サニーデイ・サービス Live@渋谷CLUB QUATTRO 2018.3.26 感想

2018年3月26日(月)@渋谷CLUB QUATTRO

チケット当たっちゃった

再結成後のサニーデイはほとんど聴いてこなかったのですが、「青い戦車」や「クリスマス」が気に入って、ジャケットも含めて名盤の香りを感じた『Popcorn Ballads』を買いました。
そしたら、3月にライヴがある事を知って。
その時は、斉藤和義のライヴの抽選に申し込んでる最中で、同じ週に2回ライヴに行くのは辛いな(つまり、2回仕事の休みを入れる事になる)と思い、一旦サニーデイは諦めました。
けれど、その後、結局、斉藤和義のライヴは落選。
ならば、サニーデイ!と思い、抽選に申し込んでみたら、当たっちゃいました。
しかも、先行抽選なのに、いつも取られてる「特別販売料」が何故かかからずに、一般発売と同じ料金でチケット購入出来ました。ラッキー!
サニーデイは20年ほど前から聴いてますが、ライヴを観るのは初めてです。

新作出るの早くて、予習もひと苦労

てなわけで、3月に入ってからは、予習でどっぷりサニーデイにつかろうと、過去のアルバムを聴きまくってたのですが、12月に『Popcorn Ballads』がCDリリースされたばかりだったから、当然そのアルバムからが中心のライヴになると思っていたら、突如、NEWアルバム『the CITY』リリースのニュースが飛び込んできてビックリ。
となると、今度のライヴは『the CITY』の曲が中心になる可能性が高まりました。
知らない曲ばかりのライヴは辛いので、これは『the CITY』も聴いておかねばならないなあ、と、軌道修正が必要になりました。
でも、『the CITY』はCDリリースの予定はなく、ストリーミングかダウンロード。
これを機にSpotifyの導入も考えたのですが、やっぱりやめて、iTunesでのダウンロードにしました。
ダウンロードはあまり好きではなくて、できればCDが良かったのですが、今回は仕方ありません。

で、肝心の『the CITY』ですが、試聴した段階から、あまり良いとも思えず...と言うのも、僕の苦手なヒップホップ系、ラップやシューゲイザー的な要素が強まっていて、あまり僕の好みではないのです。
このアルバムがライヴの中心になるとしたら、これはチケット獲ったのは失敗だったか...と、不安が大きくなってきてしまいました。

ただ、ツアーが始まって、名古屋や大阪のセットリストが明らかになると、意外にも『the CITY』の曲は思ったほど多くなく、大好きな『DANCE TO YOU』の曲が多くて、ちょっと安心しました。
Twitterのフォロワーさんからも情報もらって、だんだんと、不安より期待の方が大きくなってきました。

ライヴ当日。会場は大混雑

そしてライヴ当日。
ようやく春らしくなってきて、暖かな良い天気です。
会場の渋谷CLUB QUATTROは、なんと早くも今年3回目です。
18時30分開場との事で、ちょうどその頃に着くと、入り口付近はたくさんの人が。
今年観たQUATTROでの前2回のライヴはソールド・アウトにならなかったので、開場時間10分後くらいに着いて余裕ですんなり入れたのですが、さすがに今回は即時ソールド・アウトになっていたライヴなので、様子が違いました。
僕の整理番号は327番だったので、呼ばれるまで少し待ちましたが、それでも早い方だったと思われます。
ドリンク代がいつもの500円じゃなくて、600円というのがね。それで交換したのが水ですから、ぼったくりにも拍車がかかってます。
ソールド・アウトになったのですから、混むだろうと覚悟はしてたのですが、予想以上でしたね。
僕はリュックに加え、買い物してきたCDや本、レコードまで抱えていたので、荷物が置ける最後方の壁際のポジションを確保する必要があったので、この混雑ぶりは焦りました。
でも、ギリギリで希望のポジションが確保できました。もう少し遅い入場だったらアウトでした。大荷物抱えてライヴを観る羽目になる所でした。ライヴハウスの時の買い物は気を付けなければならないと思いましたね。

開演の19時30分に近づくにつれ、会場内はさらに混雑してきました。この前のライヴの時とは大違いの混みようです。
しかも暑い。
こんな中でライヴを観なきゃならないのか。
やはりソールド・アウトのライヴハウスは嫌だな...久々に実感しました。

