2003年11月17日@Zepp Tokyo
指定席復活してたから、勢いでチケットGET
マンドゥ・ディアオ、チケット獲っちゃったよ...。
あれから何度もサマソニのビデオを観直すうちに、「この群集の中に入るのは絶対ムリだな」と確信、すっかり断念してたんだけど。
何気なくチケット空席情報を見てみたら、売り切れてたはずの2F指定席が受付復活。キャンセル分かな。
昨日確認した時は、1Fスタンディングも△(残りわずか)となっていて、「そろそろ売り切れるね」と思ってたのだが。
座って観れるとあれば、考え直さねばならない。願っていた展開じゃないか。
とは言っても、もともと席数少ない指定席のキャンセル分では、長い時間迷ってたら売り切れになってしまう。
考えてる余裕はない、って事で買っちゃった。
でも複雑な気分。すっかり諦めてたので、先日、その分のお金使っちゃったんだよ。競馬も負け続けだし、こりゃかなり厳しくなるぞ。
まあ、来年以降はどんどん条件厳しくなるだろうから(あまり来日しなくなる?人気も上がってチケ獲りにくい?)、マンドゥ観るなら今年しかない、と思ってただけに、願い通りのチケ確保、というのは幸運なんだろうけど。
でも、問題は体調だよなあ。
はたして1ヶ月後、なんの心配もなくなってるか。
今月に入って上向き加減ではあったものの、一昨日・昨日はまたもや頭が重くなって、ちょっとヤバかった。下降線になりそうなのを、なんとかこらえた感じ。
うーん。
それから、マンドゥ・ライヴの前日は、キリンジの武道館公演もあるんだよね。
これは7月にチケット獲っちゃってたからなあ。
この頃は体調の事は頭になかったし。
2日連続でライヴ、つーのは大丈夫か?
武道館はまだいいにしても、Zeppは初参戦。
ライヴに、一緒に行く友人がいる、ってのはいいよね。心の支えになるし。
いつも一人、というのはこういう時困るんだよね。
ま、仕方ないけど。
というわけで、チケット獲ったものの、どーにも複雑な心境。
で、けんごさんが言っていて、改めて気付かされたのだけれど、彼らは僕よりも年下。
そういえば、自分より歳が下の人のライヴを観るのは初めてかもしれない。
いい音楽を作ってくれる人はみんなエライ!
エライ人はみんな年上!
みたいに思ってるから、全然気にかけた事なかった。
気付いた所で別にどうって事もないし。
でも、「周り」は別だなあ。
観客ね。
いつも年齢層の高そうなライヴしか行ってないから、マンドゥのライヴは、僕が経験する中で、一番年齢層の低いものになるだろう。
あるサイトをみたら、20代前半の若者の、
「先日のマンドゥのライヴは10代の子が多かったみたいだから、浮きそうで心配」
という書き込みがあった。
30代はどうすればいいんですか。
ライヴ当日。会場へ
ライヴ当日は、買い物でモタついたり、初めてのお台場っつー事もあって、会場に着いたのは、開演時間の7時。
でも、今日は前座があるとわかってたので、慌てはしなかった。マンドゥが出てくるまでに行けばいいやと思ってたからね。
中に入ると、案の定、若い人だらけ。1階はいかにも若者のたまり場といった感じで。おおー、苦手なやつだ。冬だというのに見せパンギャルまでいる。早くどこかへ避難せねば。
早々と2階へ。
おお、2階ロビーは誰もいないぞ。これはいい。トイレもロビーもほぼ貸し切り状態で、のんびりまったり。
僕が着いた時点で、既に前座の「THE ARK」の演奏は始まってて。とりあえず、中の様子を窺う。
来る前までは、折角だから前座の演奏も聴いてもいいなと思ってたんだけど、途中からだったし、あまり僕の好きな感じじゃなかった(80年代のパワフルなロック、てな雰囲気)ので、再びロビーへ。ロビーでも音聴こえるしね。なんか派手で面白そうなキャラのバンドっぽかったけど。ちょっとだけ良さげな曲も聴こえてきたかな。
THE ARKの演奏が終わったのが7時35分。
さて、いよいよマンドゥだ。
僕の席は2階F列1番。
スタンディングライヴの喧騒を嫌っての指定席、しかも落ち着いて観れるハジッコの席を狙って獲ったのは、先日の日記にも書いた通り。
席はすぐに見つかったんだが、背もたれはないし、隣りの人との間隔も狭い。ここでジッと座って観るのは、さすがの僕でも辛いかも...。
そしたら、満員の場合はおそらく売り出されるのであろう「2階立ち見」が今回は売り出されてなかったので、指定席後ろの立ち見スペースがすっかり空いてたんだね。
こいつはいいや、って事で、立ち見スペースのド真ん中に陣取る。壁が柔らかいので、背中を付けても痛くならない。
周りには誰もいない。こいつはいい!!
