LIVE at BUDOKAN 2019
2019年4月20日(土)@日本武道館
まさかの再来日。チケットはすんなり
もうこれが最後なのかなあと思っていた前回公演から3年、クラプトンまさかの来日。
昨年のライヴのセットリストを見ると、ここ数年とほとんど変わり映えのしないものだったので、あまり期待は出来ないけれど、日本に来るんだったら行かざるを得ない、そのくらいのクラプトン・ファンにはなったつもりの僕。
だけど、今回の日程を見て悩む。
僕が仕事を休みやすいのは、火・金・日あたりで、それらの曜日が日程に組み込まれていれば飛びつくんだけど、今回は5日間もあるのに、その曜日を外した日程。
となると、どの日を選べばいいのか悩んでしまう。
初日の土曜日は、丁度その時サザンの横浜公演の抽選に申し込んでいて、もしも当選したら被ってしまうので、初日だけは除外決定。
あとの4日間のうち、どの日にするか、正直どの日でもいいところだったんだけれど、今回は平日よりは土曜の方が、仕事の休みの申請が若干しやすいかなあと考えて、最終日の土曜日に決めました。
で、その時には、UDOの先行予約サイトでは、土曜日公演は完売していて、やっぱり土曜は人気あるんだなあ、と少し不安に。ちゃんとチケット確保できるのかなと。
で、調べると、その時点で先行抽選を受け付けているのはイープラスだけで。ぴあやローチケでは一般発売の事しか書いてなかったため、今回の先行販売はイープラスしかやらないのか?と。
なので、申し込みはイープラスに。
S席とA席では1000円しか違わないので、だったら今回はS席で行こう、と。
だけど、人気の土曜日公演一択だし、先行で取り損ねて一般発売になったら獲る自信もないので、第2希望でA席も入れておきました。
そうしたら。
A席で当選しちゃったのです!
A席の方が席数は断然少ないから、まさかA席で当たるとは思ってなかったのです。
この時点になると、ぴあでも先行受付を開始していて、イープラスでも二次抽選も受け付けてましたから、チケットを獲るチャンスは多くあり、そんなに慌てて獲らなくても良かった事になります。
A席と言えば2階席後方列。
ああ、慌ててA席の希望なんて入れるんじゃなかった、たった1000円の違いだったらS席が獲りたかった、とモヤモヤしまくりでした。
しかし、そんな風にガッカリしつつ、いざ発券してみると。
2階B列となってるじゃないですか。
んん?B列?前から2列目??
サイトにもA席は2階後方席と書いてあったので、これには驚きました。
北東席なので、いわば舞台を真横から観る感じなので、それで少々観にくいからA席扱いなのでしょうが、それでも前から2列目。しかも、調べてみたら、僕の大好きな、列の一番端、いわば通路側の席だったのです。これはラッキー!!
思いもよらなかった、僕にとっての良席が当たり、これはA席で申し込んでおいて良かったな、と一気にモヤモヤが晴れました。
公演初日、「Layla」が!しかし...
そしてクラプトン来日。
初日のセットリストが発覚すると、そこには「Layla」があり、しかもエレクトリックでやったとの事で狂喜しました。
一番生で聴きたいと思っていたのがエレクトリック「Layla」でしたが、最近のライヴではほとんどやらない、やったとしてもアコースティック「Layla」だし、前回の来日公演では「Layla」自体やらなかったので、今回もどうせやらないんだろうなと思ってたものですから、このニュースを聞いた時は、胸が高まりました。
クラプトンは、基本的にセットリストを変えない人です。つまりは、生でエレクトリック「Layla」がついに聴けるのだ!と。
しかも、「Layla」だけでなく、「Badge」なんかもあったりして、地味だった前回の来日公演と比べたら、とても派手なものになったなという印象でした。
ちなみに、その初日公演は、アンコールで、ゲストにジョン・メイヤーが登場した事も大きなサプライズでしたが、僕はジョン・メイヤーは名前くらいしか聞いた事がなく、曲は1曲も知らないし、だいたい何歳くらいの人なのかさえ知らないので、そこは羨ましいとも思いませんでしたけどね(笑)。
しかし、2日目公演のセットリストを見て驚愕。
変更があったのだ。
よりによって「Layla」がアコースティックに!
