aiko おすすめアルバム・ランキング

大好きなアーティストのアルバムをランク付けするシリーズ企画。
今回は、aiko。

好きなアーティストのアルバムをランク付けするのって、非常に難しい。楽しいけど。
その日の気分によっても違ってくると思うし、はっきり優劣があるものもあるけれど、そもそも好きなアーティストの作品なんだから、どれも好きで、順位なんて紙一重のものが多いでしょう。
それでもやっぱり、ランク付けしてみたくなります。楽しいから。

好きなアルバムの定義ってなんだろう?と思います。
大好きな曲が入ってる、全体の流れや空気感が好き、ジャケットが好き、リアルの生活における思い出とリンクしている...など、いろいろあると思うんですが、僕が重要視するのは「ワクワク度」ですね。
そのアルバムを聴いている時はもちろんなのですが、「それを聴いてない時でも、そのアルバムの事を考えると、ワクワクしてしまう」ものが自分にとって上位なんだと思うんです。
個人的に思い入れの深い順ではありますが、それこそがみなさんへのおすすめ順。
好きなものをおすすめしたいです!

コメントの次には、各アルバムの中で1番好きな曲を、No.1 Songとして表記しました。
ジャケット写真をクリックするとAmazonへのリンクになってます。

第1位 『時のシルエット』

2011年、ベスト盤を出して、それまでの活動を総括したaikoでしたが、実はaiko、この時期が絶頂期だったのです。創作意欲はとどまるところを知らず、次の年にすぐさまアルバムをリリースしました。
これがなんと、10作目にして最高傑作!
シングル「恋のスーパーボール」「向かいあわせ」「ずっと」はもちろんの事、アルバムすべて捨て曲なしで聴きどころ満載。
aikoって、サウンドも含め基本的にコミカルで、そのコミカルなところが可愛く思えてくる。
そんな可愛い娘が精一杯背伸びをしたり、切ない思いを吐露したりするところにキュンとするし、応援したくなるのです。
どの曲も非常に平均点が高く、アルバムとして飽きないし、レベルが高い。すべてがツーベース・ヒット以上、時にはホームラン。
笑って泣いて、文句なしの作品です。

No.1 Song 「恋のスーパーボール」

第2位 『BABY』

2010年、9作目、また絶頂時に近づいているaikoです。
「beat」「鏡」「milk」「KissHug」という冒頭4連発で心を鷲掴みにされます。
そして中弛みする事なく進み、終盤で、切なくも熱く、希望が見える「ヒカリ」という名曲が登場します。これがシングルではなかったというのですから驚きです。僕の目当ては「milk」でしたが、それを凌ぐ曲でした。
アルバムは、ポップなビートに思わず心が跳ねてテンションが上がり、そこから、どうしようもなく感情が溢れる切ないバラードへの展開。
その振れ幅、緩急にしてやられます。
これまた捨て曲なし、魅力を振りまいて暴れまくっているアルバムです。

No.1 Song 「ヒカリ」

第3位 『湿った夏の始まり』

湿った夏をぶっ飛ばすかのようなロック曲がカッコいい!
ポップな曲も含めて、良い意味で重厚感があります。
2018年、13作目。
aikoにハマってライヴに行き始めてから出たアルバムなので、思い入れもあります。
「ハナガサイタ」「ストロー」「ドライブモード」「予告」「あたしのせい」など、ライヴで定番になった曲が多い印象。
バラードの「恋をしたのは」には深み、「宇宙で息をして」などはスケールの大きさを感じます。
「うん。」でヴォーカリストとして新たな一面を出し、その突き抜けた感には驚かされました。一聴の価値あり。
ベスト盤を聴いているかのような名曲の連発。充実しています。

No.1 Song 「夜空綺麗」

第4位 『秘密』

秘密と言って引き付けて、親近感を感じるテーマが多く、優しいメロディも相まって惹かれます。
イントロからして心奪われる、いかにも名曲な「二人」「横顔」「シアワセ」といったシングルのインパクトが、このアルバムを多幸感で包んでいます。
スランプも経験したaikoでしたが、すっかり脱却し、またいい曲をバンバン書くようになりました。
ここぞという時、何気ない時に聴こえてくるピアノのフレーズが効果的な曲が多いです。
とにかく、聴いてて幸せで温かい気持ちになれるので、大好きなアルバムです。

No.1 Song 「シアワセ」

第5位 『夏服』

若くて元気なaikoを象徴する1枚。
前半、「be master of life」とか「ロージー」で盛り上げて心を掴んで、中盤もバラエティに富んだ曲調で飽きさせず、終盤「ボーイフレンド」「初恋」というヒット曲で締める。
真っ青な空の下、暑さをものともせず、開放的な夏に聴くのが似合うアルバム。
aikoがファンを公言しているサザンオールスターズとの親和性を感じます。
デビューからガンガンと勢いをつけて階段を駆け上がったaikoの初期の最高傑作だと思いますね。
たぶん、みんなに愛されてるアルバムなんだろうな、と感じます。

