ゲスの極み乙女。 Live@日本武道館 2016.3.31 感想

2016年3月31日(木) @日本武道館

チケット即完売するも、追加席が

昨年、ゲスの極み乙女。が武道館でライヴをやると新聞広告で知った時、即座に「観たい!」と思った。
この時点ではゲスの曲は5曲も知らなかったんだけど、かねてから惹かれていた、あの高い演奏力を生で感じてみたいと思ったのだ。

で、早速チケット確保に動いたのだが、先行予約抽選は見事にハズレ、一般発売でも、発売開始直後5分で、僕の希望の3月31日分は売り切れ。その時30日分ならまだ余ってる状態だったけど、僕が行きたいのは仕事が休みな事が確定している31日だったわけで、30日だと、仕事を休まなきゃならないという事で躊躇してたら、即座に30日分も売り切れに。
人気が出て来ているのはわかってたけど(この時点ではベッキー騒動はまだ起こってない)、武道館2DAYSが5分で売り切れてしまうほどだとは思ってなかった。舐めていた。

せっかく行ってみたいと思ってたのに、チケット獲れなくて、ああやっぱり即座に30日に切り替えて買えば良かったかなあとか後悔してたんだけど。
でも、いったん売り切れても、日にちを置くとキャンセル分かなんなのか、また復活する事があるので、それに期待して毎日チケット・サイトをチェックしていた。
すると、1週間後に「注釈付指定席」が売り出される事がわかった。
注釈付指定席は、参加席などと同じで、ステージの一部が見えにくい場合があるという席だ。
僕は、これらの席が大好き。だって、見えにくい可能性はあるけれど、なんと言ってもこれらの席は「ステージから近い」という大きなメリットがあるからだ。
ステージを真横から観るため、ちょっと観える角度が悪いだけで、下手なアリーナ席よりもずっとステージに近い席なのだ。
今回は、参加席の様に値段が安いわけではなく、通常の指定席と同じ値段だけど、僕にはまったく問題ない。むしろ、望むところだ。

そして、発売日当日。
通常指定席の一般発売のように、またあっという間に売り切れてしまうのでは?と心配したのだけれど、発売開始5分で、無事に希望通り31日分をゲットできた。
結局、この注釈付指定席や立ち見席は、公演日の直前まで余ってて、楽に買える状態だった。
通常指定席があっという間に売り切れたという事は、チケットを買いたくても買えなかった人がたくさんいたはずなのに、注釈付指定席は余ってて売れないという事実。
みんな、これらの席の良さを知らないのかなあ?見えにくい席じゃイヤだ、と買わないんだろうか。
僕はこのブログで何度も注釈付指定席や参加席の良さを訴えてきたけど...まあ、これらの席の良さが世間に認知されない方が、僕にとっては自分がチケット獲りやすくなるからいいんだけどね。

実はあまりよく知らないゲス。ベッキー騒動も起きて

という訳で、無事にチケットを確保できた。
アルバムを1枚も聴いた事のないアーティストのチケットを買うだなんて初めての事で、
実際にアルバムをちゃんと聴いてみたら、僕の好みじゃなかったという可能性もあったわけだから、無謀とも言えたんだけど、まったく後悔しなかった。あのバンドの演奏力を生で確かめられれば、という思いでね。
結果的に、その後ちゃんとアルバムを全部聴いて、想像以上に僕好みの音楽だったから、一安心と言うか、ますますライヴが楽しみになったわけで。

唯一、心配だったのは、ベッキー騒動を巻き起こしてしまった事。
バンドが活動する事が気に食わない一部の人の批判の声が大きくなって、ライヴが中止になったりしないかとヒヤヒヤしたけど。

ライヴは、まず武道館公演が決定した後になって、NEWアルバム発売に合わせたライヴハウス・ツアーが武道館の前後に組み込まれた。
武道館公演とライヴハウス・ツアーの公演タイトルが違うから、セットリストなんかも違うのだろうなと思った。
だから、ライヴハウス・ツアーの方のチケットも獲りたくなったのだけど、そこはさすがに我慢で。

ライヴ当日。12年振りの武道館へ

ライヴ当日はお日柄も良く。
そしてこの時期は丁度桜が見頃という事で楽しみにしていた。
武道館周辺は想像通り、とても賑わっていた。靖国神社にも行ってみたけど、屋台がたくさん出ていてお祭り状態だった。
正直、まだ満開とは思えなかったけど、それでも桜を楽しんでいるたくさんの人たちの中に入って、気分もますます盛り上がる。

調べてみたら、僕が武道館に来るのはデヴィッド・ボウイのライヴ以来という事で、なんと12年振り。そんなにたつのか。ちょっと信じられない。
12年の間に鉄道事情も良くなって、以前は東武線からJR、さらに地下鉄2本を乗り換えて武道館に行ったものだけど、今は東武線が直接地下鉄に乗り入れるようになったので、僕の駅から武道館までほぼ電車1本で繋がるようになっていた。これは嬉しい。帰りの時間も少し余裕が出来たし。

