ビートルズ おすすめアルバム・レビュー集 Vol.2

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The Beatles Song Ranking ジョン・レノンの30曲

ビートルズの『1』には、好きな曲があまり入ってない、と書いたけど、じゃあ、どんな曲が好きなのか?という疑問に勝手に応える形で。
メンバー別に、好きな曲のランキング。

ジョン・レノンの30曲

第01位 I’m Only Sleeping
第02位 Hey Bulldog
第03位 Happiness Is A Warm Gun
第04位 Revolution
第05位 I’ll Be Back
第06位 Yes It Is
第07位 The Ballad Of John And Yoko
第08位 A Day In The Life
第09位 Wait
第10位 Not A Second Time

第11位 You Can’t Do That
第12位 Being For The Benefit Of Mr. Kite!
第13位 The Word
第14位 It Won’t Be Long
第15位 All I’ve Got To Do
第16位 No Reply
第17位 Come Together
第18位 Strawberry Fields Forever
第19位 Everybody’s Got Something To Hide Except Me And My Monkey
第20位 There’s A Place

第21位 I Want You
第22位 Because
第23位 This Boy
第24位 Eight Days A Week
第25位 Any Time At All
第26位 Ticket To Ride
第27位 Good Morning Good Morning
第28位 She Said She Said
第29位 Sexy Sadie
第30位 If I Fell

基本的に、中期から後期の方が好きな僕。ランキングにもそれが表れているね。
ビートルズ時代で言うと、僕は圧倒的にジョン派。ソロ活動になったら別の話なんだけどね。
ジョンは早熟の天才だよね。ビートルズを引っ張って行ってたのは間違いなくジョンだった。
ベストテンは不動の10曲。
下位はその時の気分で順位は入れ替わったりもするけれど、それでもたまらなく惹かれてしまう曲ばかり。
泣く泣くこの30曲から漏れた曲もある。

(2024.10.9)

The Beatles Song Ranking ポール・マッカートニーの30曲

ビートルズの『1』には、好きな曲があまり入ってない、と書いたけど、じゃあ、どんな曲が好きなのか?という疑問に勝手に応える形で。
メンバー別に、好きな曲のランキング。

ポール・マッカートニーの30曲

第01位 Your Mother Should Know
第02位 You Never Give Me Your Money
第03位 The Long And Winding Road
第04位 Hello Goodbye
第05位 Golden Slumbers
第06位 Drive My Car
第07位 Honey Pie
第08位 Martha My Dear
第09位 Two Of Us
第10位 Things We Said Today

第11位 Back In The U.S.S.R.
第12位 I’m Looking Through You
第13位 All Together Now
第14位 I Will
第15位 Birthday
第16位 Rocky Raccoon
第17位 Magical Mystery Tour
第18位 We Can Work It Out
第19位 For No One
第20位 Lady Madonna

第21位 Ob-La-Di, Ob-La-Da
第22位 Let It Be
第23位 Day Tripper
第24位 What You’re Doing
第25位 I’ve Just Seen A Face
第26位 Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band
第27位 Fixing A Hole
第28位 Another Girl
第29位 Getting Better
第30位 She’s Leaving Home

基本的に、中期から後期の方が好きな僕。
ランキングにもそれが表れているね。
好きな曲がありすぎるジョンと違って、こちらポールは30曲並べるのはちょっと苦労したかも。
超有名曲「Yesterday」や、みんなが大好きな「I Saw Her Standing There」とか「All My Loving」とか「Can’t Buy Me Love」、「Hey Jude」までも入らない...。

それに、ポールの曲と言っても、「All Together Now」とか「We Can Work It Out」なんかは、特に好きなのはジョンのパートだったりするわけで、やっぱり僕はビートルズ期においてはジョン派だなあ、と。
でも、そんなポールだけど、ソロ活動となると、4人の中では一番好きなんだよね。
だからもちろん、ポールだって大好きさ。

(2024.10.12)

The Beatles Song Ranking ジョージ・ハリスンの10曲

ビートルズの『1』には、好きな曲があまり入ってない、と書いたけど、じゃあ、どんな曲が好きなのか?という疑問に勝手に応える形で。
メンバー別に、好きな曲のランキング。

ジョージ・ハリスンの10曲

第01位 While My Guitar Gentry Weeps
第02位 Long, Long, Long
第03位 I Me Mine
第04位 I’m Happy Just To Dance With You
第05位 Savoy Truffle
第06位 Taxman
第07位 Don’t Bother Me
第08位 Only A Northern Song
第09位 Old Brown Shoe
第10位 It’s All Too Much