No.1 Song 「心日和」

第6位 『暁のラブレター』

これは「アンドロメダ」という新機軸の大名曲が入ってるというだけで、何度も聴きたくなるアルバムです。
僕が思うに、このアルバム制作前までスランプだったと感じるのですが、それでも「アンドロメダ」という大名曲を作り出せたのだから、aikoの底力はすごかった。
「えりあし」とか「天の川」などのバラードも良かったしね。
音楽性の幅を広げようと楽しんでる様子が伝わってきます。
ちょっと飽きそうになるかと思うと名曲が登場してくる構成で、最後まで聴き通せてしまう絶妙なバランスがあって、アルバムとしてとても良いものになってると思います。
元気一辺倒ではない、ふところの深さを感じますね。

No.1 Song 「アンドロメダ」

第7位 『どうしたって伝えられないから』

ポップもロックもバラードも、どれも切なく寂しい感じがします。
冒頭の「ばいばーーい」、ラストの「いつもいる」。同じバラードでも違った切なさを表現しているのが妙味。
全体的にはフワフワと柔らかいサウンドなのが心地いい。
「メロンソーダ」「ハニーメモリー」「青空」「磁石」、飛びぬけて良い曲があるというわけではないのですが、どれも安心安定のaiko節。
なんだかaikoの手のひらの上で転がされているような感。aikoはお釈迦様だね。

No.1 Song 「Last」

第8位 『桜の木の下』

aikoとの出会いの1枚ですね。僕も多くの人と同じように、「花火」「カブトムシ」を聴いて、興味を持ったクチです。
ヒットしたというのもありますが、1stよりもガラッと華やかに色が付いた印象ですね。
ポップ・シンガーだと思ってたら、意外にロックな曲もあって、それも好印象に繋がったような気がします。
「病」「悪口」「傷跡」「ジャンキー」...結構ザラついた女子の心を代弁。しかしあくまでポップに包んでるから耳馴染みがいい。
そんなaikoの才能が花開いた瞬間をパッケージしたアルバム。
aikoにちゃんとハマる前は、長らく、きっとコレがaikoの最高傑作なんだろうと決めつけてたのですが、こうして全アルバムを聴いてみると、なんとこの順位になったのでビックリ。aikoのレベルの高さを実感しますね。

No.1 Song 「カブトムシ」

第9位 『泡のような愛だった』

深みと共に、ものすごく勢いも感じさせるアルバムです。
aikoの歌い出しからして持っていかれる「明日の歌」とか、「Loveletter」の切れ味とかね、ホント鋭い。
そして大人。aikoも随分大人になったなあと実感させられます。
「4月の雨」にうっとりする感じ、「君の隣」のポップなんだけど、どこに行くのかわからない感じ、とても濃い色彩を感じさせながらも、充分掴みきれない部分。
聴くたびに発見がある、そんな未知の魅力にも溢れているので、思わず何度も聴いてみたいなあと思ってしまうのです。

No.1 Song 「明日の歌」

第10位 『小さな丸い好日』

リリース直後の『桜の木の下』を聴いて気に入ったので、すぐに遡ってこれも購入したのを憶えてます。
でも、当時聴いた時は、ふーん、こんなもんかと思って、それからずっと棚にしまったままになりました。印象薄かったんですよね。
でも、aikoの全アルバムを聴くために聴き直してみたら、思っていたよりもずっと良くて。
ジョージ・ハリスンばりのスライド・ギターにハッとさせられたり、R&B的なアプローチもあって意外だったり。
今でもライヴで盛り上がる「ジェット」があったり。
こんなにいいアルバムだったのか?と驚きました。
良い意味で乱暴というか、自分の道をズカズカ突き進んでいくパワーを感じます。
まだブレイクする前だけれど、aikoはデビュー時からaikoで、切なくて元気で、才能全開でした。
とても可愛いアルバムです。

No.1 Song 「イジワルな天使よ世界を笑え!」

第11位 『May Dream』

どうや、これがaikoやで!という感じで、どんな曲でも風格さえ漂う音作りで、余裕を感じます。
勢い、圧もハンパではないですね。イケイケです。
「あたしの向こう」「夢見る隙間」「プラマイ」なんかは、ライヴでよく聴いたなあという思い出がセットになって蘇ります。
「もっと」などのバラードにも安心感がありました。
ただ、目新しさという意味では希薄かなあ。いつものaikoを出してきた感じで。
各曲とりあえず及第点は与えられるし、それなりにいい曲揃いですが、アルバムとしては何故かあまりワクワクはしないんですよね。

No.1 Song 「信号」

第12位 『彼女』

ようやく吹っ切れてスランプから脱出、aikoらしいアルバムが作れるようになりました。
煌びやかでハッピーな「キラキラ」を筆頭に、明るい曲が多い印象です。
バラードでさえも、切なさよりも、明るさや希望、光を見い出すような曲で。
ただ、前半はいいんですけど、後半は尻すぼみになってる気がしないでもない。
シングルの「スター」「雲は白リンゴは赤」もちょっと弱い感じ。
まあ、とりあえず「瞳」がビシッと締めてるので、事なきを得てるのですが。
とにかく、元気というのとは少し違う明るさが支配するアルバムです。

