デヴィッド・ボウイ おすすめアルバム・ランキング

大好きなアーティストのアルバムをランク付けするシリーズ企画。
今回は、デヴィッド・ボウイ。

好きなアーティストのアルバムをランク付けするのって、非常に難しい。楽しいけど。
その日の気分によっても違ってくると思うし、はっきり優劣があるものもあるけれど、そもそも好きなアーティストの作品なんだから、どれも好きで、順位なんて紙一重のものが多いでしょう。
それでもやっぱり、ランク付けしてみたくなります。楽しいから。

好きなアルバムの定義ってなんだろう?と思います。
大好きな曲が入ってる、全体の流れや空気感が好き、ジャケットが好き、リアルの生活における思い出とリンクしている...など、いろいろあると思うんですが、僕が重要視するのは「ワクワク度」ですね。
そのアルバムを聴いている時はもちろんなのですが、「それを聴いてない時でも、そのアルバムの事を考えると、ワクワクしてしまう」ものが自分にとって上位なんだと思うんです。
個人的に思い入れの深い順ではありますが、それこそがみなさんへのおすすめ順。
好きなものをおすすめしたいです!

コメントの次には、各アルバムの中で1番好きな曲を、No.1 Songとして表記しました。
ジャケット写真をクリックするとTower Recordsへのリンクになってます。

第1位 『The Rise And Fall Of Ziggy Stardust And The Spiders From Mars』

コレがボウイとの出会いであり、今でもダントツの1位。
グラム・ロックなんだけど、煌びやかだけでない儚さ、悲しみを持った名盤。
メロディ、サウンド、コンセプト、聴きやすさ、どれをとっても非の打ちどころがなく、まさしく捨て曲一切無しの完璧なアルバム。
ジギー、まさしくロック・スター。

No.1 Song 「Suffragette City」

第2位 『Station To Station』

『Ziggy』への思い入れがもう少し薄かったら、コレを最高傑作としてたかもしれない。
ボウイのそれまでの過去から、これからの未来への橋渡しとなったとも思える作品。
全6曲と少ない曲数が不満を感じる事もあるけれど、それだけ凝縮されているとも言えるのかな。曲数が少ないと、1曲の長さが長い曲もあるわけですが、全然ダラダラしておらず、まったく飽きません。クールでダンディでコミカル、色んなボウイの顔が詰まってます。

No.1 Song 「Wild Is The Wind」

第3位 『Heroes』

ベルリン三部作の中では、コレが突出して好きで、聴くたびに好き度が増しています。
A面のロック寄りのサウンドも圧倒されるし、B面のインストは『Low』と違って穏やかな面があり、インスト苦手な僕でも興味深く聴けました。そして、アルバムがインストで終わらず、最後に歌モノが再び登場して終わるというのが感動ものなのです。
アルバム全面を覆う緊張感が程良い塩梅。

No.1 Song 「The Secret Life Of Arabia」

第4位 『Reality』

前作『Heathen』の勢いそのままに、いや勢いを増し、極上のドラマを見せてくれます。
シングル・ヒットするような決定的な曲は無いのですが、粒揃いの佳曲ばかりで、アルバムとして飽きる事なく聴き通せるロック色の濃いアルバム。
コレをリリースした直後に観た来日公演の良き思い出も絡んで、どうしても好印象。

No.1 Song 「Days」

第5位 『The Man Who Sold The World』

ミック・ロンソンを得た事は大きく、一気にハードなグラム・ロックに傾きました。
トニー・ヴィスコンティのベースなど、リズム隊も気持ち良く、このサウンドはたまらない。
女装したボウイ1人きりのジャケットですが、バンド・メンバーに支えられてるなと思える1枚です。

No.1 Song 「The Width Of A Circle」

第6位 『Heathen』

ボウイの新作として、初めてリアルタイムで聴いたのがコレです。そしてコレが大当たり。
緩急バランス良く織り交ぜて展開されていって、どの曲もメロディの良さが際立ってます。
ボウイ、歳取ってからも良いアルバム作るじゃないか、と感動したのを憶えてます。

No.1 Song 「Afraid」

第7位 『The Next Day』

半ば引退状態だったボウイの突然の復活に興奮したのを鮮烈に憶えてます。「これから活動を始めるよ」じゃなくて「もうアルバムが出来ているよ」だったのですから。
内容も、10年も沈黙してた人の作品とは思えない現役感に溢れてます。
ロックでメロウ、バランス良くバラエティに富んだ集大成と思える、期待に応えてくれたアルバムでした。

No.1 Song 「The Stars (Are Out Tonight)」

第8位 『Diamond Dogs』

硬派なギターを中心に、ダイナミックでギラギラしたサウンド。
歌詞の内容はわからなくとも、コンセプトがヒシと伝わってきて、アルバムとして優れていると思います。

No.1 Song 「1984」

第9位 『Hunky Dory』

前作『The Man Who~』よりも、ロマンティックな面を強調、ジャケットのイメージ通り、色気のある1枚。
B面が少し弱いかなあという気がします。A面のような華やかさがあれば、もっと名盤になったかも、と(とは言え、コレを最高傑作に挙げるファンも多いのも承知)。
でも、そのちょっとの物足りなさが、次作で爆発する気配を漂わせているんですよね。

