ジョージ・ハリスン おすすめアルバム・ランキング

大好きなアーティストのアルバムをランク付けするシリーズ企画。
今回は、ジョージ・ハリスン。

好きなアーティストのアルバムをランク付けするのって、非常に難しい。楽しいけど。
その日の気分によっても違ってくると思うし、はっきり優劣があるものもあるけれど、そもそも好きなアーティストの作品なんだから、どれも好きで、順位なんて紙一重のものが多いでしょう。
それでもやっぱり、ランク付けしてみたくなります。楽しいから。

好きなアルバムの定義ってなんだろう?と思います。
大好きな曲が入ってる、全体の流れや空気感が好き、ジャケットが好き、リアルの生活における思い出とリンクしている...など、いろいろあると思うんですが、僕が重要視するのは「ワクワク度」ですね。
そのアルバムを聴いている時はもちろんなのですが、「それを聴いてない時でも、そのアルバムの事を考えると、ワクワクしてしまう」ものが自分にとって上位なんだと思うんです。
個人的に思い入れの深い順ではありますが、それこそがみなさんへのおすすめ順。
好きなものをおすすめしたいです!

コメントの次には、各アルバムの中で1番好きな曲を、No.1 Songとして表記しました。
ジャケット写真をクリックするとTOWER RECORDSへのリンクになってます。

第1位 『All Things Must Pass』

ベタだけど、1位はやっぱりコレになっちゃうかなあ。
3枚組という事で、なかなか手が出せなかったし、大作すぎて最初は掴みきれなかったんだけど、クラプトンやドミノスの演奏に注目したり、ディランやレオン・ラッセルの匂いを感じているうちに、聴く度にどんどん好きになっていって。
ジョージの魅力全開、非の打ちどころのない...いや、アップル・ジャムはちょっとだけ...でも、これもドミノスと思えば味わい深い「おまけ」...な大傑作。
こんなの作るなんて、凄い、凄いよジョージ!と、感動と歓喜の涙で嬉しくなるのです。

No.1 Song 「Hear Me Lord」

第2位 『Cloud Nine』

初めて聴いたジョージのソロ・アルバムがコレ。しかもリアル・タイムで。
それまでジョージは低迷していると聞いてたものだから、不安な気持ちでコレを手に入れたんだけど、予想以上に良くてビックリして。全然低迷なんかしてないじゃん、ジョージ凄いじゃん!って。世界中でヒットした時は嬉しかったなあ。
とにかくジョージの才能は枯れてなかったし、それをサポートしたジェフ・リンも大好きになった。
このアルバムがなかったら、ジョージの音楽活動はかなり尻すぼみになってしまったんではないかと思うと恐ろしい。よくぞやったの大復活盤。
それだけ思い入れのあるアルバムだから、コレを1位にしたい気持ちもあるんだけど。

No.1 Song 「Someplace Else」

第3位 『Live In Japan』

コレ、最初は、あんまり好きになれなかったんだよね。だって、生でライヴを観た時の感動はこんなもんじゃなかった、という思いが出てしまって。だから、たいして聴きこまなかった。
でも最近、クラプトンのギターに注目して聴いてみたら、思ってたよりも流石クラプトンなギターを弾いてる事がわかって感動して。
で、クラプトンのギターがわかってくると、ジョージのギターの方もわかってくるのね。ジョージも、クラプトンに負けないギター弾いてるな、と。
でも、実は第3のギタリスト、アンディもいるから、曲によってはわかり辛くて、このギター弾いてるのはクラプトン?ジョージ?アンディ?なんて疑問に思いながら聴きこんでいくうちに、大好きになって、今や愛聴盤。
こんな素晴らしいライヴを生で観たんだなあと思うと誇らしくなるし、当時もっともっと真剣に観れば良かったなあとも思うし。
いつの日か、完全版の映像がリリースされたら嬉しいんだけどなあ。