ベストテンに「Something」や「Here Comes The Sun」が入らないところが僕らしいかもしれない。
やはり珍しい?
ありえない?
もちろん素晴らしい曲だとは思うけど、個人的には他にもっと好きな曲があるんだよ、ということ。
「I’m Happy Just To Dance With You」はジョージが作った曲じゃないけど、大好きでねえ。
でも、これをジョンの曲のランキングに入れるのは抵抗があるし、青いヴォーカルのジョージの魅力もあって、やはりこれはジョージの曲でしょ、と入れてみた。

(2024.10.15)

The Beatles Song Ranking リンゴ・スターの1曲

ビートルズの『1』には、好きな曲があまり入ってない、と書いたけど、じゃあ、どんな曲が好きなのか?という疑問に勝手に応える形で。
メンバー別に、好きな曲のランキング。

リンゴ・スターの1曲

第1位 Good Night

ジョンとポールが30曲、ジョージが10曲と来れば、比率的にリンゴは1曲だよね(笑)。
ていうか、僕にはこの1曲しかないと思えるくらいダントツなのがコレ!
リンゴの曲は、とぼけたロックンロールか童謡みたいなものがほとんどだけど、この曲は、リンゴの優しさが滲み出てる素晴らしい曲。
ジョンがリンゴのために素敵な曲を書いてくれた。

(2024.10.17)

『The Beatles 1 +』

『1』という、ビートルズのベスト盤、00年にリリースされた時、日本で300万枚も売れたんだってね。そんなに売れてたとは驚きだ。
だって、僕はまったく興味を持てなかったアルバムだから。
理由は簡単。
好きな曲があまり入ってないから(笑)。

いやいや、そう言うと語弊があるかな。
もちろんビートルズだから、好きは好きなんだけど、ビートルズ全楽曲の中では僕的に優先順位の高くない曲ばかりというか。
だから、僕にとっては、「ベスト盤」とは言えなくてね。
そもそも、既に持ってる曲ばかりなわけだしさ、わざわざ買ったりはしなかった。

でも、これだけ売れたというのは、ビートルズ初心者がたくさん飛びついたんだろうし、ビートルズ・マニアは「ビートルズのものならすべて持っておきたい」という人が多いから、その結果なんだろう。

それにしても、この選曲がはたしてベストか。
ベスト盤の選曲については、人それぞれ意見が分かれてキリがないから、「チャートで1位を獲った曲」というコンセプトを作ったのは仕方ないとも言えるし、なるほど、そういう切り口があったかという驚きもあった。
でもその結果、「Strawberry Fields Forever」が収録されないという致命傷を持つものとなってしまった。
手軽に1枚でビートルズを振り返る事ができるという意味では、やはり超初心者向けで、それなりのビートルズ・ファンにとっては、それほど大きな魅力を感じないアルバムだったんじゃないか?と今でも思っている。

そして、ついにビートルズのMV集が出ると聞いて嬉しくなったけど、でもそれはそんな『The Beatles 1』との抱き合わせだと聞いて、複雑な気分に。
どうしてそんなに『The Beatles 1』をプッシュしたがるんだろうかと。
まあ、リリースから15年経ってたし、さらにビートルズに興味を持ちそうな初心者も見込まれるから、その人たちのためにはいい商品かもしれないけどさ。

『The Beatles 1』との抱き合わせにしたのは、おそらく注目度を考えての事だろうね。
単純にDVDだけのMV集というのは、注目度が低いと考えたのだろう。
CDが売れなくなってるとはいえ、チャートのランキングでは、注目されるのはやはり、今でもDVDチャートよりCDチャート。
ビートルズの新しい商品が出ましたよ、これだけ売れてますよと大きくアピールするには、DVD単独ではなくて、CDありきの方が都合いいのだろう。
そんな思惑が透けて見えるリリースとも思えた。

僕は大いに迷った。
相変わらずCD『The Beatles 1』は興味を持てないけど、所有してるわけではないから、これを機に買うのは抵抗はない。同じCDを2度買うわけではないからね。

で、このMV集というのがね。
僕は基本的に、あまり映像を熱心に観る方ではないから、きっと2、3回観たら満足しちゃってそれっきりなんだろう。
それに大金を払うのはちょっと...と。

でも、また小賢しいのが、初回限定盤に、ボーナス・ディスクを付けてる所だよね。
ファンにとって興味がいくのは、むしろこのボーナス・ディスクの方になったりするとも言えて、僕にとっても大好きな「Revolution」「Hey Bulldog」「Strawberry Fields Forever」がこのボーナス・ディスクの方にあるわけで、このボーナス・ディスクを手に入れるには、初回限定盤を買わなくては駄目ですよ、という事だ。

後では手に入らない。
またこんなズルイやり方。
CDとの抱き合わせにしたり、限定盤のボーナス・ディスクなんて方法にしないで、DVD2枚組の通常盤で、もっと安く提供してくれていたら、どんなに嬉しかった事か。

