2003年6月7日@新宿LOFT
変則的イベント。ライヴ当日、会場へ
『新CRT Sessions: Vol.1』と称してのイベントライヴ。
健’z(黒沢健一&萩原健太)、鈴木慶一、ハナレグミ(永積タカシ)。
6月7日、新宿LOFT。
開演は6時。開場は5時半で、整理番号の若い順からの入場。
僕は62番なので、比較的早めの入場が可能だったのだが、苦手なライヴハウス。後ろの方がいい、という事で、開場時間よりも遅くなるように到着。
5時45分頃、LOFT内へ。会場はすでに8割方埋まっていた。
チケット代は3500円だけれど、入場時にドリンク代500円が強制的に払わされる。
予想してた事だけれど、僕はどうせ飲みきれないし、邪魔になるのでドリンクはもらわない。実質4000円のチケット。まあ、しゃあないか。
こういうライヴハウスは久々。
10年近く前、今は亡き日清パワーステーション以来か。
しかし、やはりパワステよりも狭い。
LOFTという有名な所なので、もう少し大きいかと期待してたんだけど、うーん、こんなものか(たしか移転したんだったよね)。
アーティストと近いのがライヴハウスのいい所なんだろうけど、僕にとってはそうじゃなくて。近過ぎると困る。混雑するのはさらに困る。
運良く、一番後ろの壁前の空間を確保。背伸びすればとりあえずステージも見えるし、モニターも観やすい。壁にもたれながら観れるし、ベストポジションか。
出演者から察するに、割と高めの年齢層になるだろうと期待(?)してたのだけれど、思った以上に若い人が多い。7~8割方が20代か。
追加出演となったハナレグミの影響?
とにかく、みな「誰を目的にやってきたのか」わかり辛い。
開演時間にはほぼ満杯。
当日スペシャルゲストあり、との話だったけれど、その人がオープニングアクトと聞いて、「じゃあそれほどすごい人ではないな」と予想。
そしたら、予想通り、L.L.COOL J太郎。
つまるところ、杉作J太郎さんなんだけどね。
「♪ 乳首は心の応援団」と歌われるラップに、若干引き気味の会場。
面白かったけどね。
男ならばうんうんと頷ける内容なんだが、いきなりだったし、みんな笑いたくても笑えなかったか。
しかし、MCなどは素直に笑いがおこり、本人も「前説」と言ってた通り、会場を暖めるには効果充分。ああいう曲は後から「来る」しね。
まずは健’zのライヴ
さて、ここからが本題、という事で、まず登場したのは健’z。
元L⇔Rの黒沢健一がヴォーカル、萩原健太がギターで、二人の好きな洋楽のカヴァーをやるというアコースティック・ユニット。
この二人が好きな曲、となると、当然ビーチ・ボーイズやビートルズが想像できるわけで。
実際、TVで披露したのも「サーフズ・アップ」だった。これがなかなか良かったので、ライヴを観に来ようと思った。大きな期待がかかる。
「エヴリナイト」
「ヴァニラ・スカイ」
「ソー・バッド」
いきなりポール・マッカートニー3連発。
アコギ1本のユニットなので、比較的地味~な選曲になるのは仕方ない所だけど。
周りのお客さんを見渡すと、ちゃんと曲知ってるのかどうか微妙な感じ。
ビートルズ・ファンなら、ニヤリとする選曲だと思うけど。
順調な滑り出し...と思ったら、「ソー・バッド」では健太さんが数ヶ所ミス。それをかなり気にしてか、直後のMCでは悔しさ一杯のコメント。
健’zはいつもほとんど練習してなくて、リハーサルと称して集まっても、野球観ながら一杯やって終わり、だとか。
ついには「朝は松井がタコったニュース、夜はジャイアンツがあの調子。毎日気分が冴えなくて...」と愚痴モードの健太さんであった。
まあ、「ソー・バッド」では、トップの音がフラット気味で抜けが悪く、微妙に気持ち悪く感じる黒沢さんのヴォーカルにも若干の問題あり、で、健太さんの責任ではないと思うけど。
プレスリーとキャロル・キングの曲をやった後、またポールに戻ります、という事で飛び出したのが
「ベイビーズ・リクエスト」
渋い選曲でしょ?
