エルヴィス・コステロ おすすめアルバム・ランキング

大好きなアーティストのアルバムをランク付けするシリーズ企画。
今回は、エルヴィス・コステロ。

好きなアーティストのアルバムをランク付けするのって、非常に難しい。楽しいけど。
その日の気分によっても違ってくると思うし、はっきり優劣があるものもあるけれど、そもそも好きなアーティストの作品なんだから、どれも好きで、順位なんて紙一重のものが多いでしょう。
それでもやっぱり、ランク付けしてみたくなります。楽しいから。

好きなアルバムの定義ってなんだろう?と思います。
大好きな曲が入ってる、全体の流れや空気感が好き、ジャケットが好き、リアルの生活における思い出とリンクしている...など、いろいろあると思うんですが、僕が重要視するのは「ワクワク度」ですね。
そのアルバムを聴いている時はもちろんなのですが、「それを聴いてない時でも、そのアルバムの事を考えると、ワクワクしてしまう」ものが自分にとって上位なんだと思うんです。
個人的に思い入れの深い順ではありますが、それこそがみなさんへのおすすめ順。
好きなものをおすすめしたいです!

コメントの次には、各アルバムの中で1番好きな曲を、No.1 Songとして表記しました。
ジャケット写真をクリックするとTOWER RECORDSへのリンクになってます。

『Imperial Bedroom』のエモーションと『Painted From Memory』の美しさを持つアルバムだとコステロが語ったように、まさにコステロの魅力のいいとこどりのミックス版!
バカラックとの共作曲を入れたことで、全体の曲がわかりやすくメロディアスな方向に。美しく憂いのあるメロディはさすが。
それを演奏するのがインポスターズで、瑞々しいビートに躍動するベース・ラインが熱く、ホーン&女性コーラスも華やか。
ロマンチックで攻撃的。クールにも熱くもなれるサウンドは、これぞコステロ、インポスターズに求めていた傑作!
この歳になっても、こんな素晴らしいアルバムを作ることができるのかと感動しました。
コステロの大好きなアルバムはたくさんありますが、歳を重ねてから作ったということを評価して、1位にしたいと思います。
初期コステロしか知らないロック・ファンに是非とも聴いて欲しいです。

「Under Lime」 瑞々しいビート。
「Don’t Look Now」 美しい旋律はさすがバカラック。
「Burnt Sugar Is So Bitter」 キャロル・キングとの共作で、躍動するベース・ラインにゾクゾクします。
「Stripping Paper」 綺麗なピアノのバラード。
「Unwanted Number」 クールかと思いきや、陰のあるビートが締まる。
「Photographs Can Lie」 いかにもバカラックな憂いあるメロディ。
「Dishonor The Stars」 重厚感あるサウンドに、悲しげでやるせないメロディが運命的。
「Suspect My Tears」 バカラックではないけどバカラックぽい。ストリングスがスケールを大きくしてます。
「Why Don’t Heaven Help Me?」 お洒落なフレンチ・ポップス感。
「He’s Given Me Things」 バカラックとの到達点。
「Adieu Paris」 深みのあるシャンソン。
「The Final Mrs. Curtain」 軽快ながらもどこか濡れたメロディ。

No.1 Song 「Dishonor The Stars」

ソロ名義だけど、サウンドを聴けばわかる通り、ほぼアトラクションズの演奏。
明るいビートでポップと暴力性が同居。キャッチーでグイグイと来るビートに興奮。美しく優しいメロディ&サウンドもあったり。
グランジ・ブームを受けてのコステロの反抗心が垣間見えます。
怒れるコステロの面目躍如、最高のロック・サウンドがここに。

「Pony St.」 明るいビートでポップと暴力性が同居。
「Kinder Murder」 吹き荒れるギターに、甘くおもねるコステロの声。
「13 Steps Lead Down」 キャッチーなメロディでグイグイと迫りくるビートに興奮。
「Clown Strike」 ノリのいいブギ。
「You Tripped At Every Step」 コステロのヴォーカルとピアノのユニゾンが美しい。
「20% Amnesia」 コーラスが印象的な暴発するロックンロール。
「Sulky Girl」 徐々に沸騰していく感じがたまらない。
「London’s Brilliant Parade」 美しく優しいメロディとサウンドにうっとり。
「Favourite Hour」 ロックなアルバムの最後に来てコステロが朗々と歌い上げるクラシカルなバラード。

No.1 Song 「13 Steps Lead Down」

ホーン・セクションが煽りまくる華々しさ、ロマンチックとシリアスが同居するメロディ、深い詩作が胸を打つ。と思ったら音頭まで!
いかにも80年代的で派手なサウンドが目立ち、コステロ自身はあまり気に入ってないみたいだけど、初めて聴いた時から今に至るまで変わらない大好きなアルバム。
圧倒的なパンチ力はコステロ屈指で、とても充実してます。

「Let Them All Talk」 ホーンが煽って華々しく、テンションが上がって仕方ない。
「Everyday I Write The Book」 甘くも哀愁があり、ロマンチックとシリアスが同居するメロディとアレンジがたまらない。
「The Element Within Her」 ラララが印象的で、ピアノとギターがサウンドを引っ張る。
「Love Went Mad」 キャッチーなメロディで一緒に歌いたくなる。
「Shipbuilding」 胸を打つシリアスなメロディ。コステロの抑えたヴォーカルにトランペット・ソロが心に沁み入る。
「TKO」 これまたホーンが煽る、勢いのあるパンチ力が魅力。
「Charm School」 ベルのような音の連なりが耳に残る。
「Pills & Soap」 とにかく緊張感でいっぱい。
「The World And His Wife」 初めはどこが音頭なのかわからなかったけど、ハマると一気に盆踊り気分。でも日本的ではない。

