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僕がサザンオールスターズにハマるまで
すべてはサザンとの出会いから始まったと言ってもいい。
僕が音楽を趣味とするようになったのは、音楽というものにここまでのめりこむ事になったのは、すべて桑田佳祐のせいだと。
それまでは、音楽は積極的に聴くというわけではなかった。TVでやってたベストテン番組をなんとなく観て、流行の歌くらいは知ってる、という程度で。
だったらマンガを読んでる方が楽しいな、ってな小学生で。
それが、中学生になってから、「中学生ともなれば、芸能界に興味を持つもんかな」と思うようになり、多少は積極的に情報収集。
と言っても、興味があったのは「音楽」と言うよりも、「芸能界」「アイドル」って感じだったかな。中では中森明菜の歌がいいかなぁ、なんていう程度で。
それが、忘れもしない、中2の1学期。
なんとはなしに観てた『ザ・ベストテン』にサザンが登場、新曲の「Bye Bye My Love」を歌ったんだよね。
イントロが流れた瞬間、「な、なんだこの感じはっ!?」って。
今まで感じた事のない気持ち良さ。胸にギュンギュン来た。
せつなく始まるAメロ、段々盛り上がるBメロ、爆発するサビ。どれをとっても完璧。
感動ってこういう事を言うのか、歌ってすげーっ。て思ったね。
初めて音楽の良さを知った瞬間だった。
それから、すぐに貸しレコード屋に走って「Bye Bye My Love」のシングル盤を借りた。
今でこそCDやレコードを買わなきゃ気がすまない性質だけど、当時は中学生だったから、借りるだけで精一杯、それでもすんごい嬉しかったな。
で、そのサザンが秋にアルバムを出すという。
これはチェックしなきゃ、って楽しみにしてたんだけど、当時は新作アルバムってのはどういうものかよくわからなかったので、それまでのヒット曲がすべて入ってるもんだと思ってた。
だから、なんとなく知ってた「勝手にシンドバッド」とか「いとしのエリー」とかも、今度出るアルバムには入ってるもんだと思ってたのね。
だから余計に楽しみだったのもあるんだけど、当然新作アルバムに数年前のヒット曲なんて入ってるはずもなく(笑)。
収録曲リストを見て多少ガッカリしながらも、発売日に貸しレコード屋に行ったんだが、もうすでに全て貸し出し中だったんだよね。
何枚も入荷したらしいんだけど、全て貸し出し中。
お店の人も「サザンすげえなぁ」って言ってて、僕も初めてそこで、サザンってそんなすごいアーティストなの?って実感するようになったのだ。
で、数日後に耳にする事ができた新作アルバムってのが、当時からモンスターアルバムとも呼ばれた2枚組の傑作『kamakura』だった。
「Bye Bye My Love」だけに限らず、どの曲を聴いても良い。
桑田佳祐の作り出すメロディは、僕のツボを押しまくった。
すごい、すごい。
見事にハマった。
それから完全にサザンの世界に酔いしれる事になる。
それまでに出ていたアルバムはもちろん、シングルB面曲なども含めて、すべて借りまくり、ダビングしまくり。
何度も何度も聴いたなぁ。中2の夏から中学卒業まで、毎日サザンを聴いてたと思う。他の曲も聴いたけどさ、サザンは別格だったなぁ。
とにかく、サザンによって音楽の良さがわかり、他にも感動できる音楽はないか、って、積極的に探す姿勢ができてきたのだった。
ところが、当のサザンは、『kamakura』発表後に活動休止状態に入ってしまう。
原由子の産休がきっかけだったけれど、実は解散の危機にあったという。
サザンオールスターズとしての復活はしばらく後になる訳だけれど、すぐにKUWATA BANDの活動があったから、僕にしてみればそれで満足だった。
ただ、サザンとして毎年アルバムを出してきた活動も一区切り。
僕がサザンをかなり聴きこんだのはそこまでの8年間の楽曲なので、復活後のサザンとはやっぱり少し思い入れも違うのだ。
もちろん今でもずっと好きだから、ちゃんとチェックはしてるけれど、『kamakura』以前の楽曲に対するほどの思い入れはなかなか持てないなぁ。
まぁそれは、サザンの変化もあるけれど、聴き手である僕がいろんな意味で変化したからだろうな。ま、それはそれで仕方ないからいいのだけれど。
ただ、僕がサザンと出会った事の重大さは変わる事はないし、音楽の素晴らしさを教えてくれたことに対する感謝の気持ちで一杯なのだ。
『熱い胸さわぎ』
「勝手にシンドバッド」の「♪ 胸さわぎの腰つき」というフレーズは、中学生の僕でも映像が目に浮かんだけど、制作時にスタッフから、そんな言い回しは無いとして、ムラサキとかアカツキに変更されそうになったという。
桑田さんの才能がまだ信用されてなかった。
(2024.3.10)
デビューしたてのサザンがコミック・バンドだというイメージを強くしたのは、「女呼んでブギ」なんて曲があったことも要因。
非常にノリのいい曲で、冒頭の一節は強く印象に残る。
しかし初めて耳にした時は中学生だったから、家族と一緒に聴くのがとにかく恥ずかしかった。
本格派バラードがかなり少ないことも要因。
「恋はお熱く」くらいしかないんじゃない?