今回の公演はセットリストを変えないものだと思ってたから、これには驚いた。
しかも「Layla」が...。
これは今後どうなるのだろう。
「Layla」は日替わりでエレクトリックだったり、アコースティックだったりするのだろうか。
はたして、僕が観に行く最終日はどちらの「Layla」になるのだろうか。
それが最大の肝心事となりました。
クラプトンを好きになって以来、エレクトリック「Layla」を生で聴くのが僕の夢だっただけに、なんとしてもエレクトリックで!
しかし、その願いは日に日に萎んでいくのでした。
その後、3日目、4日目とセットリストの変更はなく、「Layla」はアコースティックのまま。
基本、「セットリストを変えないクラプトン」の傾向を考えると、このまま最終日まで行きそうな可能性大。
よほどのサプライズがなり限りは、これはもう...。
ライヴ当日。混雑の武道館。席は微妙
この日は土曜日公演なので、いつもより開演時間が早めの17時。
会場には16時20分頃着いたのですが、かなりの混雑ぶり。こんな時間からではとてもグッズなどは買えません。
会場入りして、まずはトイレと思ったのですが、これまた想像以上の長蛇の列。やっぱり今回は男性のお客さんの方が多い様で。武道館でこんなに長いトイレの列に並んだのは初めてで、ちょっと焦りました。もう少し遅く到着してたらどうなってたかと思うと恐かったです。
自分の席にたどり着いたのは開演10分前を切ってたかと思います。
僕の席は2階北東B列11番。
やはり、思ってた通り、ステージの真横で、2階とはいえ前から2列目なので、結構近かったです。
ただ、ステージに対して逆向きに角度が付いていたため、体を少しひねらないといけなかったし、斜め前の人が丁度クラプトンを隠してしまう位置にいたために、ちょっと苦しい体勢でライヴを観る事となりました。
でも、通路側の席だったので、気持ち的には楽だったのは幸いです。
ライヴのスタート
開演時間の17時を5分ほど過ぎ、会場が暗転しました。
01. Pretending
02. Key To The Highway
03. Wanna Make Love To You
04. Hoochie Coochie Man
05. I Shot The Sheriff
06. Driftin’ Blues
07. Nobody Knows You When You’re Down And Out
08. Tears In Heaven
09. Layla
10. Running On Faith
11. Badge
12. Wonderful Tonight
13. Crossroads
14. Little Queen Of Spades
15. Cocaine
(Encore)
16. High Time We Went
1曲目は「Pretending」。
前回公演はブルース色強く始まったけれど、今回はこの力強いロック曲がオープニング。
でもクラプトンはヴォーカルもギターも、やや力を抜いた感じでサラリとやってる。
「Key To The Highway」は、もう今まで何度も採り上げてきたクラシック・ブルースだけれど、最近のアレンジはやや明るめのブギ調。
デレク&ドミノス時代のどっぷりブルースなアレンジが大好きなだけに、やや物足りなさも。
今回のライヴのある意味目玉はコレ。「Wanna Make Love To You」。
80年代のシングルのB面曲で、アンソロジーBOX『Crossroads』に収録されてたレア曲だ。
僕はBOXで聴いて、とても好きな曲だっただけに、今回どうしてこんなレア曲を披露する事になったのかとても驚いたし、嬉しくもありました。
重たく、やるせない感じの曲にメロメロです。
次はどブルースの「Hoochie Coochie Man」。
こういう曲をやるクラプトンは活き活きしてましたね。
「I Shot The Sheriff」が始まると、やはり歓声が大きい。
冒頭というかサビというかの「♪ I Shot The Sheriff But I did not shoot the deputy」のフレーズを女性コーラス隊に歌わせるのは相変わらず萎えるんだけれど、今回は2番でクラプトンもそこのフレーズを歌ってくれたので良かった。やっぱりそこはクラプトンにシャウトしてもらわないと。
ここからはアコースティック・セット。
まずは「Driftin’ Blues」。
座ってギターをつま弾くクラプトン、渋いとしか言いようがない。
