ポール・マッカートニー Live@東京ドーム 2018.10.31 感想

FRESHEN UP JAPAN TOUR 2018

2018年10月31日(水)@東京ドーム

ポールがまたやって来る

ポールが新しいツアーを始めたというのは知っていたけれど、まさか早くも今年来るとは思いもしなかったよなあ。昨年来たばかりだもん。驚きのニュースだった。
で、今回は東京ドーム2日間とナゴヤドーム1日。
東京ドームの日程を見ると、10月31日は、運良く僕の仕事が休みの日。なので、次の日の11月1日を仕事の休みを申請すれば、2日間とも観に行けるんじゃないか、と思った。2日も休みを申請するのは気が引けるけど、もともと休みの日と重なった分、申請するのは1日分だけでいいんだもん。これなら。
だけど、チケット代は、今回さらに上がってS席18500円。
こんな高いお金、2日分も出せません。
10月31日の分は、普通に前売りを確保しておくとして、翌11月1日分として僕が狙っているのは、当日券として出る、参加席とか体感席とかいう、廉価版のチケット。

廉価版チケット「参加席」とは?

廉価版のチケットとはどういう事かというと。
チケットが順調に売りさばけられると、まずは、「S席(注釈付き)」というチケットが追加で売り出されます。
注釈付きのS席とはなんだ?と、注釈を読んでみると、「機材・セットの関係でアーティストが見えにくい席となる可能性あり」となっています。
要は、ステージのほぼ真横からとなる、両翼のホームラン・ポールから先のレフト&ライト・スタンドにあたるエリアが解放されるのだ。
でも、焦ってここで買ってはいけません。
ステージが見えにくいかもしれないけど、一応S席ではあって高いわけですし、なんだかいかにも「残り物を高く買う」というイメージです。
僕は15年公演の時にこれを買ってしまって、大きく後悔しました。
で、もう少し待っていると、今度は参加席というのが登場するのです。

参加席。
これもどういう事かと注釈を見ると 「機材・セットの関係でアーティストが見えにくい席」との事です。つまり、注釈付きのS席とほぼ同じなのです。
しかし、ここからは値段が大幅に下がって、10000円くらいになるのです。
僕がこの参加席の存在を知ったのは、13年公演の時。会場で見かけて、へえ、そんな席が売ってたのかあ、と。
ステージのほぼ真横からステージにはさらに死角へとなるレフト&ライト・スタンドにあたるエリアで、アーティストが見えにくい席とは言え、参加席用に、横向きの小さなスクリーンが設置されていて、ちゃんと「観る」事ができる席なのだ。

それなら、参加席でもいいんじゃね?と思った僕は、14年のローリング・ストーンズを参加席で観ました。
結論は、参加席は良席だ、という事でした。
ステージの真横からなので、たしかにドラム・セットはまったく見えなかったけど、ステージの前方にいるミック・ジャガー、キース・リチャーズ、ロニー・ウッドはバッチリ姿を見る事ができたし、ミックはステージ横に伸びた花道を歩いて来てくれたから、超近い所まで接近。こんなに近くていいの?と。
そう、そもそも、レフト&ライト・スタンドはステージの真横だから、「近い」のだ。角度はいくぶん悪いのかもしれないけど、近い。
生の姿が近くで見える上に、スクリーンの映像だってもちろんバッチリ見えるから何の問題もナシ。
これで割安な「参加席」とは。

1番高いS席でも、アリーナの最後方とか、2階の高い所とか、「こんな遠いのにS席?」と疑問に思う席はたくさんある。
「機材・セットの関係でアーティストが見えにくい席」という事で敬遠する人がたくさんいる(売れ残ってる)参加席は盲点なのだ。
それで10000円なのだよ。
S席の半額近い値段で、こんな良席が売ってるんだよ。
ストーンズのライヴを「参加席」で観て、参加席のコスト・パフォーマンスの良さに虜になった僕なのでした。

この参加席は、通常チケットの売れ行きが良ければ、公演の1週間くらい前からチケットぴあで売り出されます。普通にネットで買えちゃうんです。
ただ、あくまで売れ行き次第なので、ネットで売り出されるかは確実ではないんですけどね。それがネックなので、どうしても観たいライヴの場合は、直前までチケットを確保できない不安との戦いがあるので、これを当てにし過ぎるのは危険ではあります。
で。

まだ続きがありまして。
さらに売れ行きが良い場合、当日券として、参加席の他に、体感席というのが出るのです。
体感席。
15年公演時が5500円。17年公演時が6000円でした。
たぶん、参加席よりもさらに角度が悪いんだろうけど、この値段はかなり魅力。参加席のさらに半額だもん。
これはすごいよ、お得だよ。
しかも、開演直前に行っても余裕で買えてる感じ。
言っとくけど、ちゃんとスクリーンは見えるんだよ。 生の豆粒ポールよりもスクリーンが見えればいいよ、って人には充分じゃない?
だから僕は、チャンスがあれば、体感席で安く観てみたいと思っていたのでした。
なので今回は、10月31日分は普通にネットで前売りを買って、11月1日分は当日券の体感席狙いで安く観る。
そんな構想を立てました。

