、ほぼ直線の道筋。迷う事無く辿り着きました。
開場時間の16時30分、並んですぐに入場しました。
欲しいグッズがあるかもしれないと思っての、早めの入場です。
ただ、驚いた事に、グッズは、現金かPayPayしか使えなくて、クレジットカードは使えないというのは痛手でしたね。
結果的に、欲しいグッズはなかったので、事なきを得ましたが、カードが使えないのは僕にとっては不便です。
グッズを確認した後、開演時間の17時30分まで、かなり時間が余ってしまいました。
これはちょっとヒマで、苦痛でしたね。
僕の席は1階13列38番。
半分よりは後方の列でしたが、それでも13列目なので、ステージはよく観えそう。佐野さんの表情もきっとわかるでしょう。
通路に近い席ではなかったのは不満でしたが、1階なんだし、まずまず良い席に当たったと思います。
当日券が出たくらいですから、ソールドアウトにはなってなくて、2階席はどんな感じだったのかはわかりませんが、1階席は隙間なく満員でした。
ライヴ、スタート
開演時間の17時30分。
ほとんど時間通りにライヴは始まりました。
01. 彼女はデリケート
02. ハッピーマン
03. マンハッタンブリッヂにたたずんで
04. アイム・イン・ブルー
05. ヴァニティ・ファクトリー
06. ハートビート
07. 東京に雨が降っている
08. 悲しい話
09. 禅ビート
10. ポーラスタア
11. 世界は慈悲を待っている
12. 食事とベッド
13. 愛が分母
14. 銀の月
15. 純恋(すみれ)
16. エンタテイメント!
17. La Vita e Bella
18. 優しい闇
19. 約束の橋
(Encore 1)
20. 悲しきレイディオ
21. サムデイ
22. ヤング・フォーエバー
(Encore 2)
23. インディビジュアリスト
24. ニューエイジ
まずは、バンド・メンバーが登場。
今日は、キーボードやホーンやパーカッションなどのサポート・メンバーはいなくて、純粋な5人のコヨーテ・バンドです。
ステージに現れた佐野さんは、黒のシャツとパンツに、グレーのジャケットを羽織って。
佐野さん、グレーのジャケット好きっていう印象です。
注目の1曲目。
ベースとドラムが、軽快なビートを先導する。このリズムは...。
「彼女はデリケート」だ!
1曲目はNEWアルバムの曲だと思ってたので、意外でした。
そうか、『NIAGARA TRIANGLE Vol.2』40周年にもちゃんと重きを置いたライヴになるのだな、と。
「♪ カモンベイベ」の所のパパン、パンという手拍子とか、「♪ デリケー、デリケー」という合いの手コーラスとか、一緒にやって楽しかったです。
いきなり気分が上がりました。
次は「ハッピーマン」。
背景には、『SOMEDAY』のジャケットの大きなパネルが下りてきました(スクリーンに映し出されたのではなく、パネルだったと思う)。
NT2だけじゃなく、『SOMEDAY』40周年もお祝いするライヴなんだ、これはいい意味で裏切られたな、と思いました。
「♪ 世界中のインチキにアイアイアイ」が爽快でしたね。
明るくハッピーな曲が続いた後、佐野さんはキーボードの前に腰を下ろします。
そして、NT2の話をして「マンハッタンブリッヂにたたずんで」。
ロマンチックな曲でした。
「♪ 街に暮らしていると毎日少しずつ」の後の「♪ イエー」の所をファルセットで張り上げてたのが印象的。
「♪ Love Is Here」も力が入ってました。
続いてもキーボードの前で「アイム・イン・ブルー」。
代表曲が多い『SOMEDAY』の中でも地味目な曲を採り上げたなあ、と。
アイム・イン・ブルーという割には、曲調は爽やかさが漂ってます。
終盤の「♪ Don’t Worry」の変拍子が、初めて聴いた時は違和感あったのですが、慣れるとクセになって好きなところです。
「アイム・イン・ブルー」なんてレアな曲を採り上げたのだったら、『SOMEDAY』の中でも僕が大好きな「ヴァニティ・ファクトリー」をやってくれたっていいよなあ、なんて思ってました。
そしたら、ピアノがポロロンと短いフレーズを奏でる。おや?と思ってると、ギターがジャーンとコードを鳴らします。あ、これは!
「ヴァニティ・ファクトリー」だ!
やったぁぁ!
