2016年10月30日(日)@NHKホール
実は観たことなかったリンゴ。トッドも一緒なら!
来日が決まった時は、ああ、また来るのかあ...くらいにしか思わなかった。
でも、今回もトッド・ラングレンが一緒だと知って、トッドは何を歌うのかなあと思って、最近のセットリストを調べてみたら、「I Saw the Light」と「Love Is the Answer」を演っている!
トッドは、過去2回ライヴに行った事があるんだけど、トッドを知るきっかけになった、トッドの中で1番大好きな曲「I Saw the Light」を生で聴いた事なくて。それから、ユートピア名義だけれど、トッドのベスト盤にも収録されるほどの名曲「Love Is the Answer」も。
この2曲が生で聴けるなら...と、興味を持つきっかけになったのはトッドだった。
リンゴは、89年のソロ初来日以来、何度か来ているけれど、基本的に、オール・スター・バンドって好きじゃなくて。
だって、各メンバーの代表曲を披露する分、それだけリンゴの曲は少なくなるわけでしょう?あれもこれも少しずつ、じゃなくて、1つのものをじっくり味わいたいのだ、ライヴでは。
だから僕は、フェスとか対バンなんかも好きじゃない。ワンマン・ライヴをじっくり観たいのだ。
だから、リンゴのオール・スター・バンドって、今まで観る気がしなかったんだけど、トッドが観たいのと、あとはやっぱり、このままリンゴを観なくていいのか?という気持ちも出てきて。
ポールも観た。ジョージも観た。ジョンは仕方がないにせよ、リンゴを観ないというのはビートルズ・ファンとしてどうよ?と。
リンゴもかなりの御歳。これが最後になるかもしれないし。
チケット余裕で獲れると思ってたら即完!
そう思って、ライヴの日程をチェックしてみると、10月31日(月)、11月1日(火)というのは、僕の仕事が休みが決定している日。これはもう、行くべきというものではないか?
腹は決まった。
行く気マンマンで、チケット一般発売日当日、10時にアクセスしてみると、数秒で完売。
なに!?ウソだろ??
リンゴのチケットなんて、余裕で買えると思ってた。東京3日間もあるし、チケット余るんじゃないかと思ってたくらいで、最初から先行販売に申し込む気もサラサラなく、一般発売で余裕で買えると思ってた。
それが、数秒で売り切れるとは。リンゴをなめてた。
ああ、こんな事になるなんて。
すっかり行く気マンマンになっていたので、このチケット獲得失敗はショックだった。
そんな所に、追加公演決定の報。
これは嬉しかったな。
10月30日となると、日曜だし(競馬...しかもGIがある)、結局、仕事の休みを申請しないとならないとか問題もあるのだけれど、リンゴを観る気マンマンだった僕の気持ちを収めるためには、この追加公演に飛びつくしかなく、今度は逃がすものかと、先行抽選に申し込んで、見事当選。
こうして、なんとか無事リンゴを観る事になったのだった。
ライヴ当日。会場へ
でも、10月末はハロウィン。
渋谷界隈はとんでもない事になっている。
僕が行く事になったNHKホールは、原宿から行けばいいので大丈夫そうだけど、10月31日のオーチャードホールだと、渋谷は地獄だ。
チケット獲る時は、ハロウィンの事なんてまったく頭になかった。うっかり31日のチケット獲らなくて良かったなと。
NHKホールは、25年くらい前にポール・ウェラーを観に来て以来だと思う。その時の事はほとんど憶えてなくて、初めて来るような感覚。
で、ここもオーチャードホールみたいに、階段を上がった先が、2階なのか3階なのかよくわからない構造。自分の席にたどり着くまで結構迷った。
僕の席は3階R1列28番。
先行抽選で獲った席だから、まったくの運で決まった席だけど、3階席とは言え、最前列。
最前列は、落っこちそうで、高所恐怖症の僕にとっては不安だったのだけど、それほど怖くはなかったかな。
でも、ほとんど右端の席だったので、ステージを横から観るような感覚。右端にポジションを取るメンバーが観えないのでは?と思ったけど、まあ、なんとかメンバー全員観えた。
