オアシス おすすめアルバム・ランキング

大好きなアーティストのアルバムをランク付けするシリーズ企画。
今回は、オアシス。

好きなアーティストのアルバムをランク付けするのって、非常に難しい。楽しいけど。
その日の気分によっても違ってくると思うし、はっきり優劣があるものもあるけれど、そもそも好きなアーティストの作品なんだから、どれも好きで、順位なんて紙一重のものが多いでしょう。
それでもやっぱり、ランク付けしてみたくなります。楽しいから。

好きなアルバムの定義ってなんだろう?と思います。
大好きな曲が入ってる、全体の流れや空気感が好き、ジャケットが好き、リアルの生活における思い出とリンクしている...など、いろいろあると思うんですが、僕が重要視するのは「ワクワク度」ですね。
そのアルバムを聴いている時はもちろんなのですが、「それを聴いてない時でも、そのアルバムの事を考えると、ワクワクしてしまう」ものが自分にとって上位なんだと思うんです。
個人的に思い入れの深い順ではありますが、それこそがみなさんへのおすすめ順。
好きなものをおすすめしたいです!

コメントの次には、各アルバムの中で1番好きな曲を、No.1 Songとして表記しました。
ジャケット写真をクリックするとTOWER RECORDSへのリンクになってます。

第1位 『The Masterplan』

シングルのカップリング曲を集めた企画盤を1位にしてしまうのは邪道でしょうか?
でも、僕にとっては、これを聴いて確実にオアシスが好きになったんです。感動したんです。なんて良い曲がたくさんあるんだろう、と。
カップリング曲を集めただけなのに、不思議と統一感もあって、オリジナル・アルバムと言っても通用する、レベルの高さを感じました。
これでブラー派かオアシス派かの個人的な決着がつき、ああ、僕はオアシス派だな、と(今ではナンセンスな論争ですが)。

「Acquiesce」は我が道を行くリアムから、サビで清々しいノエルにヴォーカルがリレーするのに痺れます。
「Underneath The Sky」は寂しくもノリが良く畳み掛けてきます。
「Talk Tonight」はノエルが侘しさを持ってアコギで弾き語る感じ。
「Going Nowhere」はノエルの存在感が穏やかでほんわかしてる。
「Fade Away」は「Rock’n’ Roll Star」をパワーアップさせたような、攻撃的な爆裂ビートで勢いたっぷり、最高のロックンロール。
「The Swamp Song」はノイジー・パンクとも言いたくなるサイケなインスト・セッション。
「I Am The Walrus」はビートルズもライヴでは出来なかった曲をテンポ速めて自分たちのものにしたライヴ音源。
「Listen Up」は芯の強いメロディを心の内から絞り出すようなリアムのヴォーカルにとろけます。
「Rockin’ Chair」は遥か遠くへ呼びかけているような雰囲気。
「Half The World Away」はノエルのカントリー・フレーバーな楽曲でピリリとして切ない。
「(It’s Good) To Be Free」は渋いメロディで王道のダウナー・サウンド。
「Stay Young」は明るい青春の輝きが感じられてノリ良く楽しい気分に。
「Headshrinker」はノイジーでスピード感抜群のイケイケなロックンロール。
「The Masterplan」はなんと言っても重厚さが魅力!どうしようもないやるせなさをノエルのヴォーカルとサウンドで表現した名曲。

シングルのカップリングに、こんなに良い曲をたくさん振りまいてたのが驚きです。
並のバンドならシングルの表題曲として勝負してもいいレベルの曲ばかり。
リアムとノエルの、それぞれの魅力がよくわかる曲で溢れています。
そして、全体的に切ない感じが漂ってるんですよね。
そこが統一感を感じるポイントなのかもしれませんし、僕好みのアルバムとしてまとまってます。
裏ベストの域を超えていて、とにかく1番のおススメ。