でも、武道館は12年振りとは思えないくらい、変わってなかったなあ。
12年前の時点で既に貫禄のある建物だったわけだから、それから12年もたったとしても、たいして変わらないのかもしれない。さらに古くなったよなあとは思わなかったし。歴史のある建物はそうなのかもしれない。古くなればなる程良さが出るものかもしれないし。もうかなり古いけど、出来るだけ建て替えなんて考えないで、このままずっと行ける所まで行ってほしいなあ。

僕の席は、1階東D列37番。
これがまた通路側の席で、僕にとっては嬉しい席。
で、予想通り、ステージのほぼ右横から観る席なんだけれど、ステージはとても近く、アリーナ前列とほとんど変わらない近さ。2階後方の席とは雲泥の差。こんな良い席が後から簡単に買えるんだからね。
ただ、ステージの真横から観るという事で、心配してたのは、機材が邪魔になってドラムが観えないのでは?という事。
以前、東京ドームの参加席でストーンズを観た時、セットや機材が邪魔になってドラムのチャーリー・ワッツがまったく観えなかった。その時はチャーリー・ワッツだから許せたけど(笑)、今回のドラマーは麗しのほな・いこか嬢。一番のお目当てのいこか嬢が観えないのは致命的だなと心配してたのだけど、行ってみたら、邪魔になるような機材はまったくなく、ドラム・セットはばっちり観えたので安心した。
ただ、ステージに近い席から眺めているからなのか、武道館、とても小さく感じたなあ。これで1万人も入ってるとはとても思えない程の小ささだった。
以前ライヴを観た時とか、大学の入学式や卒業式で来た時とか、もっと広く感じたはずだったんだけどなあ。2階の後方席とかから、もっと俯瞰で観たら広く感じられるのかもしれないけど。

ライヴのスタート

18時30分開演という事だったけど、32分にはもう客電が落ちた。
早い。ほぼ定刻通りだ。

01. ロマンスがありあまる
02. 私以外私じゃないの
03. サイデンティティ
04. 星降る夜に花束を
05. 勤めるリアル
06. シリアルシンガー
07. 煙る
08. セルマ
09. 無垢
10. 無垢な季節
11. 心歌舞く
12. id1
13. いけないダンスダンス
14. いけないダンス
15. パラレルスペック(funky ver.)
16. オトナチック
17. Mr.ゲスX
18. アソビ
19. 両成敗でいいじゃない
(Encore 1)
20. 続けざまの両成敗
21. crying march
22. jajaumasan
23. ドレスを脱げ
(Encore 2)
24. 餅ガール
25. キラーボール

実はライヴ当日の朝に、前日のライヴのセットリストをチェックしてあった。武道館公演は特別な感じがしたので、もしかしたら2日とも違うセットリストで来るんじゃないかと思ったのだ。
でも、オープニングが「ロマンスがありあまる」、続いて「私以外私じゃないの」が来た時に、ああこれは同じセットリストだな、と。
冒頭からヒット曲連発で、出し惜しみしない感じが伝わってきた。

サポート・メンバーは女性コーラス2人のみで、基本的には4人による演奏。
川谷くんがハンド・マイクで歌う場面も多かったから、そうなると演奏してるのは3人だけとなった。でも、それだけの少人数での演奏とは思えないほどの音の厚みで、確かな演奏力が楽しめた。
演奏もヴォーカルも、CDとなんら変わらない感じで再現されてた。

前半で印象に残ったのは「煙る」ね。
実は、この曲は大好きなNEWアルバムの中で、あまりピンと来なかった曲だったんだけど、ライヴで聴いたら、思いの外良かった。
あれ?この曲こんなに良かったっけ?と見直した。

「無垢」での川谷くんの朗読は、その内容から、どうしてもベッキーを思い浮かべてしまった。

「id1」では、CDと同じように、ゲスト・ギタリストを迎えて。
そして休日課長までがアコギを弾くという構成にビックリ。

そして、「id1」の後はいったんメンバーが退場し、女性コーラス2人による「いけないダンスダンス」
それから、メンバー全員が赤を基調とした衣装に着替えて再登場。

聴かせる感じだった前半から、後半は踊らせる感じに。
特に「パラレルスペック」は良かったよ。

それから、演奏的には一番大変そうだった「Mr.ゲスX」
展開が目まぐるしくて、各楽器に聴かせ所があるので、見せ場のひとつだった。

そして、今のゲスをいい意味でも悪い意味でも象徴するかのような「両成敗でいいじゃない」で本編は終了。

前日のライヴの情報から、MCがほとんどなかったというのは知っていたが、たしかにここまでMCはまったくなし。
もちろん、ベッキー関連の事なんか喋らなくていいと思っていたけれど、このままMCがないのは寂しいし、特に川谷くん以外のメンバーの肉声が聴けないのは残念だと思ってたら、アンコールの前にちゃんとMCがあった。
川谷くんと休日課長の大学時代の思い出とかね。フツーにMCやってた。
それから、ほな・いこか嬢みずから「ドS」を認める発言があって、イメージ通りで嬉しくなったし、ちゃんMARIは会場を巻き込んでの「コポゥ!」コールをやったし。