後の名曲「栞のテーマ」などにも繋がる三連バラードで大好きだけど、熱く歌ってるところを、おふざけに受け取られた面があるかもしれない。
ラストの「今宵あなたに」もバラードというよりR&Bとしてか。
「♪ あなた悲しや天ぷら屋」とか歌ってるから、やはりふざけてると思われたかも。
それにしても、2番でハモってるの、ホントに原坊?
かなり野太く色っぽく、ゴスペル・シンガーのような歌声。原坊のイメージとなんか違う。
まあ、そこも含めて大好きな曲ですけど。
多彩な音楽性、桑田さん独特の歌詞の当てはめ方が、それまでの邦楽になかったもので、聴く者を誤解させてた部分があると思う。
サザンはサザンで、「真剣にやってんのになあ」と、リスナーの反応とはギャップがあったかもしれない。
(2024.8.5)
ここ10年くらいの間、桑田さんの「女呼んでブギ」のプッシュぶりが激しかった。
18年の40周年記念ライヴ、23年の茅ヶ崎ライヴ、そして24年のROCK IN JAPANフェスではオープニング・ナンバーにと、披露する機会が多かった。
近年、急激にコンプライアンスが厳しくなった世の中においては、テレビでは絶対に披露できない曲だ。
しかし、一般人向けのニュースにもなるであろうライヴの時に、ここぞとばかりに採り上げた桑田さんの、反骨精神というか、表現者として、窮屈な世の中へのささやかな抵抗みたいなものを感じる。
このノリの良さ。一度聴いたら忘れられず、つい口ずさみたくなるメロディ。
しかし、親密な仲間内のカラオケならともかく、鼻歌さえもおいそれとはできない曲。
僕も、高校受験の時にはサザンばっかり流しながら勉強をしてたけど、付き合って起きてくれてる親の前でこの曲が流れると、非常に気まずい思いをしたものだ。
今も昔も、微妙な居心地の悪さを感じさせてくれる迷曲だ。
(2025.2.7)
僕は後追いファンなので、「今宵あなたに」の「♪ あなた悲しや 天ぷら屋」というフレーズを聴いて、ほのぼのするというか、微笑ましく思ってたのだけど。
でも、よく考えたらコレ、リアルタイムで聴いたファンはどう思ってたのかな。
ヴォーカリストが今宵会いたいと思いを募らせる相手は天ぷら屋なわけで、同じバンドにいるピアニストが天ぷら屋の娘なのは知られた話なわけで。
えっ、桑田さんと原坊って、付き合ってるの??と、騒ぎになってたのだろうか。
ファンはその成り行きを温かく見守ろうという雰囲気だったのか。
それとも、曲はあくまで創作の世界だから、現実とは違う、桑田さんなりの曲作りにおけるシャレみたいなものだと思ってたのだろうか。
このあたりは、是非、当時のファンに訊いてみたいところだ。
(2025.2.21)
『10ナンバーズ・からっと』
推しは「思い過ごしも恋のうち」。
「シンドバッド」のノリと「エリー」の切実さがMix。
1番で「♪ 夜も昼も~」とゆったり歌ってたのが2番では「♪ どいつもこいつも~」と速射砲なのが最高。
(2024.3.13)
「勝手にシンドバッド」で衝撃のデビューを飾った後。
2匹目のドジョウを狙うべく、同路線の「気分しだいで責めないで」を投下。
勢いと焦燥感に溢れて、「♪ だ・が・で・ちゃう!」と歌わずにはいられないこの曲は、単なる二番煎じにとどまらない佳曲。
目先のセールスのことを考えたら、同路線の曲を連発してファンを固めたいところでもあるけど、桑田さんは良しとしなかった。
ビートルズの「Let It Be」のような決定的なバラードもサザンはできる、と、
「いとしのエリー」をリリース。
暑苦しくコミック・バンドのノリを求めていたファンの一部は戸惑ったという話も聞くけれど、
この正統派バラードは、サザンのポテンシャルの高さを知らしめ、徐々にファン層を拡大した。
そして次は。
「シンドバッド」のようなサンバのノリの良さと、「エリー」のような清々しく綺麗なメロディという、2つの良さを併せ持った、
「思い過ごしも恋のうち」を完成させる。
イントロを聴いただけで胸がキュンとし、そして鼓動が速くなる。この曲にかけられた、爽やかなのに熱くなるサザン・マジックは永遠に不滅だ。
このように、シングルを通して見ただけでも、ロックとポップと歌謡曲を見事に一体化させ、サザンの音楽性が固まっていく、初期の一連の流れがつかめる2ndアルバムだ。
殺人的スケジュールとプレッシャーに追われ、ノイローゼ気味だったと振り返るように、桑田さん的には納得のいかないアルバムだったかもしれないけど、シングル以外の新曲も、レベルの高いものばかりで。
以前はとりたてて好きとは思わなかったけれど、こうして聴いてみると、とても良く出来たアルバムなのを実感する。
(2024.7.27)
デビュー曲「勝手にシンドバッド」の大ヒットを受け、二匹目のドジョウを望まれて「気分しだいで責めないで」を制作。
その後もまだ同路線を求める運営側やファンもいたが、サザンはこのような曲ばかりではないと奮起した桑田さんは、「いとしのエリー」を投下。
まるで雰囲気の違うバラードに困惑したファンも多かったと聞くが、徐々に認められヒットに至り、サザンの懐の深さを見せつけることに成功した。
さて、次は。