チケットはポールの公式サイトから買う

で、とりあえずは確実に10月31日分のチケットを確保しておく事で。
今回も、いつも通り、チケットぴあで買うつもりでした。
でも、煽りまくって宣伝していた「最速先行抽選」とかには申し込みません。
経験上、最速で獲っても良い席が回ってくるとは限らないからです。最速なのに2階席、なんて事もザラです。悪い席から先に捌こうとしてませんか?と邪推したりもしてしまいます。
いつもは、最速で獲っても2階席という事もあるんだったら、最初から悪い席でもいいと割り切って、1番安いB席を獲る事が多かったのですが、今回はやめました。ステージから遠いというのはいいんですが、高所恐怖症の僕にとっては、高いのが嫌なのです。
だから、アリーナは無理だとしても、というか、アリーナ最後方はむしろ前の人が邪魔で見えにくい可能性もあるのでむしろ危険で、だから1階席がいいなあ、と思ったのでした。
抽選では1階席が獲れるかどうかわからないので、一般発売で確認しながら1階席を獲るのがいいかな、と。
だから、チケットぴあ一般発売のS席狙いで行こう、としました。おそらく売り切れる事もないだろうと。

ただ、頭の片隅にあったのは、以前ネットでとあるブログを見ていたら目に入ってきた、「ポールの公式サイトからだと、好きな席を選んで買える」という情報でした。
好きな席をピンポイントで買えるなんていいなあ。
でも、ポールの公式サイトで買うとなると、英語だろうし、チケットは外国から郵送されてくるの?住所とか打ち込むの?支払い方法はどうなの?など、英語読みながら申し込むなんて不安で、僕にはできないだろうなあ、と思ってました。

そしたら、チケットぴあ一般発売の数日前に、ポールの公式サイトでプリセールがあるという情報が入ってきたのです。
興味はあれども本気ではなかったので、発売開始時間の午前10時はスルーしたんですが、気になって、その日の深夜になってから、公式サイトにアクセスしてみたんです。
そしたら、公式サイトから、委託された日本語のサイトに飛ぶようになっていて、日本語で申し込みができるようなのです!
パスワードというのがどれの事なのかわからなくて(これはポールの公式サイトの英語を読み解く必要があった)、諦めかけたんだけど、なんとかわかって。
パスワードっていうから、個人個人に発行されるものだと思ってたから苦労したけど、なんの事ない、公式サイトに表示されてる文字を打ち込むだけでよかったという。
それで、申込み画面に進んだら、まだ残席があって、座席表を見ながら、好きな席を選んで買えるという、噂通りのものでした。

しかも、チケットは郵送じゃなくて、セブンイレブン発券ができるし、チケット代と発券代以外、余計な手数料とか特別販売料なんかもかかりません。これはいい!
そして1階席、まだ残ってます。
じゃあ、ここで買っちゃう?
初めは、帰りの後楽園駅に近い、1塁側の席を...と思ったんだけど、ハタと、ある事を思い出して止めました。
それは、ステージのポールの位置。ポールがピアノを弾く時は、ピアノはステージの右手にあるので、1塁側の席からだと、ポールは後ろ姿になっちゃうという事です。
ポールを正面から観たい!
という事で、3塁側の席を探す事にしました。
それで残席をチェックしていくと、1階席前方は全滅でしたが、ちょうど中間あたりに、席の前が通路、横も通路という、ブロックの角にあたる席が見つかったのです。
通路側が好きな僕にとっては、前も横も通路だなんて、願ったり叶ったりの席。
これはもう買うしかない!
もちろん初めて利用するサイトだったので、信用していいのかとか多少の不安もあったのですが、これも縁だし、思い切って買う事にしました。
そうして、チケットぴあで買うという当初の予定を変更して、ポールの公式サイトから買うという事になったのです。
この公式サイトから買うというシステム、まだあまり知られてないようです。僕は発売日の深夜になってから買いましたが、それでも残っている席は多かった。もし、発売開始と同時に申し込んでいたら、もっといい席...アリーナ前方、1階席前方なんかも買えたのかもしれません。
ただ、このタイミングで、僕にとっては充分な席を確保できたのは何よりで嬉しかったです。
良いチケット購入となりました。

チケットの売れ行きが芳しくない

そうして初日分のチケットは確保できたので、あとは、2日目の格安チケットが手に入るか、です。
しかし、予想はしてたのですが、今回はチケットの売れ行きが芳しくありません。
チケットぴあなどで一般発売が始まってから、安いB席やA席は何日かかかって売り切れましたが、S席は余裕で買える状態。
今回東京ドームは2日間だけだし、大阪や福岡公演がないのに、売れ行きが悪い。
やっぱり、ここ6年で4回目の公演、しかも2年連続というのは明らかに来日しすぎで、ポール・ファンはともかく、一見さんなんかは手を出さない状況でしょう。
ライトなファンは、この前観たからいいや、と思うはず。
いや、それなりのポール・ファンでも、似たようなセットリストに飽き飽きして、今回は行かないという人も大いにいそうです。

