桑田佳祐 Live@東京ドーム 2002.12.5 感想

2002年12月5日@東京ドーム

久々の桑田さん

桑田佳祐の東京ドームのチケットを本気で獲ろうとしてなかった事を後悔、遠い横浜公演にするしかないか...と思ってた所、先日、イープラスから東京ドーム追加席発売のメールが。
本日朝10時から受付との事で、数時間前からスタンバイ。しかし10時になったと同時に、やはりアクセス不可能状態となり、「これも売り切れになってしまうのか...?」と心配になったのですが、約5分でつながり、無事に購入する事ができました。
やっぱり桑田さんは観ておかないとだな。僕のライヴ苦手症が快方に向かいかけた今、僕の音楽生活の原点である桑田さんならば、一気にライヴ好きにさせてくれるかもしれない。
という訳で、ポールに引き続き、またもや願いが叶ったり。イープラス万歳。

僕の音楽生活の原点でもある桑田さんではあるけれど、実はライヴは一度しか観た事ない。中3の夏休み、初めてのライヴ経験となったKUWATA BANDの時だ。つまり、「サザン」は観てなかったりする。なんでだろね。一番僕が熱を入れてた時期に活動休止中、って事もあったし、復活時は学校があってムリ、とか、その後よくやってた年末ライヴは「横浜で遠い!」とか、熱がそれほどでもなかったりとか。なんだかんだで行く機会がなかった。
それで今回久々の生桑田も「サザン」ではない、って所がポイントだったりするのだけれど、一番熱を上げてた時にむちゃくちゃ聴いたKUWATA BANDやソロの曲を聴ける、ってのも、今後はあまりなさそうなチャンス。
ふたたび「スキップ・ビート」が聴けるってだけで興奮するし、大好きなソロ曲「哀しみのプリズナー」「誰かの風の跡」「悲しい気持ち」なんかも、当然初めて生で聴く事になるし、今後、「サザン」になっちゃったら聴けないだろうからね。
さーて、楽しみです。

ライヴ当日。会場へ

今回も当日券扱いで当日引き換え。確認メールには「引き換えは先着順」と書いてあり、先に行った方がいい席にあたるのかも、という事で、早めの出発。引き換え開始の4時に東京ドーム到着。
ポールの時は、引き換え開始時間に行ったら誰も並んでないガラガラ状態だったのだが、今回は、当日券売り場に30~50mの列ができていた。それだけ並ぶなんて、当日券目当ての人たちかな?と思いきや、僕と同じイープラス・チケット引き換えの列だという。こんなに並んでんの??
列に並ぶと、おじさんが声をかけてきて、「おたく一人で当日券並んでるの?友僕が急に来れなくなっちゃってさあ、良かったらどう?」と言われたのだが、イープラス・チケットには後で引き落としされてしまうので、「引き換え予約してあるんですよ」と丁重にお断わり。べつにダフ屋とかじゃなかったと思うけど。いい席だったのか、ちょっと気になる。
そんなこんなで僕の引き換えの順番が来るまで約30分かかった。今回は名前と枚数、電話番号確認での引き換え。なんか、あらかじめ封筒のようなものにチケットが入っていて、その封筒にはそれぞれの名前が書いてあるようだった。て事は、早く行っても遅く行っても、自分用に確保されたチケットを渡された、って事?わざわざ早く行く事なかったかな...。

とにかく、この時点で4時半。7時の開演まで2時間以上ある。1時間ちょいならブラブラしてても平気だけど、2時間以上の待ち時間はキツイなあ、という事で、近くのまんが喫茶へ。あらかじめ場所を調べておいたんだよね。水道橋駅近くにあるって事を。実はまんが喫茶に入るのは初めてだったので、これもまたいい機会。一人なので、ヘタに喫茶店に入るよりはいいだろう。
1時間380円ってのは安いよね。僕が入店した時にはほぼ満員状態。だいたいのシステムはわかってたとはいえ、なにぶん初めてなので、最初は戸惑ったけれど、すぐに馴染めた。居場所をみつけ、ネットをしたり、持参の本やまんがを読んだりしての約1時間半。いい時間つぶしになった。今度また何かの折にはまんが喫茶を利用してみようと思う。