No.1 Song 「Everyday I Write The Book」

ジャケット、カッコよすぎるなあ。これはいつか是非レコードが欲しい。
アトラクションズと組んで、ポップに尖って、スリルある演奏にゾクゾク。
チープなオルガンの音や、暴れまくるリズム隊が強力なアトラクションズ・サウンドの始まりです。
鼻にかかって抜けるようなコステロの声は微妙なニュアンスの繊細な表現に磨きがかかってます。
あれもこれもと畳みかけて来る、コステロ屈指の名盤。

「No Action」 キレの良さが清々しく爽快感。
「The Beat」 ギターのリフにオルガンのリズムが引っ張る、苦いメロディとコーラス。
「Pump It Up」 ベース・ラインとキャッチーなサビのコーラス。ヴォーカルはラップに繋がるものあり。
「(I Don’t Want To Go TO) Chelsea」 ぶっ飛んだギターのフレーズ。尖りまくったコステロ。
「Lip Service」 とにかくポップで軽快。
「Living In Paradise」 コミカルさと切なさが交錯するダンス・ナンバー。
「Lipstick Vogue」 スリルある演奏にゾクゾク。終盤の「Hey!」に興奮。
「Radio Radio」 これを収録曲と捉えるか議論もあれど、心湧き立つビートが揃ったコステロ代表曲で、このアルバムを語るうえで最早なくてはならないと思う。

No.1 Song 「Lipstick Vogue」

バート・バカラックとの素晴らしき邂逅。
穏やかかつ虚ろな1枚。お洒落なフレンチ・ポップも浮かれてない。寂しいのに落ち着く。
ジャズでもないスタンダードでもない新しい形のポップス。
コステロのヴォーカルの深みを実感。
映画音楽のような佇まいはただただ感動で胸がいっぱい。

「In The Darkest Place」 虚ろで深みがある。静かな幕開け。
「Toledo」 お洒落なフレンチ・ポップス感も、決して浮かれてない。
「I Still Have That Other Girl」 穏やかからビブラートたっぷりのコステロのヴォーカル。
「This House Is Empty Now」 どこか寂しいのに心は落ち着く。
「Tears At The Birthday Party」 雨上がりに散歩したくなるウキウキ感。
「My Thief」 途中、天使のような歌声が聴こえてきてハッとする。
「The Long Division」 ソウルフル。
「The Sweetest Punch」 力強くステップ。
「What’s Her Name Today?」 張り上げるコステロの声が切なげ。
「God Give Me Strength」 ストリングスとホーンの響きに胸がいっぱい。コステロの祈りにも聴こえ、ただただ感動。

No.1 Song 「God Give Me Strength」

パンクかニューウェイヴかという時に登場。
パンクの中に見える甘酸っぱさを携え、ほどよく暴力的なサウンドが魅力で、愛しき青春の日々が見える。
このアルバム、人気があるのは知ってたけど、こんなに素晴らしいアルバムだったこと、最近まで気付かなかった。僕にはモッズにも聴こえるなあ。
コステロの音楽に対する基本姿勢が確立しているデビュー作。

「Welcome To Working Week」 甘いメロディからゴキゲンなビートに。
「Miracle Man」 とかく青春。
「No Dancing」 コーラスも含め、懐かしさでいっぱい。
「Alison」 最初期の傑作バラード。美しくメロウでキャッチー。でもどこかピリリと辛い。
「(The Angels Wanna Wear My) Red Shoes」 愛しき青春の日々が見えるシングル。
「Mystery Dance」 性急なオールド・タイプのロックンロール。
「I’m Not Angry」 怒れるコステロはここから始まった。最高のビートに切ないメロディも導入されて。
「Watching The Detectives」 追加収録。レゲエ風味で、破壊的なドラムが最高。

No.1 Song 「I’m Not Angry」

ドリーミーでポップなサウンドに拍車がかかる。ただ荒々しいだけのバンドではない達者ぶりのアトラクションズ。
コステロの生み出すメロディもロマンチックで、その割に歌詞がシニカルなのが知性的で良い塩梅。
パンクやニューウェイヴから抜け出して、コステロにしか作りえないロックンロールの幅広さを感じ始めるのがこのアルバム辺りからだと思えます。
コステロの未来は明るいなあ、って気がします!