ライヴのスタート
さて、絶好の場所を確保したものの、なかなか始まらないマンドゥ。
開演前のSEとしてジョン・レノンが流れ続ける。
前座が終わって約20分が立ち、ようやく客電が落ちた!
煽りのMCがあって、再びステージ上にスポットが当たると、既にマンドゥ・ディアオがそこに。
01. Sweet Ride
02. p.u.s.a
03. Lady
04. Paralyzed
05. To China With Love
06. Sheepdog
06. Lauren’s Cathedral
07. Chi Ga
08. Little Boy Jr
09. Mr Moon
10. Motown Blood
(Encore)
11. How We Walk
12. Bring ‘em In
13. The Band
「スウィート・ライド」でスタート。
向かって左がビヨルン、中央にグスタフ、右にベースのCJフォーゲル。
とにかくみな動きまくる。さすが若い奴らのライヴ。活きがいい、とはこの事だ。
階下に見える観客も既にヒートアップ。全員手を高く挙げたまま一斉に飛び跳ねている。みんなスゲー。上から見る光景は壮観だ。
久々に音がバッカンバッカン鳴ってるライヴを観た感じ。さすがの僕も自然と興奮する。
ビヨルンの声は、CDで聴いた限りでは、エリック・バードン(アニマルズ)のようにソウルフルというイメージだったのだけど、こうしてライヴで聴くと、ソウル・シンガーと言うよりはやはりロックンローラー。いい意味で印象が変わった。
ビヨルンに紹介され、次はグスタフの歌う「p.u.s.a.」。
サビの弾け具合が心底楽しくさせる。
「アリガトゴザイマース」と言った後のグスタフは「ソウルブラザー!」とビヨルンを紹介して「レディ」。
ガッツンガッツン響くリズムから一転、サビではゆったり優雅なビヨルンのヴォーカルが印象的だ。
「Oh! Yeah!」と煽ってから「パラライズド」。
囁くようにAメロを歌うグスタフ。その分サビで爆発させるヴォーカル。
ベースのCJフォーゲルも力の限りシャウトしている。
間奏の「Yeah!」でのブレイクに合わせたライティングも盛り上がる演出。
リズム隊が妖しく重いリズムを刻み始めると「トゥ・チャイナ・ウィズ・ラヴ」。
ドアーズのジム・モリソンを髣髴とさせるビヨルンのヴォーカル。
泣き節のこの曲、中間からラストまでジワジワと盛り上がって胸が熱くなるんだけど、CDでの「泣き」とはまた違った感動がそこにはあった。
タフでタイトな演奏に導かれ、会場が一体となるラストの「♪ ラーララララー」は凄かった。ライヴはいつも一歩退きながら観るこの僕が、思わずリズムに合わせて手を挙げる(拳を振る)ほどだったんだよ? これがどれだけ凄い事か!
前半のハイライトは当然これ!
