EMIRI KANOU BIRTHDAY PARTY
2021年2月17日(水)@渋谷www
手売りのチケット
加納エミリさんを知ったのはTwitterのタイムライン上で、複数のフォロワーさんが話題に出していたので気になって、YouTubeをチェックしてみたらいい感じだったので、そのままSpotifyでアルバムを聴くようになり、すっかりファンになったのです。
ライヴが行われるのなら是非行ってみよう、と。
そしたら、昨年の5月28日に、【EMIRI KANOU 2nd ANNIV. PARTY】と銘打ってライヴが行われる事が決定。
すぐさまチケットを確保しました。
チケットは、イープラスでも売ってたのだけれど、そこで買うよりも、エミリさんのオフィシャル・サイトのオンラインショップでの「手売りのチケット」の整理番号の方が早く入場できるという事だったので、そちらで買う事にしました。
送られてきたチケットにはフライヤーも付いていて、そこにはエミリさんからの手書きメッセージとサインがあって、とても感激しました。
ホントにエミリさんが手売りしてるんだなあと。
イープラスの手数料や発券代よりも、手売りの送料の方が安く済んだし、ホント手売りチケットを買って良かったです。
コロナ禍。エミリさん休養宣言
しかし、チケットを手に入れた直後、世の中が不穏な空気になりました。
ご存知の通り、コロナ禍です。
エミリさんは、そんな中で一人で準備作業に追われたりしているうちに、精神をやられ、体調を崩し、休養宣言をするに至ってしまったのです。
その流れの上に、世の中的にも緊急事態宣言が出され、ライヴは延期という事になってしまいました。
コロナがどうなるのか予測がつかないし、エミリさんもダウンして故郷で休養となってしまっては、ライヴはいつ開催されるかはまったくわかりませんでした。
とにかくエミリさんにはゆっくり休んで欲しかったし、手売りチケットのメッセージに満足していたので、最悪ライヴが中止になってしまったとしても、それでもいいかなという気持ちでした。
しかし、エミリさんは、早々に復帰しました。
1年以上は休むのかなと覚悟してたのですが、休んだのは半年にも満たなかったのでは?
とにかく、驚異の回復力で、というか、そんなに急いで復帰しなくてもいいのになあと、逆に心配してしまいましたけどね。
そんなこんなで、延期となっていたライヴが、エミリさんの26回目の誕生日直後の2月17日に、【EMIRI KANOU BIRTHDAY PARTY】と名を変えて行われる事が決まったのです。
それからは意外とあっという間で。
年明け早々に再びの緊急事態宣言が発令され、またもや開催のピンチで、どうなるのか気を揉みましたが、エミリさんはギリギリまで悩んだ上で、開催する英断を下したのです。
やっとライヴ当日
ライヴ当日は晴れ。
渋谷wwwは、入った事は無かったですが、PARCOに行った時に前を通った事があったので、場所はわかってました。
17時15分頃到着。
開場待ちのお客さんはチラホラ。
僕の整理番号は47番でした。
フロアに入って、後方の手すりの前の良い場所を確保できました。
キャパは500人と聞いてたので、その50%という事は、250人くらいは来るのかなあと思ってたのですが、ザッと見渡したところ、100人くらいしかいない感じ。エミリさんが、客数を絞りに絞ったとも言ってたし、ソーシャル・ディスタンスの面から言ったら、適度な距離は保ててたし、混雑してるのは嫌いな僕だから、この少なさは楽でありがたい事でした。
ただ、興行面から言ったら、こんなに少ないお客さんの数は厳しいはずだと思うんだけど。
ライヴのスタート
開演時間の18時を5分ほど過ぎて、ライヴが始まりました。
01. Just A feeling
02. 1988
03. フライデーナイト
04. Lucky
05. Been With You
06. Because Of You
07. ダーリン
08. ハートブレイク
09. 恋せよ乙女
10. Next Town
11. 朝になれ
(Encore)
12. ごめんね
13. スウィートソウル
ステージに出て来たエミリさんの顔がハッキリ見える。写真や映像で見てたのよりも、生の方がずっと美人!そして、めっちゃ細い!