「Accidents Will Happen」 ロマンチックでシニカルが同居したメロディにうっとり。
「Senior Service」 昇りつめるような高揚感と、ジャングルの中に分け入っていく冒険心。
「Oliver’s Army」 ポップでキャッチー。流れるような美しいメロディとサウンドの会心のシングル。華やかさを演出するピアノも、軍や戦争を歌ってると知るとビックリする。
「Goon Squad」 クールながらも重さがあって勇ましさを感じる。
「Busy Bodies」 リフやコーラスなど、小品ながらも凝ったサウンド。
「Sunday’s Best」 遊園地的なワクワクするサウンド。
「Moods For Moderns」 コミカルなサウンドとコーラスをカッコ良く聴かせる。
「Peace, Love And Understanding」 追加曲。プロデューサー・ニック・ロウの曲をコステロ自身の代表曲に仕立て上げた。活力が湧いてくる。

No.1 Song 「Oliver’s Army」

ポール・マッカートニーとコラボしたのが大きいね。
コステロのターニング・ポイントになってると思います。
原点回帰しつつも、広く受け入れられるように、煌びやかでキャッチー、聴きやすい。
ポップ、カントリー、ニューオリンズ、ファンクにインストもあって、バラエティに富んだ曲がバランス良く並んでる快作。

「…This Town…」 煌びやかでビートリー、サビもキャッチー。
「Let Him Dangle」 粘っこい歌い方が迫力ある。
「Deep Dark Truthful Mirror」 ピアノとホーンもニューオリンズ風。
「Veronica」 ポップで軽快。爽快感に溢れたキャッチーさでポールとの仕事の最高峰。でも歌詞は寂しい。
「God’s Comic」 侘しいカントリー・フォーク。
「Chewing Gum」 ノイジーなファンク。
「Tramp The Dirt Down」 フルートの音が寂しいメロディに拍車をかける。
「Pads, Paws And Claws」 歪んだギターもノリが良い。
「Baby Plays Around」 素朴なバラードで際立ってます。
「Any King’s Shilling」 雄大なカントリー。
「Coal-Train Robberies」 緊張感あるサウンドにコステロのシャウト。
「Last Boat Leaving」 ロックなアプローチのカントリー風バラード。

No.1 Song 「…This Town…」

何かが起こりそうな不穏な空気、緊張感あるピアノ、ロマンティックなバラード、ビートルズぽいウキウキ・サウンド、軽快なビート、枯れたジャズ。
ジャケットのようにカラフルで混沌としてますね。でもキラキラしてて心が踊ります。
プロデューサーがジェフ・エメリックになって、実験的で幅広いサウンドを志そうとしたのが大きいです。

「Beyond Belief」 何かが起こりそうな不穏な空気とはこのこと。
「Shabby Doll」 緊張感あるピアノ!
「The Long Honeymoon」 ピリリとしてて苦みのあるメロディを歌いあげるコステロ。
「Almost Blue」 切ないメロディがたまらないジャズ。枯れ具合に涙。
「Man Out Of Time」 ロマンチックなバラードながらもやや荒々しさが。
「…And In Every Home」 ビートルズっぽいアレンジのオーケストラ。
「The Loved Ones」 これまたビートリーなコーラスで、跳ねたウキウキ・サウンド。
「Kid About It」 ゆりかごに揺られている感じのワルツ。
「Little Savage」 軽快なビートに穏やかなヴォーカル・ワーク。
「You Little Fool」 リルフーリルフーというリフレインが耳から離れない。

No.1 Song 「Almost Blue」

好きな曲はあるけど、アルバムとしてはどうなんかな~と思ってたけど、これも聴き直してみたら一気にビビビと来た。
アトラクションズお得意の荒々しいビート曲も健在だし、ピアノ中心の心に迫る曲もあったり、ロマンチックな曲もあったり、多彩なサウンドで充分楽しめます。
どちらかというと、勢いや速いビートではなく、ちょっと落ち着いて渋みで勝負し始めた感がありますね。

「Clubland」 煌びやかなサウンドながらも引き締まったメロディ。コステロの叫びが胸に迫ります。
「Pretty Words」 ピアノとベースでイケイケのビート。
「Strict Time」 後にミスチルがイントロをオマージュ。
「Luxembourg」 乱暴なロカビリー風。
「Watch Your Step」 ジワジワと来るタイプ。
「New Lace Sleeves」 ベース・ラインから出来た曲に感じる。地味で平坦なメロディにも味わいが。
「From A Whisper To A Scream」 スクイーズのグレンとのデュエットで、疾走感に溢れたナンバー。
「White Knuckles」 前作に入ってても良さそうな、心が浮き立つ青春ビート・ポップ。
「Shot With His Own Gun」 絶望的なピアノ・サウンドで、なんだかジョン・レノンを思い出す。
「Big Sister’s Clothes」 やるせないメロディで寂しくアルバム最後を飾ります。

No.1 Song 「Clubland」

タイトルからも感じる通り、ピアノ主体の美しいバラードが目立つ感じ。
でも、煌びやかで甘いメロディや、ギターのストロークとベースのビートに目が覚めたり。
狂おしいコステロのシャウトもあったりで、時折見せる荒々しさも美の魅力。
アトラクションズが最後に放った花火に心奪われます。

「All This Useless Beauty」 とにかくピアノが美しい。コステロのしっとりとした歌声。
「Complicated Shadows」 ギターのストロークから突然のベースのビートに目が覚める。
「Why Can’t A Man Stand Alone?」 タイトルをキャッチーに叫びまくってリフレイン。
「Shadows Grave」 このアルバムの中では、この荒々しさは別格。
「Poor Fractured Atlas」 またもや絶品のピアノ・バラード。
「You Bowed Down」 煌びやかで甘いメロディのモッズ。
「It’s Time」 ループするリズム。徐々に熱がこもる演奏に狂おしいまでのコステロのシャウト。
「I Want To Vanish」 すべてをクール・ダウンさせるかのピアノ・バラード。