感動したのも束の間、これに続いたのがあの「シープドッグ」だ。
ビヨルンが魅せれば即座にグスタフも、って感じだね。
この曲を初めて聴いた時から、この曲を生で体験したくてライヴ参戦を決意したと言っても過言ではない。それは他の観客にも言えるであろう事で、もう凄い事になってた。ダイブも始まってたよ。
青筋立てて歌い上げ、激しく動きまわりながらギターをかき鳴らし、曲間に「カモン!カモン!」と叫ぶグスタフ。遠目で観てると、やはり若かりし頃のポール・ウェラーの姿にソックリ。
ただ、この曲に限った事ではないんだけど、グスタフもビヨルンも、全体的にリードギターが聴き取りにくいんだよね。コードを鳴らしてる分には問題ないんだけどさ。この曲の「必殺リフ」が全然目立たないの。ベースばっかりぶいぶい言っちゃって。これではもったいない...というか、曲の魅力が半減だったかも。
ここで一段落というか、フーの様なキーボードの幻想的なフレーズ(CDでは聴かれないもの)に導かれるバラード「ローレンズ・カシードラル」。
グスタフのギター・ソロも良かったし、歌いながらリズム・ギターで煽るビヨルンも熱い。
既にここまでで、熱心なマンドゥ・ファンならわかる通り、基本的にビヨルン、グスタフが交互にリード・ヴォーカルをとるセットリストになっている。
しかし、ここだけビヨルンが2曲連続となって、「チ・ガ」だ。
スピード感溢れるイントロが流れると、グスタフが「Oi! Oi!」と煽る。
あっという間のこの曲。歌い終わってマイクスタンドを投げ倒したビヨルンがカッコいい。
「ミンナサイコー!トーキョーサイコー!マンドゥディアオサイコー!」とグスタフ。
「リトル・ボーイ・ジュニア」では、意外にグスタフの声が澄んでいる。キーも高く聴こえるほど。ああ、CDではヴォーカルにエフェクトかけてるからか。と思ったら、途中で笑いながら演奏をストップさせるグスタフ。
...ん?と思った瞬間、再び演奏再開。なんだ、演出か。でもカッコいい瞬間だった。
階下では相変わらずモッシュ&ダイブがあちこちで繰り広げられている。アホだよなあ。なんで人の上を転がるんだ。誰が考えたんだ。考えたというよりも、ハイになりすぎて、気付いたらそうなってた、ってやつか。僕には絶対できない行為。自分の上に転がって来られたら迷惑このうえないけど、観てる分にはオモロイ。愛すべきアホたちだ。そんな中の、あるヤツを眺めていると、転がりながら最前列までたどりついた瞬間、スタッフに投げ飛ばされてた。
重くやるせない雰囲気のコードが流れ、CDよりもかなり長いイントロで始まったのが「ミスター・ムーン」。
シングル曲でもあり、「トゥ・チャイナ~」と並ぶビヨルンの名曲名演。
コーラスはCJフォーゲルががんばる。
この時のビヨルンも熱かった。僕も思わずサビを一緒に歌ってしまったよ(周りに人がいないからこそできる事)。
当然、言葉で言い表せないほどの感動。
ここでキーボーディスト(新メンバーだっけ?名前未確認)がタンバリンを振りながら前へ。もう、ドラマー以外は終始あっちへこっちへ動き回るんだから凄いよ。メンバー同士ぶつかって怪我するんじゃないかとハラハラし通し。
数秒演奏したかと思ったらブレイクして、グスタフが「motown blood!!」と叫んで「モータウン・ブラッド」。
ここでもささやくようにAメロを歌うグスタフ。そしてお決まりのサビ大爆発。
ラストはテンポが段々と速くなっていっての大団円。
アリガト連発のグスタフ。ここで本編終了。
当然のアンコール要請に、1分とたたずに再登場。
グスタフがハーモニカで何か聞き覚えのあるメロディを吹き始める。んーと...「きよしこの夜」だ。すごいヘタだった。
しかし、今度は真面目に吹き始め、「ハウ・ウィ・ウォーク」が始まる。
ビヨルンがここで初めてアコギを手にして、切々と歌い上げるフォーク・ナンバーだ。
でも、曲の前半、ビヨルンには照明があたらないミス。逆にスポットを浴びせられてたグスタフは「俺じゃねーんだけど...」とばかりにソワソワ。
しかし、暗闇の中でもめげずに艶やかなヴォーカルを聴かせるビヨルン。ささやかなハモりを加えるグスタフ。
前の曲が終わるや否や、間髪をいれず、ベースがドドドドド。歪むギター。「ブリング・エム・イン」だ。
ここでもメリハリのあるヴォーカルを聴かせるグスタフ。
一部では、「サビ以外は真面目に歌ってない、手抜き」みたいな意見もあるようだけど、決してそうではないと思う。シャウトする曲ばかりだから、声が潰れるのを防ぐ意味がある事は否定しないが、その分サビではしっかりシャウトしている。やはりメリハリだよ。Aメロを力入れて歌っといて、サビを観客に歌わせて誤魔化すよりはずっといいでしょ。