最初の「♪ ヴァニティ、ヴァニティ!」のコーラスだけで燃えます。
サビの「♪ オー、ヴァニティ・ファクトリー」の後のリズムが超絶カッコいい。
素晴らしいロックンロールです。
大好きな曲ですが、こんな古くてレアな曲、今回のライヴで聴けるとは夢にも思ってませんでした。
とてもライヴ向きの曲で、僕だけでなく、他のお客さんも盛り上がってたように思います。
序盤の大きなハイライトでしたね。
次は「ハートビート」でした。
結構長い曲だから、やるのも気合いが必要そうで...だから40周年記念ライヴでやったのは納得いったし、『SOMEDAY』の収録曲なら今回もやるのはわかるけれど、これは2ndアルバムの曲だし...という事で、これを採り上げたのは超意外でした。
「♪ 数えきれないくらいの君のボーイフレンド」のフレーズが耳に残りました。
その後、うーん、と唸りながら考え事してたら「♪ まだ4時半だぜ」の所を聴き逃してしまいました。無念。
ここまで、意外な曲の連続で、僕が予想してたものとはエライ違いの展開のライヴになっていました。
今日は先が読めん...。
そう思っていると、ようやく、NEWアルバムを配信リリースしました、という事でそこからの曲を。
「東京に雨が降っている」。
割と明るく軽快な曲。
むしろ晴れ空みたいなイメージの曲なんですよね。
雨でも前向きに、気分を上げていこうという事でしょうか。
レーザー光線の演出があって、それにも目を奪われました。
コロナ禍でライヴが出来ず、スタジオでセッションをしてる中で出来た曲ですと言って「悲しい話」。
これは、重たいブルースです。
「♪ でたらめな話はもうたくさんだ」「♪ その話はもう聞きたくないんだよ」「♪ のぼせた奴らはほっとけばいい まともな奴らをさがしてるんだ」と、歌われます。
このコロナ禍で、まともな対策を打てない政府、恐怖を煽るだけ煽って、いい加減な事ばかりを言ってる専門家たち。偏った意見ばかりが支配するマスコミ。
そんな現状に、佐野さんはかなり怒りを持って、おかしいと訴えてると思うのですが、どうでしょう。
サイケなギターに導かれる「禅ビート」。
最近のライヴでは必ず採り上げられるので、佐野さんこの曲が好きなんだなあ...と思ってたら、冒頭の歌詞に絶句。
「♪ 人と人が殺しあう世界なんて」。
まさしく今を歌っている曲だったのでした。
これなら、採り上げられたのも納得。
ベース・ラインに導かれる「ポーラスタア」。
「♪ ほら見上げてごらん」と、空高く指を指すのが良くて、ロマンチックでもありカッコいい曲。何度聴いてもいいですね。
深沼さんと藤田さんのギターも良かったです。
ポップなモータウン・ビートの「世界は慈悲を待っている」。
これは、もしかしてライヴで初聴きかなあ、なんて思ってましたが、後で調べてみたら前回のライヴで聴いてました。
『ZOOEY』からの曲が続いている中、改めて曲紹介があって、「食事とベッド」。
前2曲は定番曲と言えるのものでしたが、この曲は意外な選曲。
最初の「♪ 二人はピーナッツ」の所が違和感がありました。もしかしたらミスがあったのかも。
この曲に限らずですが、高桑さんのベース・ラインがビートルズっぽいなと思った場面が目立ちました。
ロックしよう!と叫んでの「愛が分母」。
うーん、これはスカ・ビートなので、個人的には、ロックしようという感じではないのですが、まあ、大好きな曲なので、やってくれるのはありがたいです。
サビの「♪ あーいがぶんぼっ」とか、締めの「♪ Say Yeah!」とか、今回も小声で歌わせてもらいました。早く、観客全員で大声で歌えるようになる事を願います。
それに、欲を言えば、この曲にはホーン・セクションが欲しいところなんですけどね。キーボードのフレーズだけで、なんとか再現してました。
ピコピコと近未来的な音に導かれての「銀の月」。
先日配信リリースされたNEWアルバムには、最近の配信シングルは全て収録された感じに思ってましたが、そういえばこの曲は未収録でした。おそらくですが、7月にリリースされるアルバムに入るんじゃないかなあと思います。
サウンドこそポップなものの、メロディ的には割と平坦で、聴き所に欠けるかなあという印象を持ってた曲でしたが、間奏でピアノ・ソロが入り、なんだコレ、いい感じじゃん!と思ったらその後にドラム・ソロまで入って。
すごくいい感じに生まれ変わってました。
いい曲聴いたなあという印象になりました。
冒頭でピンクの照明に照らされる佐野さんも定番になった「純恋(すみれ)」。
サビで、一気に解放されるロマンチック・ポップ。
ホント大好きな曲で、サビの「♪ 夜空の星にそっと導かれて 君がいなければこの心は闇に彷徨うだけ」の件は何度聴いても胸が熱くなり、力が漲ってくる感じです。
後半のポエトリー・リーディング的な佐野さんのセリフも聴き所です。
「エンタテイメント!」。
初めは、ベスト盤に収録するオマケ曲なのかも、くらいに思いましたが、聴いてみたら全然オマケではないし、NEWアルバムにも改めて収録された事もあって、これは完全に近年の代表曲になったな、と。
軽快ながらも力強く走るビートがなんとも爽快で心地良い。
「♪ It’s Just A Entertainment」の掛け合いのコーラスが素晴らしかったです。
気分は上がりまくりです。