とにかく、チケットは売れ行きは、今までのポールにしたら最低だったでしょう。
売れ行きが悪いから、参加席はもちろん、注釈付きS席のネット販売もありませんでした。
さらには、公演数日前に、売り切れてたはずのA席B席が復活するという謎の事態も。これは、もしかしたら、売れ行きが悪いから、当初S席としていたエリアをA席B席に振り替えて、安くしてでもとりあえず捌こうとしたのではないか、と勘繰っています。
そして、ネットでは、当日引き換え券として、公演当日の15時というギリギリまでS席が買える状態でしたが、売り切れる事はありませんでした。
こういう時はどうなるの?
当日券として、残ったS席以外に、廉価版チケットも出るものなの?
僕は2日目の公演も観る事が出来るのだろうか。
いささか不安になりながら、当日を迎える事となりました。

ライヴ当日。参加席の発売はあるのか

この時期になっても、数日前まで台風の心配をさせられヤキモキしたのですが、なんとか台風は回避で、当日はよく晴れていい天気でした。
今回はグッズを買うのと、当日券の様子を見る事もあって、早目に行きました。
15時前に着いてしまいました。
後楽園駅から行ったら、ほど近い所にグッズ販売の二次会場がありました。
メインとなる22番ゲート正面の広場のグッズ売り場では、グッズ販売は12時からだったそうですが、後楽園側の二次会場は、僕が着いた時にはまだ始まってなかったのですが、トイレに行っている間に発売開始となったので、まったく並ぶ事無く、目当てのTシャツがすんなり買えちゃいました。

しかし、今回Tシャツは4500円と値上がり。
たしか昨年は3500円だったような...4000円だったかな?
まあでも、最近は、気に入ったTシャツがあったら絶対に買う事にしています。
数年前に、ブライアン・ウィルソンのライヴに行った時に、カッコいいと思ったTシャツがあったのに、4000円をケチってしまい、今でも後悔しているからです。
ライヴ・グッズは、欲しくても、後ではほとんど手に入りませんからね。そんな一生の後悔はもう嫌なので。
結局、あっさりグッズ購入に成功。
この後、メインのグッズ売り場の方も何度も見ましたが、さほど並んでる様子はなかったです。
何年か前の公演の時は、開演時間が迫ってきているのにグッズ売り場も長蛇の列だった事が印象に残ってるのですが、今回は空いてたようです。18時くらいにもチラッと見ましたが、あまり並んでなかった様な。

グッズ購入が終わって、あとは、当日券の様子です。
15時時点でそれなりの列はできていましたが、これなら売り切れになる事はなさそうな感じ。
係員さんに訊いたら、発売は15時30分開始だそうで。
そうですよね。ネットで15時まで買える状態なんですから。ネット販売を締め切ってから30分後の15時30分に、正式に当日券という事になるわけです。
それで、発売開始時間になると、「本日はS席のみの販売となります」とアナウンスがありました。
え、やっぱり格安チケットは売り出されないの?
それからしばらく様子を見ていて、当日券を求める人の列がなくなった頃に、当日券売り場に行って訊いてみました。
「昨年の公演では、6000円くらいで参加席とか体感席っていうのが出てましたけど、今回はないのですか?」
「はい、今回はS席のみです」
「明日もですか?」
「安い席が出る可能性はゼロではありませんが、今のところわかりません」
「それがわかるのはいつ頃ですか?」
「それは明日の当日券発売時間になってみないとわかりません。その場でしか答えられません」
「電話で問い合わせてもダメって事ですか?」
「そうです。この場でしか答えられません」
という事でした。
やっぱり、予想してた通り、今回はチケットの売れ行きが悪く、廉価版チケットを出すには至らなかったという事です。
たぶん、明日も同じ状態だろう、と思いました。
可能性はゼロではないと言ってましたが、わざわざ2000円以上交通費出して現場まで来てから、廉価版チケットはない、というのでは話になりません。S席18500円出すという選択肢は僕にはありません。あくまで廉価版チケットをゲットしての2日目観戦という目論見だったのですから。
これは明日はナシだな、とその時観念しました。
せっかく仕事の休みまで取っておいたのですが、明日はオフになりそうです。予定が崩れたのは残念ですが、この状況では仕方ありません。
今日のライヴに集中する事にしました。

2日間観戦は諦め、今日のライヴに集中

僕は普段は最終日を観るのが好きなのですが、今回は初日公演となりました。
まあ、最終日はナゴヤドームになるので、仕方ないとも言えるんですけど。
追加公演となった両国国技館公演は、湯川れい子さんのTwitterなんかを見ると、360°ステージになる可能性が高いという事で、それは桝席の人はかなり近くで観れて羨ましいなあ、と思うのですが、38500円というチケット代では、僕の選択肢には入って来ません。
行けない者のひがみで、武道館の時みたいに曲数削りそうだなとか、あんまりレアな曲やサプライズはやらないでくれよ、という事を考えてたりします。