No.1 Song 「The Masterplan」

第2位 『Be Here Now』

オアシスの一般的な評価って、とにかく「1st、2nd最高!!」で、この3rdから一気に評価が落ちていく感じなのですが、僕が1番好きなオリジナル・アルバムは断然コレです。
コレの評価が低い理由のひとつに、「長い」が挙げられると思います。
曲って、5分を超えると長尺と捉えていいと思うのですが、このアルバムは5分超えの曲が連発で、聴き疲れしてくる終盤には、さらに9分超えのものがあったりして、とにかく長くて疲れる、という悪印象を持たれてしまうのが大きなマイナス・ポイントなんだと思います。
でもね、ちょうどこの頃は、CDの特性を活かして、収録時間が長いアルバムを作るのが、アーティストたちの間で流行だったんだよね。決して、売れたオアシスが調子に乗ったという訳ではないんです。だから、大目に見てもらいたい。
それぞれの曲はどれもとても良くて、「いい曲がたくさん入ってる」という意味では、僕はとっても大好きなんです。

「D’You Know What I Mean?」はうだるような暑さのグルーヴ・チューン。
「My Big Mouth」はビートが炸裂する轟音の嵐。
「Magic Pie」は寂しいメロディからの感情の高ぶりが現わすノエルの真骨頂。
「Stand By Me」は甘酸っぱい青春の日々が心に寄り添ってくれます。
「I Hope, I Think, I Know」は王道のロックンロールすぎて、オアシスとしては淡白かも?
「Fade In-Out」はとかく重たく響きます。
「Don’t Go Away」の哀愁メロ、心の訴えには胸が締め付けられます。
「Be Here Now」は朗らかなステップを踏むサイケなウォーキング。
「All Around The World」は全てを巻き込んでいくサウンドにラララの大合唱。
「It’s Gettin’ Better (Man!)」は絨毯爆撃のような攻撃性。

アルバム全体的に、騒がしい印象があります。
なので、その辺りでも好き嫌いが分かれるかもしれません。
でも、轟音ロックに乗せての「行かないで」「そばにいて」「ここにいて」といったメッセージが胸に迫ってきて惹かれてしまうのです。
青春の1枚ですね。
ノエルはこのアルバムを嫌いだ、駄作だと言ってるし、それに呼応するように一般的な評価も低いのですが、天邪鬼な僕は、だからこそこのアルバムを擁護したいですね。

No.1 Song 「Stand By Me」

第3位 『Heathen Chemistry』

前作『Standing On The Shoulder Of Giants』に非常に落胆してしまって、オアシスから心が離れかけていたのですが、このアルバムは「これこれ!僕が聴きたかったオアシスはこれだよ!」と感動させられた「復活作」。
ノエル1人に頼らず、リアムも良い曲が書けるようになってきたし、ますますもってジョン・レノンっぽくなってきたところも微笑ましいです。
この頃作られたMVはカッコ良かったなあ。

「The Hindu Times」は大味で騒々しい、オアシスらしさ溢れる曲。
「Force Of Nature」はリアムが歌いそうなステップの曲をノエルが歌う。歪んだギター・フレーズに跳ねたピアノのサウンドに痺れる。
「Hung In A Bad Place」はゲムが書いた王道ビートのロックンロール。
「Stop Crying Your Heart Out」はジョン・レノンぽさ全開。物悲しさが降りそそぐ感動的なバラード。
「Songbird」は美しいアコギとピアノの音の滝。リアム作曲というのが驚く爽やかさ。
「Little By Little」はノエルのささやきからサビで力強くなるヴォーカルが新しいアンセムとなったバラード。
「A Quick Peep」は怪しげなブルース・ブギなインスト。
「(Probably) All In The Mind」はビートルズ「Rain」風リフレイン。
「She Is Love」はビートルズ「I’m Looking Through You」ぽいサウンドで、ノエルが優しいハーモニーで聴かせます。
「Born On A Different Cloud」はビートルズ「Happiness Is A Warm Gun」を彷彿とさせる重厚なサウンドと展開に虚ろなメロディが心に響く、リアムの傑作。
「Better Man」はジョン・レノン「Cold Turkey」風のノイジーなリフに心かきむしられるロックンロール。

上記したように、ビートルズへの愛を隠さずに表現しまくった内容。
アンディとゲムも曲を書いているうえ、リアムの成長が顕著で、ノエルの負担が軽くなり、余裕が生まれました。
オアシスが目指すところが明確で、新しい段階に入ったことを知らせます。
モノクロのジャケットもクールでカッコいいし、44分という短さも、とても聴きやすくて好感度大です。