6時半頃、ドームに戻る。今回もグッズは我慢。パンフなんて3000円もするよ。高いっ!Tシャツ、パーカー、タオル、欲しいのあったけど我慢。
お金なくてどうせ買えないならグッズ売場覗くな、って?つい見てしまうもんなんです。
トランクスが1000円との事で、最近トランクス不足に悩む僕、これは買おうかなと思ったけれど、僕好みの色じゃなくてやめた。やっぱり何も買わず。

ドーム内に入って、自分の席を探す。
「追加席」なので、もしかしたら割といい席の可能性も??と期待したのだけれど、普通にスタンド席。3塁側1階47列83番。
結局、1階スタンドの最後列だった。まあ、後ろに人がいない分、気が楽。それに、3塁側と言っても、ホームベース寄りなので、ステージはほぼ正面。僕にとってはいい席だったかな。
でも、ここは「追加席」ではないよなあ。それによく見ると、僕が持ってるのはイープラス・チケットの発券ではなくて、ローソン・チケットだった。ローソンの余り(キャンセル?)券がこちらに回ってきた、ってことか?まあ、なんでもいいけど(笑)。

ライヴのスタート

7時を約5分過ぎたところで、場内が暗転、メンバーが登場。そして、大歓声に包まれて、我らが桑田さん、華々しく手を挙げながらも、片鼻にティッシュを詰めての登場だった。

01. HOLD ON(It’s Alright)
02. 或る日路上で
03. 地下室のメロディ
04. 鏡
05. しゃアない節
06. エロスで殺して(ROCK ON)
07. 月
08. 哀しみのプリズナー
09. 路傍の家にて
10. スキップ・ビート
11. 悲しい気持ち(Just a man in love)
12. 白い恋人達
13. ALL MY LOVING
14. BLUE MONDAY
15. 東京ジプシー・ローズ
16. 東京
17. 影法師
18. どん底のブルース
19. 真夜中のダンディー
20. ROCK AND ROLL HERO
21. JAIL~奇妙な果実
22. BLUE~こんな夜には踊れない
23. ハートに無礼美人(Get out of my CHEVVY)
24. 質量とエネルギーの等価性
(Encore)
25. 夏の日の少年
26. 可愛いミーナ
27. 波乗りジョニー
28. 誰かの風の跡
29. 祭りのあと

正直言うと、こないだのポールと比べちゃうと、「う~ん...」て感じ。なんだろう、期待が大きかった分、てのもあるかなあ。観ていて「もっとこうだったらいいのに...」というのを多々感じてしまった。

例えば、すごく楽しみにしてた1stソロやKUWATA BANDの楽曲。
アレンジが今回のバンド用にかなり変わってしまっていて。どの曲もテンポが速くなってるんだよね。テンポを速くすれば、よりロックっぽくなるかと言ったらそうではなくて。

例えば「スキップ・ビート」は、オリジナルのあのテンポが、あの曲のもつ「いかがわしさ」を引き出してたと思うんだけど、それがなくなっちゃったもんだから、妙にあっさりしちゃって、慌ただしい感じの曲になってしまっていた。

慌ただしいと言えば「BLUE~こんな夜には踊れない」もかなりのテンポ変更で、やはりノリ辛く。

その他「悲しい気持ち」「哀しみのプリズナー」なども、やはりオリジナルとは印象の違うアレンジ。
これら昔の曲を聴くために行ったと言ってもいいくらいだったので、これは僕にとって大きなマイナスポイントだった。

それから、演出面では、前半は特に大きな演出もなくシンプルな構成で進んでいったんだけれど、後半になって一気に派出に。

「ROCK AND ROLL HERO」等の数曲では、多数のモニターを使った映像演出がカッコいいなと思ったけれど、「ハートに無礼美人(Get out of my CHEVVY)」など数曲で出てきたコスプレダンサーたちの訳のわからぬ踊りはどうも...。
ムリヤリ盛り上げよう、って感じに見えてしまって、ちょっと僕には興ざめ。もっとも、そういう所がサザンぽい(桑田さんぽい)と言えるのかもしれないけど。
だからもしかしたら、そういうノリがあまり好きではなくて、今まで僕はサザンのライヴに行かなかったのかも...と再認識したりして。