まあ、でも今回、この日の公演を観る事になって良かった事のひとつは、ブログ仲間のryoさんにまたお会いする事が出来る事でした。
ライヴ前に、同じ音楽の趣味を持つ仲間と実際に会って話せるのは楽しいひと時です。
ryoさんとは17時頃合流しました。
会うなり「太っちゃいました」とryoさんは言ってて、たしかに僕もそれは一目でわかりましたが、長めの前髪をサラリと流して、黒縁のメガネをかけている姿は、若き頃のブライアン・ウィルソンみたいでカッコ良くて、ビーチ・ボーイズのファンでもある僕はなんだか羨ましくもありました。
ryoさんにはいくつか訊きたい事はあったものの、それ以外は何話そうか考えてなくて、間が持つか心配もあったのですが、好きな音楽の話題はあっちへこっちへと転がり、いろんな事を教えてもらって勉強にもなって、時間が過ぎるのはあっという間。
すぐに1時間が過ぎて、18時になってしまいました。
開演時間は18時30分なので、多少は遅れるとしても、トイレに並んだりする事もあるので、そろそろ会場入りした方が良さそうです。
今回もまた楽しい時間を過ごす事が出来、またの再会を約束してryoさんと別れました。

会場に入って、トイレに並んで、自分の席に着いたのは18時25分頃。
今回の僕の席は、S席1階3塁側27列421番。
好きな場所を選んで買ったのですから当然ですが、予想してた通りの位置・眺めの、良い席でした。
で、前方を見ると、ネットが外されてた事に気付きました。
ライヴの時って、いつもネットは外すものだったの?
今まであまり1階席のこんな席で観る事がなかったので知りませんでした。

それから、予想通り、今までなら注釈付きS席や参加席、体感席として開放していたレフト・ライト両スタンドは黒幕が貼られて閉鎖されていました。
近年のポールのライヴではなかった光景です。
そして、気付いたのは、横向きの小さなスクリーンがなかった事です。
これは、最初から、廉価版チケットの席の人のための事を考えてないという事です。
明日になってスクリーンを設置する事も考えられません。
となると、明日もし廉価版チケットが売り出されたとしても、スクリーンがないという事は、本当にステージの様子が見えない、音しか聴こえない悪い席となるわけで、それはさすがにきついなあ、という事で、僕は明日の公演は断念するという決定打となりました。

ほどなく開演時間になりましたが、予定より30分以上押した事もあるので、それまで本でも読んでいようかなと思ったのですが、今回はなんとなく早く始まりそうな気がしたので、それまでボーッとして待つ事にしました。
会場内を見渡すと、今までよりチケットの売れ行きが芳しくなかったとはいえ、ちゃんと2階席後方まで人が埋まっていたように見えましたし、特に、人の入りが悪いなあ、という風には感じませんでした。

ライヴのスタート

BGMが盛り上がり、いよいよライヴのスタートを示す時となりました。
18時45分。
予想してたよりも早く、ライヴの幕開けです。
メンバーが出てきました!
ポールはヘフナー・ベースを掲げて歩いているようです。
で、メンバーが所定の位置に付くと、なんと、僕の席からだと、機材に隠れて、ドラムのエイブとキーボードのウイックスがまったく観えない!
フロントのポール、ラスティ、ブライアンの3人しか肉眼で観えません。
まあ、今の時代はスクリーンがあるからいいのですが、やっぱり、全体を見渡したかったかな。
とにかく、ライヴのスタートです!

01. A Hard Day’s Night
02. Hi, Hi, Hi
03. All My Loving
04. Letting Go
05. Who Cares
06. Come On To Me
07. Let Me Roll It
08. I’ve Got A Feeling
09. Let ‘Em In
10. My Valentine
11. Nineteen Hundred And Eighty-Five
12. Maybe I’m Amazed
13. I’ve Just Seen A Face
14. In Spite Of All the Danger
15. From Me To You
16. Love Me Do
17. Blackbird
18. Here Today
19. Queenie Eye
20. Lady Madonna
21. Eleanor Rigby
22. Fuh You
23. Being For The Benefit Of Mr. Kite!
24. Something
25. Ob-La-Di, Ob-La-Da
26. Band On The Run
27. Back In The U.S.S.R.
28. Let It Be
29. Live And Let Die
30. Hey Jude
(Encore)
31. Yesterday
32. Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band (Reprise)
33. Helter Skelter
34. Golden Slumbers
35. Carry That Weight
36. The End

まずは「A Hard Day’s Night」
うーん、これはねえ...。
わざわざ『One On One Tour』から『Freshen Up Tour』へと、ツアー・タイトルを変更したわけだから、せめてオープニングの曲は前回と変えてほしかった。華々しいライヴの幕開けなのに、前回と同じでは、ツアーが変わった、しかもFreshen Upだなんて言っても、全然そんな気がしないもの。1曲目はみんなが驚く!前と変わった!と思える曲にしてほしかった。
だから、とても残念な幕開け。ライヴに対する期待感は高まりにくいのです。
しかも、ジョンのイメージの強い曲だしね。ミドルはポールが作ってるとはいえ。ここまでポールお気に入りの曲だとは思わなかった。
それに、なんだか音が悪いなあ、と思っちゃった。ヴォーカルは聴き取りにくいし、演奏全体がくぐもって聴こえるし。B席よりS席の方が音が良く聴こえる、ってわけでもないんだなあ、と。
それが正直な感想なんだけど、せっかくのライヴなんだし、楽しまなきゃ!と自分に喝を入れたのでした。