派手な「シンドバッド」路線か、しっとり「エリー」路線か。
そこで桑田さんは、どちらかに偏るのではなく、それぞれの良さを融合させた曲を作る。
「エリー」のような爽やかで味わい深い美メロに、「シンドバッド」のような勢いのあるノリの良さ。
そんな魅力を併せ持ったのが「思い過ごしも恋のうち」だ。
しかし、この曲、実はシングル向けに作った曲ではなかった。
普通にアルバム曲として『10ナンバーズ・からっと』に収録されたものだ。
その名曲度合いに気付き、アルバム・リリースから3ヶ月後にシングル・カットされている。
僕はこの辺りのリリース、戦略的にちょっと失敗したのでは?とも思っている。
「エリー」がリリースされたのが79年3月25日。
そして『10ナンバーズ』が4月5日にもう出ている。
シングルとアルバムの相乗効果を狙ったのかもしれないが、『10ナンバーズ』のリリースが早すぎたのではないか?ということだ。
そもそも前作『熱い胸さわぎ』から7ヶ月ほどしか経ってない。
そして「エリー」がヒットするかもわからないうちのアルバム・リリースなんて。
「エリー」が大ヒットするまで待ち、次のシングルとして「思い過ごし」をリリースし、
そして満を持して7月か8月に『10ナンバーズ』をリリースする。
このようなプランの方が、話題性も含めて、アルバムの大ヒットに繋がったのではないだろうかと思うのだ。
でも、まあ、このようなことは後だから言えることなのかもしれないし、そんなことをしなくても『10ナンバーズ』は68万枚も売れた大ヒット作ではないか、と言われるかもしれないけれど。
しかし、やっぱり『10ナンバーズ』のリリースはちょっと早すぎたのではないか、何か急ぐ理由でもあったのか?と勘繰ってしまうところなのである。
(2024.11.27)
『タイニイ・バブルス』
衝撃を受けたのは「タバコ・ロードにセクシーばあちゃん」。
カッコいいんだかウケ狙いだかわからないタイトル。
聴いてみれば、独り身の寂しい老婆がじいちゃんを想う切なさよ。
でもセクシーなんだってさ。
桑田さんならではの裏歌謡な世界。
(2024.3.16)
このジャケットを見ると、当時のツアー・タイトルが『サザンオールスターズがやってくる ニャー!ニャー!ニャー!』という秀逸なものだったことを思い出す。
イントロからしてメロウで、穏やかながらも切なくなる「C調言葉に御用心」の名曲度合いといったら。
「涙のアベニュー」はブルース・テイストのバラード。
「エリー」とまた違ったタイプでの真剣さが窺える熱唱。
「恋するマンスリー・デイ」の虚ろなレゲエ風味から「♪ ちょっと聞いて ユウコ」というサビの切なさ溢れるメロディ。
イロモノという世間からのイメージの脱却を目指しながらも、桑田さんの好奇心、世界観の広さから、ついつい奇抜なアイデアが出てきてしまう。
「タバコ・ロードにセクシーばあちゃん」なんていう、ふざけたタイトルでも、実際に聴いてみたら泣けるなんて。
そう、原坊の歌う「私はピアノ」や、ハード・スケジュールに追われた「働けロック・バンド」など、泣ける要素満載のアルバムなんだね。
(2024.8.10)
NEWアルバム『THANK YOU SO MUCH』は3月発売ということで、先行曲が「桜、ひらり」だったりもして、春を感じるアルバムになるのかなあ、と。
サザンの過去のアルバムで、春を感じるアルバムといったら『タイニイ・バブルス』だ。
これも3月発売だったから、そうなのかもしれないけど、僕は後追いで聴いたので、発売日は関係ない。
でも、それでも春を感じるんだよなあ。
ギラギラとした、燃えたぎるようなロック曲がないからかなあ。
全体的に穏やかで柔らかい印象がある。
暖かくなった陽だまりの中で、これからの出逢い、何かが始まる予感に満ちた、春をイメージさせる。
このアルバムを代表するシングルが「C調言葉に御用心」なのが一番のポイントなのかな。
「勝手にシンドバッド」のようにギラギラしてないし、「いとしのエリー」のようにド直球のバラードでもないし、それまでになかったサザンで、穏やかな中に、切なさと爽やかさが同居していて、胸がキュンとなる名曲。
この感覚は春の息吹だ。
この曲が軸となっているから、アルバム全体が春のイメージを植え付ける。
「ふたりだけのパーティー」は、イントロこそロックな感じだけど、メロディは優しいんだよね。
「タバコ・ロードにセクシーばあちゃん」は、爺ちゃんもいない、って歌ってるから、亡き人を想うお彼岸の季節の香りがする。
「Hey! Ryudo!」も、ゴージャスながらも流麗なアレンジが春っぽい。
すべてが流れるように視界が開かれていく感じ。
「涙のアベニュー」は、渋いバラードだけど、春眠暁を覚えず的なまどろみの中にいるような気がする。
「TO YOU」は、いちばんポップで気分が跳ねる。
陽気もいいし、ステップしながら外出したくなる春だ。
「恋するマンスリー・デイ」は、気圧の関係、不安定な天気、そんな時にと体調が思わしくない虚ろな女性が多いのも春のような気がする。
桑田さんが春のイメージのアルバムを想定して作ったとは思わないけど、結果的にはそうなった。