No.1 Song 「Stop Crying Your Heart Out」

第4位 『Definitely Maybe』

デビュー・アルバムにして、もう既にオアシス・サウンドを確立させちゃってるのだけど、まだ幾分、曲によって良いものとそうでないものとバラつきがある印象を持ってました。
だから、ふっと気を緩めると、飽きちゃってる瞬間があったりもして、昔はそんなに好きではなかったんですよね。
でも、この勢い、天下を取れるなあ、という予感がビンビンしたものです。

「Rock’n’ Roll Star」の爆裂ビートでグイグイ来る感じは、新しい時代のモンスター・バンドの幕開け。
「Shakermaker」はダルいサイケ。
「Live Forever」は冒頭の「♪ Maybe」から掴みはOK、そしてサビのリフレインするメロディからファルセットのフィニッシュに至るまで、永遠に残るアンセム。
「Up In The Sky」「Bring It On Down」は爆裂ビート系の隠れた名曲。
「Columbia」はラストの「♪ Yeah ×3」が聴きどころ。
「Sad Song」は切なさいっぱい、ノエルのアコギ弾き語り。
「Supersonic」は粘り気のあるメロディに響き渡るギター。リアムしか歌えないヴォーカルの魅力。
「Cigarettes & Alcohol」はとにかく騒がしい。元ネタはT.レックスで、グラム・ロック・サウンドなんでしょうが、グランジへの回答にも思えます。
「Digsy’s Dinner」は明るいシャッフル・ビートに心も弾む。
「Slide Away」は切ないメロディでありながら、ギターもビンビンに響き、ロックンロール王者としての風格すら漂う。終盤のリアムとノエルの掛け合いが見事!
「Married With Children」はポツンとしたリアムが寂しく歌う。

改めて聴いてみると、隙がなかった。
最初からここまで攻めて来られれば文句の付けどころがないじゃないか。
昔の僕はコレを真剣に聴いていたのかと問いただしたい。
とにかく、圧倒的なパワーで、可能性や伸びしろを充分感じさせるところは、素晴らしいデビュー・アルバムと言えるのではないでしょうか。

No.1 Song 「Live Forever」

第5位 『(What’s The Story) Morning Glory?』

前作『Definitely Maybe』よりも統一感があって、もはや貫禄さえ漂ってますね。
これぞ現代のUKロックだ、という宣言のようにも聞こえ、たしかにこれは当時のブリット・ポップ・ブームを象徴する1枚となりました。
きっと、多くの方が、コレをオアシスの最高傑作だと言うでしょうね。
一家に一枚。異存はありません。

「Hello」は力強いステップで、全世界に挨拶。
「Roll With It」は冒頭から合唱したくなります。美メロというか、頭の中でグルグルとリフレインする、クセになるメロディなんですね。
「Wonderwall」は静かながら、徐々に胸かきむしられるメロディ。サビのリアムの声の伸びが素晴らしい。フォーク・ロック的な佇まいも渋い。
「Don’t Look Back In Anger」はオアシス1番の代表曲と言ってもいいんですが、リアムではなくてノエルがヴォーカルを取ってるというのがミソですね。サビの大合唱はいかにもUKロックの名曲たる証。あそこまで切なく聴く者の胸にヒットさせるのはノエルならでは。
「Bonehead’s Bank Holiday」は「ラララ」と可愛らしく、悪くない。
「Some Might Say」は、ある意味ブリットポップの子守唄のような気がします。
「Cast No Shadow」はアコースティック・サウンドにファルセットのコーラスがビートルズっぽさを出してて夢見心地。
「She’s Electric」は肩の力を抜いてハッピーな曲。
「Morning Glory」は鳴り響くギターが耳を突ん割き、ヴォーカルが突き抜けたパワーで圧倒、1番爆発力を持っている曲です。
「Champagne Supernova」は深い海の底をゆったり泳いでる感じ。モッド・ファーザーであるポール・ウェラーからUKロックの王道を行くお墨付きを得たといったところ。

ジャケットもカッコいいし、良曲揃い。
歴史的名盤なのは認めるんですが、みんな大好き「Don’t Look Back In Anger」を、僕はそれほど好きではないという致命的なところもありまして。ライヴでシンガロング出来たら印象も変わるかなあ。
それに、2曲のインストにタイトルをつけなかったというのも、ナイス・アイデアというよりも、なんだか手抜き感を感じてしまって、損してる気持ちにさせられてしまうんですよね。
だから、どうしてもこのアルバムをオアシスで1番良いアルバムとは言いたくない、天邪鬼な僕がいます。