No.1 Song 「キラキラ」

濡れたコンクリートの上で1人佇む歌姫。
どこをどう切り取ってもいつものaikoなんだけど、即座にひっかかるメロディではなくなってきて、前に何度も聴いたことのあるような感触は安定感と言われればそれまでだし、だからこそファンにはたまらないのかもしれない。
不協和音で変態メロディの極致「skirt」、幸せな曲なのか悲しい曲なのか、受け取り方によって違う「相思相愛」、優しいグルーヴ「星の降る日に」、aiko往年のバラード風情「いつ逢えたら」
透明感のあるaikoの艶やかなヴォーカルが眩しく、アルバム全体的には、マイルドな仕上がり。
もうすっかり落ち着いた年齢でもあるからか、弾けた感じはない。
鋭いロック・ナンバーも、心踊るポップ・ナンバーも影を潜めました。
派手さはなくて、真綿で首を締めるように、優しく攻めてくる。
こんなところも、相当な変態になったよ、aikoは。

No.1 Song 「星の降る日に」

第14位 『今の二人をお互いが見てる』

一度や二度聴いたぐらいではつかめない変態メロディに拍車がかかりました。
正直、ついて行けないかも、と思いました。最初は。
でも慣れてくると、ここぞという時に鳴るホーンや煽るストリングスなど、ドリーミーでゴージャスなのは、いつものaikoサウンドだなと。
ストレートにカッコいいロック・ナンバーやシンプルなバラードはあまり無くて、変態メロディをどうポップに料理するかみたいなところに命賭けてる。
まだそれほど思い入れもないのでこんな順位ですが、何度も繰り返して聴けば、クセになって好きになるのではないかと思わせる希望のあるアルバムですね。

No.1 Song 「食べた愛」

第15位 『夢の中のまっすぐな道』

前作『暁のラブレター』で、スランプを乗り越えて見事に持ち直したと思ったのですが、ここでまた下がってしまってます。やっぱりダメなのか。スランプなのか。
aikoの苦しみが伝わってくるようで、聴いててちょっと辛い面もあります。
ロックな「エナジー」でさえも、勢いやパワーがいまいち伝わってこない。
どうにも物足りなさを感じてしまって、なんとなく平坦な印象で盛り上がりに欠ける、そんな感じ。
シングルの「花風」「三国駅」が頑張ってますけど、それ以外はあまり印象に残りません。
それとも、スランプではなく意図的なものなのでしょうか。
だとしたら、地味な良さが好きな人にはハマるかもしれません。

No.1 Song 「花風」

第16位 『秋 そばにいるよ』

ホップ、ステップ、ジャンプと、デビューから素晴らしい3作を作ったのに、ここでガクーンとレベルがダウンしてしまいます。
aiko、いい曲が作れなくなってます。才能が枯渇したのか?と早くも心配な感じの4作目。
とにかく、心に残るいい曲がないんですよね。シングルもパッとしないし、スランプに陥ったものと睨んでます。
スランプ故、ムリヤリ曲を作る工程は、aiko特有の変態メロディ炸裂の誕生だったと見れば、それも良い経験だったのかもしれませんけど。
ただ、「赤いランプ」とか、今でもライヴでよく採り上げる曲がいくつもあったりするので、aiko的には愛着のあるアルバムなのかもしれません。
でも僕にとっては、聴いてても「この曲スキップしたいな」とか「アルバム聴くのやめようかな」と思ってしまうほど、全然ワクワクしない、ダントツ最下位のアルバムなんです。

No.1 Song 「相合傘 (汗かきMix)」

さて、いかがでしたでしょうか。
みなさんの好きなaikoと僕の好きなaikoには、どれだけ違いがあったでしょうか。
同じアーティストを好きでも、同じアルバムが好きとは限らないのが面白い所だったりします。
いろんなファンの方の意見があると思います。
僕は、そういうファンの意見の違いを面白がったりしたいので、まずは自分の好みを披露してみました。

aikoとの出会いは古いですが、本格的にaikoにハマったのは割と最近で、全アルバムを聴いたり、ライヴに行くようになってからはまだ数年。
はっきり言って、まだまだ聴きこみが足りてないなあというのは自覚してます。
情報もほとんど集めてないので、長年のaikoファンにはどのアルバムが人気なのかなど、基本的な事も知りません。
また、僕がいいとは思えない曲を連発してた時期を、勝手にaikoのスランプ期と断定してますが、もしかしたら、その頃のアルバムは高い売り上げを記録してたかもしれませんし、実はファンの人気の高い作品かもしれません。
そういう事はまったく知らない僕が勝手に決めたスランプ期なので、妄想なのかもしれません。
そんな僕の、現時点でのランキングです。
かなり、普通のファンとは隔たりがあるような気がしてなりません。どうなんでしょう。

同じアルバムでも、聴くタイミングによって印象が変わったり、何度か聴き続けたりする事によって良さがわかっていったりする場合があります。
これからもaikoのアルバムは聴き続けていくと思いますので、またいろいろと変化してくるかもしれません。
デビューして25年。
コンスタントに活動を継続しているaikoはすごいですし、ありがたい。
もっともっと聴いて、aikoを好きになっていきたいです。

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