この頃はまだ、サザンは夏、というイメージも浸透してなかっただろうし。
この後のアルバムがどんどん夏っぽくなっていくことを考えると、より貴重な気がする春のアルバムだ。
(2025.1.25)
『ステレオ太陽族』
サザンの中で1番を争うほど好きなアルバム。
「Hello My Love」に始まり「素顔で踊らせて」「朝方ムーンライト」に、極めつけの締めは「栞のテーマ」。
奇抜なキャラのジャケットに反し、とにかくメロウでうっとりするアルバムですね。
バラードの魅力が存分に。
(2024.3.19)
「♪ 彼女が髪を指で分けただけ」
そんな必殺フレーズで始まる「栞(しおり)のテーマ」。
もうそれだけで、情景が目に浮かんで胸が苦しくなる。
同じ三連ロッカ・バラードとしては、1stにも「恋はお熱く」があったけれど。
あれは曲名通り、熱い感じで桑田さんが歌っていたけれど、
この曲は、優しく、切なく、微笑みの中に涙が混じる、さらにレベルアップした名曲だ。
サビの歌詞が「♪ ねえ、どうしてなの」ではない。
「♪ ね、どしてなの」だ。
これが秀逸。
この一言に、戸惑いと一途な思いがこめられている。
イントロのピアノの音色を聴くだけで涙が出る。
個人的には「いとしのエリー」を超える、まさに初期サザンの名バラードなのだが。
『ステレオ太陽族』のリリースから2ヶ月後にシングル・カットされたものの、たいして売れなかった。
ま、アルバム買ってあるファンは、わざわざ買わないだろうし。
とにかく一般層には全然浸透しなかった。
こんなにも名曲なのに。
これはタイミングにもよるよなあ。
例えばもしも、90年代を代表する曲となった「真夏の果実」、初のミリオン・セラーとなった「涙のキッス」からの流れの後、ホップ、ステップ、ジャンプ的な感じで出ていたら、ダブル・ミリオンくらいいってても不思議ではないと思えるポテンシャルはあるはず。
それが「栞(しおり)のテーマ」だ。
もちろん、後にベスト盤『海のYeah!!』にも収録されたし、サザン自身も、多くのファンも、この曲を高く評価しているのは知っている。
だけど、シングルにしては埋もれてしまい、一般層に広く届けることのできなかったこの曲が、悲しくも愛おしい。
この曲でアルバム『ステレオ太陽族』を聴き終えると、ああ、いいものを聴いたなあと胸がいっぱいになる。
あんな、変なジャケットなのに、これはもう名盤中の名盤だよなあと思わずにはいられない。
セーラー服を着たヒゲ面の女性の名前が、栞さんではないことを願う。
(2024.8.23)
サザンの中で1・2位を争うくらい大好きなアルバム。
全曲好きと言ってもいいんだけど。
たとえば「Let’s Take a Chance」。
デビュー以来、日本語を英語のように歌うのは桑田さんの発明だけど。
ここでは、英語を歌ってると見せかけて実は日本語という新たな発明。
「sorrow」
「turn to show」
「O,K,」
これらの本当の意味を知った時は感動した。
歌詞だけじゃない。
なんといってもサビ。
身も心も溶けるようなメロディに、身体がカアーッと熱くなる。
狂おしいほど切ない。
この感情は説明できない。
(2024.12.18)
『Nude Man』
僕はリアルタイムを知らないので、いつ頃からサザン=夏、というイメージが付いたのか体感してません。
半年前のシングル「チャコの海岸物語」と、「夏をあきらめて」を擁したこのジャケットのこのアルバムが、サザンに夏の印象を付けたのではと想像しております。
(2024.3.22)
好きなアーティストの音楽は季節関係なく聴いてるので、個人的には「夏だからサザン」みたいな感覚はほとんどないんだけど。
でも、夏を感じたいから聴くとするならば、このアルバムかな。
「D.J.コービーの伝説」がイントロからして超暑苦しいくらいのロックンロール。
汗かいて盛り上がろうよとテンションMAX。
「夏をあきらめて」。
もうそのまんま。こんなに気怠くやるせない夏なんて。
「匂艶THE NIGHT CLUB」もホーン・セクションに煽られて、盛り上がり必至。
いきなり「♪ 今宵Summer Time」と歌ってるしね。
「Oh! クラウディア」の冒頭。
「♪ 恋をしていたのは去年の夏の頃さ」は必殺フレーズだよね。
「女流詩人の哀歌」では「♪ 今宵真夏の海辺で」と艶っぽく歌う。
「来いなジャマイカ」は南国ムード漂うサウンド。
「Just a Little Bit」は、これでアルバムが終わってしまうと言うよりも、夏が終わってしまうというような惜別の思いが込み上げる。
もちろん海のジャケットも印象的だけれど、どこを聴いても夏に回帰していくような曲ばかり。
今年も暑い夏。まだまだ続くよね。
サザン聴いて、楽しく夏を満喫しよう。
(2024.8.1)
『綺麗』
前作で一般層にまで強烈に夏のイメージを印象付けたサザンでしたが、このアルバムは秋のイメージなんですよね。
「EMANON」「NEVER FALL IN LOVE AGAIN」「星降る夜のHARLOT」、ちょっと冷たい空気を感じる曲が多いんだよね。ロック曲も然り。
僕だけの感覚でしょうか?