No.1 Song 「Wonderwall」

伝説になっていた、1996年のオアシス最大規模のライヴの全貌が、2021年になってリリースされました。
何故、長い間未公開だったか謎ですが。
でも、デビューから瞬く間に頂点に昇りつめたオアシスの絶頂の瞬間がパッケージされてます。
1st、2ndを聴いて気に入ったら、このライヴ盤も聴かなきゃなるまい。
初期オアシスの、瑞々しくもふてぶてしいパフォーマンスを堪能できます。

「Columbia」で始まるのはちょっと地味な感じも。
「Hello」が原曲よりもかなりテンポが速くてスリリング。これが若さか。
「Roll With It」での勢いが止められない感じの始まり方が好き。
「Slide Away」の終盤、リアムとノエルの掛け合いヴォーカルが素晴らしく、「ウオゥホッ!」というフィニッシュに痺れる。
「Round Are Way」のビートルズ「Got To Get You Into My Life」みたいな跳ね方とホーンの煽りに気分もアガる。
「Whatever」では原曲にないハーモニカが良い味を出してる。
「Don’t Look Back In Anger」のサビは大合唱になってない感じ。この頃はまだシンガロングする文化はなかったのか?
後に3rdアルバムに収録されることになる「My Big Mouth」「It’s Gettin’ Better (Man!!)」が、当時の新曲として披露されてます。勢いもあっていい感じだし、今思えばレアな曲。
「Live Forever」は、やはり当時のオアシスのライヴのハイライトだったんだと実感します。
「I Am The Walrus」でライヴを締める辺り、やはりオアシスはビートルズになりたかったんだな、と。

ベストな選曲を、勢いに乗った演奏で楽しめるので、ある意味、オアシスを初めて聴く人にコレをススメてもいいくらいの、素晴らしいライヴ盤です。
ただ、全体的にベストな選曲と思うものの、「Rock’n’ Roll Star」が入ってないのが解せません。
オアシスの生き様を象徴する曲だと思うのになあ。何か理由があって演奏しなかったのか。
そこだけが惜しいです。

第7位 『Dig Out Your Soul』

オアシスの中で、1番カッコいいアルバムなんじゃないか、って思ってます。
シリアスで、締まったロックンロールが展開されてるなあ、と。
アルバムごとに不安定な感じがしてきていたオアシスでしたが、これで、また地に足が付いたというか、この調子ならまだまだいける!と嬉しくなったアルバムでもありました。
まさか、これが最後のアルバムになるとは思いませんでしたが、解散してみて、まあ、それもそうだよなあ、と妙に納得もいった部分もありました。

「Bag It Up」はザラついてワイルドなサウンドなんだけど、一歩一歩踏み出している感じが渋い。
「The Turning」はオアシスにしては「カモン!」という煽りが控えめ。逆にどこへ連れていかれる?感が強い。ラストはビートルズ愛たっぷり。
「Waiting For The Rapture」もまたジョン・レノンぽい。ノエルのファルセットに惹かれます。
「The Shock Of The Lightning」は一直線の弾丸ビートのロックンロール。でもブリット・ポップと言われた頃とはひと味違う。
「I’m Outta Time」はララララと優しく歌うリアムに孤独と美を感じる名曲。リアムもノエルに負けないソングライターだと確信した瞬間。
「(Get Off Your) High Horse Lady」はゆったりしたアコースティック・サウンドでも、ノエルのヴォーカルにエフェクトがかかっていて異色。
「Falling Down」はこれから悲劇が待ち受けているかのような絶望感を感じます。展開は少ないけどオアシス最後の名曲といった感じ。
「To Be Where There’s Life」はゲムが作った、お経みたいな曲。
「Ain’t Got Nothin’」はドラムが派手で、あちこちに展開するリアムの曲。
「Soldier On」は重たいビートに粘っこいメロディ。どこまでも続く、いつまでも終わらないオアシスの子守唄の様。

全編に渡って緊張感があるのも好きです。それに耐えられなくなって、オアシスは破裂してしまったのかもしれません。
ポップで楽しいロックではなくなってきましたが、ノエルが曲を書き、リアムが歌うだけではない、硬派なバンドとしてまとまったアルバムが作れるようになりました。
もし、この後もアルバムを何枚も作ることになってたら、どんな方向へ行ってたのか想像したくなります。