で、「アンコールは昨日の倍やります」発言にテンションが上がる。
ああ、昨日じゃなくて今日観に来て良かった、と。
まあ、倍と言うとアレだけど、結果的に3曲かな、多かったのは。

一番盛り上がったのは「ドレスを脱げ」かな。
サビの「♪ ラーララーラララララー」を会場全体で大合唱で。ますます好きになった曲。

前日よりアンコール曲が多いと聞いて、真っ先に「やってほしい」と願った「餅ガール」をやってくれた時は嬉しかったなあ。
いこか嬢の「食いたいわぁ~!」という雄叫びが生で聴けて満足。

ラストは、わかっていたけど、やっぱり外せない「キラーボール」
僕もゲスを好きになるきっかけとなった曲だから、これをやってくれるのはありがたい。ていうか、なかったら怒るよ。

フロントマン1人に頼らない、メンバーそれぞれが魅力を持ったバンド

終了したのは20時45分。
2時間15分の公演だったわけだが、とにかくあっという間だった。
1曲1曲がいろんな仕掛けがあって飽きないアレンジだったせいもあるが、あっという間に1曲が終わる感じだった。短縮ヴァージョンでやったんじゃないの?と思わせるような短さ。
そして、本編ではMCがなかったせいもあって、次から次へテンポ良く曲が進み、25曲もやったなんて信じられないくらいあっという間のライヴだった。それだけ集中して観ていられた。

NEWアルバムの曲をやるのは、ライヴハウス・ツアーの方に任せて、この武道館公演は今までの集大成的な、ベスト盤みたいなセットリストになるのだろうと予想してたが、それに反して、NEWアルバムの曲をすべて演奏するという、今のゲスを観せるライヴとなった。
過去の曲は思ったほどやらなかったね。とは言っても、ライヴで外せない定番曲はもちろんあったけど。

いつもライヴでは、僕はほとんどヴォーカリストに目が行ってしまうのだけど、こんなにヴォーカリストに目が行かなかったライヴは初めてだ。
いや、別に川谷くんが嫌いという訳ではないし、ギタリストでもあるわけだから、それなりに観てはいたのだけれど、もっと他に目が行ってしまってね。

なんと言ってもドラムのほな・いこか嬢。
僕の席ではいこか嬢を観るには特等席だった。ドラム・セットの隙間からちょうど観えるいこか嬢の生脚に釘付け。超ミニのパンツから出た脚が超綺麗だった。これは正面の席からではバス・ドラが邪魔になって観えない、僕の席だからこそ観えたと思うのだ。超ラッキー。
もちろん、脚だけではなくて、激しくドラムを叩く姿がなんともセクシー。
髪を振り乱してハイハットを鳴らす姿に何度も痺れた。

それから、僕から一番近い位置にいたベースの休日課長。
これがまたイメージ通りのキャラでコミカルな動きをしていて、それでいて見事なグルーヴに乗っている時はカッコ良くクールに観えて。
この2人を中心に観てたなあ。

川谷くんは3番目。
ヴォーカリストだし、ギター・ソロもあるから、もちろん長い時間観てたはずだけど、他のバンドのヴォーカリストほど印象に残ってないというか。

最後はキーボードのちゃんMARIね。
僕の席から一番遠い位置にいたので仕方ない所もあったけれど。それでも、ライヴ終盤で壊れたような動きで弾きまくる姿は見逃さなかったよ。
ちゃんと記憶に留めた。

というわけで、フロントマン1人に頼らない、メンバーそれぞれが魅力を持ったバンドだという事は改めて感じた。
決して、ベッキーのお蔭で売れたわけではないと断じておく。

それにしても、やはり若いファンが多かった。
僕が観に行くようなライヴは、おっさんが多いライヴがほとんどだから、この若い空気は久々。たまにおっさんを見かけても、ほとんどが子供連れで。
高校生くらいはもちろん、小学生もたくさんいた。おっさん一人で来てるような人はほとんど見かけなかったなあ。僕は浮いてなかっただろうか。
でも、そんな心配をしつつも、若者に混じって、今流行の音楽に触れているというのは非常に心地良かった。

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