(2024.3.26)
サザンは夏のイメージを強くしようとしていたし、実際にリリースされたのも7月なんだけど、僕にとってはこのアルバムは秋のイメージなんだよなあ。
収録曲が割と地味目というか、上品でおとなしい感じの曲が多い。
デジタル・ビートとホーン・セクションで盛り上がるロック曲「マチルダBABY」でさえ、暑苦しい感じはしないし。
「赤い炎の女」はフルートが涼し気な音を立てているし、「星降る夜のHARLOT」の寂しい女性の心持ちもすきま風吹きすさぶ感じ。
「サラジェーン」という家出娘の気持ちも心寒いし、シングルの「EMANON」のAORなサウンドはしっとりなめらかで落ち着いた夜にピッタリ。
なにより、「NEVER FALL IN LOVE AGAIN」の出だし、
「♪ やけに9月の風が」
今は9月と言ったらまだ真夏のようなもんだけど、この頃の9月といったら涼しい風が吹いてた。
この切なく、むなしくなるようなバラードにはいつも、夏が終わり秋が来た時のなんとも言えない寂しさを実感させられていた。
というわけで、このアルバムは秋!
百歩譲っても、いつもと違う夏が終わる、そんな感じなのです。
(2024.8.13)
7月リリースだけど、熱く燃えたぎるような曲はあまり入ってなくて。
唯一シングルとなった「EMANON」がしっとりと滋味深いAORなのを筆頭に、落ち着いた味わいのアルバムは、秋から冬にこそ映えるイメージだ。
「星降る夜のHARLOT」は、ザ・ポリスのクールなレゲエ・サウンドを感じさせる。
愛しい人の亡骸に冷たいキスをした日に、身体を売る境遇の女性。
そうやって生きていくしかないのか。
寂しいながらもプライドは持ち続ける矜持。
負けてたまるか。
吐く息は白く、頬がひんやりと固まる中、街角に出る。
見上げた夜空には星が一杯。
(2024.12.4)
『人気者で行こう』
シンセ、デジタル、コンピューター。
進化するテクノロジーと生楽器との融合の試行錯誤は前作あたりから顕著でしたが、「ミス・ブランニュー・デイ」のヒットという形で結実したのは大きかった。
アルバム全体のパワーを感じます。
これで人気者で行けるねと。
(2024.3.29)
「海」は素晴らしい曲だ。
美しいイントロの調べが流れた瞬間、心を奪われるし、
冒頭の「♪ 移り気なアナタに」という一節から必殺フレーズ。
サビの「♪ SHA LA LA」もとてもキャッチー。
遠い夏の日を思い出す、乾坤一擲のバラード。
これをシングルとして出そうとしたのも納得できる出来栄えだ。
しかし。
この時、コレをシングルとしてリリースしなくて良かったなあと思う。
代わりにシングルとなったのが「ミス・ブランニュー・デイ」だからだ。
「チャコの海岸物語」の大ヒット以降、
「匂艶THE NIGHT CLUB」「Ya Ya (あの時代を忘れない)」「ボディ・スペシャルII」という強力なシングルを出したのに、お茶の間に浸透するには至らず、ちょっと方向性を変えて「EMANON」「東京シャッフル」を出したものの、やはり売り上げは低迷。
「東京シャッフル」なんて、紅白で歌われたというのに、知名度の低さたるや。
そんな流れの中で選ばれたのが、イントロのキーボードが近未来的で、デジタル・ビートのアッパーな曲「ミス・ブランニュー・デイ」だった。
これが、「♪ 割とよくあるタイプの君よ」と、時代の求めるものにマッチして、ヒットした。
ここでシングル・ヒットを出したことは、サザンにとっても大きかったと思う。
もう一度お茶の間層にアピールできたサザンは、翌年も「Bye Bye My Love」「メロディ」をヒットさせることが出来たし、安心して(?)活動休止期間にも入れることとなったのだから。
あの時リリースされたのが「海」だったら、こうはならなかっただろう。
「海」も素晴らしい曲だけれど、あのタイミングでは「ミス・ブランニュー・デイ」が大正解だったことは、誰もが認めるはずだ。
そんな2曲を筆頭にしたこのアルバムが、悪かろうはずがない。
ロック史における名盤として評価する者も多い。
(2024.8.21)
『kamakura』
当時からモンスター・アルバムと呼ばれてて、濃厚な2枚組。
実験・挑戦することとヒットさせることを両立させた初期サザンの到達点。
シングルの「Bye Bye My Love」「Melody」が変に突出することなく、他のアルバム曲と見事に調和してる。
満腹・満足感で一杯。
(2024.4.1)
『バラッド ’77~’82』
昔は、ベスト盤的な企画盤のカセットテープが売られていて、コレもホームセンターで見つけ、手抜き感満載のジャケットも合わせてパチモン感が強かった。