No.1 Song 「It’s Time」

短い曲が矢継ぎ早に20曲もあって、以前はどこが聴きどころなのかわからず、ちっとも良いと思えなかった。
それが、聴き直してみたらどうよ!
性急なビート感、いきなりトップ・スピードで突っ走る爽快感。
ドリーミーで情熱的で、青春すら感じた。
ニューウェイヴだったコステロがオールドウェイヴに戻った感覚が今ならわかる、ゴキゲンなアルバム。
一気にお気に入りになりました。

「Love For Tender」 いきなりトップ・スピード!
「The Imposter」 性急なベースのビート感がたまりません。
「King Horse」 我が青春のモッズ的な。
「Possession」 ドリーミーで情熱があって。力強いリズムにインパクト。
「New Amsterdam」 このアルバムの中では毛色が違うワルツ。
「High Fidelity」 ピリッとした緊迫感から徐々に解放されていくカタルシス。
「I Can’t Stand Up For Falling Down」 ゴキゲンに跳ねまくるカヴァー曲。
「Human Touch」 勢いだけではないロマンチックなスカ。
「I Stand Accused」 性急なビートの中、突然聴こえてくるハーモニカにハッとします。

No.1 Song 「High Fidelity」

ジャケットの雰囲気からして、カントリーな前作(『Secret, Profane & Sugarcane』)の続編かと思い、カントリー苦手な僕は長いこと手を出せずにいました。
でも、カントリー要素はあるものの、全体的には意外とロックなバンド・サウンドでした。
軽快な曲、素朴な曲、スタンダード風もあり、全編通して香るのはカントリー・ジャズとロックの融合。
ロック・サウンドといっても柔らかさがあるのが特徴。
気軽にサブスクで聴けないアルバムでもあり、隠れた名盤だと思います。

「National Ransom」 いきなりカントリー要素はあるものの、完全なロック・バンド・サウンド。
「Jimmie Standing In The Rain」 寂しい。サックスの音も寂しいシャッフル・ビート。
「Stations Of The Cross」 映画の一場面のように、切なくもうっとり。
「A Slow Drag With Josephine」 コミカルで愛らしいカントリー。
「Church Underground」 重たい雨が降りかかってくるような感じ。
「You Hung The Moon」 スタンダードのごとき風格。
「Bullets For The New-Born King」 アコギをバックに素朴な曲。
「I Lost You」 軽快に車を走らせているようなカントリー・ロック。
「Dr. Watson, I Presume」 ディランぽい悲しさがある。
「The Spell That You Cast」 荒々しく狂うようなロック・サウンド。
「My Lovely Jezebel」 ジャジーでノリの良いブギ。

No.1 Song 「Stations Of The Cross」

アルバム1曲目のイントロから、キタキタ~ッ!て感じのロック・サウンドにニンマリ。
混沌から清浄へと引き締まったビート。
アトラクションズを思い出させる全編荒々しいサウンドも、どこか落ち着いていて余裕の演奏。コステロの長いキャリアを感じさせる。
インポスターズの方向性がハッキリと示されていていい感じなんだけど、これぞという突き抜けた曲があれば、もっとはっきり傑作と言えたかな。

「No Hiding Place」 イントロが鳴った瞬間にゾクゾク来ます。このビート感がたまらない。
「American Gangster Time」 キーボードの音がアトラクションズを思い起こさせる。終盤、気合を入れるコステロの Here We Go! がカッコいい。
「Turpentine」 混沌から、徐々に浄化されていく感じ。
「Harry Worth」 ジャジーなステップが粋。
「Flutter & Wow」 コステロの歴史を感じさせる深み。
「Stella Hurt」 引き締まったビート。
「My Three Sons」 郷愁を誘うカントリー・バラード。
「Song With Rose」 余裕の演奏で心も安定。

No.1 Song 「No Hiding Place」

前作(『Spike』)に引き続き、聴きやすいのは変わらないけど、コステロの風貌が変わりすぎ(笑)。この風貌にみんな引いてしまって、一般受けしてない感じがするのは気のせいか?
でも、サウンドはポップでさわやかなハーモニー、ノイジーにまくし立て、混沌としたビートリー、ワルツ、時にほのぼのと、いつもながらに雑多な趣味を見せるコステロの健在ぶりが窺えます。
割とファン以外の方にも薦めやすそうなアルバム。

「The Other Side Of Summer」 ビーチ・ボーイズを念頭に置いて、ポップでキャッチー、爽やかなハーモニーに胸をくすぐられます。
「Hurry Down Doomsday」 ノイジーに騒ぎ、コステロがまくし立てます。
「All Grown Up」 ゆりかごのようで壮大なバラード。
「Invasion Hit Parade」 運命的で混沌としててビートリーで。とにかくドラマチック。
「Harpies Bizarre」 ほのぼのとしてます。
「Georgie And Her Rival」 ポップなビートに心も跳ねます。
「So Like Candy」 ポール・マッカートニーとのほろ苦いメロディにノックダウン。
「Sweet Pear」 ファルセットが綺麗なバラード。
「Couldn’t Call It Unexpected No. 4」 楽しかった1日が終わるかのようなワルツ。