それから、周りはやっぱりカップルが多かったね。僕の左隣も右隣も、前も、すべてカップル。両隣は夫婦かな?夫婦でライヴに来るってのは健全で(?)いいなと思ったけど。
ただ、前のカップルは、いかにもカップルらしい反応するので面白かった。
大ヒットしたバラード「白い恋人達」なんかが始まると、「やったあ!これを待ってたんだよね~」とばかりに、お互いに顔を見合わせて大喜び、手をつないで、女の子は彼にもたれかかってウットリしながら聴いてる、という...。
カップルでライヴに行った事なんかない僕としては、「ああ、カップルってホントにこういうリアクションするんだ」と面白かった。

アルバム『ROCK AND ROLL HERO』はこのメンバーで作ったという事で、全13曲中12曲を披露。
たしかに、昔の曲よりも、このアルバム収録曲をやってる時の方がいきいきしてた。メンバー全員が「俺達の曲」と思えるからじゃないかな。

文句ばかりじゃなくて、いい所もあった訳だけど、ヴォーカリスト・桑田として、やっぱすごいなあと思ったのは、なんと言っても「東京」
これはバンドの演奏も含めて凄かった。
前半で「う~ん...」と萎えかけてた僕の気持ちが、「やっぱこれを生で聴けたから良かった」に変わったからね。
ベスト・パフォーマンスはこの曲。

それから、一部の歌詞を北朝鮮拉致問題に変えて歌った「どん底のブルース」も良かった。
もともと好きだった曲というのもあるかもしれないけど。
こういう曲の時は、カップルはどういう反応するんだろう、と前を見てみると...女の子は寝てた。

それから印象に残ったとこ...。
あ、ポール・マッカートニー・コーナーがあったね。やはり来日公演を観て感動したという桑田さん。
「ポール牧」だの「ポール真っ赤トニー」だのベタなオヤジギャグを挟みながら、ちょこっとだけ「オール・マイ・ラヴィング」を。

アンコールは人気のあるポップ曲のオンパレード。
ここでの印象は...やはり昔の曲「誰かの風の跡」
これも大好きで楽しみにしてたんだけど、これは桑田さんのギター弾き語り風にアレンジされてた。
これはこれでいい感じでもあったんだけれど、やっぱりオリジナルの雰囲気を楽しみたかったなあ。
普段よく演奏している曲なんだったら、たまには違うアレンジで、っていうのもいいかもしれないけど、サザンの曲と違ってあまりやる事のないソロの曲なんだから、オリジナルに忠実にやった方がファンとしては喜ぶ人が多いんじゃないかと思うんだよね...。
この曲は、ライヴで聴いてみて、改めてオリジナルにおける小林武史の存在感を再確認させられた。

期待が大きかった分、少しモヤモヤするかな

まず、曲順が悪かったと思う。
個人的には、ノリのいい曲、バラードなどは数曲ずつまとめて、ブロックを作って構成した方がいいと思うのだけど、今回のライヴでは、一曲ノリがいいやつをやった後、次はバラード、でまた次はノリのいい曲...と、波がこまかすぎてチグハグな印象。バラードでは座って聴くお客さんも立ったり座ったり忙しかったもん。

そして僕にとっては場所が悪かったかな。
あ、観る場所的にはいいんだけど、音の聴こえ方ね。ここは良くなかったなあ。今までドームで観た中で、一番音の聴こえが良くない席だった。
ここだったら、2階席の方がずっといい音だと思うよ。

というわけで、文句ばっかりの感想になってしまった。
行かなきゃ良かった、とまでは思わないけど、やっぱり期待が大きかった分、不満も大きく感じちゃったライヴだったかな。
まあ、久々に観れた桑田さん、って事では意義のあるものだったけど。

で、こないだのポールの時より早く終わるだろうなあ、と思ってた(ポールの時はプレ・ショーもあったし、40曲近くやってたし)ら、とんでもない、桑田さんがステージを去ったのは10時ちょい前。
ポールん時とほとんど変わらないじゃん!
そういやポール(ビートルズ)の曲は短いもんなあ。曲数多い方が長くやるとは限らないんだ...と思いながら、今日はなんとか地元駅までの最終電車に間に合うようにと、ダッシュで帰り道。
席が最後列だったのも幸い、混む前にサッと出口へ、ドームを脱出。なんとか終電には間に合ったのだった。

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