盛り上がった所へ、さらに追い打ちをかける「La Vita e Bella」。
「♪ 君が愛しい 理由はない」。ホントに、好きなものに理由なんてないんです。
佐野さんを好きになるきっかけにもなった曲です。
テロテロテロというギターのフレーズに導かれる「優しい闇」。
またもやポップな曲が続きます。
「♪ なんだろう ひとはあまりに傲慢だ」「♪ なぜだろう ひとはあまりに残酷だ」の歌詞が胸に刺さります。
闇の中の希望の光みたいな雰囲気が好きです。
「約束の橋」。
佐野さんの曲で1番売れた曲ですからね。歌い続けるのもファン・サービスでしょうか。
個人的には、それほど思い入れはないのですが、最後の「♪ ラーラーラーララー」とか、やっぱりライヴでやると盛り上がるんだなあと改めて思いました。
これにて本編終了。
だいぶたくさんの曲をやったように思いましたが、この時19時10分。まだ1時間半くらいしかたってないのかと意外に思いました。
アンコール。
まずは「悲しきレイディオ」。
この曲も、今回聴けるとは思ってませんでした。
サビの「♪ レイディオー、レイディオー!」は、今回も拳を振り上げて、小声で歌わせてもらいました。
そして、終盤でバラードっぽくなるところ。「この素晴らしい三郷の夜!」と叫んでくれましたし、「♪ ムード盛り上がれば~」のところは、お客さんも思わず歌ってしまいました。わずかながらも皆さんの声が聞こえてきましたね。
佐野さんも満足したように頷き、そしてまたビートを刻んでスピード・アップ。
盛り上がりましたね。
冒頭の、ドラムのドロロンッ、という響きが、いつもより深くて驚いたのが「サムデイ」。
『SOMEDAY』40周年記念のコーナーは、ライヴ冒頭だけで終わりだと思っていたので、本家本元のこの曲もちゃんとやってくれたのはかなり嬉しかったです。
一番最初の「♪ Happiness & Rest」の所は、崩さずに原曲通りに歌ってくれた感じなのが嬉しかったです。
原曲の間奏はサックス・ソロですが、今回はサックス・プレイヤーはいないので、佐野さんのハーモニカ・ソロ。
そして終盤の「♪ Woo Someday Baby」というメンバー達のコーラスがとても良かったです。
この曲も、何度聴いても胸が一杯になりますね。青春の気持ちを満たしてくれます。
ブルージーなギターのフレーズに導かれての「ヤング・フォーエバー」。
このロックンロールも、僕も歳を重ねた今聴くと、胸に来るものがあります。
熱く燃えたぎるような心。
佐野さんから大事な事を教えてもらっている気がします。
ここでまた全員が楽器から離れてステージを去っていきましたが、「ヤング・フォーエバー」で終わりというのはなんとなく考えにくかったし、佐野さんの挨拶も無しに帰っていったので、これはダブル・アンコールがあるな、と確信しました。
そして、ダブル・アンコール。
怪しい雰囲気のリズムが刻まれました。これはあれだな。
「インディビジュアリスト」!
ホーボー・キング・バンドがアレンジした、スカ・ヴァージョンです。
僕は元々原曲のアレンジが好きだったので、しばらくはこのスカ・ヴァージョンに馴染めなかったのですが、慣れてくると、これはこれでとても良い感じになってきました。
強烈なスカ・ビートに、心は疼き、体が動きます。
新しい時代の人に贈りますと言って「ニューエイジ」。
冒頭の「♪ 数えきれないイタミのキス 星くずみたいに降ってくる」の後の、流れ星のようなSEは今回は無かったのですが、その代わりにと言ってはなんですが、レーザー光線が、光る星が一斉に降ってくるような演出で感動しました。
「♪ 彼女は虚ろなマーマレイド 雨に向かって歩いてゆく」の所は佐野さんと一緒に歩くポーズをしましたし、「♪ ブルーな恋に落ちてゆく」の所は、親指を下に向けて落とす仕草で。
「That’s Meaning Of Life」。胸に沁みました。
これにて感動のライヴは終了。
19時40分。2時間ちょいの濃密なライヴでした。
予想を覆した驚きのライヴ
とにかく、予想していたのと全く違ったライヴでした。
NEWアルバムの曲を中心に、もしかしたら聴いた事もない新曲も披露されるライヴになるだろうと思っていたら、蓋を開けてみれば、ベスト・ヒット的な味わいの方が強いものでした。
とにかく驚きました。
NEWアルバムからの曲にしたって、絶対「新天地」は採り上げるだろうと思っていたのにやらなかったし、結局、新曲の中では採り上げたのは「東京に雨が降っている」と「悲しい話」だけで、新曲の中でも地味な部類と思っていたものだったので意外でした。
今回のツアーがずっとこのようなセットリストで行くなら、7月のアルバムをリリースした後、秋以降に、今度は新曲で埋め尽くすような次のツアーがあるんじゃないかなと期待してしまいます。
コヨーテ・バンドは最強ですね。
メンバー全員が、佐野さんをリスペクトしていて、最大限にサポートしている。
佐野さんの歴代バンドの中でも最長のものとなって、多彩で確かな演奏力は安定感があり、これぞバンドだなと思わせられます。
これからも、ずっと続いていってほしいと思います。
佐野さんにはついていくしかない、改めて、そう思わせられるライヴでした。
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