No.1 Song 「Life On Mars?」

第10位 『The Buddha Of Suburbia』

3週間という短い期間での制作らしく、そのためにムリヤリ新しい事をやるのではなく、ボウイの得意分野というか、素直に引き出しを開けた感。
ベルリン三部作を思わせる部分もあり、穏やか。ドラマのサントラという事もあり、統一感もあります。
サントラの企画盤と侮るなかれ、ボウイ復活を感じさせる、れっきとしたオリジナル・アルバムです。

No.1 Song 「Dead Against It」

第11位 『Aladdin Sane』

前作『Ziggy』でグラム・ロック・スターの座を確立したボウイ。
ザラついた、ギラついた、よりハードなロック路線へと向かいました。
ボウイよりも、ミック・ロンソンとマイク・ガーソンの活躍ぶりに耳がいったりします。

No.1 Song 「Aladdin Sane」

第12位 『Tonight』

大ヒットした前作『Let’s Dance』の勢いを活かす事が出来なかった感のあるアルバム。
ボウイ自作の新曲が少なく、余裕が無かったのではないか。なのに余裕ぶって見せて空回りしてる様がファンに見透かされてしまったというか。
ただ、単純に良い曲もあって、僕は結構好きなんだよなあ。

No.1 Song 「Loving The Alien」

第13位 『Let’s Dance』

大ヒットしたのに、ファンや評論家からの評価が低いアルバムだよね。僕は普通に好きなんだけど。
ボウイが大衆に迎合したとか言われるけど、クールな姿勢は相変わらずだし、聴きやすいし、とっつきやすいと思います。
冒頭の3曲が強烈すぎるでしょ。それだけでノックアウト。

No.1 Song 「China Girl」

第14位 『1.Outside』

陰鬱で混沌とした感じがカッコいいです。
ボウイは攻めるアーティストなんだと再認識。
ボウイ史上長尺のアルバムだけど、次から次へと繰り出される20曲は飽きる事ないです。

No.1 Song 「Strangers When We Meet」

第15位 『Hours…』

どこかフワフワとしていて穏やかなのは、まるで天国からの贈り物のような印象を受けます。
若いボウイと現在のボウイが写っているジャケットは、これまで培ってきたキャリアを総括するような示唆に富んでいます。
初めは地味に思っていましたが、聴く度に「もしかしたら名盤かも」との思いが強くなっています。

No.1 Song 「Seven」

第16位 『Low』

世間での高い評価、カッコいいジャケット。名盤の香りがプンプンしますが、インストが苦手な僕にはそこそこかなと感じてます。初めは良さが全然わからなくて。
エキセントリックでもありポップなA面と、陰鬱なインストのB面のギャップが凄い。
前よりはマシになったものの、今でもよくわからなくて、いつの日かコレが名盤だと思える日が来る事を期待しています。

No.1 Song 「Sound And Vision」

第17位 『★ (Blackstar)』

前作『The Next Day』程ではないけど、コレもまた突然と言えるリリースでした。
発売日に入手していて、これから聴こうと思ってた矢先の訃報に絶句。
亡くなってから聴いたので、重たい空気が流れていると感じるし、これが遺言なのか、最後の輝きなのか、という視点で聴いてしまうんだけど、もしコレを、亡くなる前に聴いていたら、どう感じていただろうかと思います。もちろん答えは出ないのですが。

No.1 Song 「Dollar Days」

第18位 『Scary Monsters』

ニュー・ウェーブとして括られる事も多いけど、ハードで硬派なロックンロール・アルバムとの印象です。
華々しい80年代の幕開けを予感させます。
大好きな「Ashes To Ashes」が入ってるという事で大きく期待したんだけど、アルバムとしてはそれほどでもなかったかな。むしろ、「Ashes To Ashes」だけが異質な感じです。

No.1 Song 「Ashes To Ashes」

第19位 『Lodger』

ベルリン三部作とはいえ、ほとんどベルリンと関係ないらしいし、アルバムの作りも前二作とは全然違いますね。
前二作の肝だった重厚なインストもほとんど無く、アルバム全体に開き直ったような明るさがあって、むしろ騒がしい感じがします。

No.1 Song 「D.J.」

第20位 『Tin Machine II』 / Tin Machine

Spotifyで扱ってないし、評判も悪いし、ってことで、長い間聴く気になれなかったんだけど、いざ聴いてみたら、なかなかどうして、気に入った。
トリッキーで激情的なギター・サウンドが光るロック・バンドの2nd。
1stよりも幅が広がってます。
黒歴史にするのはもったいない。