ライヴのスタート

開演時間を10分ほど過ぎ、ようやくスタートです。

01. 泡アワー
02. ラブソング 2
03. ジーン・セバーグ
04. 青い戦車
05. 冒険
06. イン・ザ・サン・アゲイン
07. 青空ロンリー
08. 苺畑でつかまえて
09. Tokyo Sick feat. MARIA
10. 卒業
11. 花火
12. セツナ
13. さよならプールボーイ feat. MGF
14. 海へ出た夏の旅
15. 星を見たかい?
16. 金星
17. 抱きしめたり
18. 音楽
19. I’m a boy
20. シックボーイ組曲
21. 町は光でいっぱい
(encore)
22. 白い恋人
23. 東京
24. 桜 super love

1曲目は「ラブソング2」が来ると思ってたら違った!
なんか聴いた事ない曲だなあと思ってたけど、「泡アワー」でした。
CDでは、テクノ・ファンクなアレンジだったけど、ここでは軽快なビートのバンド・アレンジになってたからまったく気付きませんでした。
このライヴのもこもこビートのアレンジの方がいい感じでしたね。

ただひたすら「♪ Fuck you」連発の「ラブソング 2」から「ジーン・セバーグ」への流れは、シューゲイザー的な、重く、ねっとりと暗い。
暗いと言えば、ステージが暗い!
照明が、バックライトになる感じの演出で、メンバーの姿が逆光でよく観えないのです。
ビジュアルで売るバンドじゃないから(笑)なのかもしれませんが、それにしても。
だから正直言うと、この時点では、うーん、勢いでチケット獲っちゃったけど、このライヴに来たのは失敗だったかも...僕の聴きたいサニーデイではないかも、という不安でいっぱいでした。

でも、次に大好きな「青い戦車」が出てきてひと安心!
僕が、最近のサニーデイを聴くきっかけとなったファンク・チューンです。
この曲を聴かなかったら、今日この場所に来てなかったと思います。
けれど、これも、CDでのアレンジよりもややファンク色は薄く、よりロック的な感じになってましたね。
どちらがいいというわけでもなく、これはこれで別物の良さ。
ただ、ライヴで素直に盛り上がれるアレンジになってるなあ、とは感じましたね。

クールな「冒険」は、「♪ 僕は僕は僕は僕は僕はハ~ン」が印象的ですが、途中の「♪ パーパパパパー」というコーラスが、フレンチ・ポップに影響を受けた90年代渋谷系サウンドの匂いがして好きです。
照明も、このコーラスの時に華やかになってましたね。

「イン・ザ・サン・アゲイン」が出た時はビックリしました!
名古屋と大阪のセットリストを確認していたので、まさかこの曲をやってくれるとは思ってなかったからです。
大好きな曲が少ない(笑)『the CITY』の中で、1番最初に好きになった曲です。
思わず踊り出したくなる、軽快なレトロ・ポップです。

ゆったりとした「青空ロンリー」は、青空の下、芝生の上に寝転がって聴く子守唄のようでした。

「苺畑でつかまえて」は、ライヴだとややテンポが速いですかね。
でもその方が、特にサビが際立って良かったかもしれません。
どうしてこの曲がシングルなのか、やや疑問に思ってたところもあったのですが、ライヴで聴いて納得。優しさが伝わってきて、大好きになりました。