No.1 Song 「I’m Outta Time」

第8位 『Don’t Believe The Truth』

コレ、初めて聴いた当初は良い印象持てなかったんです。
せっかく前作『Heathen Chemistry』でいい雰囲気に復活できたのに、また悪い頃に戻ってしまったかなあ、って。
いや、悪いとは思わなかったか。思わなかったけど、とりたてて良いとも思えなくて。
先行シングル「Lyla」が好きになれなかったからなあ。なんだか大雑把で、投げやりな感じがしたんです。
だから、シングルの悪いイメージが尾を引いて、アルバムもあまり好意的に見れなかったというか。
だけど、最近聴き返してみたら、思ってたほど悪くなくて、て言うか、結構いい曲あるじゃん、って発見したりして、評価はぐんぐん上がってきてますね。もっと聴きこんでみたい!と。
「Lyla」は相変わらず嫌いですけど(笑)。

「Turn Up The Sun」は冒頭から切ないサウンドに惹きこまれる。太陽の光、あるいは降りそそぐ雪を思わせるシンシンとした感覚だ。
「Mucky Fingers」はヴェルヴェッド・アンダーグラウンドを彷彿とさせるアタック。
「Lyla」はとことん大振りパンチのイメージだ。
「Love Like A Bomb」はリアムのぶっきらぼうながらも優しい感じが滲み出ている。
「The Importance Of Being Idle」は日本人には水戸黄門として有名だけど。荒野や西部劇を連想させるアメリカン・ロック的なサウンド。かと思いきや、やっぱりビートルズっぽさも散りばめていて。
「The Meaning Of Soul」はギターをかき鳴らしてスリリング。
「Part Of The Queue」冷たい風が吹きすさぶような厳しさが身に迫る。
「Keep The Dream Alive」はアンディ、「A Bell Will Ring」はゲムが書いていて、サイケだけどフワフワと空間を漂う感じ、どちらもビートルズの「Tomorrow Never Knows」を彷彿とさせたアレンジにして、オアシスらしさを出している。
「Let There Be Love」はジョン・レノンのソロのバラードみたいな曲で、「リアム、こういう曲好きだろ?気持ち良く歌ってくれよ」とノエルがリクエストをしたようにも思える。ヴォーカルがノエルにリレーするのも感動的。

ノエルが5曲、リアムが3曲、アンディが2曲、ゲムが1曲となっていて、前作よりもさらにノエルの曲作りの比重が軽くなってます。
ノエル以外のメンバーが成長したということもあってか、信頼感が増し、バンドで音楽を作るという色合いが濃くなってるんですよね。
その分、ノエル以外が書いた曲を、いかにオアシスの曲として成立させるかが、テーマにもなってる気がします。
これからはそうやってアルバムを作っていくことが、バンドを長続きさせるためでもあると考えたんでしょうね。

No.1 Song 「Let There Be Love」

第9位 『Familiar To Millions』

待望のライヴ盤。
だったのですが、4thアルバム『Standing On The Shoulder Of Giants』リリース後のツアーという事で、必然的に前半は4thからの曲中心のセットリストになっているのが僕の印象を非常に悪くしています(笑)。
2枚組で全18曲、うち2曲はカヴァー曲というのも、微妙に少ない気がしてしまって、あまりそそられないんですよね。
とは言え、活動中に公式に単体でリリースされたライヴ盤はコレだけでしたし、ヒット曲や大好きな曲のいくつかは入ってるので、たまに聴きたくはなります。

「Step Out」はレア曲。威勢のいい曲なので、リアムが歌った方が似合うのになと思っちゃう。
上記したような理由で、前半はなかなかテンションが上がらないのですが、「Roll With It」「Stand By Me」「Wonderwall」辺りから、ようやく惹きつけられていきます。
「Cigarettes & Alcohol」は、このライヴ盤を聴いて、T.レックスっぽいんだなと気付きました。
「Don’t Look Back In Anger」のサビは観客の大合唱。もはやノエルは終盤しか歌ってない。
ニール・ヤングの「Hey Hey, My My」はノエルが歌ってて、ノイジーなサウンドがオアシスに合うな、と。
ビートルズの「Helter Skelter」もノエルが歌ってたのが意外。ジョンの曲じゃないからリアムは歌わないのか?

