相対性理論 Live@日本武道館 2016.7.22 感想

2016年7月22日(金)@日本武道館

武道館、大丈夫?

前回、2014年のTOKYO DOME CITY HALLでのライヴを観た時は、お客さんはアリーナにしか入れてなくて、1F~3Fのバルコニー席は閉鎖してた。
つまりは、それだけしかお客さん入ってなかった相対性理論が、今度は武道館でやるだなんて大丈夫なのか?と不安だった。武道館を埋める程、相対性理論のファンはいるのか?と。

そんな感じなので、チケットは一般発売で余裕で獲れると思ってたけど、発売同時に買ったのに、2階最後方席。
もっといい席が獲れると思ったんだけどなあ。でも、僕にとっては最後方席はいい席なので、いいんだけど。
それから1~2週間でチケットは完売したみたいで、とりあえず一安心。ガラガラの武道館なんて、観たくないもんね。

ライヴ当日。会場へ

僕の席は2階南西X列40番。
最後方列で、ステージからはもっとも遠い席だけど、すぐ横が通路になる席なので、周りをあまり気にせず楽に観られる、僕にとってはいい席。
でも、発売と同時に買った僕がこんな最後方の席なんて、じゃあアリーナとか、前の方の席の人は、いつどこでチケットを買ったんだろう、と疑問が湧く。
で、客の入りなんだけど、実は、八角形のステージが、アリーナの半分くらいにまでせり出して設置されているため、お客さんも、武道館のほぼ半分くらいしか入れてなかった。
西スタンド半分~北スタンド~東スタンド半分には、お客さん入れてないの。

アーティストによっては、ステージの後ろ側になる北スタンドにまでお客さんを入れている場合もあるから、一口に武道館公演と言っても、アーティストによって動員人数はかなり差があるんだなあと思った。
相対性理論の場合、チケットは完売で、予定してた分の客席はすべて埋まっていたけれど、そもそも予定してた数そのものが少なくて、客席のほぼ半分は空席だったわけだから、あれでは武道館満杯とはとても言えないなあ。

ライヴのスタート

開演時間の7時を15分近く過ぎて、ようやく暗転。
北スタンドに目一杯広げられたスクリーンに、「FLASHBACK」のPVが流れる。

01. 天地創造SOS
02. ケルベロス
03. 地獄先生
04. キッズ・ノーリターン
05. わたしがわたし
06. 13番目の彼女
07. さわやか会社員
08. 夏至
09. LOVEずっきゅん
10. YOU & IDOL
11. 弁天様はスピリチュア
12. ロンリープラネット
13. Z女戦争
14. ベルリン天使
15. とあるAround
16. ミス・パラレルワールド
17. おやすみ地球
18. FLASHBACK
(Encore)
19. スマトラ警備隊
20. ウルトラソーダ

「FLASHBACK」のPVが終わって、「天地創造SOS」の演奏が始まった。どうやら、ライヴが始まった、らしい。
というのも、ステージの床が真っ黒で、メンバーも黒の衣装、さらには、スポットライトをメンバーに当てずに、間接照明的な光しかないものだから、とにかく、メンバーの姿が見えない。

まるえつを始めとして、メディアにはほとんど顔を出さない、ミステリアスな存在の相対性理論だから、こんな風になりそうなのはわかっていたけれど、それにしても見えなさすぎ。
ステージ前方のあの辺に、まるえつがいるみたいだけど...くらいにしかわからない。2階最後方からでは、メンバーのシルエットを確認するのも一苦労だった。
で、メンバーに光を当てない分、レーザービームとか、照明の演出にはすごく凝っていた。
特に、まるえつの頭上で光の輪がくるくる回ってるのは不思議で、どうなってるのだろうと思った。
メンバーじゃなくて、照明の演出を観てください、というコンセプトだったのだろう。
だけど、メンバーが歌ったり演奏してる姿が観たい僕としては、こういうのはキツかった。
ヴォーカルや演奏が上手くて、CDの音源とあまり変わらないくらいに再現されているのも、こうなると逆効果で、真っ暗の中で聴かされているのは、生演奏じゃなくてCDなんじゃないか?と思ってしまうほど。
それだけ、メンバーの姿が観えないというのは辛い。ライヴという感じがしない。