そんな複雑な思いが充満して、すぐに購入する決心がつかなかった。
僕にはDVDとブルーレイの画質の違いがよくわからなくて、うちのブルーレイ・プレイヤーが悪いのかTVが悪いのか、ブルーレイ・ディスクを再生しても、「ああブルーレイは綺麗だなあ、DVDとは違うなあ」と感じた事がなくて、だったらDVDでいいやと思ってるので、買うとすれば安いDVDの方なんだけど。
それでも定価では9000円と高額で、Amazonで値引きされていても7500円くらいした。

輸入盤なら5000円くらいで、MV集だからセリフはほとんど無いだろうから、字幕は必要ないと思い、そのくらいの値段なら輸入盤の方が魅力的と思ったんだけど、DVDなので、仕様がリージョン・フリーなのか、またはフリーだったとしてもNTSC方式なのかPAL方式なのかの問題もあって。
その辺の仕様の情報が発売前にはまったく届かなくて。

悩んだ末、不安な輸入盤には手が出せず、結局初回限定盤のCD+2DVDの国内盤デラックス・エディションを買う事に決めた。

コレは、単なる再発ではなくて、ジャイルズ・マーティンによるリミックスが施されてるとの事。
これはちょっと楽しみではあったのだけれど。
でも、ネットでファンの意見を見ると、賛否が分かれてるようだね。

「現代の音に生まれ変わって聴きやすくなっている」
「若い人にも受け入れられる音だ」

というような意見が多いものの、

「こんなのはビートルズの音じゃない」
「こんな覇気のない音は2度と聴きたくない」

などの意見も見られて、ホント人それぞれだなと。

で、僕はどうかと言うと。
僕のショボい耳では、音がどう変わってるのかなんて全くわからなかった(笑)。
飛躍的に良くなったとも思えなかったし、かと言って違和感があるほどビートルズの音じゃなくなってるようにも思えなかった。
つまり、良くなっても悪くなってもない、いつものビートルズがそこにあっただけという感じで、感動はまったくなかった。

『Yellow Submarine Songtrack』の時のリミックスは僕でもわかって、カッコ良くなってると感動したんだけどね。
期待してたけど、今回は感動できなかったのが残念。

賛否両論意見を戦わせてるファンの皆さんは、どうしてそこまで音の違いに敏感なのだろうか。
いかに僕の耳がショボいかという事でもあるんだろうけど。

それにしてもこのCD。
「さあ、ビートルズを聴いてみよう!」と意気込んだビートルズ初心者が、初めに耳にするのは「Love Me Do」...。
そりゃあ、記念すべきデビュー・シングルだけどさあ、数あるビートルズ楽曲の中では凡曲の部類に入ると思うんだよね。
初めてビートルズを聴く人も「ビートルズってこんな感じなの?」と脱力するんじゃないだろうか。
このベスト盤の1曲目が、瑞々しい「Please Please Me」だったらどんなに良かった事か。

やっぱり1枚にビートルズを凝縮するのって難しいね。
赤盤・青盤の表面だけをすくった感じで、かえって内容が薄いのでは?と気になってしまう。
ビートルズはこんなもんじゃないですよ、と言いたくなってしまう。
ただ、やはり初心者が気軽に手を出すにはこれしかないとも言えるわけで、これを聴いた多くの人が、どんどんオリジナル・アルバムにまで手を伸ばしていってくれる事を切に願う。

とりあえず3回くらい聴いたけど、僕はもうしばらく聴かなくてもいいかなという感じ。
まあ、僕のお目当てはDVDだったので、まあ、いいんだけど。

さて、肝心の映像の方。
DVD(Disc1)を観た感想を。

「From Me To You」
MVなんて、すべてレコード音源の口パク映像なんだろうと思ってたけど、この曲はライヴ音源&映像で、この調子なら、このMV集にはかなり期待できるんじゃないか、とワクワク感が高まって軽く興奮。

「I Want To Hold Your Hand」
この曲は抜群のノリで、エレキ・ギターでぐいぐいリードするイメージだから、ジョンとジョージが二人ともアコギを抱えてるのがなんとも違和感。

「Can’t Buy Me Love」
ポールの曲だというのに、映るのはジョンのアップばかりで、これまた大いに違和感。
ビートルズのリーダーはジョンだから、ジョンを映しとけばOK的な発想だったのであろう撮影スタッフのバカさ加減に呆れる。
ジョンもジョンで、一生懸命口ずさんでるんだよね(笑)。
だからカメラもジョンに注目しちゃってる。ジョンの声なんてほとんど聴こえてないのに。

