2014年9月5日(金)@TOKYO DOME CITY HALL
顔出ししない謎のバンドのライヴ
相対性理論は謎のバンド。
メンバーの顔がよくわかるようなアーティスト写真はないし、ライヴ映像もYouTubeには出回ってないし、もちろんTVにも出ないしDVDも出てない。
でもGReeeeNのように完全に人前に出ないというわけではない。年に3回くらいはライヴをやっていて。
いつかは生で観てみたいと思っていた。
家にいたのでは動く姿は観られない。観たければライヴに行くしかない。
でも全国を回るようなツアーはやらなくて、たまに単発でやるだけ。
しかも急に開催される事が多い。東京でやる時も、僕好みの会場でやる事が少なくて。なかなかチャンスがなかった。
しかし今回のライヴ開催の決定報。
今回も急なアナウンスだった。チケットの一般発売日が8月17日で、ライヴの日が9月5日。3週間もない。
でも会場は僕にとっても都合の良いTOKYO DOME CITY HALL。
仕事も9月の予定が決まる前だったから都合が付く、という事で参戦を決めた。
あとは無事チケットが獲れるかだ。
8月17日、10時にアクセスしてみると...意外にもすんなり獲れた。
後日確認してみると、なんとライヴ直前までチケットは売れ残ってて...。
あれあれ?相対性理論の人気ってこんなもんなの?
TOKYO DOME CITY HALLのキャパは大きすぎた?
ちょっと不安な感じ...。
ライヴ当日。会場へ
9月という事で、台風が来ないかどうか心配したんだけど、それは杞憂に終わりライヴ当日。
開演は8時という事で、かなり遅い。となると、帰りの電車の時間が気になる所なんだけど、相対性理論のライヴは10曲ちょっとしかやらなくて、1時間くらいで終わっちゃうという話を聞いてたから、まあ大丈夫だろう。
東京ドームでは何度もライヴを観てるけど、TOKYO DOME CITY HALLは初めて。
水道橋駅ではいつもと反対の改札口から出て、すぐ目の前なので、すぐにわかった。それにしてもいつのまにこんなのが出来てたんだろうと感心してしまった。
東京ドームでは、巨人戦やってるのかなと思い、そのまま歩いてドームまで行ってみる。思ってた以上にドームに近かった。こんなすぐ傍だったのか。
ドームでは野球はやってなかったけど、なんとSMAPがライヴをやってた。6時開演との事で、もう始まってたみたい。終演時間がバッティングしなければいいなあと。電車混むし。
そのままドーム近くのベンチに座って腹ごしらえをして時間潰し。
7時開場。
座席は全席自由なので、整理番号順。僕はBの130番。
20分くらいで中に入れた。割と早い方だったかな?