No.1 Song 「While My Guitar Gently Weeps」

第4位 『Brainwashed』

コレ聴いた時、まだジョージは生きている!と思えたんですよね。
遺作なのに、全然そんな感じしなくて、いつものジョージがそこにいて、全体的に明るい感じなんです。
相性抜群のジェフ・リンがプロデュースしたのも嬉しいというか、当然といった感じで、なんだか普通に『Cloud Nine』の続編を聴いてるみたい。

No.1 Song 「Stuck Inside A Cloud」

第5位 『Living In The Material World』

コレも、以前は軽視してたんだけど、最近になってぐんぐん好きになったアルバム。
ロック色はやや後退したものの、メロウな魅力が前面になりだした感じがたまらないです。
優しく穏やかなジョージの魅力が一層光り出したアルバムです。

No.1 Song 「The Light That Has Lighted The World」

第6位 『Thirty Three & 1/3』

1曲目を聴くと、レーベルが変わって新しいジョージになったのか?と少々面食らったのですが、聴き進めていくと、ジョージ特有のメロウ路線全開で、好きになったアルバムです。
ポップでキャッチーな「This Song」が入ってるのもポイント高し。
もっと評価されてもいい作品だと思います。

No.1 Song 「Learning How To Love You」

第7位 『Extra Texture』

ポップな「You」で掴みはOKだし、泣き節もあるし、メロウ・ソングもあるし。
売り上げは下降気味でも、ジョージは変わらずにそこにいる。
前年のアメリカ・ツアーの酷評と、早く新しいレーベルからレコード出したいのに、アップルとの契約が残っているため作らざるを得ない...という状況の中でも、これだけのものを作ったジョージは凄い、と。

No.1 Song 「World Of Stone」

第8位 『The Concert For Bangladesh』

インド音楽とディランにあまり興味が持てないのに3枚組の大作で、値段も高くて、さらに廃盤の期間もあって...という事で、長らくスルーしてたアルバム。
05年に映像版と共に新装盤が出た時も見送っちゃったんだけど、後にネットで「Awaiting On You All」の映像観たら、すげーカッコいい!となって、一気に興味が出たのでした。
それから慌てたように、CDとDVDを買い求めて、今ではもっと早く興味を持てば良かったと後悔しています。
ジョージがノリに乗っていた絶頂期の記録。クラプトンが調子良かったらもっと良かったんだけど。

No.1 Song 「Awaiting On You All」

第9位 『Gone Troppo』

「ちょっとイッちゃってる」というタイトルの通り、ジョージは音楽活動に嫌気が差してきていて、半ばヤケクソ気味。それでプロモーションもやる気にならなかったのだから、売れなかった。
というわけで、ジョージの低迷を象徴するアルバムとして語られる事が多いんだけど、ちゃんと聴けば、1曲目からとても元気だし、アルバム全編に渡ってトロピカルで陽気な、それでいて優しい、とても良いアルバムなのです。
売れなかったというだけで捨て置くにはもったいなさすぎる。ジョージは全然低迷なんてしていない。そういう意味では必聴盤と言えます。

No.1 Song 「Dream Away」

第10位 『George Harrison』

このアルバムは、ジョージ・ファンの間ではとにかく人気があって。最高傑作に挙げる人も多いです。
でもねえ、僕は...。
ジョージが作った曲の中では1番大好きと言っていい「Love Comes To Everyone」。こんな素晴らしい曲で始まるので、これは凄いアルバムなのでは!?と、ものすごく大きな期待をしてしまったのがいけなかった。その後の曲が、どこか軽すぎるというか、期待以上のものではなくて、なんだか肩透かしを食らってしまった感じなのです。
「Love Comes To Everyone」が入ってるだけで評価はできますし、悪くはないのですが、期待が大きすぎた分、裏切られた感がしてしまうアルバムなのです。
なので、僕の中ではこんな順位になってしまいました。