「A Hard Day’s Night」
サビでヴォーカルがポールにチェンジする時に、「次はお前の番だ」とばかりにポールを指差すジョンがカッコいい。

「I Feel Fine」
やっつけ仕事的な映像だけど、自転車漕いでるリンゴがラストで手離しになる所が可愛い。

「Eight Days A Week」
ライヴを見守るブライアン・エプスタインの姿が凛々しくてカッコいい。

「Ticket To Ride」
この曲はね...映画『Help!』の映像が印象強くてさあ。
雪山に持ち込んだピアノの上に顔乗せたり、スキーしたり、あっちの方がずっといい。
これは白黒だし、なんの工夫もない手抜きMV丸出しって感じで。

「Paperback Writer」
白黒の手抜きMVがいくつか続いた後、ここでいきなりカラーで鮮明に綺麗なMVになるのにハッとさせられる。
最近撮影されたものかとも思えちゃうくらい鮮やか。

「Yellow Submarine」
僕はあのアニメ映画は大好きでねえ。
これはその映画のダイジェスト版といった感じで、また映画が観たくなってしまう出来。

「Eleanor Rigby」
これまたアニメ映画から。
映画の冒頭でこの曲のシーンがあったけど、あれとどう違うのだろうか?
印象的にはまったく同じ。

「Penny Lane」
気付くのは、床屋さんの店頭のクルクルが、日本と違って赤白の2色で、青がないんだなあ、という事。
好きなのは、4人が横一列に並んでリズムをとってる所を一人一人パンしてのアップ。
この時のジョンの顔がかなりコミカルで笑える。

「Hello, Goodbye」
これはビートルズのMV史上最高傑作の一つ。
シンプルだけどカラフルなイメージが華やかで素晴らしい。
映像が鮮明になりすぎて、ポールの青髭が目立つ。
ジョンがギターを背中に回してカメラを指差すシーンが恐ろしくカッコいい。
ポール曰く、これはプレスリーの真似だという事だけど。
それにしても、前曲の「Penny Lane」の顔と大違いのジョンがカッコいい。
目が悪いのに眼鏡をしてないから、ぼやけた眼つきになってるのが余計にカッコいい。
ジョンはこの後、長髪に丸眼鏡でどんどんダサいおじさん化していくので、最後の雄姿とも言えるか。
「♪ ヘイラ、ヘイヘラ」と曲が盛り上がってきて、ポールが後ろ脚でトントントンとリズムを取ると、それを見たジョンが真似するシーンが好き。

「Lady Madonna」
この映像は「Hey Bulldog」のレコーディング・シーンだとわかった今では違和感しかない。

「Hey Jude」
演奏前の司会者とのやりとりまで収録してるのが面白い。
ジョンのカラーの無いシャツに蝶ネクタイがなんとも気持ち悪い(笑)。

「Get Back」
映画『Let It Be』からの映像。
折角のルーフ・トップ・コンサートの映像なのに、音源はレコード音源でガックリ。
この時のライヴは4人だけじゃなくて、ちゃんとビリー・プレストンもいたんだなあ、と発見させられた。
それにしてもこの頃のポールは髭モジャで太って見えて貫禄ありすぎ。

「The Ballad Of John And Yoko」
この曲は、以前は、地味で平坦な駄曲、どうしてこんな曲がシングルになったんだろうと批判的に思ってた。
でも、「この曲はドライヴしながら聴くのにピッタリ」という話を聞いて、僕は車の運転をしないにもかかわらず、ああ、たしかにドライヴにピッタリだなあと思ってからは好きになってきて、今ではビートルズ・ソングの中でもかなり上位になったお気に入り曲。
このノリ、たまらない。
MVでは、タイトル通り、ヨーコが前面に登場。

「Something」
メンバーがそれぞれのパートナーと共に過ごす姿が映されていて、こうなるとパティの可愛さが引き立って、他の3人は分が悪いとの記事をどこかで目にしたけれど、正直言うと、ここでのパティはあんまり可愛くない。眉毛薄いし。
パティはもっともっと可愛いはず。
それから、ブスだブスだと言われてるヨーコだけど、実は僕はヨーコは結構美人だと思ってるんだよね。
結構ヨーコ肯定派なんだ、僕は。

「Come Together」
最大の問題作がこれ。
本人たちも出てない、しかもビートルズ活動当時に作られた物ならいざしらず、最近になって作られたアニメMV。
しかもこのアニメ、相当にレベルが低く、メンバーがちっとも似てないし。
こんなのを正式なMVとして本編に入れるのはどうかと思う。
この作品の通常盤にはこれがずっと残るんだよ?
「Strawberry Fields Forever」や「Revolution」を差し置いて、これが通常盤の本編に入ってるんだよ?
こういうものこそボーナス・ディスクでしょうよ、オマケ作品でしょうよ。
『1』という作品コンセプトにした大きな弊害がここに表れている。