全席自由というか、アリーナはオールスタンディングだろうから、という事で、第1~第3バルコニー席に座れないだろうかと思って行ってみるが、バルコニー席に通じる扉が開かない。
なんで??と思ってたら、今日は一般客はアリーナしか解放してないとの事で。
初めからこういう予定だったのかなあ。それともチケットが売れ残っちゃったから、バルコニー席は封鎖という事になったのだろうか。
仕方なくアリーナまで行ってみるが、まだそれほど混雑していなくて、最後方の壁際のポジションを確保できた。これで安心して観れる。
開演までの30分以上がかなり長かったけど...。
ライヴのスタート
予定より15分遅れてライヴはスタート。
メンバーが続々とステージに現れる。今のメンバーって何人だっけ?と思っていると、とりあえず4人が楽器をスタンバイ。
そして遅れてやくしまるえつこ登場。
白のロリータ・ドレスのスカートを摘みながら静々と歩いてくるまるえつ。
これが生のまるえつかあ。
限られた者しか観る事ができない巫女様的なイメージ。
とうとう相対性理論が目の前に。
01. たまたまニュータウン
02. おとぎばなし
03. キッズ・ノーリターン
04. (恋は)百年戦争
05. BATACO
06. 地獄先生
07. ジョンQ
08. Q/P
09. 人工衛星
10. YOU&IDOL
11. 気になるあの娘
12. 救心
13. 上海an
14. スマトラ警備隊
15. クリームソーダ
(Encore)
16. ロンリープラネット
17. LOVEずっきゅん
今のメンバーになってから発表された『TOWN AGE』からの曲が中心なんだろうなとは思ってたけど、そのアルバムだってリリースから1年以上たつし、今までの集大成的なセットリストになってくれないかなあと思ってた。
1曲目「たまたまニュータウン」。
『TOWN AGE』のラストを飾るスローなナンバー。
こんなゆっくりした曲で始まるなんて意外。ぶっちゃけ、そんな好きな曲じゃないからテンションは上がらず。
でも力強い...と思ってよく見たら、ツイン・ドラム。
ドラマー2人もいたのか。1人は曲によってはパーカッションやキーボード的な事もやってたみたいだけど。
ツイン・ドラムはイエスでも観たけど、迫力あっていいね。
2曲目「おとぎばなし」。
次はいきなり知らない曲。
まるえつソロの曲かなあとも思ったのだけど、やっぱり新曲みたい。
3曲目「キッズ・ノーリターン」。
やっと好きな曲キター。
シャープでカッコいい別嬪さん。
4曲目「(恋は)百年戦争」。
まるえつはMCをしないで、わずかなセリフを呟くだけという話も聞いていた。
ここで、「恋の死角に回り込む 相対性理論 回、折、I」と呟いて百年戦争へ。
5曲目「BATACO」。
バタコさんは、その名の通りバタバタ慌てた感じが良かった。
6曲目「地獄先生」。
この曲が始まった途端、会場の空気が変わったような気がした。
『ハイファイ新書』からのこの曲をやってくれるとは。みんな待ってたみたい。
まるえつの「♪ ねえ先生」が艶めかしく響く。
7曲目「ジョンQ」。
この曲に限った事じゃないんだけど、イントロが長く、インプロビゼーションのインストのような形で演奏が始まり、数分たってから、ああ、あの曲かとわかる仕組みになってるものがいくつかあった。
まるえつのキャラに頼らない、ロックバンドとしての意地というものを感じた。
8曲目「Q/P」。
「これが私の…、青いイナズマ」というまるえつのセリフに導かれて。
イナズマじゃないけど、まるえつは手に持ったライトセーバーみたいな棒をピカピカ光らせてた。
オリジナルのアルバムではない、リミックス・アルバム『正しい相対性理論』に収録されているこの曲は理系っぽく難解な構成。
9曲目「人工衛星」。
スリルがあってカッコ良かった。
10曲目「YOU&IDOL」。
虚ろな感じのこの曲も、ライヴできっちり再現。
マリンバのような音の代わりは永井聖一がギターで表現してたね。
永井聖一、やっぱり色男だったよ。
11曲目「気になるあの娘」。
思ってた通り、ライヴ向けの曲。
12曲目「救心」。
「ばあちゃん、バーチャルじゃ、ダメ?」とまるえつが呟いて、ステージ左側へ移動。
そこには、「バーチャル」という言葉が似合う楽器(?)があって、ヘッドセットの様なメガネをまるえつが装着して、テルミン的な感じで手を動かして音を出してるみたいな。なんていう楽器だろ。
そんな演奏の場面があったから、この曲も長かった!
13曲目「上海an」。
一瞬袖に消えたまるえつが持ってきたのはたて笛。
となると、イントロがあれなやっぱりこの曲。
14曲目「スマトラ警備隊」。
デビュー作『シフォン主義』からは「スマトラ警備隊」か「LOVEずっきゅん」のどちらかを演ってくれないかなあと願っていたら、出ましたこの曲!