ゲスト・ヴォーカルのMARIAが登場しての「Tokyo Sick」
鬱な感じです。

この時、僕の3、4列前の人たちの間で揉め事が。
40代くらいのおっさんAが、隣の30歳くらいの青年Bの肩を掴んで、耳元で何やら叫んでいます。
初めは、2人は友人?と思ったのですが、そうでもない様子。
次は、おっさんAが青年Bの首根っこを掴んで、揺さぶっていました。
で、2人は離れて、収まったかと思ったのですが。
その後、青年Bは、曲に合わせて首をガンガンに振って、体を揺らせてライヴに没頭します。
どうやら、おっさんAは、そういう風にノリまくっている青年Bが鬱陶しかったらしいのです。
「迷惑だから、もっと静かにライヴを観ろ」とでも注意してたんじゃないかと思われました。
青年Bの振り乱した髪がおっさんAに降りかかって迷惑してる、というのならわかるのですが、おっさんAと青年Bの間には人1人分はスペースが空いていて、それほど迷惑ではないはず。
おっさんAは、お酒が入って酔っぱらってたんですかね。
おっさんAの視界に青年Bが入ってるだけで、おっさんAはイライラしてたようです。
おっさんAの友人らしきCがなだめてたのですが、いくら注意しても変わらずノリまくっている青年Bに対して、とうとうおっさんAはキレました。
青年Bの胸ぐらを掴んで、押し出して倒れ込んだのです。
当然、周りの数人が巻き込まれました。
こうなると、迷惑なのは明らかにおっさんAです。
ライヴでのノリ方は人それぞれで、楽しみ方も違うのですから、そこはお互い様で、出来るだけ許容して、みんなでライヴを楽しむべきだと思うのですが、おっさんAは、そこから逸脱して、周りに迷惑をかけました。
直後、スタッフの方につまみ出されたのか、それとも、「表に出て話をつけよう」となったのかどうかはわかりませんが、おっさんAと青年B、友人Cらはすぐに退場していきました。
それからどうなったのかはわかりませんが、せっかくのライヴで揉め事を起こすなんて、こちらも気分が悪くなりました。
ただ、その人たちがいなくなったお蔭で、僕の前方の人たちの配列が整理され、僕の視界が広がって、ステージがぐっと良く観えるようになりました。
それまで背伸びしたり、体を左右に傾けたりと、辛い思いをしながら観てたので、僕にとっては結果的には良かった事となりました。

さて。気持ちを落ち着かせて、またライヴに集中しなければ、です。

『the CITY』の中で1番好きな「卒業」です!
とにかく切ないメロディとサウンドに心打たれます。
娘さんの卒業式の日に作りましたと言ってましたね。

スケールの大きな「花火」
サビはアンセムの様にみんなで大合唱でもできそうな雰囲気です。

「セツナ」はもともと大好きな曲でしたが、ライヴに来る直前に、ライヴ・ヴァージョンを耳にする機会があって、これはライヴでかなり盛り上がる曲なのでは?と、期待していたんです。
そして、それはその期待通り、いや、期待以上!
やや抑え気味だったCD音源とは違い、冒頭から演奏は力強く、切ないメロディを盛り立てています。
それだけでも興奮なのですが、CDとは違って、ライヴならではの迫力が増すのが、終盤の演奏です。
曽我部さんの熱いギター・ソロ。
曽我部さんをニール・ヤングみたいだと評している話をどこかで耳にしましたが、なるほど、やや拙くも聴こえるソロが、とにかく燃える、萌える。
いったいどこまで行くんだと思わせるアドリブのギター・ソロが延々と続きます。そして、それに呼応するかの様に、他のメンバーの演奏も高まっていきます。
メンバーそれぞれが自分の世界に入り込んでしまっているかのように見えて、それが徐々に高まるごとに演奏が一体感を持って行くという。
これこそが、今のサニーデイ・サービスというバンド。
いやあ、凄い迫力。素晴らしかった。
この「セツナ」のライヴ・アレンジを考え付いたのはお見事でしたね。もともと良い曲でしたが、ライヴで一層映える、見事なものに化けていました。
サニーデイのライヴにおける定番ソングとなるのではないでしょうか。
これが観れただけでも充分だし、サニーデイをますます好きになりました。

そんな大興奮冷めやらぬ中、始まったのは「さよならプールボーイ」でした。
実は、僕はヒップホップ系が大の苦手。
だから、ゲストにMGFの3人が出てきて、ラップを歌い出した時は、勘弁してくれよ、と思っちゃいました。
このヒップホップのノリは大嫌い。こんなのを聴くために僕は来たんじゃない、早く終わってくれ、と思ってました。
僕にとっては辛い時間でした。

気を取り直して、サラリと「海へ出た夏の旅」
割と地味目の曲だと思うのですが、何故に今回これを採り上げたのでしょう。

今回披露された古い曲の中では、大好きな「星を見たかい?」が聴けて嬉しかったですね。
悲しく、侘しく歌われる前半から、「♪ カモン、ベイベー」と激しくなる展開の妙。

ゆったりと流れる「金星」
名古屋や大阪では、「金星」からの「星を見たかい?」というストーリー展開だったらしいのですが、今回はそれが逆の順番になってました。この変更は謎。