じっくり収録曲を見てみると、4thの曲は思ってたよりも少なくて、定番曲も抑えてあるから、総合すればいつものオアシスのライヴとも言えます。
なので、落ち着いて聴いてみると、これはこれで全然悪くないかもとは思うんですけどね。
でも、やっぱりどこかイメージの良くないライヴ盤で、積極的に聴きたい感じにならないんですよね。

第10位 『Standing On The Shoulder Of Giants』

このアルバムが出る直前あたりが、1番オアシスが好きだった頃だな。
全作品を手に入れたくて、『The Masterplan』に収録されなかった曲たちを求めて、シングルも買い漁ってたもん。
そうしてオアシス熱が高まっていった中で、待望のNEWアルバムだったから、ものすごく期待したのに、この残念な出来と言ったら...ものすごく落胆したよ。
大袈裟で掴み所がなく、とにかく、いい曲が全然ない、って印象で、どうしちゃったの?オアシス、って。

「Fuckin’ In The Bushes」はライヴのオープニングSEとしてもお馴染みになった、何かが始まりそうな予感に満ちたインスト。
「Go Let It Out」は清廉なアコギとゴリゴリのベース、浮遊感たっぷりのメロトロンで作られたグルーヴ。
「Who Feels Love?」は潜水艦に乗ってブクブクと深海を漂う感じ。
「Put Your Money Where Yer Mouth Is」はシグナルがチカチカと鳴っている世界。
「Little James」はゆったりとした初のリアム作。「ナナナナ」というコーラス、意外に感動ポイントを掴んでいる。
「Gas Panic!」もゆったりとしたグルーヴで、パニックなんか起こす気配はなく、落ち着いている。
「Where Did It All Go Wrong?」は哀愁のノエル。
「Sunday Morning Call」も優しいメロディのノエル。
「I Can See A Liar」はちょっと気合いが入って、往年のオアシスらしさがチラッと窺える。リアムの歌声に奥行きを感じます。
「Roll It Over」は終盤、ストリングス、コーラス、ギター・フレーズが静かな嵐となって巻き上がっていくシューゲイザー・サウンドに盛り上がる。
「Let’s All Make Believe」は最後に来てようやくノエルらしい悲しき美メロが炸裂。

やっぱり、なんていうか、地味なんですかね。
際立ったメロディの曲に乏しくて、サラッと聴き流してしまう感じ。
バラード系が多く、ガツンとしたロックンロールの印象がない。
それを、サウンドだけはサイケだったりシューゲイザーだったりと、地味にならないように工夫した跡は見えるんだけどね。
オリジナル・メンバーが2人脱退したことも影響したのか、どうしても、今までのオアシスとは違うんだよなあという感が拭えませんでした。
とは言え、オアシスはオアシスなので、今落ち着いて聴くと、それなりの良さは見えてきます。
いい曲はなくもないと思えたけど、やっぱり聴いててワクワクはしないんですよね。

No.1 Song 「Let’s All Make Believe」

みなさんの好きなオアシスと僕の好きなオアシスには、どれだけ違いがあったでしょうか。
同じアーティストを好きでも、同じアルバムが好きとは限らないのが面白い所だったりします。
いろんなファンの方の意見があると思います。
僕は、そういうファンの意見の違いを面白がったりしたいので、まずは自分の好みを披露してみました。

オアシスの一般的な評価って、とにかく「1st、2nd最高!!」な空気が圧倒的ですが、実は僕は、1stも2ndも、それほど思い入れがないんです。当時も今も。
もちろん、その2作があったからこそオアシスが好きになったのは事実ですし、歴史的にも評価の高い作品だというのは充分わかるんですが、僕は、「そんなに言われてるほど良いかぁ?」って、天邪鬼になってしまうんです。
そこが僕らしいランキングになったかもしれません。

同じアルバムでも、聴くタイミングによって印象が変わったり、何度か聴き続けたりする事によって良さがわかっていったりするものもありますけど、オアシスの場合、好きなアルバムの順位はほぼこれで変わらないような気がします。
割と簡単にランク付けできたような気がしますね。
でも、できれば、これからあまり好きではなかったアルバムを聴き続ける事によって、好きになってきた、というような嬉しい変化があったらいいんですけどね。

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