それがこんな人気企画盤になってシリーズ化するとはね。
サザンのバラードはこんなにいいんだぞと。
(2024.4.25)
当時はカセットテープだけの企画で、ベスト盤のようなものがよくリリースされてました。
サザンも例外ではなくて、レコード・ショップ以外のホームセンターなどでも売られてたんですよ。
しかもこの『バラッド』はこんなジャケットですから、正規品ではない、バッタモン臭が強くて、眉をひそめたものです。
この『バラッド』は、リリースされたばかりのシングル「Ya Ya (あの時代を忘れない)」を収録したカセットテープを作ろうと企画されたものでした。
でも、既にサザンのベスト盤的カセットテープはいくつか出てたので、単なるベスト盤ではつまらないということで、「Ya Ya」の世界観に合わせて、バラードだけのカセットテープを作ってみようということになったらしいです。
でも僕は、バラードよりもアッパーな曲の方が好きでね。
アルバムにしたって、バラードとアッパーな曲、両方あってこそ、その緩急が奥深さを生んでるんじゃないか、と。
だから、バラードだけのアルバムなんて、と軽視してました。
でも、そんな僕の意に反して、このバラード・ベストは大ヒットしてたと知りました。
カセットテープだけの突発的な企画物だったのが、公式アルバムに認定され、後にCD化もされ、第3作まで出る大人気シリーズとなりました。
僕も、だんだん、バラードだけのサザンもいいじゃないかと思えるようになり、何度も聴くようになりました。
定期的に聴きたくなります。
ていうか、今は毎日聴いてます。
サザンのバラードはいい!
シングルでしか聴けなかった曲も含め、初期5年間のサザンのバラードがびっしり詰め込まれているアルバムです。
だけど!
唯一、解せない点があります。
初期サザンのバラードをたっぷり集めたというのに、どうして「栞(しおり)のテーマ」が入ってないんでしょうか。
「いとしのエリー」に匹敵するバラードの名曲だというのに。
これはもう、大きな欠陥だし、画竜点睛を欠くと言ってもいいでしょう。
この曲を外した理由が知りたい。
桑田さんが重要な意図を持っての判断だったのか。
後にベスト盤『海のYeah!!』には収録されたので、桑田さんが嫌ってるとか、そういうのではないので安心しましたが。
ただ、この曲をちゃんと収録してれば、『バラッド』のクオリティも一段と上がって、完璧なものになってたと思うんですよね。
このアルバムを好きになればなるほど、その思いが強くなるんだ。
あ、解せない点はもう一つありました。
サザンのデビューは78年なのに、タイトルが『’77~’82』となってることですね。
これも、桑田さんからの公式見解はあったのでしょうか。
気になるところではありますよね。
(2024.9.1)
僕は「いとしのエリー」よりも「勝手にシンドバッド」の方が好きで、
「TSUNAMI」よりも「HOTEL PACIFIC」の方が好きで。
つまり、バラードよりもアッパーな曲の方が好きで、なんなら、バラードは苦手くらいに思ってた。
アルバムは、バラードとアッパーの両軸が緩急で攻めてくるから楽しいんであって、こういうバラードばかりを集めたアルバムって、退屈しないのかなあ、と。
だけど、最近は、バラードが沁みるようになってきた。
テンションを上げることを好まず、落ち着いた気分に浸りたい時もあるんだ、と。
歳を取ったのかな(笑)。
そんな時は『バラッド』シリーズは最適。
今年の夏は、ずいぶん聴いた。
サザンのバラードなら、退屈することなくずっと聴いていられる。
特に80年代は思い入れも深いので、沁み入り具合もハンパない。
誰がこの『バラッド』企画を考えたんだろうか。
素晴らしすぎる。
今ではホントにそう思う。
「朝方ムーンライト」
「ラチエン通りのシスター」
「Just A Little Bit」
「シャ・ラ・ラ」
「夏をあきらめて」
「わすれじのレイド・バック」
「Oh! クラウディア」
「働けロック・バンド」
「Ya Ya (あの時代を忘れない)」
「素顔で踊らせて」
うーん、とろける。
「愛する女性とのすれ違い」
「Bye Bye My Love」
「NEVER FALL IN LOVE AGAIN」
「鎌倉物語」
「海」
「夕陽に別れを告げて」
「シャボン」
「メロディ」
「Long-haired Lady」
「EMANON」
「悲しみはメリーゴーランド」
うーん、素晴らしい。
だけど、落ち着いた気分になりたくて聴いてたのに、だんだん熱くなってきて、一緒になって歌っちゃう。
結局、アッパーな曲を聴いた時と同じくらいにテンションが上がってる。