ライヴのスタート
開演時間きっかりに始まるという噂だったので、その心づもりでいたら、ほんとに開演時間17時に客電が落ちる。
バンド・メンバーが次々に登場。
ステージはまだ暗くてよく観えなかったけど、一番派手なリアクションしてるのがトッドだな、とかわかる。
1曲目、モロにロックンロールな演奏が始まると、袖から、もの凄い勢いでリンゴが走って飛び出してきた。
すごい歓声。みんなが待ってたリンゴ。すごい元気。
01. Matchbox
02. It Don’t Come Easy
03. What Goes On
04. I Saw the Light
05. Evil Ways
06. Rosanna
07. Kyrie
08. Bang the Drum All Day
09. Boys
10. Don’t Pass Me By
11. Yellow Submarine
12. Black Magic Woman/Gypsy Queen
13. You’re Sixteen
14. Back Off Boogaloo
15. You Are Mine
16. Africa
17. Oye como va
18. I Wanna Be Your Man
19. Love Is the Answer
20. Broken Wings
21. Hold the Line
22. Photograph
23. Act Naturally
24. With a Little Help From My Friends
25. Give Peace a Chance
基本的に、リンゴがリード・ヴォーカルをとる曲の時は、リンゴはドラムを叩かずに、センターでハンド・マイクで歌う。
軽快にダンスしながら歌うリンゴはとにかく元気。
1曲目が「Matchbox」というのは、通好みというか、かなり渋い。
とりあえずビートルズ・ナンバーだけど、カヴァー曲だし...ライヴの冒頭に持ってくるほどの曲か?というのが正直な所。
外国人好みなのかもしれない。
大好きな「It Don’t Come Easy」は、ちょっと雰囲気違う感じ。
もしかしたら、キーを下げてたのかもしれない。
ビートルズ・ファンにとっては、この「Boys」「Don’t Pass Me By」「Yellow Submarine」の流れが、ほのぼのとして1番リンゴらしくてたまらないひと時だったかもしれない。
僕は、どちらかと言うと、ビートルズ・ナンバーより、リンゴのソロ曲の方が好きなので、中盤の「You’re Sixteen」「Back Off Boogaloo」の流れが良かったな。
特に「You’re Sixteen」はノリがいいし。
「Back Off Boogaloo」は、いささか地味な存在だから、意外な選曲でもあったのだけど、大袈裟なアレンジが、このオール・スター・バンドに合ってたかもしれない。
基本的に、リンゴがリード・ヴォーカルの時は、リンゴはドラム叩かないと思ってたけど、実際はどうだったかな。ドラム叩きながら歌ってた曲はあったのだろうか。意識して観るの忘れてたから、全然憶えてないんだよね。
「I Wanna Be Your Man」なんて、ビートルズ時代にドラム叩きながら歌ってた姿が強く印象に残ってるから、今回もそうだったのかもしれないけど...どうだったか全然記憶にない。
オール・スター・バンドは、リンゴ以外のメンバーも豪華で、それぞれにスポットライトが当たる構成なのが特徴なんだけど。
トッドの他、リード・ギターのスティーヴ・ルカサーがTOTOの曲、キーボードのグレッグ・ローリーがサンタナの曲、ベースのリチャード・ペイジがMR.ミスターの曲を歌った。
僕はトッド以外はほとんど無知なんだけど、彼らは、所属していたバンドでもリード・ヴォーカルをとっていたのか??それとも、ヴォーカルやってなかったけど、かつて自分が所属していたバンドの曲だからという事で、今回歌う事になったのか?