No.1 Song 「Love Comes To Everyone」

第11位 『Dark Horse』

それまで絶好調で、好きなように音楽を作ってきたジョージだけど、レーベルの設立やツアーの準備やアルバム制作にパティとの関係と、1番追い込まれていた時期なんじゃなかろうか。
それがアルバムにも表れていて、ちょっと無理してるっぽい空気が漂ってるんだよね。
宗教色濃いジャケットとかもマイナスかな。
枯れた声は僕はあんまり気にならなくて、むしろワイルドでいいと思えるんだけどね。

No.1 Song 「Far East Man」

第12位 『Somewhere In England』

レコード会社からの曲の差し替え要請があったり、ジョンの死があったりで、コレもなんだか無理して作ったアルバム、というイメージなんです。
だから全体的にジョージの魅力が小ぢんまりしちゃった感じで。
それなりに良い曲もあるけれど、どうにも印象が薄いアルバムですね。

No.1 Song 「Teardrops」

第13位 『Early Takes Volume 1』

弾き語りとかデモとか、あんまり好きじゃないんでね。最初はスルーしてたんだけど、とうとう買ってしまったという...でも、やっぱり何度も何度も聴くものではないかな。
収録時間が短すぎるのも、もう少しなんとかならなかったのかな、って。もっと素材はあったでしょうに、と。
でも、素朴なサウンドで、優しいジョージの歌声に癒される気持ちはわかります。

No.1 Song 「The Light That Has Lighted The World」

第14位 『Wonderwall Music』

映画のサントラ盤という事で。
予想してた通り、インド風味たっぷりのインスト集。
でも、ほんのちょっとだけヴォーカルものもあったし、ロックっぽいものがあったのも意外。
「Revolution 9」みたいな世界もあって、なんだ、ジョージもそういうサウンド・コラージュやってたのか、と。
『不思議の壁』ってのは言い得て妙。
Spotifyがなかったら、聴こうとは思わなかったかな。

No.1 Song 「Ski-ing」

第15位 『Electronic Sound』

当時の最新機器シンセサイザーを使って遊んでみました、って感じ。
宇宙空間を彷徨ってるような、SF的な音楽。
Spotifyがなかったら、聴こうとは思わなかったかな。
1曲が長くて退屈だし、1回聴けば充分かな(笑)。

さて。
ジョージの場合、上位のアルバムはありきたり、ですかね。
それから、ジョージの活動にはトラヴェリング・ウィルベリーズがありますが、それらのアルバムは外しました。ジョージ以外のメンバーのアクが強く、純粋なジョージのアルバムと比べるのはどうしてもできなかったから、というのが理由です。

最近ジョージのレコードを手に入れたりして、改めて聴き直してみて、印象が変わったり、グッと好きになったアルバムがあったり。
僕の中でのランキングは変化があったんですよ。
それで、今現在こうなりました。

でも、これだけアルバムがあると、好きなアルバム、嫌いなアルバムとあるのが普通ですよね?
それともみなさんは、好きなアーティストのアルバムなら全部好きですか?
僕は、全部好き、とまでは言えません。
好きなアーティストだからこそ、文句を言いたくなる場合もあります。
思い入れの違いを鮮明にするために、下位のアルバムは悪口というか、否定的なコメントになってしまいましたが、そこは大好きなジョージ。そこいらのアーティストよりもずっといいと思えるアルバムだったりもしますのでご安心を。

みなさんの好きなジョージと僕の好きなジョージには、どれだけ違いがあったでしょうか。
同じアーティストを好きでも、同じアルバムが好きとは限らないのが面白い所だったりします。
いろんなファンの方の意見があると思います。
僕は、そういうファンの意見の違いを面白がったりしたいので、まずは自分の好みを披露してみました。

ただ、これも今の時点での事です。
同じアルバムでも、聴くタイミングによって印象が変わったり、何度か聴き続けたりする事によって良さがわかっていったりするものもあります。
これからもジョージのアルバムは聴き続けていくと思いますので、またいろいろと変化してくるかもしれません。
それが、いい変化であれば、言う事はないですね。
もっともっとジョージを好きになっていきたいです。

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