No.1 Song 「So Like Candy」

落ち着いたコステロの声が味わえる、ピアノ・バラード集といったところ。
バラード集といっても『The Juliet Letters』はクラシック寄り、『Painted From Memory』はスタンダード寄りでしたが、これはジャズ寄り。サックスやトランペットのソロが心に寄り添います。
1曲1曲がどうこうより、アルバム全体のいい雰囲気を楽しむもののような気がします。
当時、体調不良で精神的に参ってた時に聴いて、心に沁みて穏やかになり、とても癒された思い出があって、僕にとって大切な1枚。

「You Left Me In The Dark」 落ち着いたジャズの香り。バカラックぽいです。
「Someone Took The Words Away」 静かな佇まいに、終盤のサックス・ソロが彩りを加えます。
「You Turned To Me」 ちょっと明るくお洒落かと思いきや、キュッと締める。
「Fallen」 突然現れるストリングスやハープが美しく、心洗われます。
「Let Me Tell You About Her」 トランペット・ソロに心穏やかになります。
「Impatience」 最後に来て毛色の違うダンス・ナンバー。でも良い曲。

No.1 Song 「Let Me Tell You About Her」

もう、とにかく騒がしいくらいにギターがずっと鳴ってるアルバム。
基本的にはコステロの弾き語りで行けそうな楽曲をギターの嵐でコーティング。
久し振りにニック・ロウがプロデュースし、アトラクションズが本来持っている生々しく剝き出しのバンド・サウンドが全開。
ガツンとロックな音が聴きたい時に重宝。

「Uncomplicated」 ギターが騒々しく鳴って、ドラムもバタバタと破壊的。
「I Hope You’re Happy Now」 明るいビート・ポップだが、やはりギターがうるさい(笑)。
「Tokyo Storm Warning」 まるでギターの嵐のようなサウンドとコーラス。サビ・ラストの一節が腑に落ちる。
「Home Is Anywhere You Hang Your Head」 苦みのあるコード進行とメロディに胸キュン。
「I Want You」 素朴なカントリー・バラードと思わせてからの...情感たっぷりも抑えた歌い方なのに、そこに潜む狂気が恐ろしい。
「Blue Chair」 力強くもキラキラとして、このアルバムならではのポップ・チューン。
「Battered Old Bird」 ジワジワ迫ってくる感じが魅力的。
「Crimes Of Paris」 アコギ主体のシンプルなサウンドながら、甘酸っぱいメロディとコーラス。
「Next Time Around」 タイトルを熱唱するのが印象的。

No.1 Song 「I Want You」

華々しかった前作(『Punch The Clock』)に比べたら、やや大人しくなった。
ピアノがシリアスなのにウキウキ、フワフワ浮遊感サウンド、早口のゴージャス・ロックンロール。
全体的にはAOR色が濃い印象。
コステロ自身、最悪のアルバムと評しているし、地味と捉えるファンも多いと思うのですが、決して悪いアルバムではないと思うのです。

「The Only Flame In Town」 ダリル・ホールとのデュエットが甘くも切なくて、ハモりもめちゃ好き。
「Home Truth」 ゆりかごでスウィングしてるかのよう。
「Room With No Number」 ピアノがシリアスな音を奏でているのに何故かウキウキする。
「Inch By Inch」 抜き足差し足忍び足な感じ。キャッチーなサビは口ずさみたくなる。
「I Wanna Be Loved」 フワフワと浮遊感溢れるサウンド。切実な思いが伝わってきて、キスされまくるMVも印象的だった。
「Sour Milk-Cow Blues」 ブルースにしてはちょっと派手かも。
「The Deportees Club」 早口でまくし立てるゴージャスなロックンロール。

No.1 Song 「The Only Flame In Town」

オールド・ロックンロールで激しい演奏、チープなキーボードの音は初期のコステロを思い起こさせる。
グルーヴィーながらロマンチックなサビ、60’sサイケ。
荒々しく、良い意味でラフ、安定のインポスターズ・サウンドは、大人のロックとは何ぞやと考えさせてくれる。
この調子なら、コステロはまだまだずっとロックし続けてくれると確信する快作。

「Farewell, OK」 オールド・ロックンロール。甲高いギターの歪みと共に激しい演奏。
「Penelope Halfpenny」 チープなキーボードのサウンドが初期コステロぽい。
「The Diference」 アップダウンが激しい感じ。
「What I Can’t Give You Anything But Love?」 何故か江戸っ子風情を感じます。
「Mistook Me For A Friend」 Pump It Upを思い出します。
「My Most Beautiful Mistake」 グルーヴィーながらロマンチックなサビが最高。
「Magnificent Hurt」 60’sサイケ・サウンド。
「The Man You Love To Hate」 荒々しくも合唱できそうなパレード曲。
「The Death Of Magic Thinking」 ドタバタしてるリズムがクセになる。
「Mr. Crescent」 ラフなサウンドが魅力。

No.1 Song 「My Most Beautiful Mistake」

アラン・トゥーサンとがっつりコラボ。
ピアノもギターもいいですが、特にホーンの響きが効果的。泥臭かったり、時に熱くさせてくれます。
全編ニューオリンズR&B、渋くてクールな曲もありますが、圧力高く元気が出る曲が多いです。
トゥーサンの歌声も良く、2人で楽しく音楽をやってる感じが伝わってくる、熱くてほっこりするアルバム。