「The Long And Winding Road」
「Get Back」も「Let It Be」も折角の映画の映像なのにレコード音源だとガックリきてたら、最後のこの曲だけ映画と同じ音源だった事に感動。
フィル・スペクター・オーケストラが入ってないシンプル・ヴァージョンね。
こういう事ができるなら、どうして他の曲もそうしなかったのかと。

パッケージのクレジットには、収録時間には106分とあったから期待してたんだけど、結局80分程で終了。
106分というのは、ポールとリンゴのコメンタリー収録分も含めた時間なのだろう。
これはインチキ表記だ。
水増しなんかしないで、ちゃんとした本編時間を表記すべきだ。

それから、ネットでの意見で、曲と曲の間の、曲タイトルを表すアニメーションが長くてイライラしたという話をあちこちで見かけてたので、どんだけ長いんだろうと不安に思いながら観たけど、たったの3秒くらいで、曲タイトルの表示時間としては適正な時間と思われる。
みんな、この程度の時間も我慢できないでイライラするの?と不思議に思った。
僕はまったくストレス感じる事なく観れた。

いよいよDVD、肝心要のボーナス・ディスク。
こちらの映像の方が目当てで買ったと言っても過言ではない。

「Baby It’s You」
「Words Of Love」
僕はアルバム『At The BBC』のジャケットがカッコ良くて大好きなんだけど、その時の彼らが実際に動いてる姿に感動。
これらはその『BBC』リリース時に作られたMVらしく、特に4人で横にステップ踏むシーンが好き。

「Please Please Me」
いかにも初期の正当派のライヴ映像という感じ。
どうやら『エド・サリバン・ショー』かららしく、だからかな?さすがの出来。

「I Feel Fine」
ただ4人がフィッシュ&チップスを食べてるというだけの映像でつまらない。
最後にポールが美味しそうに微笑むのが可愛いけど。

「Day Tripper」
この曲、3ヴァージョンもあるのかとビックリ。
どれもやっつけ仕事の当て振りで...。

「We Can Work It Out」
ジョンの弾くピアノに置いてあるのは、楽譜じゃなくておっさんの変顔だという事が判明、シュールでウケる。

「Paperback Writer」
僕は、アルバム『Revolver』の裏ジャケに使われた写真が好きなんだけど、この時このMVを撮影してたのかと。しかもカラーで。
4人ともサングラスをかけていて、特にジョンの細くて小さい、黄色いサングラスがカッコいい。

「Rain」
Disc1に入ってた「Paperback Writer」のMVと同じ日の撮影なんだろうね、雰囲気が同じ。

「Rain」
もう1つの「Rain」は白黒でスタジオ・ライヴ風。

「Strawberry Fields Forever」
これはビートルズの代表的なMVと言っていい。
これがボーナス・ディスク収録だなんて。
昼と夜、幻想的な雰囲気が曲調と相まって素晴らしい。

「Within You Without You/Tomorrow Never Knows」
大胆なリミックスと、曲の合体をさせたアルバム『Love』のリリース時に製作されたMV。
僕は曲の合体なんて邪道だと思ってるから『Love』は持ってないんだけど。
ジョージの曲が基本線で、インドの宗教的なイメージ映像。

「A Day In The Life」
スタジオで何かが始まるのを待っている時の映像という感じ。
ビートルズのメンバーよりもオーケストラが印象に残るし、ストーンズのミックやキースが映っていて、いったい何が始まるのを待ってるんだろうと気になって仕方ない。

「Hello, Goodbye」
Disc1の正式MVはサージェント・ペパーズのお揃いの衣装だったけど、これは私服というか(しかも派手)、衣装が違うので、リハーサル風な感じ。

「Hello, Goodbye」
この曲の3つ目のMVは、2つのヴァージョンの撮影風景をごちゃまぜにした感じ。
メンバーのテンションがかなり上がっていて、特にジョンのツイストが切れまくりでウケる(笑)。

「Hey Bulldog」
このMVを初めてネットで観た時、この曲のレコーディング風景を撮影してたものがあったのか、とビックリしたもんだった。
僕は名曲だと思ってるけど、なんせオリジナル・アルバムと呼ぶには抵抗がありそうな『Yellow Submarine』に収録されてる、シングルでもなんでもない地味な存在感の曲だからね。
わざわざ撮影をしてるなんてと驚きだった。
ジョンとポールがひとつのマイクの前で歌詞カードを見ながら、紛れもなくこの曲を歌う様を観ては興奮を抑えきれないのだった。

「Hey Jude」
Disc1に収録のヴァージョンとどこが違うのか。数回観ただけではわからないや。
演奏前の司会者とのやりとりはたしかに違う。
司会者が渋く決めて曲紹介した後にジョンがふざけるという流れは同じなんだけど。