僕はオリジナルをよく知らないので、まったくわからないのだが、でも、それにしてもみんな歌は上手かった。それがオリジナルだと言われても納得しちゃうよ。
トッド
「I Saw the Light」
「Bang the Drum All Day」
「Love Is the Answer」
とにかく、トッドのこれらの曲が生で聴けた事に感激。
だけど、この4曲目でリンゴが初めてドラム・セットに座ったという事で凄い歓声があがって、それで始まったのが「I Saw the Light」だったんだけど、その時の客席の空気は「誰この人?」「何この曲?」って感じだったんだよなあ。みんな、トッド知らないの?ってくらい、盛り上がってなかった。僕1人だけがトッド観て感激してた感じだったのが悲しい。
とにかく僕は「I Saw the Light」で涙してたんだけど、歌いながら「ヒャッハッハ~」と笑い声を交えたりする所がいかにもトッドらしくて良かった。
「Bang the Drum All Day」は、その名の通り、センターで立ったままドラムを叩きながら歌うトッドが楽しそう。
ライヴ終演後、帰り道で僕の耳に残ってたのが「Love Is the Answer」。これが幻想的で1番印象的だったかもしれない。
サンタナ
「Evil Ways」
「Black Magic Woman/Gypsy Queen」
「Oye como va」
サンタナは、オリジナルをじっくり聴いた事は少ないんだけど、「Black Magic Woman」とかは大好きでね。怪しさ満点、泣きのフレーズがたまらない。
「Oye como va」も、お祭りって感じで好き。
TOTO
「Rosanna」
「Africa」
「Hold the Line」
TOTOはCD持ってるのは『IV』だけ。
だからまあ、「Rosanna」と「Africa」は馴染みはあるんだけど、好きかどうかで言ったら、まあまあ。
それよりも、「Hold the Line」が良かった。曲名見ただけでは、知らない曲かと思ってたけど、これ、TOTOの曲だったのか、という感じで。
すごく緊迫感があって素晴らしい曲だった。
MR.ミスター
「Kyrie」
「You Are Mine」
「Broken Wings」
かなりヒットした曲みたいだけど、今回のライヴが決まるまで、まったく知らなかったのがMR.ミスター。
予習として、あらかじめYouTubeで試聴しといたんだけど、いかにも80年代な大袈裟な感じが、まあ、あまり好きになれなくてね。どうでもいいかなと思ってたんだけど、実際に生で聴いてみると、「Broken Wings」がそこそこ良かったかな。
というわけで、各メンバーが揃って3曲ずつ披露。
リンゴを挟みながら入れ代わり立ち代わりで、飽きさせない構成。
そして最後のリンゴのパート。
ジョージとの思い出も詰まった「Photograph」。
それから、このオール・スター・バンドという存在、リンゴの生き様を表している「With a Little Help From My Friends」。
ラストは「Give Peace a Chance」だと聞いていたので、何故最後にジョンの曲を?どんな風にやるの?と思ってたんだけど、この曲が始まった途端、疾風の如くリンゴは袖に引っ込んでしまった。曲は、サビのリフレインだけを何回か歌って終わり。
最後は、バンド・メンバーがステージ前方で並んで肩組んで挨拶したけど、リンゴは現れず。
えっ、リンゴはあれでサヨナラ??
別れの挨拶もほとんどせずに去っていったリンゴって...。
いろんな人が主役。リンゴもっと目立っても
で、終わったのは19時ちょうど。噂通り、きっかり2時間のステージ。
いろんな人が歌って、いろんな曲が聴けるというのは、たしかにちょっとしたフェスみたいで、お得な感じがするのかもしれないけど、僕はやっぱりリンゴのソロ曲をもっとじっくり聴きたかったなあ。
それから、リンゴがドラムを叩いている姿はちゃんと拝めたけれど、ドラム叩きながら歌った曲があったのかどうかが未確認で終わってしまったのが後悔。
で、実は、やっぱり今回も眠くなってしまったんだよね。
中盤以降は眠気との戦いで辛かった。
せっかく高いお金出して、念願のリンゴやトッドを観てるというのに、どうして眠くなるのかなあ。
以前は、座ってじっくり観られるライヴは好きだったけれど、最近は、座って観てると、かなりの確率で眠くなってしまうから困りものだ。
眠くなったりしなければ、もっと印象に残る、楽しいライヴだったと言えたんだろうけど。
それにしても、初めて観るリンゴは、とぼけてて陽気で、抱いてたイメージそのままだったよ。
すごくスリムで、タイトな衣装がよく似合って、動きもキレッキレだった。ミック・ジャガーにも決して負けてないくらい。
だけどリンゴも、よく考えたら76歳のおじいちゃんなんだよね。とてもそう思えない。50代後半くらいの感覚で見てしまってたけど。
それが何よりも凄い。
あの元気さだったら、また今後も来日公演してくれるんじゃないかな、と自然に思える。
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