オープニングは「Just A feeling」。
演奏は思っていた以上に荒々しいノリで、「♪ Just a feeling through the night」の後の手拍子パンパンや、「♪ Love Love」の所でのLのポーズを一緒にやって一体感。
エミリさんの自作曲ではないけれど、すっかり自分のものとして曲の良さを蘇らせている印象。
前曲から間髪入れずスタートの「1988」。
エミリさんの決めポーズがまたなんとも独特で微笑ましい。
低音ボイスのAメロにゾクゾクさせられた後は、チョッパー・ベースと共に繰り出されるサビに手を上下に動かして応えます。
エイティーズ、エミリさんのママとパパの時代の物語。
ダンサブルな「フライデーナイト」。
「♪ Show more night」「♪ しょーもない」と浮つくサビがなんとも心地良いです。
終盤の「♪ I wanna dance tonight」のリフレインにギターのフレーズが絡みつく、めくるめく時間がむちゃカッコいい。
ここでMC。
なんとかライヴが無事開催できた事の挨拶。
「Lucky」と曲紹介で始まったのだけれど、僕は初聴きの曲。おそらくカップリング曲。
ポップだけど、コミカル・タッチのほのぼの明るい曲。
スイムのような振り付けのダンスをするエミリさんがウケる。
次も僕が聴いた事のなかった曲。だからこれもカップリング曲かなあと思ってたんだけど、後でTwitterで教えていただきました。「Been With You」だって。
クールなAORで、サビの「♪ hold me hold me」が胸キュン・メロディで、しかもどこかで聴いた事あるような、懐かしい感じ。『うる星やつら』になかったかな、こういうメロディの曲。
とても気に入ったのだけれど、この曲は「ごめんね」のアナログ盤のカップリング曲で、現在既に廃盤で入手困難との事。
うーん、ちゃんと音源聴きたい。CD化してほしい。
次も80’sのAORな感じで、キーボードのリフが印象的。
これも僕は聴いた事なかった曲なんだけど、サビで「Because Of You」と歌ってるので、ああ、たしかカップリング曲にそういうタイトルの曲あったはずだよな、と。
ここで一旦エミリさんが引っ込んでインターバル。
再登場したエミリさんは、アイドル風からお洒落なお姉さん風な衣装にチェンジ。
次も知らない曲。聴いた事ない曲が続くなあ!思ってもみなかった展開。『GREENPOP』さえ聴きこんでいけばOKと思ってたのは甘かったよ。
「♪ 君が好きって言ってもいいかな」との切ないフレーズのメロディで始まるこの曲。切なポップだね。
これも、初聴きで気に入ってしまったのだけど、いったいどこから来た曲だろう、未発表曲という訳でもなさそうだし...と思ってたら、これも後で教えてもらいました。新山ひなさんという人に提供した「ダーリン」という曲のセルフ・カヴァーだそうで。
新山ひなさんのヴァージョンはSpotifyにありました。
裏打ちビートに「♪ どこにもいない どこにもいない」のフレーズが印象的な「ハートブレイク」。
静かながらも唸るような演奏でした。
ここでMC。
まずはメンバー紹介なんだけれど、ギターの渡瀬さんが、今回のライヴをもってバンドから脱退だそうで。
その他、ベース・KAZUYAさん、ドラム・ Manakaさん、キーボード・Kannaさん。
メンバー紹介の後は、「MCもうしゃべる事ない」って言ってて、メンバーに「最近どう?」とざっくりとした問いかけをするエミリさん。
いやいや、MCまだほとんどしゃべってないから!普通色々考えてくるものだよ!エピソード絞り出して!
そしたら、「私のファンって、おじさんばっかで...」とか言うので、「ほう、そうなのか」と思ったけど、よく考えたら僕もおじさんなので、納得せざるを得なかった。
ていうかさ、一応アイドルというカテゴリーに片足突っ込んでるんだし、もっとエミリさんと同年代とか、若い子がいてもいいはずだよなあ、と思ったが、たしかに、周りを見渡すと、若い子があんまりいない。これはどうしてだろう。若い子は、こういう音楽はピンと来ないんだろうか。音楽じゃなくて、エミリさんのビジュアルから入ってきても良さそうなもんだし、ホント謎。
次は、アルバムのオープニングを飾った「恋せよ乙女」。
スクリーンには、今回のライヴのイメージ・キャラクターとなった「らむちゃん」の映像が映し出されます。このらむちゃん、いかにも80年代テイストで、それこそ『うる星やつら』とか『きまぐれオレンジ☆ロード』とか『クリィミーマミ』風のキャラクター。
そのらむちゃんの部屋にはダブルラジカセとかウォークマンがあったり、壁には『ゴーストバスターズ』とかマドンナのポスターが飾ってあります。見事に80年代。