「Revolution」
これはなんと言っても一番好きなMV。初めて観た時はブッとんだ。
たしか、初めて観たのは高校生の時、ファンクラブの上映会イベントで、眠くなりそうだった所でこの映像が流れて眠気が吹っ飛んで興奮したのが忘れられない。
それ以来、この曲を爆音で聴くのが快感、イントロのギターには痺れるよね。
そしてこのMVでは、ポールとジョージがシュビドゥワ・コーラスを付けてるのがいいんだ。
ホワイト・アルバムの「Revolution 1」でもシュビドゥワ・コーラスは入ってるけど、あれはスロー・テンポだからね。
アップ・テンポのこのヴァージョンにシュビドゥワ付けてる所がたまらないんだ。
演奏はカラオケみたいだけど、生で歌ってるので臨場感とドライヴ感も抜群。

「Don’t Let Me Down」
これはルーフ・トップ・コンサートの映像で、ちゃんと音源もレコードからじゃなくてライヴ音源になってるのがいい。
ルーフ・トップ・コンサートで演奏された中では一番好きな曲かな。
だからこの収録は嬉しい。

「Free As A Bird」
初めてTVでオンエアされた時、感動したのを憶えてる。
飛んでる鳥の視点になっていて、まるでワンショットで撮影されたかのように滑らか。
ビートルズの映画を初めとして、関連する曲やアルバムが小ネタのように挿入されているので、まるでビートルズの歴史を追いかけている様な映像。
曲そのものも好きで、ジョンの作った曲にポールが足して作ったサビのメロディが素晴らしく、2番ではそのパートをジョージに歌わせている所もニクい。

「Real Love」
「Free As A Bird」と同じコンセプトで作られた曲で、この『アンソロジー』プロジェクトは、紛れもないビートルズ再結成だった。
このわずか数年後にジョージは亡くなってしまうわけだから、ホント、この企画が間に合って良かったなと。

かなり期待してたDisc2だったけど、それほどでもなかったかな(笑)。
まあ、もちろん、通常盤として後世に残るDisc1に入れるべきだったと思っている、何曲かの大好きなMVもいくつかあったんだけど、全体的には、やはりボーナス・ディスクらしい、おまけ感が漂ってたからね。
期待してたほど凄かった、ってわけではなかった。

というわけで。

やっぱり、何年か経って、ビートルズ初心者がビートルズのMV集が欲しいと思った場合、手に入れられるのは、この『The Beatles 1 +』の通常盤なわけで、それには「Strawberry Fields Forever」も「Revolution」も入ってないので、やっぱりそれはどうなのよ、と思ってしまう。
だから、これは、『The Beatles 1』というコンセプトを、MV集にまで持ち込んだのがいけなかったと思う。

ベスト盤のCDは、まあ、いいんだよ。
選曲を考え出したらキリがないから、1位を獲った曲だけを集めました、ってのは、CDの企画としてはアリだ。
でも、そのコンセプトでMV集を作ったのは駄目だ。商品として中途半端になった。
初回限定盤でしか手に入らない部分まで作り出してしまった。
1位を獲ったとか、そんなんじゃなくて、もっと純粋に、出来のいいMVをDisc1にまとめて、あとは別ヴァージョンや、レア物や、解散後に作られた(メンバーがあまり関わってない)物をおまけとしてボーナス・ディスクにすれば良かった。
それで、CDとの抱き合わせなんかで価格を上げたりしないで、DVD2枚組で5000円以下の、未来永劫いつでも手に入れられる通常盤としてリリースした方が、ずっと良かったんじゃないか?と。
ファンの本当に望む形でのリリースになってますか?と問いたいよ。

このMV集に関しては、ファンからは「今まで飽きるほど観てきたビートルズのMVだけど、それがこんなに綺麗になってるなんて感動」的な声が多いんだよね。
僕が不思議に思うのは、みんな今までどこでビートルズのMVを目にしてたんだ?という事。
DVDはおろか、ビデオテープの時代でさえ、ビートルズのMV集なんてリリースされた事はないわけだから。
TVでオンエアされたりした事があったのだろうか?でも、そんな番組なんて、僕がビートルズを聴き始めてからほとんどなかったように思う。
海賊版ビデオとかだろうか?
公式サイトにアップされてたの?
それともYou Tube?
そもそも映像にあまり興味がない僕だから、映画や『アンソロジー』等のよほど有名な作品以外は目にしなかったから、ビートルズのMVなんて観る機会は今までほとんど無く、MVがこんなに作られていた事にビックリしているくらいで。
だから、今回の作品の『こんなビートルズ、見たことない』というのは僕にもたしかに当てはまっていて、7~8割が観た事ない映像だった。
そういう意味では、充分に買って良かった、と言えるんだけどね。

(2024.10.8)