こうなると、目的が違うような気もするのだけど、音楽を聴くって、こういうことだよね。
どんなタイプの曲であれ、熱くなれるのが好きな曲の証だ。
(2024.10.4)
『BALLADE 2 ’83~’86』

大人気だったカセット企画盤をシリーズ化。
でも、前作は5枚のアルバムにシングルのみの曲も含めた中での選曲だったけど、今作は3枚のアルバムからの選曲。
なので、これはバラードなのか??と疑問に感じる曲がいくつか選ばれて、いささかムリヤリ感が。
(2024.4.28)
バラッドとは何ぞや、バラードとは何ぞやと、考えさせられるコンピレーション・アルバム。
前作『バラッド ’77~’82』が好評だったので、サザン活動休止の合間を埋めるアイテムとして続編が企画された。
しかし、前作はサザン初期5年間のアルバム5枚とシングル曲の中から厳選された曲で構成されいてたけれど、今作はその後の3年間。
アルバムは3枚しかないし、アルバム未収録のシングルもほとんど無い中で、2枚組のアルバムを作るという、なかなかに無理を感じる企画。
それ故、これってバラッド?と疑問に感じる曲も多く含まれるものとなった。
前作は、収録曲のどれもが、明らかにバラードの曲調のもので埋められていた。
だけど今作。
「あっという間の夢のTONIGHT」にビックリする。
あまりにアップ・テンポでワクワクする曲。
え、こんなにテンション上がっちゃうのって、そんな気分じゃないんだけど。
次の「Bye Bye My Love」もなんか違う。
その熱い気持ちはわかるけど、やっぱりテンポが速すぎ。
ヒット曲だから、アルバムを華やかなものにしたいと、売り上げを伸ばすためにムリヤリぶち込んできた感が滲み出てる。
「Please!」なんかも微妙だよなあと思ってたら、「JAPANEGGAE(ジャパネゲエ)」の強烈なビートには違和感しかない。
これらを入れることに抵抗がないんだったら、アルバム未収録の「Tarako」を入れたって良くない?と思ってしまう。
いやいや、バラッドとバラードは違うでしょ、だからいいんですという方もいらっしゃると思う。
そこで、小学館のカタカナ語辞典で調べてみた。
バラードを引くと、
「ポピュラー音楽で、ゆっくりしたテンポの叙情的な歌」とある。
そう、まさに。バラードとはこんなイメージだ。
それで、バラッドを引くと。
「バラードを参照」とある。
同じじゃん!
日本においては、バラードもバラッドも同じじゃん!
ちなみに、講談社の英和辞典でを引くと、
Ballad は「ゆるやかで甘い流行歌」
Ballade は「バラード」
と出ていた。
結局、バラッドとはバラードなんですよ。
そうなると、やっぱりこのアルバムのいくつかの曲に対する違和感は、やはり正当と言えよう。
だいたい、3枚のアルバムの曲で2枚組のバラード・ベストを出そうというところにムリがあった。
ただ、ムリある企画なんだけど、サザンの活動が一区切り付いてたし、好評だった『バラッド』の続編を出したいという思いを遂げるには、このタイミングで出すしかなかった企画でもあるというのも充分わかる。
じゃあ、どうすれば良かったか。
2枚組じゃなくて、1枚モノにすれば良かったんですよ。
01. かしの樹の下で
02. 愛する女性とのすれ違い
03. NEVER FALL IN LOVE AGAIN
04. 鎌倉物語
05. 海
06. サラ・ジェーン
07. 夕陽に別れを告げて
08. シャボン
09. メロディ
10. 女のカッパ
11. Long-haired Lady
12. EMANON
13. 星空のビリー・ホリデイ
14. 悲しみはメリーゴーランド
15. 旅姿六人衆
16. Dear John
ほら、スッキリするでしょ?
もちろん、1枚のCDの収録時間に余裕で収まる。
ていうか、2枚組だった現行のものでも、総時間は1時間20分なんだから、元々ギリギリ1枚のCDでも収まってたかもしれないくらいだ。
この87年の時点で、CDは割と普及してたし、やろうと思えば出来たはず。
でも、そうしなかったのは、前作『バラッド』が元々カセットテープの2枚組の企画だったから、続編のコレも同じようにカセット・CDとも2枚組にして体裁を合わせて、シリーズ化したかった、というところだろう。
でも、体裁を合わせることによって、バラッドの定義が曖昧になったのでは、本末転倒だったと言えるのではないかな。
そんな訳もあって、サザンの出すアイテムはみんな買ってた当時の僕も、この『BALLADE 2』は買う気になれなかった。
みんな持ってる曲だし、2枚組は高いし、って。
同じような思いのファンも多かったんじゃないかな。
実際、このアルバムは売れたのかしら?