で、「ブリング・エム・イン」からメドレー形式で「ザ・バンド」。
このつながりはカッコ良かったなあ。燃えたよ。
サビはまた会場中大合唱。これって、オアシスで言う所の「リヴ・フォーエヴァー」みたいな存在になっていかないだろうか。
「ザ・バンド」で明るく盛り上がっての終了。
最後は全員ステージ前方に並んで、手をつないでお辞儀。
大歓声。
またお辞儀。
大歓声。
ひと呼吸おいて、またお辞儀。
計3度のお辞儀。間の取り方といい、よくわかってらっしゃる。
約1時間の潔いライヴ。これからどこまで大きくなるか
開始から丁度1時間。そりゃもうあっという間。疾風怒濤の如くだったね。
いやあ、いいもん観たよ。
この僕がここまで盛り上がれて、体を揺らし、一緒に歌い、入り込めるライヴなんて滅多にない事。
1時間という時間の短さにまったく不満がないと言ったらウソになるけど、アルバム1枚しか出してないんだし、あれだけ動き回るんだものねえ。それ以上やれ、とは言えないよ。
(まだ他にもレパートリーはあるはずだけど、ビートルズっぽい「シーズ・ソー」とかをやらなかったのは、今日の流れからすると正解かもね。ちょっと雰囲気違ってきそうだし)
マンドゥ・ディアオは、これからますます大きくなるはず。イギリスやアメリカでどこまで成功するかは未知数だけど、少なくとも、ブレイクする要素は持っている。
もしかしたらあっけなく解散しちゃう可能性もあるけど、とてつもなくでかいバンドになる可能性もある。そんなバンドのスタート直後のこの瞬間に立ち会えて、光栄に思うね。
チケットすんなり獲れなかったり、体調を懸念してたりで、一時はすっかり諦めてたんだけど、ホント、観に来て良かった。
ちょっとでもマンドゥに興味がある人で、今回見逃しちゃった人、後になって激しく後悔するんじゃないかなあ。
ホント凄かったんだから。
不安だったZeppも、ポイントが掴めたので良かった。次にまたZeppに来る時も、2階指定席を確保した上での立ち見、がいいやね。
2階席はほとんどの人が座っておとなしく観てた。若干、立ち上がって踊ってた若い娘もいたけど、やはり、この会場でわざわざ指定席を購入するだけあって、クールなお客さんが多かったかな。思ったよりも年配...つまり僕と同じくらいの同志もいたし。
とにかく、僕にとっては絶好のポイントで、安心してライヴに没頭できたよ。
でも、最後にヤな事をひとつ。
終演後、まったり余韻に浸る間もなく、すぐに「ロビーへ出ろ」と言われる。
仕方ないので出口へ向かうと、それまで開いたドアを押さえてたスタッフが、僕が目の前に来た途端に閉めやがった。「はあ?僕が最後の一人だよ?もう少し押さえてて通してくれればいいのに。嫌がらせ?」ムッとなる。
仕方なく自分でドアを開け、ロビーへ出る。そこでペットボトルに口をつけてひと息つこうとしたら、さっきのスタッフがやってきて、「掃除するから1階へ行け」と。なんだよおい、ロビーに出ろというから出たのに、今度はすぐ下に行け、かよ。
目の前にトイレがあったので、「トイレはいいですか?」と尋ねると、「1階でしろ」と。頭きたね。1階は混んでるんだよ。男のトイレなんて1分とかからずに終わるでしょうに。
そのスタッフがモップでも抱えて「今すぐ掃除するんです」的な雰囲気ならともかく。
なんてサービス悪い、っつーか...いや、サービスうんぬんじゃないな、使えないよ、このスタッフ。
ま、僕の方がオトナなので従ってあげたけど。
最後にそんな事がありつつも、ライヴ自体には大満足して帰宅してから、ネットで某掲示板をチェックしてみると、意外と低評価なのにビックリ。
「今日初めてみたけど正直もういいや」
「なんだあの音量は。全然腹にこねぇじゃねえか。 照明もいいかげん」
「セットリストはいまいち」
「どういうわけかピントがずれてるバンド」
「ライブはいまいちノり切れない」
などなど。
うーん、僕と全く違う意見。この人たちはどんなものを望んでるんでしょ。
あんな素晴らしいものみて不満タラタラとは。普段どんなすごいもの観てるんだろ。
ただ単にoioi言ってモッシュ&ダイブで狂いたい人たちなのかなあ?
だとしたら、たしかに不満が出るかもね。
現時点では、絶賛してる人が非常に少ないのも気になる。うーーん。
まあ、でも、誰がなんと言おうと僕は絶対的に支持するよ。
たしかに、演奏がとびきり上手いってわけではないのは認めるけど、とにかく良かった。いいものはいい。
転がり始めたこのバンドの今の「勢い」をパックしてDVDにすべきだよ。これ、激しく希望ね。
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