『Sgt.Pepper’s Lonely Hearts Club Band (50th Anniversary Edition)』

ビートルズの名盤50周年記念リミックス。
僕にも音の違いがわかるか。

「Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band」
よりヘヴィな幕開けになって、サイケなリード・ギターのフレーズもくっきりはっきり、ベースの重低音も体にズンズンと響いてくる。
ポールのリード・ヴォーカルが真ん中で、コーラスが左右から広がりと奥行きをもたらして優しく包み込むように聴こえる。

「With A Little Help From My Friends」
ベースがくいっくいっと弾かれて聴こえて心地良い。
今まではいつもB面にやっとこ登場してたリンゴの歌が、早くも2曲目に登場する、って所がこのアルバムの特徴でもある。

「Lucy In The Sky With Diamonds」
この曲は、これと言った変化を感じなかったなあ。

「Getting Better」
イントロのギターの跳ね具合がより強力になった。
それに負けじと動き回るポールのベース・ラインも聴きどころ。
ジョンのファルセット・コーラスのかすれ具合もよく聴こえる。

「Fixing A Hole」
各楽器を張り切って弾いているのがわかるし、コーラスも含め、アンサンブルと言うか、バンドで演奏している感じが伝わってきて、良さを再確認したと言うか、今までこの曲をなめてたと言うか、ここまでいい曲だったっけ、と認識を新たにした。
ラストのポールのヴォーカルも切ない。

「She’s Leaving Home」
モノ・マスターを基本としているので、ピッチが速いらしい。
そういえば、ポールの声がやや高い気はする。
でも、言われなければ僕にはよくわからないレベル。
『Sgt.Pepper』はポールのアルバムと言われているけれど、そのポールの曲でも、こうやってジョンがカウンター・メロディを歌ってるのを聴くと、「ああ、ジョンもポールをしっかりサポートして、やる気があるんだな」とわかる。

「Being For The Benefit Of Mr. Kite!」
ある意味、このアルバムのサウンドを一番象徴しているのがこの曲だと思ってたから、今回のリミックスで、どんな風に生まれ変わっているのか、1番楽しみにしていたのだが...イントロが始まった途端、その期待を裏切らぬ音像に感動したよ。
ギューッと胸を締め付けられた。
ドラムのハイハットとかベースの音とか迫力がある。
まあでも、間奏とエンディングのサーカス風のサウンド・コラージュは、驚くほど煌びやかって事にはなってなかったけど、これは意図的に、派手になりすぎるのを避けたようにも思える。

「Within You Without You」
ジョージのインド趣味の極致で、このアルバムの中では少し退屈...と思ってたんだけれど、今回聴いてみると、意外と悪くないというか、このアルバムでも重要なサウンドの核を担っているのではないか?と思えてきた。
この曲がこのアルバムに収録されている意味をよく考える必要があると思う。
この曲はいらない、というのは暴論。
最後の笑い声も左右から大きく聴こえてきて、まさしくバンドの演奏を聴いた観客が笑っているかのようだ。

「When I’m Sixty-Four」
単なるポールのほのぼの音楽...と思ってたら大間違いで、演奏は意外と迫力あって驚いた。

「Lovely Rita」
リズムの核となっているベースとアコギの音が前面に出ていて軽快かつ爽快。
間奏のバロック調のピアノも良い。
そして明るい曲調が終盤で怪しいものとなって、呻き声が聴こえてくる展開も改めてスリリング。

「Good Morning Good Morning」
これはなんと言っても、リンゴのドラムが聴き所となった。
多彩なドラミングに耳を傾けているだけで面白い。
で、ブラスが印象的なのはもちろんなんだけど、ギターのフレーズが意外とサイケだったのにも気付く。
「♪ I’ve got」のメロディがやっぱり気持ちいい。
終盤の動物たちが駆け抜けていく様も迫力がある。

「Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band (Reprise)」
終盤、ポールがアドリブで叫んでいるのが聴こえてきたのにビックリ。
今までこんなヴォーカルが入ってたの気付かなかったよ。
まるで新しく録り直したのかと思ってしまうような発見だった。
これだけでも興奮。

「A Day In The Life」
1回目のオーケストラの盛り上げが終わった後の、ピアノとベースとドラムがたたき出すリズムにワクワクする。
エンディングの音がだんだん小さくなっていく中で、前は耳をそばだてないと聴こえなかった、床の軋む音が、今回は意識してなくてもはっきり聴き取れる。

このリミックス盤。
奥行きがあり、煌びやかで、美味しい所がハッキリ聴こえる。
今までよりも1列前に出てきて演奏しているような。
これが50年も前に作られたサウンドかと思うと、たしかに凄くて、最近作られたものと言われても違和感がない。
サイケではあっても、全体的には優しい印象を受けるサウンドなのが不思議。