キュゥ~ンというギターの高音で始まる「Hi, Hi, Hi」
前回はアンコールで披露してたのに、今回はこの位置に。
アップ・テンポでハイ・テンションな曲だから、ライヴを早く盛り上げようというポールの意図は感じる。
で、今回のツアーの外国でのセットリストを見ると、「Hi, Hi, Hi」は日替わりメニューの可能性があって、もしかしたら、明日の東京ドームでは「Junior’s Farm」をやるかもしれないと予想。ああ、「Junior’s Farm」が聴きたかったな...。

お次は甘い「All My Loving」
僕はどっちかと言うと、ヴォーカルよりベース・ラインを聴いてたって感じ。

今回、1番楽しみにしていたのが「Letting Go」
と言うのも、これは是非とも生で聴きたいと思っていた大好きな曲で、前回の公演の際、セットリストに入ってたから、やってくれるかもと期待してたのに、この曲は日替わり選曲の対象になっていて、他の日にはやったのに、僕が行った日にはやらなくて、かなりガッカリしたからだ。前回公演の心残りは、この曲が聴けなかった事だったんだ。
だから、今回のツアーでもセットリストに入ってると知って、やった、前回のリベンジが果たせると思って、楽しみにしていたのでした。
演奏はウイングスよりもラフな感じ。
そして、目玉は、今回のツアーは、ホーン隊3人が加わった事。ウイックスの負担が少し減ったかな。僕の席からだと、フロントの3人しか観えなくて、ホーン隊はどこにいるのかな?と思ってたら、間奏のホーンの時にスクリーンに映し出されたのを観て、なんでお客さんがホーン隊の後ろに見えるの?と思って、客席を見渡してみると、アリーナの真ん中の通路の所でホーン隊は演奏してた!これはビックリ。
ウイングスの中でもかなり大好きな曲だから、これを生で聴けたのは夢の様でした。
ダルな雰囲気が最高。

「新曲をやるよ」と言って、NEWアルバム『Egypt Station』から「Who Cares」
フニフニと盛り上がる感じの不思議な曲。

次は「♪ イチバーン、イチバーン、イチババババババーン!」と歌い出したので、おお、やはり日本公演だという事で、日本語の入った「Back In Brazil」を持って来たかあ、と。
先日のフジテレビの特集番組で、湯川れい子さんがポールにインタビューした際、この曲を日本でやってくれたら、みんなでイチバンと合唱しますよと言ったら、ポールが「じゃあ練習しなきゃね」と言っていたので、日本公演の目玉の1つになると思ってたんだ。
だけど。
それは冒頭の歌い出しのみで、始まったのは「Come On To Me」
あれれ、そりゃないよ、と肩透かし。
ポップとハードが入り交じった曲。
終盤の「♪ Yes I Will Yes I Will...」のシャウトっぷりを楽しみにしてたんだけど、考え事をしていて、うっかり聴き逃す。

「Let Me Roll It」
正直、いい加減この曲は飽きた!と思ってたんだけど、1周回って意外と良かった(笑)。
気持ち良さそうにギターを弾く、ポールが大好きな曲なんだから、飽きたなんて言ってたら可哀想だな、真面目に聴こう、と思ったのが良かったかもしれない。
この曲が終わると、ジミヘンの「Foxy Lady」に切り替わるはずなんだけど、あれ?今回はナシ?と思えるほど、間があった。結局たっぷりタメを作った後、「Foxy Lady」は始まった。今までは、なんでこんなおまけを付けるの?と思ってたけど、今回は素直に、カッコいいギターの演奏だな、と思えた。

前曲のギターの余韻が残った流れで「I’ve Got A Feeling」
これもギターが印象的なブルージーな曲。
この曲もジョンの存在を意識してしまったな。後半のポールとジョンの2つのメロディが重なるデュエット・パートが好きな曲だから。
この曲も、ラストに、原曲にはない、ジャム演奏がおまけに付いている。ブルージーから、一気にハードなロックンロールになる、いいおまけだ。

ポールがピアノに移動して「Let ‘Em In」
これ、僕は初聴きだと思ってたのだけれど、後で調べてみたら、90年公演、02年公演と、2回もやってたみたい。全然記憶にない。
とりたてて好きではないからかなあ?でも、そういう意味では新鮮に聴けた。
ほのぼのとしちゃって、まさしくウットリ幸せって感じなんだけど、『Speed Of Sound』からやるんだったら、「Silly Love Songs」か「Beware My Love」をやってほしいのにぃ!と思っちゃう。

今の奥さん・ナンシーさんに捧げた「My Valentine」
スクリーンには、PV映像が映されたりしていて、間奏では、ジョニー・デップがギター・ソロを弾いている姿が。それを観てると、ついうっかりジョニー・デップが今演奏しているように錯覚してしまったが、いやいや、弾いてるのはラスティだから!と思い直す。
これもとても好きなバラードなんだけど、ポール、ナンシーさんに捧げる曲をもっと他にも作ってよ、と思ってしまった。

「ウイングス・ファンのために」と言って「Nineteen Hundred And Eighty-Five」
ウイングスの絶頂期にはライヴでやらなかったのに、今になって、ウイングスを象徴する曲として披露するんだから、なんとなく不思議。
でも、ドラマチックで大好きな曲だから、これは何度でも聴きたい曲だ。
演奏前と演奏後に、両手でウイングス・マークを作って、素晴らしい演奏に応える僕。でも、周りはウイングス・マーク作ってる人少なかった。知らない人多いのかな。