MCもないし、メンバー紹介もないし、まるえつが曲前に、たまに呟きを発する程度で、お客さんを煽る様な事は一切しない相対性理論だから、お客さんの方もおとなしいもの。
僕がいた2階席はもちろんだけど、後で聞いた所によると、アリーナも全員座ったままだったって。オールシッティングの武道館。

そんな、真っ暗で、メンバーの姿が観えないのは非常に辛くてね。僕は光の演出を観に来たわけじゃないのに、って。
こんな状態で座っていれば、当然眠くなってしまうわけだ。
先日のクラプトンの時の失敗から、今回は目薬を持って行ったので、ヤバイと思うたびに目薬を差してたので、クラプトンの時ほどひどい状態ではなかったけれど、それでも、かなり眠気とは戦ってたね、今回も。

ただ、良かったと思えるのはセットリスト。
NEWアルバムの『天声ジングル』が大好きだから、それを中心にやってくれればいいと思ってたけれど、その『天声ジングル』からは全曲披露で、それもほぼアルバムの曲順通り、そしてたまに古い曲を挿し込むという構成だった。

アルバムの曲順通りというのは、非常にしっくりいくもので、ライヴの最初の曲は「天地創造SOS」がいいなあと思ってたら、それで始まったのは感動だし、「わたしがわたし」の後は、一番好きな「13番目の彼女」が聴きたいなと思った瞬間、そのイントロが流れるのは痺れた。
ライヴ終盤で「とあるAround」が始まった時は、いよいよ佳境だなあと実感できるし。
アルバム完全再現ではないけれど、流れはわかっているので、非常に安定していた。

そして、そこに挟み込まれる古い曲。
「地獄先生」「さわやか会社員」が生で聴けたのは良かったし、まるえつが「ずっきゅんしてもいいよ」と呟いて始まった「LOVEずっきゅん」の時は客席が一番湧いたように思うし、「ミス・パラレルワールド」「キッズ・ノーリターン」「YOU & IDOL」など、以前のアルバムの中でも特に好きな曲や代表曲が選ばれている感じで。

以前のライヴでもそうだったように、今回もまるえつのソロ名義の曲もやってくれるかなあと期待してたら、2曲もあって、特に聴いてみたかった「Z女戦争」をやってくれたのは期待通り。
でもこの曲、ももクロ・ヴァージョンでもかなり忙しい曲なので、これをバンドで演奏となると、かなり慌ただしくとっちらかって聴こえた。
この曲の肝のメリハリが表現出来てなくて、イマイチだったかなあ。もうちょっと練習が必要、みたいな。

「ロンリープラネット」の前には、まるえつ抜きのバンドによるインストがあったけど、これが長かった。
カッコいい感じはあって、照明の演出も映えてたとは言えるんだけど、基本的に僕はインストが苦手なので、知らない曲だし、早く終わんないかなあ、と思ってしまった。

アルバムの終わりと同じ様に、「FLASHBACK」をもって本編終了。

さて、アンコール。
まだやってない曲で、やってほしいのは「スマトラ警備隊」だなあ。
そう言えば、『天声ジングル』から「ウルトラソーダ」もやってないんじゃね?
と思ってたら、まさしくその2曲がアンコールで。
それまでほぼ定位置で演奏していて、動きの無かったメンバーが(というか、暗くてほとんど見えなかったんだけれども)、アンコールになって、やっとギターの永井さんがベースの吉田さんの所に寄って行って、見合う形で弾きあってたのが印象的。
最後まで、まるえつの姿はほとんど確認できず。

セットリストは良かったけれど、武道館の意味あった?

セットリスト的には、かなり満足のいくものだった。聴きたい曲は全部やってくれた感じ。
でもね、やっぱり武道館は似合わなかった。
メンバーの姿が暗くて見えないというのはキツい。アリーナとかだったら、それなりには見えたのかもしれないけど。
なるべく姿を見せたくない、ミステリアスが売りなバンドなのはわかってるから、それなら、やっぱり武道館みたいな大きな場所ではやらない方がいいな。もっと、小ぢんまりした所じゃないと。ミステリアスなんだから。
まるえつの醸し出すあの世界観は好きだけど、その見せ方には限界がある。
TOKYO DOME CITY HALLの時は、小さいホールのアリーナだったから、メンバーの姿もちゃんと見えたし、満足できた。あれくらいの大きさがいいよね。
今回は、とにかく暗くてダメだった。それが大きな減点。

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