No.1 Song 「If There Is Something」

第21位 『Never Let Me Down』

世間的には失敗作と言われているし、80年代サウンドの悪い部分が目立つ気がしますが、良い曲もあるし、そこまで貶す事もないと思います。
ストレートなロック・サウンドで、それをこの時期のボウイがやる必要があったのかという疑問はありますけど。
ピーター・フランプトンのギターの評判が良くないようだけど、僕は結構好きです。

No.1 Song 「Bang Bang」

第22位 『Young Americans』

ソウルやファンクといった、優雅なサウンドのアメリカン・ミュージックへの傾倒。
ジャケット通り、大人になったボウイといった感じで、それまでのバンド・サウンドから、真の意味でのソロ作品となったように感じます。
ソウルといっても、のっぺりしたイメージが強いです。

No.1 Song 「Fame」

第23位 『Earthling』

ドラムンベース、ジャングルビートといった、流行りに素早く反応したボウイです。
そういう新しさに目を向けたためか、明るく賑やかな印象です。
そしてなんと言っても、ユニオン・ジャックのスーツに身を包んだ後ろ姿のボウイのジャケットがカッコ良すぎです。

No.1 Song 「I’m Afraid Of Americans」

第24位 『David Bowie (Space Oddity)』

デビュー作と同じく、フォーク・ロックを基本としてるものの、退廃的でロマンティックなメロディが強調されてきて、ボウイらしさが出てきた感があります。
1曲目のタイトル曲が素晴らしすぎるんだけど、他の曲はちょっと退屈で段々テンションが下がっちゃうかな。

No.1 Song 「Space Oddity」

第25位 『Black Tie White Noise』

ボウイに興味を持った時に、新作としてリリースされたのがコレだった(聴かなかったけど)ので強く印象にあるアルバム。
ダンディなジャケットのイメージですが、サウンドは意外と派手目。
全英1位を獲得した事もあり、80年代半ばからの迷走を経ての復活盤と言われてますが、僕的には、特に興奮する所を持てないアルバムであります。

No.1 Song 「I Know It’s Gonna Happen Someday」

第26位 『David Bowie』

ジャケットのボウイはモッズ風。
素朴なフォーク・ロックなサウンドは、キンクスぽいです。
ボウイの作品として聴くと違和感があるけれど、60年代フォーク・ロックとして聴けば、これはこれで充分アリなのかも。

No.1 Song 「Love You Till Tuesday」

第27位 『Tin Machine』 / Tin Machine

ハードなギターを中心とした、シンプルなロック・バンド。
ブルースっぽいものや、パンクっぽいものも。
若者に負けじと頑張るも、大人の余裕を見せられなかった感のあるのがティン・マシーンの1stです。

No.1 Song 「Under The God」

第28位 『Pinups』

『Ziggy』『Aladdin』の延長線上にあるバンド・サウンドなので、もっと好きになれてもいいのだろうけど、根本的にカヴァー・アルバムが好きでない僕にとっては、やっぱりあまり魅力を感じられないアルバム。
なんか、ボウイのアルバムを聴いてる気がしないんだよね。

No.1 Song 「Where Have All The Good Times Gone」

さて、いかがでしたでしょうか。
みなさんの好きなデヴィッド・ボウイと僕の好きなデヴィッド・ボウイには、どれだけ違いがあったでしょうか。
同じアーティストを好きでも、同じアルバムが好きとは限らないのが面白い所だったりします。
「やっぱりこのアルバムは上位だよね」とか「どうしてこのアルバムがこんなに下位なのか」といった、いろんなファンの方の意見があると思います。
僕は、そういうファンの意見の違いを面白がったりしたいので、まずは自分の好みを披露してみました。
「自分の好みと違うなあ、それなら聴き直してみようかな」とか「そのアルバム聴いた事なかったけど、聴いてみようかな」とか、みなさんがボウイを聴くきっかけになれるとしたら嬉しい事です。
ボウイが亡くなってから5年が経ち、誕生日&命日のある1月のうちに記事をアップしたいと思ってました。間に合って良かったです。

僕がボウイの音楽を聴き始めたのは30年くらい前からですし、来日公演も行きましたが、全アルバムを毎日の様に聴くほどハマったのは最近です。
つまり、まだまだボウイ初心者、にわかファンのランキングと言ってもいいでしょう。
聴きこみが足りないアルバムが多いのは重々承知ですし、同じアルバムでも、聴くタイミングによって印象が変わったり、これから何度か聴き続けたりする事によって良さがわかっていったりする事もあるでしょう。
これは現時点でのランキングで、今後ボウイを聴きこんで、理解する事によって、順位が変動してくる事はあるかもしれません。
ボウイを好きになった今の抑えきれない気持ちが走って、にわかファンでありながらこんなランキングを発表しましたが、これからもっとボウイのアルバムを聴きこんでいきたいと思いますので、またいろいろと変化してくるかもしれません。
それが、いい変化であれば、言う事はないですね。
もっともっとボウイを好きになっていきたいです。

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