調べてみると、リリース当時は30万枚行かなかったらしい。
前作の『バラッド』は60万枚近く売れてたみたいなので、半減だったということになる。
ただ、当時は買わなかったけど、今はサブスクの時代。
80年代のサザンはいちばん好きだし、バラードを聴きたい気分だな、という時には、このアルバムを聴いたりすることはある。
決して、悪いものではない。
基本的に、良い曲ばかりなんだしね。
ただ、これはバラードじゃないじゃん!と、いつもツッコミながらになるのはもう仕方ない。
ここでシリーズ化できたことで、次の『バラッド 3』にも繋がるわけだし。
重要な企画ではあった。
(2024.9.10)
しかしコレ、タイトルの年数が謎。
このアルバムに収録された曲は83年から85年に発表されたもので。
86年の作品なんて無い。
リリースされたのは87年だし。
だったら、
『’83~’85』
『’83~’87』
どちらかだったら納得もするのだけど、何故に’86なんだろう。
デビューは78年なのに、’77~と表記されてた前作もそうだったし、これらの数字には何か隠された深い意味があるのだろうかと勘繰ってしまう。
謎のバラッド・シリーズだ。
(2024.9.11)
『すいか』
レコードからCDへと時代が変わり、復活したサザンの総括的に出た4枚組BOX。
嬉しかったのは、シングルB面曲がかなり多く収録されてCDアルバムとして聴けるようになったこと。
圧倒的ボリュームのベスト盤として完璧。
トランクス&パンティはもちろん未使用のまま。
(2024.4.7)
シングルB面曲が多数収録されて嬉しかった。
「青い空の心 (No me? More no!)」は、狂おしいギターのイントロ、「♪ あの娘を感じさせてるぅ」から原坊のスキャッパドゥワのコーラスに心持ってかれる。
「♪ 勝手なぁ 俺の気持ちをサイダァ」が切なくて熱い。大好き。
(2024.6.25)
1980年のサザンのシングルは充実してた。
5ヶ月連続リリースのうち、「いなせなロコモーション」「ジャズマン」「わすれじのレイド・バック」、その後の両A面「シャ・ラ・ラ」「ごめんねチャーリー」はアルバム未収録だったので、その流れを追体験できるのがいいんだ。
(2024.6.28)
このBOX、シングルB面曲をたくさん拾ってくれて嬉しかった。
「シャッポ」も隠れた超名曲。
爽やかなメロディで桑田さんはファルセット多用。サビの開放感がなんとも心地よい。
作詞作曲が桑田さんじゃなくてサザン名義なのがとても興味深いところ。
(2024.7.10)
「東京シャッフル」 はアルバム未収録。ベスト盤にも入らない。
でも埋もれさせるには惜しい。
ジャズと歌謡曲がデジタルで融合し、八木正生の弦管アレンジが混沌とした昭和20年代風の盛り上がりを演出。
実は紅白で歌われた曲だってのは、胸張っていいんじゃない?
(2024.7.14)
「みんなのうた」の「♪愛を止めないで」の歌い出しは、桑田さんにしては言葉数少なく、がなりたててるなあと感じた。今までのシングルと違うぞと。
でも、「♪みんなで空高く」の所から一気に雰囲気が変わって。
力強いロックからポップへと変動を遂げる。
ノリ良くキャッチー、爽快感のあるサビに、新しいサザンを見た。
活動休止からの見事な復活劇に安堵した。
でも、ライヴでこんなに盛り上がる定番曲になるとは思わなかったなあ。
(2024.7.20)
「おいしいね 〜傑作物語」。
隠れた名曲がここにも!
ドーナツ盤のA面「みんなのうた」も良かったけど、B面のこの曲の方が気に入って何度も聴いてた。
産業ロックに振り回される桑田さんの、本音? 切ないブルースを感じてた。
「♪おいしいね そりゃ見事だね」って、今でもよく口ずさんだりしてる。
「♪業界不惑」を「ファック!」と歌うのがカッコ良くて。
発売翌年にBOX『すいか』に収録されたのは嬉しかったし、初めて行ったサザンのライヴ『葡萄ツアー』で、まさか生で聴けるとは! 2015年にもなって、こんなレアな曲を採り上げてくれるなんてと感動したものだよ。
桑田さんにも思い入れある曲なんだとわかって嬉しかった。
(2024.7.23)
「Tarako」
「ミス・ブランニュー・デイ」がヒットした勢いで、かねてから憧れだった英語詞に挑戦。
でも売れなかったね。やっぱり日本では英語詞をヒットさせるのはムリだったのか。
そもそも、日本語を英語のように発音してメロディに乗せるのが桑田さんの真骨頂なわけで、正面きって英語で歌うのは個性を消す矛盾を孕んでたのかも。
でも、曲は大好きなんだけどな〜。イントロからカッコいいし、デジタルビートのドラムもノリ良く、切なくも引き締まったメロディもたまらない。
日本語で歌ってたらどうなってたんだろう。
(2024.7.17)
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