【Disc 2】は、デモ音源に加えて、「Strawberry Fields Forever」と「Penny Lane」のリミックスも入ってる。

「Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band」
サイケなリード・ギターのフレーズがないのがなんとも寂しい。
でもそれが却って未完成感を際立たせていて、生々しく感じるかな。
終盤のアドリブ的な演奏とヴォーカルは興味深い。

「With A Little Help From My Friends」
インスト。
演奏も完成版と違うね。
シンプルなバンドの演奏を固めていってる感じは興味深くもあるけど、やっぱりヴォーカルが入ってたら、もっと楽しく聴けたのになあ。

「Lucy In The Sky With Diamonds」
加工されてないジョンのヴォーカルがリアル。
これからという所でサビのヴォーカルが入ってないので、盛り上がりに欠けるのは仕方ないか。

「Getting Better」
跳ねるようなギターが入ってなくて、オルガンの柔らかい音がサウンドの核になってるのが印象的で、別の曲みたい。
これもヴォーカルなし。

「Fixing A Hole」
これはバンドの演奏としては固まってきてはいるけど、リード・ギターやコーラスが入ってなくて、やっぱりシンプルすぎ。
ポールも軽く歌っている。

「She’s Leaving Home」
インスト。
ハープの音が綺麗に聴こえる。
オーケストラも特に低音が響いてくる。

「Being For The Benefit Of Mr. Kite!」
この曲はSEとかでとびきり華やかなサウンドなのが売りだから、そういう装飾が施される前の、曲そのものの魅力が味わえる。
ベースとアコーディオン(?)らしき音だけでも充分サーカス的な雰囲気は出せているという事に驚き。

「Within You Without You」
これもヴォーカルなしのインスト。
あとはジョージが歌うだけ、って感じでサウンド的には出来上がってる。

「When I’m Sixty-Four」
これは特にベース・ラインを楽しめる。
ホーンやコーラスが入ってないのはやはり寂しい。

「Lovely Rita」
前半はヴォーカルなしで、なにやらしゃべってる。
途中からポールがラフに、楽しそうに歌っている。

「Good Morning Good Morning」
印象的なブラスやSEが入ってない、4人のビートルズのみの演奏で、ものすごくシンプル。
ブクブク鳴ってるベースや歯切れの良いギター。
当時ライヴで演るとなったらこんなサウンドだったのでは?と思わせる。

「Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band (Reprise)」
サウンドはほぼ出来上がっているが、ポールのヴォーカルがかなりラフというか、アドリブっぽくて。

「A Day In The Life」
この曲の始まり方、カウントの取り方とか、聴いた事あるなあ。
『Anthology』とかに入ってたヴァージョンなのかな?
オーケストラを入れる前に、どんな雰囲気を目指そうとしてたかがわかる。
最後のジャーン!にあたる所を、みんなで「パウ~ン」と歌ってるのが面白い。

「Strawberry Fields Forever (Take 7)」
前半は正規版とほぼ変わらないけど、1分10秒過ぎあたりから、「おやっ?」となって初めて聴く感覚。
ラストまで曲の雰囲気が変わらない。

「Strawberry Fields Forever (Take 26)」
いきなり威勢がいいなあ。
もしこの曲がこういう始まり方だったとしたら、やっぱり印象変わるなあ。
でも、このヴァージョン聴くと、『Sgt. Pepper』の世界観のサウンドに通じるものがあると気が付いた。

「Strawberry Fields Forever」
これが正規版のリミックスという事だけど...なんか、微妙にテンポが遅くない?
すごく違和感があるというか、同じ曲とは思えないんですけど。
『Sgt. Pepper』本編のリミックスは大成功と思えるけど、この曲はなんだか、ちょっと納得できない。

「Penny Lane (Take 6)」
インスト。
目立つパーカッション系のアレンジが正規版と違うのかな。

「Penny Lane」
これも正規版のリミックスという事だけど、「Strawberry」と同じく、やっぱりテンポが遅く感じる。
なんだかおかしい。
タルくて、華やかな感じがしない。

このアルバムは、サウンドにいろんな装飾を施して、4人の演奏だけでは表現できない華やかなアレンジの極致となってるアルバムだけど、これらのデモ音源は、そういう装飾が施される前のシンプルな音が聴ける。
初期段階のアレンジとか、曲が出来上がっていく過程とかが聴ける面白さはあって、そこに興味深さはあるけれど、だからと言って、何回も聴き返そうとは思わないかな。
インストも多いし。
あくまでもオマケだ。

楽しみにしてた「Strawberry Fields Forever」と「Penny Lane」のリミックスにもガッカリ。
なので、これからもあまり聴く事はないかなあ、と思ったDisc 2だった。

(2024.12.1)

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