「Nobody Knows You When You’re Down And Out」も、デレク&ドミノスのアレンジと違って、ここではややカントリー・タッチになっています。
アコースティックのクラプトンと言えばの大ヒット曲「Tears In Heaven」。
原曲のしっとりとしたアレンジとは若干違い、近年はリズムがレゲエ風になっている。
僕は原曲のアレンジが好きなので、このアレンジだとどうも軽く聴こえてしまって違和感があるのですが、息子の死を受けて作られた当時の悲しみが込められたしっとりムードと違い、近年は息子のコナー君が天国で元気に遊んでいるかのような明るいタッチに表現を変えてきていると思われるのですがどうでしょうか。
さて。ここで問題の「Layla」です。
ここでアコースティックでやってしまうのか。それとも、アコースティック・コーナーではやらないで、後でエレクトリックでやってくれるのか。
さあ、どうなる?と思ったのですが、「Tears In Heaven」が終わったと同時に「ブワーン」という重低音のSEが流れてきて、これはアコースティック「Layla」をやる時のイントロのようなものなので、この瞬間、僕はため息。
クラプトンのライヴにおけるアコースティック「Layla」は、すっかりがっかりソングになってしまった感がありますね。これはこれで良い味を出している曲なのはわかるのですが、アコースティックでやるという事は、エレクトリックではやらない事を意味する訳で。
ただ、意外にも、このアコースティック「Layla」が始まった時、客席から、ヒュー!という口笛とか拍手とか、歓迎する反応が結構みられたのが意外でした。たしかに、『Unplugged』からクラプトンに入ったファンも結構いるはずで、そういう人にとっては、エレクトリックよりもアコースティックの方が好きという場合も少なからずあるはずですからね。
ただ、僕個人的には、やっぱりこれがエレクトリックだったらどんなに良かった事か、という思いが強くて、あまり曲に入り込めませんでした。
アコースティック・セット最後の曲は「Running On Faith」です。
これは意外としんみりしましたね。
ふたたびバンド・セットに戻って「Badge」。
これは、今回やってくれるのか!と嬉しかった選曲。
クラプトンの音楽を聴き始めて、すぐに好きになった曲の1つなので、思い入れも深く。
僕がこれを生で耳にするのは、ジョージ・ハリスンとの来日公演以来なので感慨も深い。
ポール・マッカートニーが「Something」をやるように、これはジョージを追悼する意味が込められているのだったらいいなあ、と思いました。
ブレイク後の「てろりろーん、りろ...」というフレーズを弾くまで溜めに溜めるクラプトンがニクイです。
そして安定感抜群のバラード「Wonderful Tonight」。
個人的には「Layla」よりもパティのイメージを強く感じる曲です。
うっとりと、パートナーとの幸せなひとときを歌ったもので、こういう曲は女性にも安心して薦められますね。
「Crossroads」は、クリーム時代の、スリルに溢れたスピード・ヴァージョンが大好きなので、近年の、ブルース色が濃いアレンジのものは、ちょっとかったるく、物足りないと思ってしまいますね。
長尺のブルース「Little Queen Of Spades」は、終盤のハイライトです。
各メンバーが順番にソロを奏で、メンバー紹介も兼ねている趣き。
15分以上あるというのにダレる事なく、聴き応え充分です。
本編最後はお決まりの「Cocaine」。
アリーナ辺りは、最初のサビから大合唱という感じでしたね。でもこれは、一緒に歌うのを我慢して我慢して、最後の最後に「コケーン!!」と叫んで〆るのがカタルシスだと思うのですが。
あと、キーボード・ソロは、他の曲はたいてい、クリス・ステイントン→ポール・キャラックの順番だったのですが、この曲だけ逆でしたね。どうしてでしょう。
アンコールは、ポール・キャラックに歌わせての「High Time We Went」。
クラプトン歌わないし、ギター・ソロもちょっとだけだし、どうしてこんなクラプトン色が薄い曲を最後に持ってくるのか、ずっと疑問に思ってたのですが、DVDで何度も観たりしてるうちに慣れてきたのか、意外とノレたというか、楽しかったです。
ほとんど座ったままの鑑賞のライヴでしたが、ここまで来ると、2階席も総立ちでしたね。
前回公演は、演奏が終わるとサッとステージから降りてしまったクラプトンでしたが、今回は、ちゃんとメンバー全員でステージ前方に並んでお辞儀して挨拶をしてくれました。