「Maybe I’m Amazed」
当日のポールの声の調子がわかる、難曲だ。前回観た時は、かなり声がよれて音程外して、うわうわうわ、とハラハラした曲だ。
はたして、今日はどうか。
歌い出し、おっ、今日は大丈夫かな?と思ったけど、やっぱりちょっとよれてかすれた(笑)。でも、音程外すまではいかなかったので、マシな方だと思う。
こんなに熱のこもったバラードというのもそうそうない。
情熱のギター・ソロと、ポールのシャウト。
聴けば聴くほど好きになる曲だ。
そして、ありがとう、リンダ。

ポールがアコギに持ち替えて、何が始まるかなと思ったら、「I’ve Just Seen A Face」
カントリーな曲だ。
欲を言えば、イントロのギター・ソロも弾いてほしかったな、という事。あそこが好きなのに。

ビートルズが初めてレコーディングした曲だと言って「In Spite Of All the Danger」
アメリカン・ロックを意識したような、雄大な曲。
前回公演の時に生で聴いて、好きになった曲。
「♪ オーオーオオ」のコーラスが印象的で、いったん演奏が終了したかと思わせて、お客さんに「♪ オーオーオオ」と歌わせてから、また演奏が始まる。自然と会場が一体になる曲で好印象。

次は「From Me To You」
「♪ ラララーララ、ズンズンダー」とキャッチーなコーラスで始まって、パァーッと華やかになる。これがかなりいいんだよねえ。
日本初披露だし、僕は、どうせだったら、この曲を1曲目に持ってきた方が良かったと思ってる。
でも、ポールはアコギを担当してるし、オリジナルよりややアコースティックなアレンジだから、この流れでここに持ってきたんだろうけど。
ウイックスのハーモニカも印象的で、期待通り良かったですよ。

「Love Me Do」
僕は、これはビートルズにしては凡作だと思ってるんだけど、「Please Please Me」はやらないのにこの曲は何度もやる、って事は、ポールにとっては、大切な思い入れがある曲なんだろう。
これもウイックスのハーモニカ。

バンド・メンバーが姿を消し、ポール1人になってのコーナー。
となると、お馴染み「Blackbird」
ポールの乗っている床が高くせり上がって、そんな中で難しいギターを弾きながら歌うのって怖くないのかな、と毎回思う。

ジョンに捧げた「Here Today」
昔は地味な曲だなあ、と思っていたけれど、これがポールなりのジョンへの追悼の仕方。
今回は何故か、今までより沁みた気がしました。
ギターをちょっとトチって、それにつられてヴォーカルが怪しくなった所も。

アコースティック・コーナーが終わり、バンド・メンバーも戻ってきて、ポールはセンターのマジカル・アップライト・ピアノになっての「Queenie Eye」
アルバム『NEW』から、後世にまで残るのは「New」の方だと思ってましたが、ポールが選んだのは「Queenie Eye」の方でした。
「♪ オイ!」と合いの手を入れるのが楽しかった。

「Lady Madonna」
ポールの軽快なピアノから始まります。
ホーンが、ウイックスのキーボードでの代用ではなく、今回はちゃんとしたホーン隊がいるので、迫力がありましたね。

ポールがまたアコギを持っての「Eleanor Rigby」
これは、いまだにライヴ向きな曲ではないと思ってるんだけど、意外と再現できちゃうもんなんですねえ。独特の世界観を作り出しています。

「ツギハ、ハツコウカイ!」と言ったので、おおっ、サプライズか!?とテンションが上がったんですが、「Fuh You」でした。
なんだ、これならセットリストに入ってるの知ってたよ。
でも、これはポールに「初公開」と言わせた人が悪いですね。普通に「新曲」と言わせれば良かった。
冒頭はポールらしいポップな感じながらも、サビはゆったりとして、ややオーバーになる曲。

「Being For The Benefit Of Mr. Kite!」
この曲も、まだやりますね。ジョンの曲なのに。実際、この曲にはどこまでポールが関わってたのかなと。単純に、ポールが好きな曲なのかな。
間奏のサーカス・サウンドのパートでは、照明がレーザービームになり、ドームの天井に模様を描くんだけど、前回より地味になってた気がした。

ウクレレを手にして、ジョージに捧げる「Something」
この曲はジョージが亡くなってすぐにレパートリーに加えたけれど、02年の来日公演の頃は、ウクレレ演奏だけで終わってたんだよね。
それが、いつの頃からか、途中からバンド・サウンドになる演出になって、一層感動的になった。
今回も、温かく沁みる演奏だった。

「一緒に歌ってほしい」と言って「Ob-La-Di, Ob-La-Da」
素直に楽しくなれるというか、無心で、バカになって一緒に歌うのが心地良い。

「Band On The Run」
うっとりメロウに始まり、サスペンス調の間奏では、合いの手を入れるのが楽しい。そしてブライアンが素早くアコギに持ち替えるのを今回もしっかり見届けてからの、華やかなサビ。
そんなドラマチックな構成だから、飽きないし、何度聴いてもいい。
で、このライヴでのポールはベースはずっとヘフナーを弾いてるわけだけど、ウイングスの曲では、リッケンバッカーのベースを使ってほしいなあ、なんて事をふと思いました。