俄然テンションが上がる。
15曲目「クリームソーダ」。
「そうだ!ソーダに相談だ!」というまるえつの呟きの後は、知らない曲。
新曲らしい。でも「♪ シュワシュワ」という歌詞とメロディがすぐに憶えられそうなポップな曲調はいかにも相対性理論らしくて一発で気に入った。
早くアルバムに入れてくれないかなあ。
そしてライヴ本編はこの新曲をもって終了。「またね」と言ってステージを下りていく。
1時間くらいで終わるライヴだと思ってたら、ここまでで15曲、9時45分になっていた。帰りの電車がヤバくなってきた。
という事で、アンコールが終わったら素早く会場の外へ出られるように、入り口付近まで移動。
アンコールが始まる。
16曲目「ロンリープラネット」。
この曲、知ってるけどなんだっけ...と思ってたら、まるえつソロの曲だって。
それにしても長い。アンコール全部観れるのかな、途中で切り上げなきゃならないのかな...と不安になる。
17曲目「LOVEずっきゅん」。
「スマトラ警備隊」か「LOVEずっきゅん」のどちらかが聴ければ万歳と思ってたけど、「スマトラ」を聴いた後は欲が出てしまって、「ずっきゅん」も演ってくれないかなとウズウズしていた。
そしてアンコール2曲目、ドラマーがスティックを高々と振り上げ「ワーン、ツー、スリー、フォー...」、おおっ、このリズムはもしや!?と思ったら、演ってくれましたこの曲!
演奏が荒々しくて力が入っている。
まるえつの「♪ らぶ、らぶ、らぶずっきゅん、はぁ」の「はぁ」という喘ぎが聴き取り辛い。でもいいや、念願のこの曲が生で聴けた!
そして「ばいばい」と言って去っていくメンバー。
終わった...既に10時過ぎ。帰りの時間もギリギリ。
会場の外に出たら、SMAPのライヴ帰りのお客さんがゾロゾロ。見事にバッティング。駅も女性ばかりでごった返してた...。
まるえつは実在した。演奏は思ってた以上にロックでカッコ良い
結局、17曲も演って2時間近く。こんなに演るとは思ってもみなくて、結構お腹いっぱい。
やはり『TOWN AGE』の曲が中心だったけど、すべてのアルバムの曲を取り上げてくれてさらに新曲まで。セットリストにはほとんど文句はないかな。
そして、まるえつは実在した。その姿を拝めただけで満足。
まるえつはイメージしてた通りの不思議ちゃん。ゆるふわロリータで特にアクションもなく淡々と歌う。
ときどき水を飲んで、随所に飛び出す呟きに萌えて。
前髪パッツンのロング・ヘアで、遠目だったけど、それなりに可愛く見えた。髪型のせいか、miwaの様に見えなくもない。決してゴリラなんかじゃないよ!。
相対性理論のライヴは「解析」「立式」「位相」「幾何」などとタイトルが付いていて、今回のライヴは「回折I」。
これからIIやIIIと続くのだろうか。このタイトルとセットリストにどんな関係があるのだろうか。理系が苦手な僕にとってはその世界観はわかる事なくチンプンカンプン。
今回も「回折」を「かいせつ」と読む事すらできなかったほど。
ロック・バンドである骨のある演奏にまるえつのキャラが乗っかって、独特の世界観を作り上げている相対性理論。
その歴史の1ページを目撃する事ができて、非常に嬉しく思う。
演奏は思ってた以上にロックでカッコ良く、まるえつのヴォーカルも上手くてCDの雰囲気と変わらない。
TVに出てくれれば、もっと人気が上がるのになあとは思いつつ、今の様にちょっとミステリアスな、知る人ぞ知る存在の方が、いかにもサブカルっぽくて、良さがあるのかなあとも思った。
新曲もたまってきてるみたいだし、次のアルバムが出た後にでも、またライヴ観に行きたいなあ。
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