ギターを置いた曽我部さんが、鍵盤的な小さな楽器(よく観えなかった)を奏でながらの、ほとんどセリフな「抱きしめたり」、その流れのままの寂しい「音楽」
このパートは、バンドを離れた異空間を作ってましたね。

再びバンド演奏。
大好きで、元気が出てくる「I’m a boy」
サビのリフレインは、思わず一緒に歌っちゃいました。

「シックボーイ組曲」は、その名の通り組曲で、どことなく捉えどころがない、ツギハギ感覚。
ライヴでは、ちょっと盛り上がりに欠ける、かな?

本編ラストの「町は光でいっぱい」は、ほとんど曽我部さんのギターと、キーボードによる演奏。他のメンバーはじっとしてるように見えました。
照明を浴びた曽我部さんが幸せそうに歌い上げる姿が印象的でした。

本編は、ほとんどMCなしで、ぶっ通しでの演奏でしたね。
アンコール前に、ようやくゆっくりMCが聞けた感じです。
最近の卒業式では、子供たちが一人一人みんなの前で、将来の夢を語る、との事。
「怖っ」と思いましたね。みんなの前でそんな事言わせるのって、結構恐ろしい事じゃない?幼稚園児なら微笑ましくもあるでしょうけど、思春期の子供たちにとってはある意味残酷な気がします。そんな学校ヤだなあ。

懐かしさいっぱいの「白い恋人」
サニーデイの代表曲をやっとやってくれたか、という感じです。
うーん、甘酸っぱい。

拍手が巻き起こったのが「東京」
みんな好きなんですねえ。
短くて素朴な曲。

最後は、自然と「待ってました!」の思いが出た「桜 super love」
僕って、この曲こんなに好きだったんだ、と意外な発見。
季節的にもピッタリ、ポップで柔らかく優しい、素敵な曲でした。
この曲で幸せな気持ちでライヴが終えられて、とても良かったです。

思ってた以上にワイルドなロック・バンド。次はもっと広い会場で

こうして21時40分、約2時間のライヴは終了しました。
超満員で暑くて息苦しいし、ステージ暗いしよく観えないしで、好みでない曲から始まった序盤は、チケット獲って失敗したかなと思ったのですが、ライヴが終了した時には、そんな事すっかり忘れて、満足感に浸っていました。
サニーデイのライヴって、こんなに良かったんだ...。

初期の2枚のアルバムあたりのサウンドと比べると、まったく別物のバンドのサウンドになっていて、初期が好きな人からしたら面食らうと思います。
でも僕はこちらの方が好きだなあ。
あ、でも、コラボを多用したヒップホップ寄りの曲だけは受け入れられないんですけど(笑)。
まあ、でも、基本、骨太のロック・サウンドで、かなり熱くなれましたね。
再結成後のサニーデイを聴くようになったのは最近なのですが、ホント、聴くようになって良かったですね。
最近のサニーデイもかなりいい線いってる、というのが確認できました。

サポート・メンバーを含めたバンドの一体感が感じられる演奏もかなり良かったのですが、とにかく、曽我部さんのギターがいい。
テクニックうんぬんは僕にはわからないけど、カッティングもソロも、とにかく心地良い音色を奏でてくれるんだ。
ギタリストとしての曽我部さんの評価が急上昇しました。

それから。
僕の隣りでライヴを観てた美女。独りで来てたようです。気になりました。
こういうライヴに独りで来るような方と、お知り合いになりたいなあと思うんですけどね。
好きなアーティストのライヴなんですから、趣味が合うわけで、話も合うはず。
同じ趣味を持っている方と知り合いになりたいと常々思っている僕ですが、話しかける勇気もないため、なかなかチャンスは訪れません。
独りでライヴに来てるような方、たくさんいらっしゃると思うんですけどね。そういう方と、ライヴの感想とか、好きなアルバムや曲の話とか、してみたい...。

まあ、なんにせよ、とても良いライヴでした。
サニーデイは、思ってた以上にワイルドなロック・バンドでした。
ますます好きになりました。これからも目が離せません。
最近の曲もとても良かったのですが、古い曲ももっと聴きたいと思いますし、またライヴに来たいと思いました。
今回ライヴに来て大正解でした。

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