飛行機のジェット音が聴こえてきての「Back In The U.S.S.R.」
性急なビートに、素直にノレる。
もうすぐリリースされる『White Album』の50周年盤が俄然楽しみになった瞬間でした。

ポールがまたピアノに移動して、さりげなく始まった「Let It Be」
この曲が始まると、何故かいつも他の事を考え出しちゃって、曲に集中できない所がある。
なので、いつのまにか終わっちゃう、って感じ。せっかくの名曲なのに、いつも堪能できない。

そろそろ「Hey Jude」かなあ、と思ったんだけれど、それが始まる様な雰囲気ではなく、あれれ?と思ってたら、始まったのは「Live And Let Die」
そっか、まだこの曲があったんだっけ。
爆音、火柱の演出はもうお馴染みで、僕は爆音が鳴るタイミングで耳を塞ぐんだけど、周りには耳を塞いでる人は全然いなくて、みんな平気なのかな?と。
終盤では、ステージ上で爆竹と言うよりも花火に見えるものがバンバン上がっていて凄かった。今までのような2階席では気付かなかった演出。

そして、前曲の喧騒、興奮が冷めないうちに、センターのマジカル・ピアノに移動してサラリと始めた「Hey Jude」
本編ラストです。
ふと会場を見渡すと、たくさんの人が、スマホのライトを点灯させていて綺麗でした。前回のライヴでは、主催者側からサイリウムを渡されたけど、サイリウムの色よりも、スマホのライトの方が綺麗な景色だと思いました。
壮大で感動的なバラードは、今回も「♪ NaNaNa」のコーラスを「ダンセイダケ」「ジョセイダケ」などポールが指示を出しながらみんなで合唱。
やはり、この曲がないと終われません。ビートルズ時代にはライヴで演奏される事はなかった曲だけど、ライヴでやる事によって、とてつもなくさらに大きな存在感を放つ曲になったなあ、と改めて思い知らされました。

本編終了。
この時点で20時55分。
まだ21時になってないとは。これなら帰りの電車はまったく心配なさそうです。

ほどなくアンコールで、メンバー再登場。
日本とイギリスの国旗を振っての登場でしたが、後での情報によると、この日はハロウィンという事で、ポールたちもお面を被っての登場だったようです。まったく気付かなかった。

ポール1人でアコギを持っての「Yesterday」
あ、でもウイックスがキーボードでストリングス音弾いてたか。
とにかく、この曲は短い、という印象。

で、歓声に応えながら、ショーはもう終わりだよとばかりに、袖に引っ込もうとするポールを、ローディーさん(名前なんだっけ...)がギターを持って来て制止し、まだ終わらせちゃダメだよ、と小競り合いをする小芝居もお馴染み。
仕方ないなとばかりにギターを持ち替えて、センターに戻るポールが、わかっちゃいるけど微笑ましい。

「Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band (Reprise)」
『Pepper』の冒頭を飾る本曲よりも、このリプライズ・ヴァージョンの方が、ライヴではすっかりお馴染みになっちゃった。こうなると、もはやこちらの方が本編みたいな気が...。

「Helter Skelter」
13年公演の時は、帰りの電車が間に合わなそうだったので、この曲の時に席を立ち、トイレの中で聴いたという印象が強い。
今回は電車の心配はないので、じっくりと鑑賞。
76歳にもなって、こんなハードな曲を演奏するなんて凄いよね。
やっぱポールはロックンローラーだよね。
冷静に考えるとお爺ちゃんなのに、凄すぎるよ。

「Golden Slumbers」「Carry That Weight」「The End」
ライヴのラストは「The End」なのは確定としても、「Sgt Pepper(Reprise)」からの「The End」より、やはり「Golden Slumbers」からの「The End」のアビイ・ロード・メドレーの方が、最高にしっくり来る終わり方。もうこれは一生定番でいい。
「You Never Give Me Your Money」の件は何度聴いても切なくて胸がキュンキュンするし、「♪ Boy You’re Gonna Carry That Weight」の所を聴いてたら、ああ、やっぱビートルズは僕の音楽体験の原点だなあ、という事を痛烈に感じた。ポールの来日公演は毎回観てきたけど、こんな風に思ったのは初めてだ。
前回の公演の時は、席が悪かったから、混雑する前に帰りたいと思い、「The End」の3人のギター・バトルの際に席を立たざるを得なくて、じっくり観れなかったので、今回はじっくりと観る事が出来た。
3人ともがカラーの違うソロを交互に弾いてるのが楽しそうで。でも確実にライヴが終わりに近づいているという寂しさもあって、複雑な気分になったりもして。
そして、美しいコーラスと共に、大団円のエンディング。

今回が最後かもしれないけど、次もあると信じたい

終了したのは21時15分。予想してたよりかなり早い。
ポールのライヴって、19時に始まって22時に終わる、っていうイメージが強かったら、かなり早く感じた。
前回より3曲少なかったし、アンコールでお客さんをステージに上げていじったりするコーナーがなかったしね。
短く感じたけれど、それでも2時間30分はやってるわけで、コンサートとしたら長い方。