「On Your Way Down」 ホーンの響きが泥臭くて良い。
「Near To You」 ブルースですね。トゥーサン色が濃いかな。味わい深いです。
「Who’s Gonna Help Brother Get Further?」 トゥーサンが歌ってて良い味。サックスも熱い。
「The River In Reverse」 渋くてクール。
「Freedom For The Stallion」 R&Bソウルで滑らかな歌声。
「Broken Promise Land」 ピアノ、ギター、ホーンそれぞれの演奏が静かに熱くなっていく。
「International Echo」 ホンキートンクなピアノと盛り上げるホーンの響き。
「All These Things」 ソウル・バラードに震えます。
「Wonder Woman」 圧力が高く、元気が出ます。

No.1 Song 「Freedom For The Stallion」

カントリー・サウンドとの前評判を聞いて、カントリー苦手な僕は長らく手を出せず。
ロックだった前作(『Momofuku』)から一転、アコースティックなナッシュヴィル・サウンド。陽気だったりラテン・ジャズ、ブルースもあるカントリー。
カントリーと言ってもいろいろタイプがあるし、コステロだから幅も広くて。
アコギ、ドブロ、弦楽器、アコーディオン...アコースティック・サウンドが意外と心地良く。
聴いてみたら全然悪くない。変な先入観は良くないなあと思ったのでした。

「Down Among The Wines And Spirits」 冒頭から思いっきりカントリー。
「Complicated Shadows」 再演。ここではブルースっぽくて、緊張感があります。
「My All Time Doll」 ラテン・ジャズの香り。
「Hidden Shame」 陽気なディキシーランド・バンドのノリが心地良い。
「How Deep Is The Red?」 憂いのある世界がアコースティック・サウンドにハマる。
「Sulphur To Sugarcane」 カントリー・ブルース。
「The Crooked Line」 良い仲間と良い演奏をしてるなあという感じ。

No.1 「How Deep Is The Red?」

これはジャケットがカッコいいよなあ。なんだかジャズっぽいイメージ。
でも、カントリー風味のアルバムって触れ込みなので、カントリー苦手な僕は先入観で苦手意識があった。
でも聴き直してみたら、ちゃんとビート・ポップも入ってるし、根はロックンロールなんだと実感。
カントリー・バラードもムード満点。
これはこれで結構いいんじゃないか?

「Why Don’t You Love Me」 カントリーだぞと構えて聴いたら、意外とビート・ポップ。
「Sweet Dreams」 ムード満点のカントリー・バラード。
「I’m Your Toy」 切なさ一歩手前の穏やかさがなんとも言えぬ。
「Tonight The Bottle Let Me Down」 カントリー風アレンジだが、根はロックンロールだなとしみじみ感じる。
「Good Year For The Roses」 ゆったりと優雅なサウンドが落ち着く。
「Honey Hush」 ハイヨーシルバー!的に威勢が良い。
「How Much I Lied」 ピアノの音がロマンチック。

No.1 Song 「I’m Your Toy」

グツグツと煮え立ってくるような、これぞコステロの大人なロック。
アフリカン・ビート、ラテン・ジャズ。怪しさも満点、ホーンが煽り立て緊張感が漲る。
轟音で鳴るギター、ポップになりそうでならない。
Cruelがテーマだけあって荒々しく、無邪気さとの対比。
探偵が謎解きをしているような苦悩があって、ちょっと心が重くなってくるサウンドです。

「45」 グツグツ煮え立つ、これぞコステロのロック魂。コステロって、まだ45歳だったのか!と驚いた記憶が。
「Spooky Girlfriend」 アフリカン・ビートで怪しさ満点。
「Tear Off Your Own Head」 ポップになりそうでならないもどかしさ。
「When I Was Cruel No.2」 単調なサウンドに乗せ、セリフやラップに近いコステロのヴォーカル。
「15 Petals」 ホーンが煽り立て、泡立つ緊張感にドキリ。
「Tart」 ほのかな希望に縋る想い。
「Dust 2…」 迷宮に迷い込んで狂いまくるギター。
「Alibi」 濃厚な歌い方がじっとりとまとわりついてくる。
「Daddy Can I Turn This?」 轟音で突き進む重機のようなサウンド。
「Episode Of Blonde」 ラテン・ジャズに速射砲のようなコステロのヴォーカルに痺れる。

No.1 Song 「Episode Of Blonde」

ちょっとアトラクションズから離れて(1曲のみ演奏)ソロ気分。ホントは本名でリリースしたかったらしいです。
アコギをザクザクかき鳴らして、ゆったりと、のどかで、大らかで。そこはもうアメリカ大陸。
ロックもバラードも必然的にカントリー風の曲が多く。
珍しくがっつりブルースもあったり。
今までのコステロとはひと味違いますな。

「Brilliant Mistake」 アコギをザクザク鳴らして大らかに歌うとアメリカの雄大な地が見える。
「Lovable」 ロカビリー風。
「Our Little Angel」 アコギ、涼し気なエレキ、ドブロの3本のギター・サウンド。
「Don’t Let Me Be Misunderstood」 アニマルズや尾藤イサオもやった曲。もっと熱いロックかと思ってたけど、かなりスロー・テンポ。
「Glitter Gulch」 カウボーイがレースでもしてそうなカントリー・ロック。
「Indoor Fireworks」 室内花火なんて邦題だけど、のどかでむしろ空の下にいるよう。
「Little Palaces」 荒野を一人行く心細さを感じます。
「Eisenhower Blues」 コステロには珍しくがっつりブルース。
「Poisoned Rose」 カントリー・バラード。
「The Big Light」 せわしないカントリー・ロック。
「Jack Of All Parades」 ピアノが美しく煌びやか。
「Suit Of Lights」 流れるようなメロディでドラマチック。