終了したのは18時50分。
外に出たら、まだ西の空が明るかったのはビックリしました。ライヴを観終えたのに、まだ夜になりきってないなんてね。
とにかく『Layla』だけが心残りも、前回より調子良かったクラプトン
今回のセットリストは、結果的に、僕も持っている15年のライヴを収めたDVD『Slowhand At 70』とかなり似た内容だったです。
前々回の来日公演も同じようなものという話もあり、つまりはクラプトン、近年のライヴはあまりセットリストいじってないんだな、と。変えるのは数曲で。
そう考えると、やっぱり今回の来日公演は、初日が圧倒的に勝ち組でしたね。かなり貴重なものを体験できた人たちだと思います。
でも僕は初日のチケットを獲れば良かったという後悔はあまりありません。チケットを申し込む時は、サザンの抽選待ちだったので、最初から初日は選択肢になかったのですから。
これはもう仕方ないと思うしかありません。
今回の僕の席は、ステージに割と近く、クラプトンも近くに見えたのですが、北東スタンドというのは良くなかった。
クラプトンを真横から観る形になるので、指の動きなどはまったく観えず、右利きのギタリストを右から観る形なので、観えるのはギターのネックの裏なんですよね。
クラプトンの左手の動きも右手の動きも観えない、ギタリストの姿を拝むにはまったく不向きな席でした。
逆に、セカンド・ギタリストのドイル・ブラムホールIIは、左利きだったので、彼の手の動きはよく観えました。なので、ギター・ソロはクラプトンよりもドイルのプレイの映像の方が目に焼き付いています。
それに、今回は、ステージ上部左右にスクリーンが設置されていて、2階席の人もより楽しめるよう配慮されていたんですよね。でも、僕はステージの真横の席なので、当然スクリーンも真横で、ほとんど観えない角度。
だから、チケットを獲った当初は、A席にしては良い席が当たったと喜んでましたが、実際に観てみると、クラプトンの手の動きは観えないし、スクリーンの恩恵にも与れないしで。
これだったら、2階後方でも正面の席の方が良かったかもなあとか、ステージの真横だったら、クラプトンの手の動きが観える北西スタンドの方が良かったかなあとか。
クラプトンが結構近いと言っても、真横だし、あんまり良い席ではなかったのかも。
音も良くなかったですね。とにかく音が小さい。真横の人に向けたスピーカーはなかったんでしょうね。
ただ、クラプトン自身は、前回公演に比べたら、コンディションは良かったのかも。
前回は地味なセットリストの上に、何曲も他のメンバーにメイン・ヴォーカルを取らせてたし、下半身の具合が良くなかったからなのか、下はジャージ穿いてたし、ライヴ終演後は挨拶もしないで帰っちゃったし、精彩を欠いてた印象でしたからね。
それでも、噂によると今回のクラプトンは指に血豆を作ってたという情報もあって、たしかに、素人の僕でもミス・タッチがあったのに気付いたりもしたし、絶好調という訳ではなかったのだろうけど。
それでも前回よりは良かったのは確かです。
なにより僕自身、まったく眠くならなかったのが良かった。前回は眠気との戦いでしたからね。せっかくのクラプトンなのに、眠くてもったいない思いをした、悪い思い出になっていたので、それを払拭する事はできました。
でも、今回はエレクトリック「Layla」に下手に期待を持たされた分、複雑な思いがあり、充分満足とは言えないのは確かです。
あの初日はなんだったんですかね。
噂によると、本番直前までエレクトリック「Layla」はやらない予定だったのが、本番でアコースティック・コーナー以降、予定の曲順をシャッフルしたりして、ああいう形になったという話もあります。
で、結局2日目以降はセットリストは固定だったわけですが、初日のエレクトリック「Layla」の出来に満足いかなかったから、もう封印しようという事になったんですかね。
今回の来日5公演、すべてが同じセットリストで、エレクトリック「Layla」は1度もやらなかったというのなら、僕ももっとすんなり満足できたんだろうけど。
こうなったら、また数年後に来日して、今度こそエレクトリック「Layla」を、アレを生で聴くまでは成仏できない、という思いが強いのですが、クラプトンも歳を取る程エレクトリック「Layla」をやるのはキツくなるわけで、やっぱりその可能性はどんどん薄くなりそうだな、とも思うわけです。
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