通路側の席だったので、終わったと同時に、サッと席を離れて、かなりスムーズに帰路に着けた。
去り際、ポールが「マタアイマショウ」と言ってるのが聴こえた。
この言葉は、来日公演最終日に聴くと意味合いが違ってくるけどね。まだ初日だからね。
また何年後か、ポールを観られる機会が訪れるかなあ。
今回は、今までに比べたら、チケットの売れ行きが芳しくなかったから、ポールも「さすがに日本には来すぎたかな」と思って、もうしばらくは来ないかもしれない。
そのうち80歳を過ぎちゃって、どんどん衰えて、なんて思うと、ホントに今回が最後かもしれないと、半ば覚悟もしてたんだけど、でも、まだ次もあるはずだと信じてしまっている自分がいる。

前回のセットリストとの比較

結局、前回のライヴとセットリストほとんど変わってないような印象だったけど、後で確認してみたら、前回僕が観た時にはやったのに、今回やらなかった曲は、
Junior’s Farm
Can’t Buy Me Love
Jet
Temporary Secretary
We Can Work It Out
You Won’t See Me
And I Love Her
New
The Fool On The Hill
FourFiveSeconds
I Wanna Be Your Man
Get Back
と、12曲もありました。
思ったよりも変化があったんだな、と。
でも、前回は計39曲だったのが、今回は計36曲。
3曲少なくなって、新曲が3曲入って、という事は、差し替えた(前回やらずに今回やった)のは6曲だけとも言えます。
それでいて、今回聴けた6曲というのは、
All My Loving
Letting Go
Let ‘Em In
I’ve Just Seen A Face
From Me To You
Helter Skelter
僕にとって初聴きとなったのは「Letting Go」と「From Me To You」だけなので、やっぱり、いつもと同じようなセットリストと感じてしまったのは否めないんだな。
これは、「Freshen Up」というタイトルが期待を抱かせた分、逆効果だな。

あの歳でこんな凄いライヴをやるスーパースター

NEWアルバムからは、予想通りの3曲が披露されたんだけど、うーん、どれもとりたててライヴ向きな感じはしなかったな。悪い曲ではないんだけど、特別盛り上がるわけでもない。
秘かに期待した「Back In Brazil」もやらなかったしね。
曲の雰囲気や印象は3曲とも似た感じだったので、だったら、1曲くらいバラードっぽいのを入れた方が良かった気がする。

ライヴのスタート時は音が悪いと感じたけれど、途中から慣れてきたのか、音響スタッフががんばって修正したのかわからないけど、全然気にならなくなった。
ヴォーカルも楽器もそれなりにちゃんと聴こえたし、不満は感じませんでした。

ポールのMCは、今回も結構日本語がんばった。
「びぃとるずぅ」と、明らかに英語のBeatlesという発音&アクセントとは違う言い方をしたりもしてて。誰が教えたんだ(笑)。
で、それ以外は今回もスクリーンに同時通訳の日本語テロップが出たんだけど、ポールが喋ってからの日本語の表示がかなり遅いし(まだ訳し終わってないのに次の曲の演奏が始まって、結局全部訳しきれないで終わるという事がかなりあった)、打ち間違いで意味不明な日本語になってる場合も多いしで、今回の同時通訳はかなりレベルが低かった。

ポールの声の衰えはね、あまり気にならなかったよ。
もちろん、よれたり、かすれたり、うまく声が出てないなと思う所も多々あったけれど、だからと言って、「ポール衰えたな、残念だな」とはまったく思わなかった。
今の声だからこそ出る魅力というのもあったし、衰えてるのに頑張ってる姿に萌えたりもするし、怪しい所は僕の脳内で勝手に補足・変換されてしまうので、まったく問題なかった。
とにかく、あらためて考えるに、ポールは76歳のお爺ちゃんなわけで、そんな人がはるばる日本まで来て、こんな凄いライヴをこなすんだから、それだけでも凄すぎる。
スーパースターでもあり、別の意味でも超人だ。
そんなポールが観れるのは、ホントありがたい事だ。

それに、自分で選んだ席だから、さすがに良かった。
通路側の席で、周りに気を使う事もなく、なんのストレスも感じず観る事が出来た。
今まで2階席は座っての鑑賞。じゃあ、1階席はどうなんだろ、と思ってたけど、僕の周りでは、立ってた人はパラパラいた程度。僕の前方の人が立ったら、見え辛いだろうから立とうと思ってたけど、結局、僕の前方は座ったままだったので、僕も座ったままの鑑賞だった。
座ったままだと、眠くなってしまうという心配があったのだけれど、今回は全然眠くなる事もなく、それでいてリラックスできて、体を揺らしたり、手拍子や拍手をしたり、一緒に歌ったりと、ライヴを楽しむ事ができた。
それが何よりで、セットリストに多少の不満はあったし、近年の来日ラッシュで新鮮さは薄れ、心底感動したとは素直に言えないけれど、今回も無事、ポールの元気な姿を観る事が出来て、良い思い出になったなという事は間違いない。
当初の計画では、2日間観るつもりでいたけれど、1回で良かったかもしれない。2回観てしまうと、思い出がごっちゃになって焦点がぼやけてしまうかもしれないからだ。良き体験は1回だけの方が、強く印象に残るんじゃないかな。
だからまた何年後かに。観られるといいよなあ。

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