No.1 Song 「Our Little Angel」

全編に漂う怪しげなサウンドに、序盤・終盤のコステロのセリフ。
尖りまくったギターや重低音のビートがあるかと思えば、美しいバラードもあり。
ジャケットの絵のように奇妙で異なる世界へ行ったり来たりで、随分とっ散らかったなあという感触も受ける。
こんなのどうだい?とコステロがニヤニヤしてるのが見えるようです。

「Revolution #49」 怪しげなサウンドの中、コステロのセリフが続きます。
「No Flag」 重低音のビートに尖りまくったギター。
「Newspaper Pane」 ホーンの音色が胡散臭さ満開。
「I Do (Zula’s Song)」 割と重たいサウンドなのに枯れた味わい。
「We Are All Cowards Now」 おどろおどろしくも、メロウなメロディが光る。
「Hey Clockface / How Can You Face Me?」 サーカスや道化師のコミカルなパレード。
「The Whirlwind」 このアルバムの流れでやっとホッとする美しいバラード。
「Hetty O’Hara Confidential」 ラップにビート・ボイスな感じがヒップホップ。
「The Last Confession of Vivian Whip」 美しいバラード。
「What Is It That I Need That I Don’t Already Have?」 物悲しく寂しい。
「Radio Is Everything」 再びコステロのセリフが入り、映画のラスト・シーンのよう。
「Byline」 芳醇な香りのする豊かなバラード。

No.1 Song 「We Are All Cowards Now」

本来は「The Delivery Man」の物語としてコンセプト・アルバムになる予定だったが、結局そうならなかった。もちろん軸としては残っているのだけれど。
雄大なカントリーや女性ヴォーカリストたち(ルシンダ・ウィリアムズ、エミルー・ハリス)とのデュエットもあったりして、全体的にはアメリカンな感じ。
自由に没頭し、コステロのシャウトと共に徐々に狂っていくような演奏のガレージ・サウンドは、計算された大人の弾け方で、これがインポスターズだ!と宣言しているようです。

「Button My Lip」 この喧騒!コステロがシャウトし、自由に没頭し、狂っていく演奏。
「Country Darkness」 雄大なカントリー。ピアノとスライド・ギターの音色が印象的。
「There’s A Story In Your Voice」 いかにもアメリカンな大らかで力強いデュエット・ソング。
「Bedlam」 計算された粗暴さ。大人の弾け方。
「The Delivery Man」 コステロの粘り気のある歌い方、後を引きそうなサウンド。
「Monkey To Man」 ノリの良いR&Bソウルで、チープなガレージ・サウンドが60’sぽい。
「Nothing Clings Like Ivy」 バラードだけど甘いだけに終わらない。
「The Name Of This Thing Is Not Love」 大人の子守唄。全然眠れそうもないけど。
「Heart Shaped Bruise」 大陸的でのんびりとしたデュエットが心地良い。
「Needle Time」 ノリのいいブギかと思いきや、怪しい世界に突入する。
「The Scarlet Tide」 ウクレレの音色が素朴なデュエット。

No.1 Song 「Monkey To Man」

今までいろんなジャンルの曲を作ってきたコステロが、いよいよヒップホップに接近。
HHバンド、ザ・ルーツにお膳立てされて刺激を受けながらも、余裕綽々のコステロ。
ループするサウンドもクール。ドリーミーで異世界へ誘う、ブラックなソウル・ミュージックだな。
もちろん、ヒップホップじゃない、いつものコステロも見え隠れしているので、奥深く一筋縄ではいかないアルバム。

「Walk Us Uptown」 鮮烈なビート。新しいコステロの音。
「Sugar Won’t Work」 コステロの懐の深さを感じる。
「Refuse To Be Saved」 どんどんヒップホップになってくる。コステロのアルバムじゃないみたい。
「Wake Me Up」 ループするサウンドがクール。
「Tripwire」 ドリーミーで異世界への誘い。
「Stick Out Your Tongue」 ブラックなソウル。もしかして歌詞はPills & Soap?
「If I Could Believe」 最後に来て正統派バラード。美しい。

No.1 Song 「Tripwire」

カヴァー曲集。コステロらしく、一筋縄ではいかない、マニアックな曲の数々。これらの原曲知ってる人はかなりの通だ。
オールド・タイプのロックンロールやカントリーが多く。ピアノが悲しかったりゴキゲンだったり。
サウンドはあっさりもスケールの大きさを感じる。
コステロが息抜きも兼ねてちょっと遊んでみたという感じのアルバム。

「Remove This Doubt」 ピアノが悲しい響きでダイナミック、スケールの大きなバラードで胸に迫る。
「Leave My Kitten Alone」 ビートルズもやった曲。唯一知ってた。
「Bama-Lama Bama-Loo」 ツイストしたくなる、いかにもオールド・タイプのロックンロール。リトル・リチャード。
「Payday」 ホンキートンク・ピアノでゴキゲンなブギ。
「Please Stay」 広大な土地が目の前に広がるよう。さすがのバカラック。