どうやら、ファン(?)からのリクエストだったみたい。
段々とまったりしていい感じになってくる。
次はようやく、ブライアンのコーナー。
「駄目な僕」
「メルト・アウェイ」
この日のベストは「駄目な僕」だったかなあ。健太さんが珍しくバック・コーラス付けたし。ま、後半の3曲は甲乙付けがたいけど。
で、驚いた事に、健’zとしてはこれで終わり。
とにかくあっという間で、あれれ?「サーフズ・アップ」やってくんないの?って感じだった。
しかし、たしかにビーチ・ボーイズの難しい曲も、アコギ1本でここまでやれるんだな、って事が改めてわかって感動。
鈴木慶一登場
そして、ここで鈴木慶一登場。
おお、慶一さん、トリじゃないのか。
で、健’z & 鈴木慶一で、バーズの
「霧の8マイル」
慶一さんがエレキ・ギターなので、音的にかなり厚みが加わったのを感じる。
健’zとのセッションも終了、ここから慶一さんソロ。
イベントの性質上、カヴァー曲をやるのかなあ...と思ってたら、ちゃんとオリジナルをやってくれたので嬉しかった。
「ドント・トラスト・エニワン・オーヴァー・サーティ」
「東京ゴミ砂漠」
「青空のハニー」
「スカンピン」
「酔いどれダンスミュージック」
「BEATITUDE」
「今日もトラブルが・・・」
「」(洋楽カヴァー曲)
前半はミュージカル『ドン・トラ』上演中って事での選曲。
「青空のマリー」も、「ケラに変えられてしまった」と、ミュージカルの「青空のハニー」ヴァージョンで。
その後も「スカンピン」や「BEATITUDE」など、大好きな曲をやってくれたのも嬉しかった。
ただ、ギターやヴォーカルにエフェクトかけすぎて、若干聴き辛かった曲もあったかな。
ライダーズのファンサイトではこのライヴの事はまったく話題になってなかったし、実際、若い客層だったので、「みんな慶一さん知ってんのかなあ?」という心配もあったんだけど、「ドン・トラ」を演り始めた時や、再登場の時の歓声を聞くと、まあそれなりにライダーズ・ファンもいた模様。
久々に慶一さん観たけれど、真っ白な髪に黒ぶちのメガネをかけていて、遠目でみるとロイ・オービソンみたい。随分貫禄がついたというか...老けたというか...。
まさか苔付いちゃったんじゃないだろね、と心配したけれど、前と変わらない程度に声は出てたし、ホッとひと安心。
でも...やっぱりちょっと元気なさそうだったかな。
ハナレグミ登場
そして、慶一さんに紹介されてハナレグミ登場。
タカシくんが「大好きなんで」と選んだという
「塀の上で」
はちみつぱい時代の名曲だ。僕も大好きな曲なので大喜び。
タカシくんと慶一さんの声の相性もなかなかだったよ。
そしてその後はハナレグミのコーナーになるわけだが。
曲はほとんど知らないので、詳しく書けん。
まあ、聴いた事ある曲もあったけどね。
健’zの時に、健太さんが「楽器的に限界があるユニットなんで、足りない音は(頭の中で)足して下さい」と言っていたけど、たしかにそう。
しかし、知ってる曲ならそれができるので問題はないんだけど、知らない曲だとちと辛い。
やっぱりアコギ一本だけというのは微妙に飽きてくる。
決して悪い曲ではないんだけどね。だから僕にとってハナレグミは不利。
「早く終わらないかなあ」なんて思ってしまった。
すまない、タカシくん。
しかし、客席からの「観えない!」の声に「感じて!」と応えるなどMCは面白かったし、とぼけた味はTVのまんまだし。
それに何より「若い!」って感じだね。
さすがに声は一番出てたし。曲は穏やかなものばかりなんだけど、イキの良さを感じたよ。
ハナレグミの途中で「帰っちゃおうかな...」の気が高まるも、思いとどまったのはアンコールがあるため。
全アーティスト(前説は除く・笑)が再登場し、アンコールは
「タックスマン」
アコースティックな流れのこのイベントの中で、この選曲は意外だったな。
それぞれリード・ヴォーカルを分け合い、聴き所もあって結構盛り上がる。
ただ、やはり練習不足なのは明らかで、3人のコーラスの絡み具合はいまいち。
「霧の8マイル」の時にも感じた事だけど、特に慶一さんと黒沢さんのハーモニーは合ってなかったように思う。
そう考えると、タカシくんの存在は大きい。しっかり声が出てたし、うまくまとめてたと思う。
ベースやドラムのないライヴ
終了したのは9時。
全体的に、思っていた通りの流れ。
期待以上...という事はなかったし、イベントの性格上仕方ないものの、やはりお腹に響くベースやドラムがないというのはどこか物足りない。
よって、大満足とは言えないけれど、まあ、それなりに、望んでたものは観せてもらったんだから、良しとしなきゃ、かな。
また同じメンツでライヴやると言ったら、また観に行こうと思うよ。
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