そう思って聴くと、たしかにマドンナっぽいサウンドだなと感じたりするし、サビの「♪ Take Me, Baby」はおそろしくキャッチー。
「♪ OK」「♪ All Right」が印象的な「Next Town」。
CDでは、ゴリゴリで派手目なテクノ・シンセだったけど、バンドの演奏は、あまり無駄なデコレーションはしていない、シンプルなサウンドになってました。
サビでは、Perfumeの「ワンルーム・ディスコ」にもあった振り付けがあって、一緒に腕をくるくるねじりながら挙げるのが楽しかったです。
本編最後は「朝になれ」。
ちょっとダウナーで、アイドルらしからぬ楽曲で、エミリさんの新境地を開いた新曲。
初めに聴いた時は、地味だなあくらいにしか思ってなかったのですが、エキセントリックなギターのフレーズが、相対性理論ぽいなあと気付いてからは大好きな曲になりました。
サビで、コード感が気持ち悪くなる瞬間があって、その気持ち悪さもクセになるというか。
転調もカッコいいし、アーティスティックで、エミリさんの今の気持ち、これからの道筋を描いた曲です。
アンコールで、エミリさんは、Tシャツに短パンという、元気な女の子姿で登場。
ここでまずは、お客さんが開演前に配られた「HAPPY BIRTHDAY」のメッセージ・シートを掲げて、エミリさんへのサプライズ。
その後はバンド・メンバーから、ケーキとプレゼントのサプライズ。
プレゼントは、結構大きな赤い箱で、誰もが「何が入ってるのだろう?」と思ったと思うのですが、時間の都合上、開封せず。プレゼントは、もらった瞬間に目の前で開けてみせるのがポイントなんだから、開けてほしかったなあ。
最後の曲は、「あの曲まだやってないから、どうせやるんだろとみんな思ってるんでしょ」と言って、期待通りの「ごめんね」。
エミリさんの代表曲、やらないわけにはいきません。
これは、曲はもちろんいい曲なんだけど、ライヴでは、エミリさんの踊りを観てるのがなんといっても楽しい。Bメロでは「コマネチ」とか「そんなの関係ねえ」とかみたいな振り付けがあったり、最後のごめんねポーズはフラフラになったりして全然決まってないところとか、どの振り付け、ポーズをとってもダサかわで愛くるしい。
最高の曲です。
そんな感じで、ライヴは終了、と思われたのですが、オンラインでの配信はたしかにここまでだったのですが、会場に来たお客さんのためにもう1曲。
キリンジの「スウィートソウル」のカヴァーでした。
これは意外。キリンジは80’sでもないしね。でも、エミリさんの音楽をシティ・ポップと捉えると、腑に落ちる選曲ではありました。
原曲では、堀込弟がヴェルヴェット・ボイスでささやくように歌ってますが、エミリさんは、結構気合を入れて歌い上げてた感じで、また違った味わいでした。
1時間半ほどのライヴは終了しました。
エミリさんの豊かな音楽の才能、可能性を感じさせる、良いライヴ
テクノでエレポップな打ち込みサウンドは、生バンドだとどう再現されるのかと思ってましたが、違和感もなく、バンド・サウンドでもいける音楽なんだなあと思いました。
テクノ・ポップのヴォーカルって、どこか無機質な感じがするものですが、生で聴くエミリさんのヴォーカルは情熱的で生々しく刺さってきました。
アイドルというと、浮世離れした存在感があるものですが、エミリさんはちゃんとそこにいる親近感を感じさせ、普段は毒吐いたりとか悪口言ったりとかしてるそうですが、誠実で一生懸命なのが伝わってきました。
バンドの雰囲気も良かったし、エミリさんの豊かな音楽の才能、可能性を感じさせる、良いライヴでした。
ただ、今までの経緯とか、ライヴでの発言とかを鑑みると、今後は、第一線から退いてしまうのではないか、という事は薄々感じ取れました。
「しばらくライヴはやらない」と言ってましたが、それはコロナの影響ではなく、エミリさんの心の問題ではないかと。
何か重大な事を考え、決心し、区切りも付けたような雰囲気でした。
そしたら、ライヴの数日後に、やはり、そのような心境のメッセージが発表になりました。
「人前で歌う」事よりも、純粋に「音楽を作る」方が楽しいし、向いていそうだと。
これからしばらくは、裏方にまわるような活動になりそうです。
アイドルとして人前であれこれやるのではなくて、ソングライターとして、地道に曲作りに専念するという事なんだと思います。
ただ、今後一切、人前で歌わないとかではなく、気が向いたらライヴもやってくれたりするそうなので、そこは一安心。
ただ、曲作りに専念して、他のアーティストへの楽曲提供なんかを多くやりそうですが、「加納エミリ」としての曲が大好きなので、「加納エミリ」の作品、アルバムも出し続けていってほしいなと思います。
そしてまた、素敵なライヴが観られる日が来たら。
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