No.1 Song 「Remove This Doubt」

フォーク、クラシック、ジャズの要素を携えた、アンネ・ソフィー・フォン・オッターとのコラボ・アルバム。アンネの憂いのあるメゾソプラノの声は落ち着く。
だけど、がっつりコステロとハモったりデュエットしてるわけでもなくて、数曲で聴こえるコステロのヴォーカルはスパイス程度。なので、コステロのアルバムを聴いてる感はないなあ。
コステロうんぬんは置いておくと、慣れてくればこれはこれで良いアルバム。

「No Wonder」 いきなりフォーク。コステロはどこにいるの?と驚く。
「Baby Plays Around」 終盤のトランペットが沁みて、Shipbuildingみたい。
「Don’t Talk」 ビーチ・ボーイズのカヴァー。グッと心に沁みる。
「Broken Bycycles / Junk」 切ないなあと思ってたら突然、コステロのJunkに切り替わってハッとする。
「You Still Believe In Me」 再びビーチ・ボーイズのカヴァー。爽やかでほのぼのしてる。
「I Want To Vanish」 コステロの既発曲をアンネが歌う。
「For No One」 今度はビートルズのカヴァー。
「Shamed Into Love」 コステロのヴォーカルが入るのが嬉しいジャズ。
「This House Is Empty Now」 コステロ&バカラックの既発曲をアンネが歌う。
「For The Stars」 アコースティック・ポップとでも言おうか。割とコステロのヴォーカルが聴けてデュエットな感じ。

No.1 Song 「Broken Bycycles / Junk」

日本のTVドラマの主題歌になった「Smile」をアルバムに収めるために急遽作られました。
『When I Was Cruel』に収録しなかった音源や、ライヴ音源(日本公演もあり)など、企画盤の様相。これをオリジナル・アルバムと呼ぶのは苦しいのですが、入れちゃいました。
「Smile」以外は荒々しい演奏が目立ち、いよいよインポスターズが生まれます。

「Smile」 明石家さんま&木村拓哉のドラマに使われ、日本でヒットしたチャップリンのカヴァー。意外とスウィングしてて、陽気なジャズっぽいアレンジ。
「When I Was Cruel No.1」 アルバムのタイトル曲なのに、どうして除外したんだろう?と謎が残るがここで陽の目を見ました。どこか平和なムード。
「Almost Blue」 このライヴ・ヴァージョン、間奏のピアニカの音色が寂しくて良い味。
「Honeyhouse」 どんどん闇に入っていくような感じ。
「Smile (Ballad)」 ドラマに使われたのとは別ヴァージョン。こちらは終始美しいピアノのバラード。

No.1 Song 「Smile (Ballad)」

弦楽四重奏団・ブロドスキー・クァルテットとコラボ。とうとうクラシックの世界へ。
穏やかな弦の響きがコステロの声に寄り添う。
いつものコステロ節のバラードという気がするも、インストもあるし、ちょっと気を抜くとコステロのアルバムを聴いてるのを忘れてしまいそうな優雅さ・長閑さ。
実は僕はクラシックは大の苦手で。
普通のロック・アルバムの中の1曲として、これらの曲が入ってくれてたら、良いスパイスとして気に入ってたかもしれないけど、全編クラシックとなると、アルバム聴き通すのは辛いんですよね。
故に、最下位となってしまいました。

「Swine」 コステロが何かの役になりきったように歌って演劇的。
「I Almost Had A Weakness」 コステロの歌と演奏が追いかけっこしてる感じが面白い。
「Taking My Life In Your Hands」 ここぞとばかりに歌い上げるコステロが迫力あり。
「The Birds Will Still Be Singing」 馴染みやすいメロディに荘厳さと穏やかさが同居する豊かな弦の音色。

No.1 Song 「Taking My Life In Your Hands」

さて、いかがでしたでしょうか。
みなさんの好きなエルヴィス・コステロと僕の好きなエルヴィス・コステロには、どれだけ違いがあったでしょうか。
同じアーティストを好きでも、同じアルバムが好きとは限らないのが面白いところだったりします。
いろんなファンの方の意見があると思います。
僕は、そういうファンの意見の違いを面白がったりしたいので、まずは自分の好みを披露してみました。
もちろん、これは現時点でのランキングで、今後コステロを聴きこむ事によって、順位が変動してくる事はあるかもしれません。

コステロはとにかく多作です。
音楽表現の幅は広いし、他のアーティストとどんどんコラボするし、アルバムによってガラッと作風が違ったりします。
僕は邦楽でさえあまり歌詞を重視しないので、英語となったら余計に歌詞はどうでもよかったりします。メロディとサウンドだけを楽しんでいると言ってもいいです。
でもホントは、コステロの場合は、その複雑な歌詞を味わってこそ、本物のファンだと思う気持ちもあるんですよね。
いつかは歌詞をじっくり読み取って、深掘り・深読みをしてみたいなとは思ってます。
まだまだ各アルバム、聴きこみが足りないなあとは思っていて、今回いろいろと聴き直してみて、新たにわかったことや、思いがけず好きになったりしたものもあったりしました。
これはまだまだ奥が深いぞと実感しているところです。
聴けば聴くほど、自分の音楽性の幅が広がっていって、もっとどんどんコステロを好きになっていきそうな気がしています。

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